サイプレス・ホールディングス(428A)全国規模の海鮮仕入ネットワークを活用して食材を調達
海鮮、寿司、焼き鳥などの和食ブランドを中心に多くのブランドを展開する外食企業
全国規模の海鮮仕入ネットワークを活用して食材を調達
業種:小売業
アナリスト:髙木伸行
◆ 海鮮系の和食業態を中心に直営で店舗を展開
サイプレス・ホールディングス(以下、同社)グループは、経営管理などを行う持株会社の同社と中核子会社であるサイプレスの2社で構成されている。なお、うどん業態の運営を行っていた子会社のファンタバローレは24年11月にサイプレスに吸収合併された。持株会社である同社は19年7月に設立されたが、飲食店の経営を行なうサイプレスの設立は1994年4月にまで遡る。
サイプレスは東京23区内を中心に東北から九州にかけて、海鮮、寿司、焼き鳥などの和食ブランドを中心に25年8月末で36ブランド126店舗を展開している。マルチブランド戦略を進めており、17種の和食ブランド以外では、麺類6種、洋食3種、ファーストフード3種、カフェ2種などの業態・ブランドを展開していることに加え、フードコートの運営や惣菜事業、ケータリングや寿司職人の出張サービスも行っている。
36ブランドの中で、「築地食堂源ちゃん」、「回転ずしABURI百貫」、「炭火焼鳥銀座惣菜店」を主力ブランドと位置づけている(図表1)。
「築地食堂源ちゃん」は、06年3月に出店して以降、ショッピングセンター、商業施設、路面などの立地に出店してきた。魚河岸食堂をイメージした店舗で、新鮮な魚介を素材とした丼や定食を提供しており、ランチ営業に力を入れている。
「回転ずしABURI百貫」は「炙り寿司」をコンセプトとしており、一般的な回転寿司よりも高級ネタを売りにしたグルメ回転寿司で、ファミリー層だけでなく大人も楽しめる店づくりを特徴としている。
「炭火焼鳥銀座惣菜店」はKSフロンティア(茨城県つくば市)のフランチャイズ業態である。各店舗において炭火で焼き上げた焼き鳥や鶏惣菜、弁当などを持ち帰り用として提供している。
足元では、主力3ブランドを中心に出店を行っている(図表2)。なかでも炭火焼鳥銀座惣菜店の出店ペースが足元で目立っている。
◆ 仕入体制
同社グループは、魚介類を市場からの直送で仕入れ、その日の漁獲量に応じて仕入食材を変更したり、仕入食材に適した日替わりメニューを考案することで、仕入単価を抑制し、リーズナブルなメニューの提供に努めている。
各店舗からの発注に基づき、仕入本部が、主に東京豊洲市場、及び11カ所の地方卸売市場の仲卸業者から買い付けている。この全国規模の仕入ネットワークは94年にサイプレスが設立されて以来、30年以上かけて構築されたものである(図表3)。また、仲卸業者に配慮した支払い条件や一定量を安定的に仕入れるなど、仲卸業者と良好な取引関係を保つ対応もなされている。
都内店舗については豊洲市場に設置している自社加工場で加工し、店舗での仕込みを行っている。豊洲市場以外での買い付けの場合は各店舗で加工・仕込みを行なっている。

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