Schoo(264A)わかりやすさ重視のコンテンツ力を武器に契約社数伸び利益拡大局面へ
社会人向けオンライン学習サービス「Schoo」を提供する教育サービス会社
わかりやすさ重視のコンテンツ力を武器に契約社数伸び利益拡大局面へ
業種:サービス業
アナリスト:村木雄一
◆ 社会人向けオンライン学習サービス「Schoo」を展開
Schoo(以下、同社)は、社会人向けのオンライン学習サービス「Schoo」を提供する教育サービス会社である。
同社の事業は大人の学び事業の単一セグメントだが、売上高はサービスの種類別に2つに区分されている。「学び手」に向けたサービスの売上が中心で、中でも法人向けの「Schoo for Business」は全社売上の太宗を占める主力サービスとなっている(図表1)。
◆ 「学び手」に向けたサービス
社会人の「学び手」を対象に、教育サービス「Schoo」を提供している。同社が対価を受け取る相手によってサービスは法人向けと個人向けに分かれるが、学習コンテンツの内容は、基本的に同じである。24年8月末現在、Schooサービス全体の有効会員数は約115万人である。
(1) Schoo for Business(法人向け)
Schoo for Business(以下、Business)は15年3月にサービスを開始した同社の主力サービスで、法人企業や地方自治体を対象にオンラインによる研修サービスを提供するものである。24年8月末までの累計導入社数は約4,000社、24年6月末現在の契約社数は2,400社である。
Businessは、大企業および中堅企業を主要なターゲットとしており、200を超える研修テンプレート(ひな形)に沿った研修カリキュラムを持ち、新入社員や中堅社員、管理職等、研修対象者一人一人の状況や課題に合わせた研修を提供できるようになっている。
授業は収録済みの学習コンテンツ(以下、「動画」)を視聴するオンデマンド型で提供される。その内容は、各分野の最新トレンドを踏まえたものであることに加え、第一線で活躍する現役のビジネスパーソンを講師に起用することによって、質の高いものとなっている。さらに、同時視聴、チャット、リアクションなどの集合学習機能があり、オンライン研修でありながら従来型の集合研修のように社員同士でコミュニケーションを取りながら学習することも可能である。
料金は、1ID当たりの月額利用料1,815円(税込、以下同じ。月額利用料はボリュームディスカウント有り)、および初期費用121,000円である。当初の契約期間は1年で、1年経過後は1か月毎の更新となる。なお、初期費用については、1年に亘って月割で同社の売上に計上される。月額利用料については当初の契約期間については1年分の利用料を前倒しで収受しており(貸借対照表上の契約負債として計上)、月単位で売上計上される。
このほか、オプションサービスとして、サービス導入企業の人材要件に沿った学習カリキュラム作成や、サービス導入企業の社員に対する学習習慣化支援などを提供している。オプション料金は1ID当たり11,000~99,000円。なお、オプションサービスの売上については月割にせず、提供時に一括して売上計上される。
(2) Schoo for Personal(個人向け)
創業後まもない12年1月からサービスを開始した、個人を対象とするオンライン学習サービスである。24年6月末の会員数は約93万人に達している。
Schoo For Personal(以下、Personal)の会員には、無料のオープン会員と、月額980円のプレミアム会員がある。オープン会員は、毎日生放送で行われる授業への参加と、受講者や講師とのコミュニケーション機能を利用可能である。プレミアム会員は、それに加えて、全ての録画授業のオンデマンド利用や、プレミアム会員限定の生放送授業の利用が可能となる。
◆ 「教え手」に向けたサービス
大学や専門学校など高等教育機関を対象に、学習管理プラットフォームサービスSchoo Swing(以下、Swing)を提供している。24年6月末の利用数は6校である。
Swingの主な機能は、①生徒に対する授業動画の配信機能、②撮り貯めた授業動画の管理機能、③生徒の動画の視聴状況管理や成績管理機能の3点である。利用者たる教育機関にとっては、学生一人一人の管理が大きく省力化され、より良質な教育を提供できるというメリットを享受できる。
Swingの料金については、案件毎の個別見積もりとなっている。