INGS(245A)これまでに培った商品開発力と店舗展開力を活かし高成長を目指す

2024/10/03

ラーメン店や居酒屋を運営する飲食店チェーン
これまでに培った商品開発力と店舗展開力を活かし高成長を目指す

業種:小売業
アナリスト:吉林拓馬

◆ ラーメン店「らぁ麺はやし田」等を展開
INGS(以下、同社)は、関東を中心にラーメン店、イタリアンレストラン、居酒屋を多店舗展開する飲食チェーンである。主力ブランドは、ラーメン店が「らぁ麺はやし田」、イタリアンレストランが「CONA(コナ)」、居酒屋が「焼売のジョー」である。

同社は06年、青柳誠希氏(現代表取締役社長)が個人事業としてラーメン店を創業したことから始まった。24年7月末時点では、ラーメン店は直営店を31店舗展開している。加えて、同社がラーメン食材の販売や店舗運営ノウハウを提供し、オーナー独自の屋号で展開するプロデュース店も68店舗に達している。また、11年に開始したレストラン及び20年に開始した居酒屋は、同時点で、合計で直営店31店舗、「CONA」及び「焼売のジョー」のライセンスを貸与しているライセンス店31店舗を展開している。

同社の事業セグメントは、ラーメン事業及びレストラン事業により構成されている。23/8期の事業セグメント別売上高構成比はラーメン事業が50.8%、レストラン事業が49.2%と概ね同水準であった。他方で、セグメント利益の構成比はラーメン事業が79.6%、レストラン事業が20.4%であり、セグメント利益率はラーメン事業が8.4%、のれん償却費等の負担があるレストラン事業が2.2%と収益性に大きな差がある。

◆ ラーメン事業
ラーメン事業は直営店部門とプロデュース部門により構成されている。

直営店部門は、一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を中心に好立地な都市型店舗注1を主軸としつつ、郊外型・ロードサイド店舗、及び商業施設内店舗も運営している。

メインブランドは「らぁ麺はやし田」であり、鴨、大山鶏の丸鶏を使用した醤油ベースのラーメンを提供している。24年7月末の店舗数21店舗であり、平均客単価は都市型店舗が1,030円、サイドメニュー等が充実している郊外型・ロードサイド店舗は1,076円である(24年7月単月実績)。

ラーメン事業については、「らぁ麺はやし田」を始め、「日本油党」、「金目鯛らーめん鳳仙花」等、合計で8ブランドを展開している。

プロデュース部門では、ラーメン店の開業を希望する店舗オーナーに対し、開業及び店舗運営の支援を行なっている。プライベートブランド(以下、PB)商品である麺・タレ・スープの販売に加え、月額5万円で開業サポート、メニュー開発、店舗運営ノウハウの提供等を行う。フランチャイズ店とは異なり、オーナー独自の屋号を付けることができ、かつ加盟金やロイヤリティが発生しないため、オーナーは初期費用を抑えた出店が可能になる。

◆ レストラン事業
レストラン事業は直営店部門とライセンス部門により構成されている。

直営店部門は、イタリアンレストラン「CONA」を17店舗、焼売を主軸商品とした居酒屋「焼売のジョー」を13店舗、その他1店舗を展開している(24年7月末)。7月の平均客単価は「CONA」が2,559円、「焼売のジョー」が2,279円と、いずれもカジュアルな価格帯の業態であり、ディナータイムだけでなく、2次会等にも利用されている。

「CONA」は、11年にキャンディーBOXのフランチャイジーとして運営を開始したが、18年にキャンディーBOXの全株式を取得し連結子会社化、21年にはキャンディーBOXを吸収合併した。

ライセンス部門は、「CONA」及び「焼売のジョー」のフランチャイズ事業を展開している。料金体系は、「CONA」については開業前支援料が150万円、ロイヤリティは月額15万円としている。「焼売のジョー」は月店舗売上の4%に相当するロイヤリティだけで、開業前支援料はライセンス店加盟促進のため無料としている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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