カクヤスグループ(7686)主力の飲食店向けの回復が続くが、首都圏でのシェア拡大の進捗にも着目

2023/09/29

自社で構築した店舗網及び物流・配達網を特徴とする酒類販売大手
主力の飲食店向けの回復が続くが、首都圏でのシェア拡大の進捗にも着目

業種:卸売業
アナリスト:藤野敬太

◆ 会社概要
・カクヤスグループ(以下、同社)は、東京23 区等の大都市圏にて、飲食店向けと家庭向けの双方への酒類販売を主な事業としている。

23年3月期決算
・23/3期決算は、売上高114,960百万円(前期比34.4%増)、営業利益803百万円(前期は3,328百万円の損失)となった。酒類価格改定があった22年10月頃から需要回復が顕著になり、飲食店向けの回復が牽引して大幅増収、営業利益回復を果たした。

◆ 24年3月期業績予想
・24/3期業績について、同社は第1四半期決算発表時に上方修正し、売上高130,600百万円(前期比13.6%増)、営業利益3,000百万円(同273.4%増)を計画している
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、24/3期について売上高131,212百万円(前期比14.1%増)、営業利益3,048百万円(同279.6%増)と、上方修正後の会社計画並みの水準を予想した。22年10月の酒類価格改定の効果が続くことや、新型コロナウイルス感染症が「5類」に分類されたことで、飲食店向けの増収が牽引するものとし、売上高営業利益率は前期比1.6%ポイント上昇の2.3%と予想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、25/3期は前期比7.6%増収、26/3期は同6.3%増収となり、売上高営業利益率は25/3期2.4%、26/3期2.5%へと上昇していくものと予想した。
・短期的には飲食店向けの業績回復の継続を確認していく局面だが、新型コロナウイルス禍を経て強化された物流網の本領が発揮されるのはこれからである。そのひとつの目安である首都圏における飲食店向けのシェア拡大の進捗が今後の注目点のひとつとなろう。同時に、首都圏以外での展開も視野に入れていることから、既進出先の九州での拡大の進捗にも注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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