カクヤスグループ<7686> 23年3月期は主力の業務用の回復を背景に3期ぶりの営業利益黒字化へ
自社で構築した店舗網及び物流・配達網を特徴とする酒類販売大手
23年3月期は主力の業務用の回復を背景に3期ぶりの営業利益黒字化へ
業種: 卸売業
アナリスト: 藤野敬太
◆ 会社概要
・カクヤスグループ(以下、同社)は、東京23 区をはじめとした大都市圏にて、料飲店等の業務用と、家庭用の双方への酒類販売を主な事業としている。
◆ 22年3月期決算
・22/3期決算は、売上高85,514百万円(前期比6.6%増)、営業損失3,328百万円(前期は2,602百万円の損失)となった。増収の主要因はM&Aによる子会社の増加であり、新型コロナウイルス禍の影響に翻弄され続けた期となった。
◆ 23年3月期業績予想
・23/3期業績について、同社は売上高120,741百万円(前期比41.2%増)、営業利益906百万円(前期は3,328百万円の損失)を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、23/3期について売上高121,214百万円(前期比41.7%増)、営業利益992百万円(前期は3,328百万円の損失)と、会社計画を上回る水準を予想した。会社計画と同じく、外食需要の回復を背景に主力の業務用の売上高の回復を想定し、売上高営業利益率は0.8%となり、3期ぶりの営業利益黒字化を予想した。
◆ 今後の注目点
・当センターでは、24/3期は前期比12.6%増収、25/3期は同9.0%増収となり、売上高営業利益率は24/3期1.3%、25/3期1.8%と上昇していくものと予想した。
・短期的には業務用の売上高回復の進捗を確認していく局面で、23/3期末頃に新型コロナウイルス禍前の売上高水準まで戻るかどうかがひとつの注目点となろう。同時に、当センターでは営業キャッシュ・フローがプラスに転換するかどうかにも注目している。中期的には、新型コロナウイルス禍で前倒し的に構築した三層物流により競争優位性が高まった可能性があり、個人店レベルの飲食店との取引増とシェア拡大につなげられるかに着目している。