HPC システムズ<6597> 両事業の見通しを引下げたものの、23年6月期から増益に転じると予想した
科学技術計算分野のソリューション提供と産業用コンピュータの製造販売を手掛ける
両事業の見通しを引下げたものの、23年6月期から増益に転じると予想した
業種: 電気機器
アナリスト: 大間知 淳
◆ 科学技術計算分野のソリューション提供等を手掛ける
・HPCシステムズ(以下、同社)は、High Performance Computing(高性能コンピューティング、以下、HPC)という科学技術研究における高性能計算処理をトータルにサポートするHPC事業と、産業用コンピュータをConfigure To Order(注文仕様生産方式、以下、CTO)形態で提供するCTO事業を兼営する独立系のエレクトロニクス企業である。
・売上高の約7割を占めるHPC事業では、システムの構築を中心に、コンピュータやソフトウェアの販売、クラウドサービス等を手掛けている。
◆ 22年6月期上期決算は4%減収、31%営業減益
・22/6期第2四半期累計期間(以下、上期)決算は、前年同期比3.8%減収、30.6%営業減益であった。HPC事業の減収や、人件費等の販売費及び一般管理費の増加により、営業減益を余儀なくされた。
◆ 22年6月期の会社計画は10%増収、10%営業増益を維持
・22/6期上期決算がほぼ計画通りであったことや、21/6期に受注した大口案件の売上計上が第3四半期に予定されていることから、10.2%増収、10.2%営業増益を見込む22/6期計画を同社は据え置いた。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、22/6期上期の売上高が想定を下回っていたことや、従業員が想定を上回るペースで増えていること等を受け、22/6期の業績予想を見直した結果、売上高を6,410百万円→5,860百万円、営業利益を753百万円→650百万円に減額した。
◆ 両事業の見通しを引下げたものの、23年6月期から増益に転じると予想した
・当センターでは、主として、HPC事業では大学・公的研究機関向け、CTO事業では継続顧客向けの売上高予想を減額したため、両事業の業績予想を下方修正した。一方、HPC事業における企業向けの売上高の拡大等により、前期比では、23/6期は16.0%増収、18.8%営業増益、24/6期は13.1%増収、17.7%営業増益を予想している。