ドラフト<5070> 強さの源泉は機能別分業体制等のデザイン業務に集中できる組織・環境にある

2021/10/26

オフィスや店舗の設計、商業施設やビルの環境設計等を手掛けるデザイン会社
強さの源泉は機能別分業体制等のデザイン業務に集中できる組織・環境にある

業種: 建設業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・ドラフト(以下、同社)は、オフィスや店舗の設計、ビルの環境設計等を手 掛けるデザイン会社である。特にオフィスデザインは同社が開拓してきた 領域であり、業界内では当該領域での先駆者と評価されている。

2.財務面の分析
・15/3 期以降 20/3 期まで、プロジェクト数の増加と規模拡大により売上高 は年率 23.5%のペースで拡大した。一方、管理体制強化のための費用 増や会計処理変更等により 15/3 期と 17/3 期は経常赤字となったが、以 降は経常増益が続いた。
・オフィスや商業施設等のデザインを手掛ける上場企業と比較すると、売 上高営業利益率の高さと財務レバレッジの高さ(自己資本比率の低さ) により、自己資本利益率(ROE)が高い。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉として、創業者で代表取締役の山下泰樹氏が掲 げるコンセプトと、デザイン業務に集中できる組織体制の 2 点が挙げられ る。山下氏の掲げるコンセプトは顧客やデザイナーに支持され、デザイ ナー業務に集中できる環境をつくることで、デザインの付加価値を上げ、 収益の増加につながっている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、新型コロナウイルス禍による社会の変化への対 応、人材の確保・育成、業務体制の進化、プロジェクトの大型化への対 応が挙げられる。
・同社は成長加速に向け、人材確保、活動拠点拡大、デジタルテクノロジ ーの活用による業務効率化を続けていく方針である。中長期的には、総 合的クリエイティブ提供体制の強化に向け、デザインの周辺領域である ブランディングサービスを拡充する方針である。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、デザイナーがデザイン業務に集中できる機 能別分業体制を同社が構築した点を評価している。今後、「食寝働分離」 のような新たなコンセプトを打ち出してくることも考えられ、その内容と展 開方法について注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。