田中建設工業<1450> 22年3月期は減益計画だが、売上高100億円の中期目標に向け体制強化が加速
民間の建築物の解体工事の施工監理に特化した建設会社
22年3月期は減益計画だが、売上高100億円の中期目標に向け体制強化が加速
業種: 建設業
アナリスト:藤野敬太
◆ 会社概要
・田中建設工業(以下、同社)は、一都三県を中心に展開する、建築構造物の解体工事の施工監理に特化した「持たざる経営」をする建設会社である。解体の対象はビルや集合住宅、商業施設等が中心である。
◆ 21年3月期決算
・21/3期決算は、売上高9,011百万円(前期比35.3%増)、営業利益1,433百万円(同80.1%増)、受注高8,948百万円(同12.0%増)となった。これまでの営業力強化策が奏功して新規受注高が増加し、好採算工事が貢献したほか、新型コロナウイルス禍の影響で営業経費が抑制されたことで、売上高、受注高、利益とも過去最高となった。
◆ 22年3月期業績予想
・22/3期業績について、同社は、売上高9,100百万円(前期比1.0%増)、営業利益1,268百万円(同11.6%減)を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、22/3期の業績予想を、売上高9,331百万円(前期比3.6%増)、営業利益1,283百万円(同10.5%減)とした。需要は旺盛であるものの、前期に複数の好採算案件の計上があったことの反動と、中期目標の売上高に向けての技術社員を中心とした採用を前倒しで行うことによる費用増を想定した。
◆ 今後の注目点
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、22/5期の業績について、7月までの進捗状況を考慮し、会社計画をやや上回る16%増収、41%営業増益と予想した。
・旺盛な需要が見込まれるなか、同社がどのように体制強化を行って対応していくかに注目したい。同社は25/3期に売上高100億円の達成を目標としているが、そのために必要な人員を22/3期のうちに確保するため、技術社員の採用を前倒しで行う予定である。当センターではその採用計画の成否と、採用した人員の戦力化の進捗状況を注視したい。