ファブリカコミュニケーションズ<4193> システム販売ための営業拠点拡充、SMS送信の用途拡大により成長を目指す

2021/04/12

中古車販売業務支援システムとSMS送信プラットフォームの運営が主軸
システム販売ための営業拠点拡充、SMS送信の用途拡大により成長を目指す

業種: 情報・通信業
アナリスト: 鎌田 良彦

◆ 中古車販売業務支援システムとSMS配信プラットフォーム運営が主軸
ファブリカコミュニケーションズ(以下、同社)グループは、同社と子会社メディア4u(フォーユー)からなり、同社は中古車販売業務支援クラウドサービスを中心に自動車アフターマーケット注1での事業展開を行い、メディア4uはSMS注2配信プラットフォームの運営を行っている。

同社グループの事業セグメントは、U-CARソリューショングループ、SMSソリューショングループ、インターネットサービスグループ、オートサービスグループの4つに分類されている(図表1)。

◆ U-CARソリューショングループ
U-CARソリューショングループでは、中古車販売業務支援クラウドサービスsymphony(シンフォニー)を運営している。symphonyは中古車販売管理システムと広告出稿プラットフォームを融合したシステムで、中古車販売業者に対し、中古車の仕入れから請求・見積書発行や顧客管理、同社が運営する車選びドットコムやCarMe中古車を含む複数の中古車検索サイトへの広告出稿、ヤフオク等への出品、購入者向けの中古車保証サービスの提供等、中古車販売に関するサービスをワンストップで提供するSaaS注3である。

symphonyの料金体系は中古車販売管理システムと広告出稿プラットフォームの利用がセットになっており、symphonyを導入した中古車販売業者は、広告出稿台数に応じた月額基本料金を支払う。ヤフオクやヤフーショッピングへの出品には台数に応じて別途オプション料金を、提携するカーセンサー等の中古車検索サイトへの広告出稿には別途広告出稿料を支払う必要がある。20年12月現在の利用会員数は2,716社となっている。

◆ SMSソリューショングループ
SMSソリューショングループは、子会社のメディア4uが運営する、法人を顧客とするSMS送信サービスのメディアSMSが主な事業である。法人から個人に向けてのSMS送信サービスは、A2P注4-SMSと分類され、本人認証、業務連絡、事前通知、督促等のメッセージを送信するものである。

企業が個人に送るダイレクトメールや封書・ハガキ等の開封率が低くなっている中で、A2P-SMSは高い開封率が強みとなっており、近年市場が急拡大している。メディアSMSの導入業種は、金融機関、不動産サービス業者、人材サービス業者、運送業者等多岐に亘っている。

◆ インターネットサービスグループ
インターネットサービスグループのデジタルマーケティング事業では、車選びドットコムや自動車WEBマガジンCarMe、YouTubeチャンネルCARPRIME等の開発・運営によるU-CARソリューショングループへのWEB集客支援、SMS導入支援サイトSMSnavi運営によるSMSソリューショングループへのWEB集客支援がメインである。その他、Zホールディングス(4689東証一部)傘下で資本業務提携先のカービューが提供する中古車買取一括査定サービスへのWEB送客等も行っている。

同グループのライフデータプラットフォーム事業では、カーライフ支援アプリCarponの運営を行っている。これはユーザーの車両情報を保険会社、整備事業者、ガソリンスタンド等の外部の提携事業者とつなぐことで、ユーザーが必要なサービスをタイムリーに受けられるようにしたもので、同社は提携業者がサービスを提供した際に成果報酬を得る。

◆ オートサービスグループ
オートサービスグループは、BP注5・レンタカー事業とメンテナンス事業からなる。BP・レンタカー事業では、愛知県、岐阜県、三重県の東海三県で、損害保険会社や保険代理店からの依頼を受けて、事故で損害を受けた自動車の修理と修理期間中の代車のレンタカー貸出、レッカーサービス等を行っている。

メンテナンス事業は同社の創業時からの事業であり、愛知県春日井市にある国土交通省中部運輸局の指定工場で車検整備や新車・中古車の販売サービス等を提供している。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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