要興業<6566> 21年3月期は新型コロナウイルス禍と資源価格下落に耐える我慢の期となろう

2020/09/14

東京23区を地盤に事業所からの廃棄物を扱う総合廃棄物処理業大手
21年3月期は新型コロナウイルス禍と資源価格下落に耐える我慢の期となろう

業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・要興業(以下、同社)は、一般的な事業所から排出される廃棄物の収集運搬、処分、リサイクルを中核事業としている。事業地域は東京23区であり、東京23区の民間事業者の中ではトップシェアである。

◆ 20年3月期決算
・20/3期決算は、売上高11,490百万円(前期比1.7%増)、営業利益806百万円(同21.1%減)となった。期初会社計画に対する達成率は、売上高が97.2%、営業利益が81.5%に留まった。段ボール古紙等の資源価格の想定以上の下落によるリサイクル事業の減収が減益に直結した。

◆ 21年3月期業績予想
・21/3期業績について、同社は、売上高10,890百万円(前期比5.2%減)、営業利益435百万円(同46.0%減)と計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、21/3期の業績について、売上高10,646百万円(前期比7.3%減)、営業利益451百万円(同44.0%減)と予想した。収集運搬・処理事業での新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響とリサイクル事業での資源価格下落の影響を織り込んだ。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、21/3期で業績が底打ちし、22/3期以降は増収に転じて業績が回復する展開を予想している。増収率は22/3期16.3%、23/3期7.4%とし、売上高営業利益率は23/3期の7.1%まで回復するものとした。
・業績悪化の要因となった新型コロナウイルス感染症の感染拡大と、リサイクル事業での資源価格の下落は同社でコントロールできるものではなく、その影響が長期化する可能性も念頭に置く必要はある。それでも、これらの業績悪化要因は、収集運搬・処理事業における「路線化」をはじめとする同社の強みを毀損しているものではない。収集運搬・処理事業のKPIである収集現場数は着実に増加を続けており、現在はこうした地力を蓄える我慢の時と考えられる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。