ピーバンドットコム<3559> 「P 板.com」の競争力のあるビジネスモデル及び仕組みを評価

2020/03/02

プリント基板のEC サイト「P 板.com(ピーバンドットコム)」を運営
「P 板.com」の競争力のあるビジネスモデル及び仕組みを評価

業種: 卸売業
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・ピーバンドットコム(以下、同社)は、電子機器に搭載されるプリント基板のEC サイト「P 板.com(ピーバンドットコム)」を運営している。プリント基板のEC 販売においてはトップ企業と推察される。

2.財務面の分析
・12/3 期~19/3 期まで7 期連続の増収で、年平均成長率は売上高が8.4%、経常利益が21.4%だった。経常利益は16/3 期までは増減益を繰り返して利益率も4~6%台で推移していたが、17/3 期に仕入先との取引条件が大幅改善して以降、利益率は12~14%の水準に切り上がった。
・BtoB 型のインターネット通販に注力する上場企業との財務指標の比較では、売上高営業利益率、経常利益及び総資産の成長率、安全性指標において、同社は優位にある。ただし、20/3 期は先行投資により減益を計画しているため、特に成長性については参考程度に捉えている。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、競争優位性を支える仕組み(組織資本)にある。創業来、プリント基板の受発注を自社で完結する仕組みや、ファブレス体制における仕入先の管理についてのノウハウを蓄積し、利便性の高いサービスを実現することで、関係資本であるユーザーの増加につなげていった。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「P 板.com」の利用の更なる促進、売上規模の拡大、システム開発体制の強化が挙げられる。
・同社は売上高の二桁成長、売上高経常利益率15%を目標としている。そのために、既存の「P 板.com」のサービスの更なる拡大、社内体制の強化、事業提携も交えてのサービス領域の拡大を図っていく方針である。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、「P 板.com」のサービスが競争力のあるビジネスモデル及び仕組みになっている点を評価している。一方で売上規模がなかなか大きくならない点が課題であり、今後の売上拡大の施策及びその効果に注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。