ジモティー<7082> 近隣の住人や小規模事業者が手数料無料で簡単に取引できる仕組みを提供

2020/02/12

地元で情報を探す人と発信したい人をマッチングするプラットフォームを運営
近隣の住人や小規模事業者が手数料無料で簡単に取引できる仕組みを提供

業種: サービス業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ 近くに住んでいる人同士が取引できるプラットフォームを運営
ジモティー(以下、同社)は、地元=近所で物品を販売・処分したい、あるいは求人といった情報を探す人と情報を発信したい人をマッチングさせるプラットフォーム「ジモティー」を運営している(図表1)。「ジモティー」は、地域や目的によって分類された募集広告を一覧形式で掲載する広告媒体のひとつであるクラシファイドサイトという形態をとっている。

「ジモティー」へは個人、法人を問わず誰でも広告を投稿でき、掲載や成約等の手数料は無料である。通販サイトやフリマアプリと違い、直接会って取引を行うことが原則で、地元同士の人達が取引を行うことを前提としている点が特徴となっている。

「ジモティー」では、地域の情報が47都道府県の市区町村に区分され、目的に応じたカテゴリに分類されているため、ユーザーが情報を見つけやすい(図表2)。更に、ユーザーに対して投稿・問合せ等の機能を提供しており、投稿への問合せ後は「ジモティー」内のチャット機能でユーザー間でのやりとりが可能である。

ユーザーに安心して利用してもらえるよう、サポート体制や評価・保険機能も充実している。24時間365日体制で投稿の監視をシステムチェックのみならず、全案件を目視でチェックしている。また、ユーザーからのメールでの問合せに対しても24時間以内に回答している。更にユーザー間の評価機能や、有料だがトラブルの際の費用を一部負担する保険機能も導入している。

◆ 投稿数と流入するユーザー数が連動
ユーザーの投稿によりサイトのコンテンツが生成されるメディアであることから、投稿により検索エンジンの最適化(SEO)が強化され、投稿数とSEOにより流入するユーザー数が連動するモデルとなっている(図表3)。

「ジモティー」は11年11月にサービスが開始され、比較的長い運営歴があるが、投稿数やユーザー数の増加に向けては「ジモティー」ブランドの更なる認知度向上が必要となる。認知度向上に向けて、ここ数年、テレビCMを中心に積極的にプロモーションを行っている。広告宣伝については、経験則から、3月及び10月か11月に行うことが効果的とされ、今後も積極的に行ってゆく方針である。このため、売上高が拡大するなか、業績変動の季節性は薄れてきているものの、第1四半期及び第4四半期は広告宣伝費負担の上昇により、利益水準が低下するという傾向がある。

◆ サービスと収入の流れ
同社はクラシファイドサイト運営事業の単一セグメントであるが、主要な事業は「自動配信」と「マーケティング支援」の二つである(図表4)。

ユーザーからは手数料を受け取っておらず、広告枠の提供への対価である自動配信売上が同社の主な収益源で、18/12期の売上構成比は85.8%となっている。また、マッチング支援の対価であるマーケティング支援売上が14.2%を占めている。同社はマーケティング支援売上を今後拡大してゆきたいと考えている。

◆ 自動配信
「ジモティー」ではアドネットワーク広告枠を提供し、広告がクリックされた回数や表示された回数に応じて収益を得ている(図表4)。

アドネットワークとは複数の広告媒体(Webサイトやソーシャルメディア等)を集めて広告配信ネットワークを作り、それらの媒体にまとめて配信する仕組みである。同社はサイトページ上の広告枠のみをアドネットワーク事業者に提供し、システムにより広告が自動配信される仕組みとなっている。

同社の主な販売先として、18/12期の売上構成比が34.4%を占めるSupership(東京都港区)や21.0%を占めるGoogle Asia Pacific Pte. Ltd.といったアドネットワーク事業者が挙がっているが、これらは広告出稿者との間にはいり、広告料などを徴収している先である。

◆ マーケティング支援
マーケティング支援売上としては、ユーザー間のマッチングを支援することを目的とした投稿オプション機能への対価(機能課金)や、提携サイトの商品データベースと連動した投稿を掲載しユーザーがそれらの投稿をクリックして外部サイトへ進み、資料請求や契約に至るとその対価(成果報酬)を得ている(図表4)。

機能課金として、法人向けに投稿オプション機能の提供を17/12期より行っており、ユーザーが必要とする機能を提供して収益を得ている。機能としては古い投稿が新着投稿としてリフレッシュされる機能、投稿の背景が黄色でハイライトされユーザーの目にとまり易くする機能、一定期間投稿が上位に表示されるPR枠機能等がある。

成果報酬とは、「ジモティー」では提携サイトの商品データベースと連動した投稿を掲載しているが、ユーザーがそれらの投稿をクリックすることにより提携先の外部サイトに進み、さらに資料請求や契約等のアクションを取った場合に得る収益を指す。

例としては、中古車に特化した専門媒体と連携し、その媒体に登録されている中古車情報を「ジモティー」への投稿として掲載しているが、「ジモティー」のユーザーがその投稿に対して中古車見積り依頼を行った件数に応じて成果報酬を得るといったことが挙げられる。

同社は自動配信に偏った売上構成を改善するためにマーケティング支援の拡大に力を入れてゆく方針である。

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ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。