ランディックス<2981> 提供するとともに自社ポータルサイト「sumuzu(スムーズ)」を運営
富裕層顧客を中心とした不動産売買、仲介、注文住宅マッチングサービスを
提供するとともに自社ポータルサイト「sumuzu(スムーズ)」を運営
業種: 不動産業
アナリスト: 髙木 伸行
◆ 富裕層を対象に東京都の城南地区に特化して不動産業を行う
ランディックス(以下、同社)グループは不動産の仕入・販売・売買に係る仲介、オーダーメイド住宅のマッチング、建築後のアフターフォローに至るまでをワンストップで提供する「sumuzu(スムーズ)事業」とビル・マンション等の賃貸を行う「賃貸事業」を行っている(図表1)。同社グループは同社と連結子会社であるグランデから構成されている。
東京都の城南エリア(世田谷区、目黒区、渋谷区、港区、品川区、大田区)をターゲットエリアとし、富裕層(同社では年収1,000万円以上の顧客と捉えている)向けにサービスを提供している。
特に、渋谷、二子玉川、自由が丘のトライアングルエリアにおいては、高所得者、高学歴者の比率が高いと同社は見ており、同社の対象とする顧客層が多いと思われる当該エリアをカバーできるよう桜新町、自由が丘、恵比寿に支店を設けている。
◆ sumuzu 事業
sumuzu 事業では、住宅用地を仕入れて分譲することにより得られる売買収入、不動産仲介収入、オーダーメイド住宅建築に伴う建築業者からの紹介手数料収入を得ている。19/3 期の土地等の販売は売上高全体の86.6%を占め、建築業者紹介や不動産仲介からの仲介・販売手数料収入は合計で同じく11.7%を占めている。
不動産の仕入から販売、売買に係る仲介、住宅地販売後のオーダーメイド住宅建設のための建築デザイナーや施工業者とのマッチング及び建築後のアフターフォローまでを、同社はワンストップで手掛けている。このため、土地購入とマッチングに関する手数料を獲得することを可能にしている。現状では同社主体で斡旋した土地に対して、同社が建築デザイナー等をマッチングした物件の比率は3 割程度とのことである。
子会社のグランデが不動産仕入・開発分譲、同社が不動産売買・仲介及びオーダーメイド住宅建築に伴うマッチングを行っている。
集客についてはリピート、紹介、インターネットとリアルとネットを活用した集客を行っている(図表2)。同社の集客経路の構成比で目立つのは、紹介経路が33.0%、リピートが12.5%と高く、効率的な集客を行っており、同社のサービスに対する顧客あるいは他の関係者の満足度の高さが見て取れる。サービスの質の高さに加えて、経済的に余裕のある富裕層を対象にしていることもリピート率の高さにつながっている。
インターネット経由での集客も全体の3割を占めている。他社サイトに加えて、18年1月にリリースされた自社サイトの「sumuzu」は不動産や住宅に関しての情報発信を行い、購入者が見て理解し易い不動産情報を提供している。19年1月にsumuzuを訪れたユニークユーザーは5,406であったが、9月には14,164に達しており、ユニークユーザー数は順調に増加している。
sumuzuは19年3月からはオンライン上で建築希望者とオーダーメイド住宅の建築家や施工業者との簡易マッチングをスタートしている。更に10月からは無料・匿名でオーダーメイド住宅の複数の見積もりを入手できるサービス「sumuzu Matching」を開始し、オンライン上でマッチングが完結できる体制が整いつつある。
◆ 賃貸事業
賃貸事業は連結子会社であるグランデ及び同社で行っており、同社グループの保有する収益用不動産より賃料収入を得ている。安定収益基盤という位置付けであり、今後は自然体での運営を行ってゆくという方針である。