Mマート<4380> 主力サイトの「M マート」は順調な拡大が続く

2019/05/17

食材を中心とした B2B 型のインターネットマーケットプレイス事業を運営
主力サイトの「M マート」は順調な拡大が続く

業種: 情報・通信
アナリスト: 前田吉弘

1.会社概要
・Mマート(以下、同社)は、飲食業界、宿泊業界、中食業界などを買い手とし、メーカー、問屋、輸入商社、生産者などを売り手とする業者間取引に特化したオープン型のインターネットマーケットプレイス事業を展開している。

2.財務面の分析
・開示のある13/1期以降、営業収益は13/1期を起点に6期連続増収、経常利益は17/1期から3期連続増益を継続中である。
・業務用食材卸売関連のインターネット関連企業との比較では、規模、安全性、成長性、収益性の大部分で同社は見劣りするも、絶対水準自体は高く、稼ぐ力と財務体質は優れた部類に属している。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、「創業者の存在」と「先行者メリットの蓄積」といえる。創業者である現代表取締役社長は業務用食材卸サイトである「Mマート」開設から19年超の長きに亘り、リーダーシップを発揮し続け、自身の理念・手法を人的資本と組織資本に転化した。そして、「Mマート」の先行者メリットが蓄積される形で、顧客力やブランド力、ネットワーク力などの関係資本において優位性が形成されている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「競争力の強化」、「技術革新への対応」、「財務戦略の進化」、「人材の確保・育成」が挙げられる。
・今後の成長戦略としては、「ストックの積み上げ」、「同一ストックの深掘り・細分化を通じた事業拡張」、「全ての領域における最適化」が推進される見通しである。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、買い手目線のサイト運営を基本に据えた軸のブレない経営戦略を高く評価している。
・一方、業界環境の変化が加速するなかで、長期的観点で同社の業界ポジションや差別化戦略が見通せないところがあるため、それらの点を踏まえた経営戦略が策定されることを期待している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。