エクストリーム(6033) 通期予想利益面で大幅な上方修正

2024/12/19
 

佐藤 昌平 代表取締役社長CEO

株式会社エクストリーム(6033)

 

 

企業情報

市場

東証グロース市場

業種

サービス業

代表者

佐藤 昌平

所在地

東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル21F

決算月

3月

HP

https://www.e-xtreme.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,401円

5,421,608株

7,595百万円

21.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

40.00円

2.9%

199.63円

7.0倍

948.81円

1.5倍

*株価は12/12終値。
*発行済株式数は発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE、BPSは前期実績。その他の数値は25年3月期上期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2021年3月(実)

6,230

703

750

491

90.14

18.00

2022年3月(実)

7,231

592

714

452

82.61

17.00

2023年3月(実)

8,816

1,024

1,174

814

148.18

30.00

2024年3月(実)

10,217

1,097

1,448

1,034

188.02

38.00

2025年3月(予)

11,650

1,500

1,600

1,080

199.63

40.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

(株)エクストリームの2025年3月期上期決算の概要と2025年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2025年3月期上期決算概要
3.2025年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 25/3期上期は前年同期比15.7%増収、26.8%営業増益。デジタル人材事業では、企業のDX推進などによる技術ソリューションに対する旺盛な需要を背景に、受注が好調に推移。また、コンテンツプロパティ事業では「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」のゲーム販売額も発生し大幅増収。利益面では、受託開発事業では開発リソースの安定的稼働が採算性の向上に寄与、コンテンツプロパティ事業も増収効果により双方が大幅増益となった。 
  • 通期予想は特に利益面で大幅な上方修正。25/3期は前期比14.0%増収、36.7%営業増益を計画する。営業利益は10億円から15億円へ修正、減益予想から一転、2桁増益予想へ。「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」が当初の販売計画を大幅に上回ったことによるコンテンツプロパティ事業の大幅上方修正によるもの。また同事業は利益率が高く利益面での大幅修正となった。配当も期初予想から14.00円の大幅な増額修正。1株当たり40.0円の期末配当を予定している。 
  • Dragami Gamesより9月に発売したゲームタイトル「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」の予想を大きく上回るヒットが25/3期の大幅上方修正の要因となった。前回レポートでは利益面について、「上方修正した24/3期に見られたように保守的である可能性が高い」としたが少し意外な形で具現化した。「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」は、追加DLCを投入予定でもあり、さらなる上乗せ余地があるだろう。また、受託開発事業における利益面での改善が引き続き進展しており、ベトナム子会社の貢献もしっかり。デジタル人材事業は今回減額修正となったが、非エンタメ市場では企業のDX推進などによる技術ソリューションに対する需要が旺盛であり、近年デザインの需要が高まっていることが後押ししている。上方修正を受けて株価は上昇したものの、依然としてPERは10倍を大きく割り込んでいる。年末商戦を控え、今後の修正余地を踏まえると株価はさらに見直しが進みそうだ。

1.会社概要

クリエイティブな開発スキルを有するデジタルクリエイター(プログラミングやグラフィックの開発スキルを持ったクリエイター&エンジニア)のプロダクションである。法人向けにゲーム・スマートフォンアプリ・Web・IT企業等へソフトウエア開発サービスを派遣契約または請負契約にて提供するデジタル人材事業、デジタル人材事業またはグループ各社の顧客から持ち込まれるスマートフォンアプリまたはWEB開発案件、大規模会員向けプラットフォームシステムの構築~導入~運用などの案件を持ち帰り形式にて受託・納品する受託開発事業、同社またはグループ会社が保有するゲーム・キャラクター等の知的財産を活用し、様々な事業を行うコンテンツプロパティ事業を展開している。

 

グループは、同社の他、連結子会社にオフショア開発拠点を活用したITサービスの開発等を行う(株)エクスラボ(出資比率100%)及びEXTREME VIETNAM Co., LTD.(同100%、ベトナム国ハノイ市)。23/3期に新規連結した、(株)角川ゲームスから吸収分割により承継した(株)Dragami Games(同93.3%)、及びゲーム開発・組込システム開発を行うエス・エー・エス(株)及び子会社の酒田エス・エー・エス(株)(同51.3%)。

 

1-1 沿革

(同社資料より)

 

【企業コンセプトと行動指針】
企業コンセプトは、「まじめに面白いをる会社。未来の楽しいをる会社。」。行動指針を、「スピード×クオリティ×チャレンジ」としている。スピード。常にフルスピードを意識する。今日できる事は今日やる。今出来る事は今やる。後回しにしない。クオリティ。妥協せず常に最高のクオリティを目指す。量は質に転化する。多くのアイデア、多くの成果、多くの挑戦など、多くを生み出すことが、クオリティの高いものに結実する。全ての成果はお客様のためにある。お客様が満足するクオリティを目指す。チャレンジ。失敗を恐れずに前に踏み出す。現状に満足せず、常に改善を心がける。

1-2 事業の概要

事業は、デジタル人材事業、受託開発事業、及びコンテンツプロパティ事業に分かれる。各事業の概要は次の通り。

 

24/3期 セグメント別売上高・利益

 

売上高

構成比

営業利益

利益率

デジタル人材事業

5,898

57.7%

874

14.8%

受託開発事業

3,903

38.2%

664

17.0%

コンテンツプロパティ事業

416

4.1%

286

68.9%

合計

10,217

100.0%

1,097

10.7%

* 単位:百万円、営業利益には調整額674百万円があり、合計額と一致しない

 

【ビジネスモデル】
・デジタル人材事業
技術材派遣または準委任契約により対価を得るビジネスモデル。
・受託開発事業
開発案件を受託(請負契約)し、対価を得るビジネスモデル。
・コンテンツプロパティ事業
知的財産のライセンス許諾、ゲームソフト販売などを通じて対価を得るビジネスモデル。

 

(同社資料より)

 

デジタル人材事業
ゲーム・スマートフォンアプリ・WEB・IT企業等に対し、ソフトウエア(プログラミングやグラフィック等)開発サービスを派遣契約または請負契約にて提供する。

 

主要顧客
エンターテインメント・WEB・ITの幅広い企業と取引。

 

*取引先の一例
(同社資料より)

 

デジタル人材事業の強み
クリエイター&エンジニアを持続的に強化・拡充していく事ができる自社養成システム(研修・教育システム)を有し、登録型派遣会社とは異なり、タレント性や独自スキルを持った人材を柔軟に供給する事ができる事が強み(⇒競合他社が少ない)。

 

-人材活用モデル-
研修・教育の実施により取引先企業に対して同社は社員の技術力を企業として担保
同社社員は営業マンとしての側面も持ち、顧客先での取引拡大にも寄与
デバイスの流行り廃りに左右されない盤石な経営基盤

 

顧客分布の推移

 

20/3期

21/3期

22/3期

23/3期

24/3期

エンタメ系顧客

51.0%

55.8%

48.9%

49.2%

46.5%

スマーフォンアプリ

81.4%

74.1%

77.5%

74.0%

73.6%

家庭用ゲーム

9.8%

11.0%

10.5%

14.5%

15.0%

オンラインゲーム

7.4%

10.1%

7.1%

5.5%

8.0%

遊戯機器

1.0%

0.0%

2.3%

1.7%

1.6%

業務用ゲーム他

0.4%

4.8%

2.6%

4.3%

1.8%

非エンタメ系顧客

49.0%

44.2%

51.1%

50.8%

53.5%

IT

53.9%

45.4%

41.6%

48.5%

48.8%

Web

46.1%

54.6%

58.4%

51.5%

51.2%

 

21/3期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、20/3期まで伸びてきた非エンタメ系顧客の新規開拓が停滞した。エンタメ系既存顧客への深堀り営業(単価アップ施策)が主体となったことから、若干エンタメ系顧客へのウェイトが増加した。
22/3期には再び非エンタメ系顧客が増加に転じ、初めて50%を上回った。23/3期、24/3期も非エンタメ系顧客がエンタメ系顧客を上回った。尚、当該セグメントの売上高は順調に伸びており、エンタメ系顧客への売上高が低下したわけではなく、非エンタメ系顧客からの受注割合が増加していることを示している。
ゲーム市場では、ゲーム専用機からスマホへのシフトに伴い利用者の裾野が広がったことで、技術力だけではなく、企画力も必要な時代に入る。パブリッシャーは企画・宣伝に注力。一方で、1タイトル当たりの開発費は膨張する。このため、プロフェッショナル集団に対するアウトソーシング需要の増加が予想される
今後も、ゲーム等のエンタメ開発で培った視覚表現力、演出力などのクリエイティブな開発スキルをセールスポイントとして、市場規模が大きいネットビジネス・WEBサービス事業者などへ応用的に展開させ、事業規模を拡大させていく方針。

 

受託開発事業
主に大規模プラットフォームに関わる各種開発・保守、ナショナルクライアントからのシステム開発・保守・追加案件などの受託開発を行う。以下の売上区分でパイプラインを構成し、それぞれがグループ内シナジーを生むよう、効率的な運営で受注拡大と高い利益体制を構築。フロー売上からストック売上へ、ベトナム子会社の活用も今後積極的に展開。

 

(同社資料より)

 

受託開発事業の強み

 

(同社資料より)

 

・ビッグデータ分析での分析基盤の設計開発および分析、AIを活用したシステム開発
・リアルタイムコミュニケーションを実現する技術を活用した映像配信プラットフォーム開発
・遠隔地にある設備をデバイス上の操作で支援するオペレーション支援システムの開発

 

コンテンツプロパティ事業
ゲームタイトルやキャラクターに関するIPを保有し、これらIPを利用したゲームサービスやライセンスサービスを行っている。 また、ソリューション事業において蓄積した技術力を活かし、ゲームタイトルの制作・開発・配信を行っている。
100タイトル超のゲームタイトルやキャラクターに関するIPを保有し、これらIPを利用したサービスが強み。「ラングリッサー」シリーズなどは30年を超えるロングセラーIPとなっており、長い期間に渡って収益を生み出すことが出来るIPを保有・活用できることは大きな強みとなる。同時に、新たなIPを生み出すべく、グループ会社のドラガミゲームスでは、自社においてゲームソフトの企画・開発・販売を行い、パブリッシャーとして自社サービスを展開している。

 

(同社資料より)

 

2.2025年3月期上期決算概要

2-1 連結業績

 

24/3期 上期

構成比

25/3期 上期

構成比

前年同期比

売上高

4,839

100.0%

5,597

100.0%

+15.7%

売上総利益

1,482

30.6%

1,741

31.1%

+17.4%

販管費

837

17.3%

922

16.5%

+10.2%

営業利益

645

13.3%

819

14.6%

+26.8%

経常利益

887

18.3%

799

14.3%

-10.0%

親会社株主帰属利益

579

12.0%

535

9.6%

-7.6%

* 単位:百万円

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

前年同期比15.7%の増収、同26.8%の営業増益
売上高は前年同期比15.7%増の55億97百万円。デジタル人材事業では、エンターテインメント業界においては特にゲーム業界の厳しい市場環境を背景に受注獲得が苦戦した。一方で、非エンターテインメント市場においては、企業のDX推進などによる技術ソリューョンに対する旺盛な需要を背景に、受注が好調に推移したことにより前年同期比10.7%増収。受託開発事業では、企業のデジタル施策への投資拡大を背景に引き続き受注獲得が順調に進んだものの前年同期との比較では9.4%減収。コンテンツプロパティ事業は、前期まで主軸の「ラングリッサー」のゲーム販売額に応じたロイヤルティ収益に加え、Dragami Gamesにおいて発売した「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」のゲーム販売額も発生したことにより、222.1%の大幅増収となった。
営業利益は前年同期比26.8%増の8億.19百万円。デジタル人材事業19.3%減益となったものの、受託開発事業では開発リソースの安定的稼働が採算性の向上に寄与して同43.9%の増益。コンテンツプロパティ事業も増収効果により同81.5%増益。

 

セグメント別売上高・利益

 

24/3期 上期

構成比・利益率

25/3期 上期

構成比・利益率

前年同期比

デジタル人材事業

2,850

58.9%

3,156

56.4%

+10.7%

受託開発事業

1,711

35.4%

1,549

27.7%

-9.4%

コンテンツプロパティ事業

276

5.7%

891

15.9%

+222.1%

連結売上高

4,839

100.0%

5,597

100.0%

+15.7%

デジタル人材事業

481

16.9%

388

12.3%

-19.3%

受託開発事業

281

16.4%

404

26.1%

+43.9%

コンテンツプロパティ事業

210

76.0%

381

42.8%

+81.5%

調整額

-327

-356

連結営業利益

645

13.3%

819

14.6%

+26.8%

* 単位:百万円
* 各セグメントの売上高(調整前)は構成比、営業利益は営業利益率。

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

2-2 デジタル人材事業の動向

* 月次売上高推移には、セグメント間の内部売上高または振替高が含まれている。
(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

7月は1Q末のプロジェクト終了の影響、8月はゲーム系プロジェクト減少の影響を受け、単月売上高が2ヶ月連続で減少。9月は非ゲーム系プロジェクトの増加により売上高は回復。2Qの売上高は、前四半期比2.1%減、前年同期比6.2%増。

 

(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

プロジェクト稼働数・平均単価ともに2Qは前四半期に対し低下。大きな要因として、ゲーム業界の景況感が影響。市場環境に対応した技術者採用・営業活動を進めていく。

 

(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

非エンターテイメント系の顧客開拓に注力し、取引社数は半期終了時点で300社を突破。非エンターテインメント系のプロジェクト割合が引き続き増加。

 

2-3 受託開発事業の動向

(同社資料を元にインベストメントブリッジ作成)

 

ストック売上高、フロー売上高ともに2Qは前四半期比増加。ストック売上高は前年同期と同水準まで回復。

 

2-4「LOLLIPOP CHAINSAW

RePOP」について

・9月発売、同月中に販売本数10万本を突破。
・初月の販売本数は当初計画を大幅に上回ったため、資産計上されていた開発費用については、同月に一括で費用計上。
・PS4/Xbox One版の発売、追加DLC(ダウンロード・コンテンツ)を予定。

 

(同社資料より)

 

2-5財政状態及び

キャッシュ・フロー(CF)

売上債権の増加はあったものの、デジタル人材事業における堅実なビジネスモデル等により、営業CFは3億63百万円の黒字を確保した。有利子負債は、短期借入金が6億50百万円(前期末比2億円減)となり2億19百万円減少した。上期末のキャッシュポジションは前期末との比較では5億7百万円減少した。現預金及び流動性の高い投資有価証券(高格付外債等)を合わせた保有残高は51億1百万円。自己資本比率は66.8%(前期末61.5%)と引き続き財務基盤は盤石。

 

財政状態

 

24年3月

24年9月

 

24年3月

24年9月

現預金

3,935

3,577

未払金

1,030

931

流動資産

6,243

5,781

有利子負債

903

683

無形固定資産

257

288

負債

2,666

2,337

投資その他

1,901

1,868

純資産合計

5,821

5,676

固定資産

2,243

2,232

負債・純資産合計

8,487

8,013

* 単位:百万円

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

24/3期 上期

25/3期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

578

363

-215

-37.2%

投資キャッシュ・フロー(B)

385

-297

-683

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

963

65

-898

-93.2%

財務キャッシュ・フロー

-23

-527

-503

現金及び現金同等物四半期末残高

3,333

3,024

-309

-9.3%

* 単位:百万円

 

* 株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

3.2025年3月期業績予想

3-1 通期連結業績

 

24/3期 実績

構成比

25/3期 予想

構成比

前期比

期初予想

売上高

10,217

100.0%

11,650

100.0%

+14.0%

11,000

営業利益

1,097

10.7%

1,500

12.9%

+36.7%

1,000

経常利益

1,448

14.2%

1,600

13.7%

+10.4%

1,050

親会社株主帰属利益

1,034

10.1%

1,080

9.3%

+4.4%

710

* 単位:百万円

 

前期比14.0%の増収、同36.7%の営業増益を見込む
通期予想は特に利益面で大幅な上方修正。25/3期は売上高が前期比14.0%増の116億50百万円、営業利益は同36.7%増の15億円を計画する。減益予想から一転、2桁増益予想。Dragami Gamesより9月に発売したゲームタイトル「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」が当初の販売計画を大幅に上回り、コンテンツプロパティ事業の売上高および営業利益が増加したことによるもの。
デジタル人材事業の売上高は前期比14.3%増の70億円を見込む。エンターテインメント業界の想定以上に厳しい市場環境を考慮し、減額修正となった。受託開発事業の売上高は前期比10.7%減の35億円で大きな変動なし。コンテンツプロパティ事業の売上高は前期比260.6%増の15億円を予想。「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」の販売数が計画を大幅に上回る見込みのため大幅な上方修正。
利益面では利益率の高いコンテンツプロパティ事業の増収の影響により、営業利益率が上昇し計画値に対し大きく増益となる見通し。経常利益は前期比10.4%増の16億円、親会社株主帰属利益は同4.4%増の10億80百万円を見込む。
配当も期初予想から14.00円の大幅な増額修正。1株当たり40.0円の期末配当を予定している(予想配当性向20.0%)。同社は、配当性向20%を目安として株主還元を実施していく方針。

 

セグメント別売上高(連結調整前)見通し

 

24/3期 実績

構成比

25/3期 予想

構成比

前期比

期初予想

デジタル人材事業

6,122

57.7%

7,000

66.5%

+14.3%

7,318

受託開発事業

3,919

38.2%

3,500

31.6%

-10.7%

3,476

コンテンツプロパティ事業

416

4.1%

1500

6.7%

+260.6%

737

連結売上高

10,217

100.0%

11,650

100.0%

+7.7%

11,000

* 単位:百万円

 

3-2 成長戦略

デジタルクリエイター&ITエンジニアプロダクションとしての機能を活かし、事業間シナジーを最大化、売上・利益の拡大・成長を目指す。

 

(同社資料より)

 

デジタル人材事業

人材戦略

 

顧客戦略

IT人材流動化に対応する採用強化

・コンテンツプロパティ事業など自社プロダクトを通じた採用

・フリーランス人材などの活用

・採用部門、採用活動への積極投資

・社員ケア、サポートシステムによる定着率向上

 

 

 

×

エンタメ系既存顧客の深堀り

・ゲーム系顧客は、1社当たりの取引額を拡大させる

・技術社員が顧客の他部門案件を当社へフィードバック

・実績の積み上げによるチーム常駐の拡大

・IT技術者をゲーム開発プロジェクトへ参画

教育・研修制度の拡充による人材力強化

・独自の研修システムによる人材力の相対的強化

・バディシステムの活用(※)

※顧客先にて先輩社員が後輩社員をケア

WEB業界など対象顧客の多様化

・ゲーム開発で培った技術(UI/UX)を他業界へ展開

・WEBサービスのアプリ化に伴う開発需要の取り込み

・単純派遣ではない、企画提案型開発ソリューションの提供

外国人技術者の活用

・ベトナム人材の将来的な活用

・日本からベトナムへの技術支援制度の構築

提供サービス(職種)の多様化

・開発工程だけではなく、プロモーション、データサイエンティスト、デバッグなど周辺業務の提供

・進出する業界によっては、更に専門性の高い職種への展開

(同社資料より)

 

②受託開発事業

・主に大規模プラットフォームに関わる各種開発・保守実績を踏まえ、ナショナルクライアントから直接案件を受注し、開発ノウハウを海外含めグループ内に蓄積していくことで業容拡大を目指す。
・大規模プラットフォームをメインとしたソリューション提供は、運用型サービスがセットとなるケースが多く、新規受注〜保守・運用開発〜追加開発と安定的な受注が獲得できるサービスラインを構築する。

(同社資料より)

 

 

③コンテンツプロパティ事業

・100タイトル超のゲームタイトルやキャラクターに関するIPをベースに、ゲームサービスやライセンスサービスなど収益源をマルチに展開し、利益率の高いプロジェクトを積み上げていく。
・他社IPとの相互連携、事業提携なども視野に入れ、知的財産活用機会を積極的に広げていく。
・同事業は、事業環境・景気動向などによって業績の変動が大きいため、状況に応じた事業戦略を立案しスピーディに実行していく方針。

 

【ゲームサービス】

 

【ライセンスサービス】

 

(同社資料より)

 

4.今後の注目点

Dragami Gamesより9月に発売したゲームタイトル「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」の予想を大きく上回るヒットが25/3期の大幅上方修正の要因となった。前回レポートでは利益面について、「上方修正した24/3期に見られたように保守的である可能性が高い」としたが少し意外な形で具現化した。「LOLLIPOP CHAINSAW RePOP」は、米国での販売が好調でヒットが長引く可能性もある。追加DLCを投入予定でもあり、さらなる上乗せ余地がありそう。また、受託開発事業における利益面での改善が引き続き進展しており、ベトナム子会社の貢献もしっかり。
近年、デザインの需要が高まっている。例えば、SIerはプログラムをつくることはできるが、画面でどう表現していくか、言い換えると、UI・UXに関する部分は苦手だ。一方、同社の強みは、ゲームを通じて、取扱説明書がなくても使うことができるソフトウエアを開発してきたこと。ゲームは遊びながら使い方を理解できるような作り方をしないといけないが、スマートフォンも同じ。ただ、今の日本にはこうした技術を持つ企業は必ずしも多くない。UI・UXに対するニーズが高まっているということは、同社が持っている技術に対するニーズが高まっているということであり、ライバルも少ない。同社が、非エンタメ系(ITやWeb関連)の売上を伸ばしている背景には、時代のニーズと同社の強みが合致していることがある。デジタル人材事業は今回減額修正となったが、非エンタメ市場では企業のDX推進などによる技術ソリューションに対する需要が旺盛である。
上方修正を受けて株価は上昇したものの、依然としてPERは10倍を大きく割り込んでいる。年末商戦を控え、今後の修正余地も踏まえると株価はさらに見直しが進みそうだ。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査役設置会社
取締役 4名、うち社外1名
監査役 3名、うち社外3名

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2024年6月27日)

 

基本的な考え方
当社グループは、企業活動を支えるあらゆるステークホルダーの利益を重要視しており、長期的、継続的また効率的な株主価値の最大化を実現する上でも、コーポレート・ガバナンスの確立を重要な経営課題であると認識しております。企業の社会的責任については、株主のみならず、多くのステークホルダー、また直接的な利害関係者でない社会全般に対してもコーポレート・ガバナンスを基盤として会社全体で使命を共有し、事業の根幹たる「お客様を幸せにする」においてたゆまぬ付加価値創造に注力すべく、従業員に対し基本的な心構え・指針となるよう「社内規程」の整備・徹底を図っております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
当社グループはコーポレートガバナンス・コードの基本原則を実施しております。

株式会社インベストメントブリッジ
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