デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916) 前四半期比で3期連続の増収増益

2024/04/04

 

 

 

市川 聡 社長

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社(3916)

 

 

企業情報

市場

東証プライム市場

業種

情報・通信

代表取締役社長

市川 聡

所在地

東京都中央区八丁堀4−5−4 FORECAST桜橋

決算月

6月末日

HP

https://www.ditgroup.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,900円

15,501,820株

29,453百万円

25.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(倍)

46.00円

2.4%

116.00円

16.4倍

399.61円

4.8倍

*株価は2/22終値。発行済株式数、DPS、EPSは2024年6月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2020年6月(実)

13,495

1,352

1,357

978

64.18

20.00

2021年6月(実)

14,444

1,722

1,730

1,196

78.47

24.00

2022年6月(実)

16,156

2,004

2,004

1,439

94.38

40.00

2023年6月(実)

18,149

2,039

2.059

1,447

95.18

36.00

2024年6月(予)

19.500

2.500

2.500

1.734

116.00

46.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。22/6期の配当には記念配当8.00円/株を含む。

 

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社の2024年6月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2024年6月期第2四半期決算概要
3.2024年6月期業績予想
4.今後の注目点
<参考1:2030年ビジョンと中期経営計画>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 24年6月期第2四半期の売上高は前年同期比5.6%増の95億75百万円。エンベデッドソリューション事業を中心にソフトウェア開発事業は堅調、システム販売事業は2桁の増収。営業利益は同4.1%減の11億98百万円。売上・利益とも期初予想を上回った。前期発生した不採算案件の引継ぎ対応については、移管コストが発生する作業は第1四半期に完了し、第2四半期からは有償での支援作業を実施しており、引継ぎに関するコスト発生は終了。収益に対する直接的な影響はなくなった。四半期ベースの売上高は過去最高を記録し、前四半期比では3期連続の増収増益となった。 
  • 業績予想に変更は無い。売上高は前期比7.4%増の195億円、営業利益は同22.6%増の25億円の予想。全事業増収増益予想。不採算案件の影響は第1四半期で収束したため、下期は前年同期比、今上期比とも増収増益を見込む。中期経営計画最終年度に当たり、中計で掲げた「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸を基に、14期連続の増収増益を目指す。配当は前期比10.00円/株増配し46.00円/株の予定。予想配当性向は40.2%。 
  • 不採算案件の影響もなくなり、下期からは本格的な回復が期待される。上期の通期予想に対する進捗率は、売上高49.1%、営業利益47.9%。売上高はほぼ例年並みだが、営業利益に関してはやや低水準となっている。売上・利益の積み上げ、通期予想達成のポイントとしては、一つは売上高進捗率が47.5%にとどまるビジネスソリューション事業が第4四半期に向けて、どれだけ拡大するか、もう一つは、案件が順調に積み上がっている自社商品について、実際にどこまでクロージングに繋げることができるか、となろう。中期経営計画最終年度となる今期、まずは第3四半期の両事業の動向に注目していきたい。 

1.会社概要

独立系の情報サービス会社。金融、通信などを中心顧客とした業務システム開発、組込み開発等の受託開発が売上の大半を占めるが、Webセキュリティソリューション「WebARGUS(ウェブアルゴス)」、Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos(ゾブロス)」を始めとした独自技術による自社製品の拡大に注力している。「多面多様のIT企業」、「部分最適と全体最適の組織戦略」といった特長を持つ。

 

【1-1 沿革】

日本電信電話公社在籍時にプログラマーの資格を取った故市川 憲和氏(前取締役会長)はコンピュータという今まで経験したことの無い新しい世界と出会い、その将来性に大きな魅力を感じ、チャレンジ精神を奮い起こされ独立。
1996年に知人が経営していた東洋コンピュータシステム株式会社の社長として経営を任された後、業務システム開発事業を皮切りに、コンピュータ販売事業(現・システム販売事業)、組込み開発検証事業、運用サポート事業などを手掛け、多面多様のIT企業として事業領域を拡大していった。その後、2002年にグループ企業数社を完全子会社化して、同社の前身となる東洋アイティーホールディングス株式会社を設立し、2006年に子会社4社を統合し、現社名に商号変更した。また、2011年1月にDIT America, LLC.を米国カンザス州に設立、2015年6月に東証JASDAQ市場に上場、2016年5月に東証2部市場に上場し、2017年3月に東証1部へ市場変更。2018年7月、変化が加速する経営環境の下、経営体制の若返りを図り、迅速な意思決定を可能にする体制作りを目的として代表取締役専務 市川 聡氏が代表取締役社長に就任した。
2022年4月、市場再編に伴い東証プライム市場に移行した。

 

【1-2 企業理念】

 

 

当社のロゴマークは、無限階段がついた立方体の集合体となっています。

この集合体こそが、当社そのものであり、立方体一つひとつが社員一人ひとりを表しています。

立方体の6つの面は、全社員が共有し、大切と考える6つの価値を表しています。

この価値をお客様、会社、社員の3層で言葉に表したのが、当社の企業理念です。

 

(同社HPより)

(同社HPより)

 

立方体を展開したのが上の図で、市川社長によれば、「まずは顧客起点。ここから全てが始まる。」ことを強調している。その意識の下で、会社としては「社員の育成」と「対顧客、社員同士のコミュニケーション」、社員は「付加価値の向上」、「熱い情熱を持つ」、「目的意識を持つ」ことが重要な価値であることを示している。
社員はこの理念をクレドにして携行し、常に基本に立ち返ることとしている。

【1-3 市場環境】

【1-4 事業内容】にあげる同社各事業の市場環境及び成長性の概要は以下の通りである。

 

(1)ビジネスソリューション事業
人手不足・業務効率化に貢献するITソリューション、中でもDXは企業の重要な課題として位置付けが高まっており、株式会社富士キメラ総研の調査によれば、業種を問わず積極的な投資が行われており、2030年度のDX国内市場は2020年度の3.8倍の5.2兆円に拡大するという。

 

(株式会社富士キメラ総研『2022 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編』より)
※同資料はデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社より提供を受け、(株)インベストメントブリッジが掲載。

 

(2)エンベデッドソリューション事業
株式会社矢野経済研究所によれば、国内の車載ソフトウェア市場は2019年まで拡大基調で推移したものの、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて新車販売台数が減少。しかし、その後は、特にCASE(Connected、Autonomous、Shared & Service、Electric)対応などの設備投資・研究開発投資が引き続き伸びていく見込みで、2030年まで右肩上がりの成長を続けていく見通し。2025年の車載ソフトウェア(4分野)市場は1兆1,038億円、2030年には1兆3,140億円に達すると予測している。

 

(株式会社矢野経済研究所「車載ソフトウェア市場に関する調査 2020年」より)
※同資料はデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社より提供を受け、(株)インベストメントブリッジが掲載。

(3)自社商品事業
①「WebARGUS(ウェブアルゴス)」
新型コロナウイルスの感染拡大によって、企業での働き方がオフィス勤務からリモートや在宅勤務へ移行し、デジタル空間での活動が増加したのに伴い、フィッシングやマルウェア感染、企業システムへのセキュリティ侵害、IDの不正利用などのセキュリティリスクが高まっている。IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社では、2021年の国内セキュリティソフトウェア市場は前年比17.2%増の3,703億円(売上額ベース)になったと推定しており、2026年には4,637億円に拡大すると予測している。

 

(IDC Japan 株式会社「最新の国内情報セキュリティ市場予測 2022年5月」より)
※同資料はデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社より提供を受け、(株)インベストメントブリッジが掲載。

 

また、サイバーセキュリティリスクが高まる中、ランサムウェアによる被害が急増している。
ランサムウェアとは、コンピュータをウイルスに感染させロックしたり、ファイルを暗号化したりすることによって使用不能にしたのち、元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求するマルウェア。Ransom(身代金)とSoftware(ソフトウェア)を組み合わせた造語である。

 

独立行政法人「情報処理推進機構」(IPA)では、毎年その前年に発生した社会的に影響が大きかったと考えられる情報セキュリティにおける事案から、IPAが脅威候補を選出し、情報セキュリティ分野の研究者、企業の実務担当者など約200名のメンバーからなる「10大脅威選考会」が脅威候補に対して審議・投票を行い、「「情報セキュリティ10大脅威」を決定し、発表している。2022年を対象とした「情報セキュリティ10大脅威 2023」では、組織分野で「ランサムウェアによる被害」が、2021年から3年連続で1位に位置付けられた。社会にとって大きな脅威となっている。

 

(独立行政法人「情報処理推進機構」(IPA)のウェブサイトより)

 

②「xoBlos(ゾブロス)」
業務効率の大幅な改善を支援するシステム「RPA(Robotic Process Automation)」に注目が集まっている。
RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボットによる業務自動化の取り組みのこと。AI(人工知能)や、AIが反復によって学ぶ「機械学習」等の技術を用いて、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担い、人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、ソフトウェア、ブラウザやクラウドなどさまざまなアプリケーションを横断して処理することができる。日本企業の克服すべき課題として挙げられている「働き方改革」を実現する手段の一つとして今後急速な拡大が予想されている。

(矢野経済研究所「2021 RPA市場の実態と展望」をもとにデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社が作成)

 

【1-4 事業内容】

1.セグメント
セグメントは「ソフトウェア開発事業」と「システム販売事業」の2セグメント。「ソフトウェア開発事業」は、ビジネスソリューション事業、エンベデッドソリューション事業、自社商品事業の3事業から構成されている。

 

(1)ソフトウェア開発事業
①ビジネスソリューション事業
(業務システム開発事業)
金融業、医薬・製薬業、通信業、流通業、運輸業等の幅広い分野において、エンドユーザーや顧客の情報システム子会社からの受託開発が中心。その他、大手SIベンダーからの受託開発も行っている。
具体的には各分野で培った技術により、Web系や基幹系、フロント業務からバックオフィス業務、新規システム開発や保守開発を行い、各分野の大手企業との信頼関係を築き上げ、安定した受注を確保している。

 

(運用サポート事業)
主要取引先は通信キャリア、人材総合サービス会社、及び航空会社系情報システム子会社など。
「ITを通じて顧客の日常業務の運用をサポートする事業」であり、大手顧客の事業ドメインに沿った形での継続的なビジネスであるため、安定した収益を見込むことができている。

 

具体的な業務内容としては、以下のようなものがある。

各種業務システムを用いるエンドユーザーに対するサポートデスク業務
インフラ(サーバー、ネットワーク)の構築・維持保守を行う業務
最新技術動向に応じた、効率的なシステム運用を行う業務

 

②エンベデッドソリューション事業
(組込み開発事業)
車載機器、モバイル機器、情報家電機器及び通信機器等のソフトウェア開発を大手メーカーから直接受託している。
この内、車載機器、モバイル機器、情報家電機器等においては機器のファームウェア、デバイス機器の制御、アプリケーション等、システム全体にわたるソフトウェア受託開発を行っている。

 

特に、今後成長が見込める車載機器においては、インフォテインメントをはじめ、新しい技術である自動運転関連に注力している。また、通信機器においては、無線基地局や通信モジュール機器のソフトウェア受託開発を行っている。

 

(組込み検証事業)
製品に対する品質や性能の検証業務の受託及び検証業務を通じて機能や製品の改善について提案を行っている。
専門的な機器を使用し動作や性能を検証するラボ試験や、国内・海外(北米、アジア、ヨーロッパ等)の実際の環境で検証するフィールド試験、最終的な品質検証として第三者の観点で実施するシステム総合試験まで、様々な検証業務を行っている。
海外で実施するフィールド試験については、必要に応じて子会社のDIT America, LLC. に委託することにより、迅速なサービス提供と現地スタッフの感性も踏まえたユーザビリティの検証を行っている。
対象機器としては、車載機器、医療機器、通信機器、モバイル機器等である。

 

③自社商品事業
成長分野として独自技術の商品を自社開発し販売するほか、アライアンスにより社会的なニーズの高い商品を取り扱っている。
現在同社が販売に特に注力しているのは、システム改ざんを発生と同時に検知し、瞬時に元の正常な状態に復元できる、新しいセキュリティソリューション『WebARGUS(ウェブアルゴス)』、データの分解・再構成機能を特徴とし様々な形のデータ事務処理ニーズに応えるExcel業務イノベーションプラットフォーム『xoBlos(ゾブロス)』、電子契約アウトソーシングサービス『DD-CONNECT』など。

 

この他、電子メールに電子署名を自動的に付与し、フィッシング詐欺やブランド盗用による被害を未然に防ぐためのソリューション『APMG(エーピーエムジー)』、ホームページ編集・更新が容易にできるCMS(コンテンツマネジメントシステム)『shield CMS (シールドシーエムエス)』などがある。

 

(2)システム販売事業
同社及び子会社のDITマーケティングサービス株式会社が、カシオ計算機株式会社製の中小企業向け業務支援・経営支援基幹システム「楽一」の販売を行っている。
販売エリアは、神奈川からスタートし、東京、千葉、群馬、愛媛へと順次拡大。ユーザーに対し、手厚いサポートを行うことで、リピート率の向上に努めている。加えて、コールセンターを設けて新規顧客開拓を進めており、「楽一」販売台数は全代理店中18年連続全国No.1となっている。

 

2.注目の戦略商品
①サーバセキュリティソリューション「WebARGUS(ウェブアルゴス)」
WebARGUSは、システム改ざんを発生と同時に検知し、瞬時に元の正常な状態に復元できる新しいセキュリティソリューション。改ざんの瞬間検知・瞬間復旧により、悪質な未知のサイバー攻撃の被害から企業の各種サーバを守ると同時に、改ざんされたサーバを通じたウイルス感染などの被害拡大を防ぐ。

 

(同社資料より)

 

◎増加するウェブサイト改ざん
「JPCERTコーディネーションセンター(※)」が公開しているインシデント報告対応レポートによると、毎月100件前後の報告がなされており、官公庁なども含めて規模に関わらず常にその脅威に晒されている。

 

「JPCERTコーディネーションセンター」(※):インターネットを介して発生する侵入やサービス妨害等のコンピュータセキュリティインシデントについて、日本国内に関する報告の受け付け、対応の支援、発生状況の把握、手口の分析、再発防止のための対策の検討や助言などを、技術的な立場から行なっている。

 

◎「WebARGUS」開発の背景
こうした状況の下、電子メールに電子署名を自動的に付与しフィッシング詐欺やブランド盗用による被害を未然に防ぐためのソリューション「APMG」を既に自社開発しリリースしていた同社は、2年程の調査の後、セキュリティに関するコア技術をベースに2013年春に「WebARGUS」の開発に着手。2014年7月にリリースした。

 

同社はITに関する多様で豊富な技術を有することが大きな特長・強みだが、セキュリティのコア技術に関してもハイレベルである。これは、受託開発では飽き足らず独自製品を作りたいという同社エンジニアのベンチャーマインドやチャレンジ精神に起因するもので、後述する同社の企業文化、カンパニー制度に代表される組織戦略が大きく影響しているといえそうだ。

 

◎製品の特長・概要

システムの改ざん状態を極力ゼロにする瞬間検知・瞬間復旧
正規ユーザーになりすました改ざんや内部犯行、防御が困難な新手の手口にも対応
1ビットの改ざんも見逃さない、『電子署名』技術を駆使した高精度の改ざん検知
アプリケーションや設定ファイルを狙った高度な改ざん攻撃にも対応
通常監視時にサーバにかかるCPU負荷(使用率)は1%未満
改ざんされたファイルを証拠として保存する証拠保全機能搭載

 

Webサイト改ざん被害に遭った場合、サイトの公開停止、被害箇所の特定、防御強化、サイト復旧・再公開という手順を取ると復旧までは平均で1か月かかる。仮にEC(電子商取引)を手掛けていれば、売上減少、再公開の周知の手間、一度離れた顧客の呼び戻しが困難など、その被害は甚大なものとなる。
これに対し、「WebARGUS」を導入していれば、改ざんの瞬間検知・瞬間修復により、システムの状態を正常に維持し続けることが可能なため、改ざんを検知しても慌ててサイトの公開を停止する必要がない。サイトの運用を続けながら、改ざんされた原因を追求し防御強化に専念する事ができる。

 

他社の改ざん検知ソフトは、事前設定によって決められたタイミングや間隔でWebサイトを検知する定期監視が主流。ただこの場合は改ざん時と検知時のタイムラグが発生するため改ざん状態は免れない。またタイムラグを縮小するために検知の間隔を短くするとCPUへの負荷が大きくなってしまうなどの課題が残る。

 

「WebARGUS」は、サーバのOSに何らかのイベント(閲覧されている以外の、データを消された、書き加えられた等)が発生するとそのイベントをリアルタイムで検知するため、そのような課題は発生しない。
加えて、同製品は検知した改ざん状態を0.1秒未満(デモ環境の平均値:1ファイル当たり0.03秒)で正常復旧することが可能な、瞬間復旧機能を搭載している点が大きな特長であり、この瞬間復旧は同社のオリジナル技術である。

 

「WebARGUS」の年間ライセンス利用料は1OSにつき¥528,000(税込)で、サポート込み。
マイナーバージョンアップ時の更新モジュールの無償提供なども含む。

 

◎導入および販売状況
リリース当初はWebサイトセキュリティに対する考え方は侵入に対する防御が中心で、「改ざん検知」自体の認識が低いこともあり、ややスローな立ち上がりであったが、日本におけるIT国家戦略を技術面、人材面から支えるために設立された経済産業省所管の独立行政法人「IPA(情報処理推進機構)」でも、改ざん防止のための対応への言及が増加していること等から、「防御ソフトのみでなく改ざん検知ソフトが必要」という共通認識が急速に広がりつつある。
加えて、2017年11月16日に発表された「サイバーセキュリティ経営ガイドラインの改訂ポイント」において経済産業省が、「攻撃の検知」および「復旧」に関する「サイバーセキュリティリスクに対応するための仕組みの構築」を新たに重要項目として追加したこと、並びに近年はBCP(事業継続計画:Business Continuity Planning)、及びBCRP(事業継続と復旧計画:Business Continuity & Resiliency Planning)において、基幹業務やビジネス基盤を支えるサーバの安定稼働が強く求められていることもあり、引き合いは更に強まっているという。

 

こうした環境下、同社では、より高度なセキュリティの必要性を認識しているユーザー層を対象に、セミナーの開催、展示会への出展などのプロモーションやマーケティングを展開している。
販売力強化に関しては、代理店販売にも力を入れている。
また、データセンターやクラウドサービス事業者との協業にも積極的に取組んでいるほか、国内への製品販売だけでなく、海外進出も予定しており、世界中のシステム改ざん攻撃に対応する考えだ。

 

◎商品力の強化
当初はLinux版のみであったが、2016年4月にはWindows版を、2017年9月には大企業を対象としたエンタープライズ版をリリースしたほか、2018年2月にはトータルWebセキュリティ機能を大幅に強化する次世代型クラウドWAF「WebARGUS Fortify」の提供を開始した。特にエンタープライズ版のリリースにより、上場企業を中心とした大企業の導入事例も増加している。
また、ユーザーの利便性を高め、一層の普及を促すべく2018年5月には「SaaS」による提供も開始したほか、同年6月にはフィンランドのサイバーセキュリティ企業のウィズセキュア社と全面的に協業。ウィズセキュア社のITシステム脆弱性診断ツール「F-Secure RADAR」とDITの「WebARGUS」との補完関係によるトータルセキュリティ提供体制を構築した。
続いて、2019年12月にはシンガポールのサイバーセキュリティ企業セキュアエイジ社と情報漏洩対策(暗号技術)に関し、また2020年1月にはフィンランドのサイバーセキュリティ企業SSH Communication Security社とアクセス経路最適化等で協業を開始した。今後もこうしたアライアンスを積極的に進めていく。

 

このようにアライアンスも含めてセキュリティソリューションのラインアップを拡充した同社だが、今後はIoT時代のセキュリティ対策を見据えた組込み製品向けWebARGUSをはじめとして、製品の適用範囲の拡大を検討している。
例えば自動運転の普及・浸透に伴い、安全性の確保は自動運転システム提供企業にとって極めて重要な課題であり、同社が活躍するフィールドは今後もますます広がりを見せることが予想される。
組込み版については正式なプロジェクトを立上げ、製品化に向けて具体的なビジネスの検討と技術調査を継続中で、実際の商品化にはもう少し時間がかかるようだが、地道な実績の積み上げを経た早期の製品化を目指している。

 

◎セキュリティ領域の拡大:WebARGUS for Ransomware
近年、ランサムウェアの被害が急増している。
そこで同社では、ウェブサイト改ざんの瞬間検知・瞬間修復を行う「WebARGUS」に加え、悪意ある侵入を前提に、重要なデータへの変更・削除をリアルタイムにブロックする機能を搭載し、様々なリスク(サイバー攻撃、内部犯行、ランサムウェアによるデータの暗号化等)から、重要なデータを保護する「WebARGUS for Ransomware」Intel64版を2022年11月に、同じくARM64版を2023年1月にリリースした。
一言でランサムウェアといっても多くの命令パターンがあるが、「WebARGUS for Ransomware」は約30パターンの命令に対応しブロックすることができる。ここまで幅広い制御パターン数を有する同種製品は無いと同社では考えており、従来の「WebARGUS」と組み合わせることで、より強固なサーバサイドセキュリティを確立することができる。

 

まず、既存の「WebARGUS」ユーザー、特に現行のエンタープライズ版ユーザーに対しデータプロテクション機能が搭載された点をアナウンスしたところ、リプレース案件による導入が始まっている。今期24年6月期から本格的な展開を開始する。

(同社HPより)

 

②Excel®業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos(ゾブロス)」
IT化の進んだ先進企業でも、現場ではExcel®を利用した手作業を含む様々な業務が数多く存在している。紙帳票からの手入力によるExcel®帳票生成、複数のExcel®シートを元にした集計作業、パッケージシステムから抽出されたCSVデータの可視化と分析等の非定型業務の多くは、現場部門の地道な手作業によって処理されている。
同社が独自開発した「xoBlos(ゾブロス)」は、こうしたExcel®ベースの非効率な業務を完全自動化し、劇的な業務効率化をサポートするもの。

(同社資料より)

 

◎開発の背景
企業では見積書や請求書作成に表計算ソフトの代表であるExcel®を用いるケースが多いが、例えば、顧客ごとに異なったフォーマットの見積書、請求書をExcel®で作成している場合、集計、分類・分析などを行うにはシステム化は困難で、手入力が必要となる。そこで、この作業を自動化し業務効率の大幅な改善を目指すことを目的として開発されたのがExcel®業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos」である。

 

◎製品の特長・概要及び導入例

異なる形式のデータでも、まとめて集計・加工可能
使っているExcel®表を活かしたまま、効率化が可能
マクロに比べ最大で数十倍の処理速度
Excel®表出力エンジンとして他社パッケージ製品に組込み可能

 

Excel®を利用した業務効率の大幅な改善を目的として約10年前にリリースした「xoBlos」だが、長時間労働の是正を中心とした「働き方改革」のトレンドが強まる中、「現在使用しているExcel®を使った業務フローをそのまま流用しながら業務効率化から経営判断に資する情報提供までをカバーする全社プラットフォームが構築できる」と言った効率性や、手軽さや導入コストの相対的な安さなどから注目度が飛躍的に高まっている。まさに「時代が同社とxoBlosに追い着いてきた」状況だ。

 

さらなる商品力強化に向けて2018年2月には、RPA製品や他システムとの連携機能を持たせることでExcel®業務の自動処理化をより一層強化した。同機能はPCクライアント上に加え、Web Server上でも動作可能であり、幅広いユーザーの利便性を向上させることとなる。

 

今後数年で800億円まで倍増するとも予想される国内RPA市場だが、RPA関連サービスが8割を占め、2割のRPAツール製品より成長率は大きいと見られている。RPA関連サービスとも位置付けられるxoBlosの大きな成長性はこの点からも期待できる。

 

加えて最近では「Excel®型 データプレパレーションツール」というコンセプトを明確に打ち出している。
「データプレパレーションツール」とは、IT部門だけでなくビジネス部門のユーザーも簡単・迅速にデータの確認や成形を行うためのツールのこと。米国では約7割の企業が導入しているのに対し、日本ではまだ2割にとどまっている。

 

収集したデータを現場で有効に利活用するには、分析やシステム連携のためにデータをきれいに加工・整形する必要があるが、実際にはデータには表記ゆれや誤変換、欠損値、フォーマットのズレなどが点在しており、業務の50~80%がこうした点を整形する準備工程に費やされている。こうした作業をマクロやVBAによって効率化している場合もあるが、これらは設定が属人ベースであるため、人事異動などがあった際は、持続的な作業ができない可能性もある。
これに対し、「Excel®型 データプレパレーションツール」であるxoBlosは、自動化の下でフォーマットや形式が異なるデータも綺麗に整形し、希望する形でアウトプットができるほか、ノーコードで設計可能なため属人化のデメリットを防ぐことも可能である。

 

こうした「データプレパレーションツール」としてのxoBlosの価値を改めて訴求し、さらなる導入件数の拡大に繋げていく考えだ。

 

 

 

(同社資料より)

 

◎更なるプラットフォームの価値向上へ「xoBlos プラスワン構想」
Excel®ベースの非効率な業務を完全自動化し、劇的な業務効率化をサポートするExcel®業務イノベーションプラットフォームとして高い評価を得ているxoBlosだが、同社では時代および顧客ニーズの変化に対応し、顧客にとってより高い付加価値を提供するプラットフォームへと進化させるべく取り組みを始めた。
それが「xoBlos プラスワン構想」である。
「xoBlos プラスワン構想」の中心コンセプトは「データの価値向上」。
企業は様々な活動を行っているが、それぞれの活動を管理するために、各種システムを導入している。
例えば、ヒト・モノ・カネ・情報といった資源を適切に分配し有効活用する計画を立案するためのERPを最上位に、顧客管理のためのCRM、在庫管理、受発注、勤怠管理、人事、会計などの各システムである。
それぞれのシステムからは大量のデータを抽出することができるが、近年、これらのデータをそれぞれ別個に取り扱うのではなく、統合・組み合わせることにより今までは見ることのできなかった自社の姿を可視化したい、より効率的な業務運営を可能にしたいというニーズが急速に高まっている。
ただ、この作業を行うには多くの工数、多額のコストが必要になるなど、企業にとって実現は容易でないのが現状である。
こうした状況において、データ処理を高効率・高速度で行うxoBlosを導入した顧客は、これまでのレポーティング効率化に加えて、容易かつリーズナブルなコストでのデータの統合・組み合わせによって自社データの価値を高め、活用することができる。
また、川上である経営層から生産・営業・総務・管理などの川下まで、あらゆる部署・部門が希望するフォーマットでデータを利用できるという点も「xoBlos プラスワン構想」の大きな特徴である。
今後はメーカーとのタイアップによりプラットフォームであるxoBlosの上で様々なシステムを連携させ、具体的な「xoBlos プラスワン」の姿を顧客企業に提案していく。

 

下記の導入事例を始めとして、多くの企業で大幅な業務効率化を実現している。
※同社資料より(株)インベストメントブリッジが抜粋・要約

 

*導入事例:群馬県渋川市役所「行政事務の効率化を目指しxoBlosを導入予定」
(xoBlos導入検討の経緯)
情報化社会の進展に伴い、渋川市でもITを積極活用して、行政サービスの向上や効率化を図る取り組みが2007年に始まった。2018年には「渋川市情報化推進基本方針」を策定し、翌2019年には「渋川市情報化推進実施計画」を定め、行政事務効率化の推進を目標に掲げた。具体的にはAI やIoT、RPAを活用して行政事務を効率化するというもの。

 

(xoBlos選定の理由)
当初はRPAの導入を検討していたが、人事課の業務をベンダーがヒアリングした結果、 「Microsoft Excel®を使用する業務プロセスが非常に多い」という指摘を受けた。そして、業務効率化を行う上では、RPAのようにPCを使う業務全般に対応できるツールよりも、Excel®業務に特化したxoBlosのようなツールを使うほうが職員の取り扱いも容易で、成果が出やすいのではないかとアドバイスを受けた。
そこで、Excel®のマクロ機能、RPA、xoBlosの比較検討を行った。
Excel®のマクロは詳しい職員が異動してしまうとメンテナンスができなくなるというデメリットがあり、実際に庁内でもそのような問題が発生していた。
また、RPAはExcel®以外のアプリやソフトウェアを動かせるものの、自動化プログラムを作成し安定稼働させるまでの工数が、多大で専門的なスキルも必要とされる。
その点xoBlosはITに詳しくない職員でも使いやすいツールであり、庁内にExcel®を使用する業務が数多くあるため、効率化を進めやすいと判断した。

 

(xoBlosの利用方法)
人事課では年1回、全職員約700名を対象に異動の希望や、職場への要望を募る職員調書というアンケートを実施しているが、この職員調書の集計業務にxoBlosを利用した。
xoBlos利用以前の作業では、アンケートは指定用紙にPCもしくは手書きで記入し、封に入れて提出するというもの。人事課ではこれを1枚1枚チェックし、700件超の内容を別のExcel®に転記し、人事異動の参考資料とするためファイリングまで行っていた。 「職場への要望」「希望する異動先」など、記述式設問が多いため転記量は膨大である。加えてセンシティブな情報を含むため作業を行うのは人事課で1人のみであり、その秘匿性から、夜間や会議室にこもって作業をする必要があった。
試算したところ、職員調書の集計業務には78時間もの作業工数がかかっていた。
xoBlosの利用にあたっては、ベンダーの協力を得て、まず現状のアンケートフォーマットをxoBlosで集計できる形に改修。
次にメールアドレスや生年月日など職員個人データをxoBlosにインポートし、xoBlos経由でアンケートフォーマットに各職員の個人情報をあらかじめセット。これをxoBlosによって各職員に向けて一括メール送信した。

 

メールが返信されたら添付ファイルを所定フォルダに保存し、xoBlosで集約処理をかけると、アンケート内容が自動で一覧化され、提出・未提出の状況も一目で確認できるようになる。
最後はこれを印刷してファイリングする必要があるが、ベンダーが開発した拡張アプリによってxoBlosから一括印刷も可能となり、クリック操作一つでファイリング準備まで整うようになった。
この結果、78時間かけて行っていた作業は、xoBlos導入により7時間に短縮された。効率化のインパクトは極めて大きなものであった。

 

(xoBlos使用後の感想)
今回のxoBlos利用は実証実験的な意味合いもあり、新プロセスの策定、新フォーマットの作成、xoBlosの設定など、導入作業のほとんどをベンダーが代行したこともあり、すでに設定されたxoBlosを扱うのは極めて容易であった。
また、xoBlosは既にあるクライアントPCにインストールして利用しているので、導入に伴う新たな設備投資も不要であった。
ITを活用した新しい取り組みをここまでスムーズに行えるのはとても珍しいことであると感じているという。

 

(今後の方針や展開)
人事課における実証実験でxoBlosの効果が確認できたため、今後は別の課や別の業務にも広げていきたいと考えている。Excel®を使用する事務作業は庁内において想像以上に多数あるため、効率化の効果はこれから更に期待できると考えている。

 

同市役所では、xoBlosによる業務効率化を実現するには現状の業務プロセスを可視化する必要があり、その過程で業務の必要性を含め、業務を見直す視点が生まれたということで、業務効率化だけでなく、意識改革の良いチャンスにもなるxoBlosを高く評価しているということだ。

 

◎顧客・販売方法
現在同社では、xoBlosをより販売しやすい商材へとブラッシュアップするために、前述したような「データプレパレーションツール」としてのxoBlosの価値を改めて訴求するほか、販売活動においても様々な取り組みを進めている。

 

*対象顧客
当初は中堅企業の採用が中心だったが、現場業務の効率化ニーズが増大する中、大企業の導入実績も増加しており、足元では新規導入先の約7割は大企業となっている。現在の累計導入社数は560社を超えた。新規導入については純粋な企業数増のみではなく、社内での大幅なライセンス増が期待できる大手企業への導入に注力する。
2020年8月からは安定的な収益拡大と収益性向上を目指し、サブスクリプションモデルの全面採用を開始した。
特に足元では、時短や働き方改革が急務となっている一方でDX化進展に課題の多い、建築・不動産、自治体、小売といった業種・業界を主要ターゲットとしてxoBlosの導入を積極的に働きかけていく考えだ。

 

*OEM
xoBlosが有する強力な機能を、他社が展開しているプロジェクト管理ツールやRPAといった商材のオプションとしてOEM提供することに注力している。

 

22年12月には、株式会社システムインテグレータ(東証スタンダード、3826)が開発・提供する統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」に蓄積されたプロジェクト管理データを、加工・整形してExcel®レポートに出力することができるオプションサービス「xoBlos for OBPM」のOEM提供を開始した。
「OBPM Neo」は、プロジェクト管理に必要な原価・採算、進捗、要員、リスク、障害、課題などを統合的に管理することができるプロジェクト管理ツール。各種分析が可能な画面と機能を備えているが、会議に必要な独自のレポートは、顧客が別途時間をかけてデータを集計・加工し、レポートを作成しなければならないという課題があった。この課題を解消するため、両社での検討を経て、「xoBlos for OBPM」を「OBPM Neo」の新オプションサービスとしてOEM提供することとなった。

 

「xoBlos for OBPM」を利用することで、手動で行っている集計・加工作業を自動化でき、最大90%の工数削減が可能。「OBPM Neo」のデータを利用して活用する頻度の高いレポートは標準テンプレート(予実管理、品質分析、稼働状況等)として用意しており、標準テンプレートは定期的に追加される予定である。
また、xoBlosクライアントを利用することで、テンプレートの編集や、欲しい情報や形式に合わせた独自のレポートテンプレートの作成や自動出力も可能である。

 

他にもRPAを始めとして、複数の案件が進行中である。

 

*代理店
販売に関しては、主力代理店の一つである大興電子通信株式会社(8023、東証スタンダード)とのセミナー共催など、大興電子通信の持つ幅広い顧客層と拠点、販売力を活かすことを中心に営業を展開中。大興電子通信を含め約30社の代理店網を構築している。
今後も代理店網の強化を図っていくが、自治体へのアプローチに強みを持つ、IT補助金導入のノウハウが豊富、xoBlosとの連携がしやすい自社商材を保有している等、代理店選定のターゲットをより明確化していく考えだ。

 

*認知度向上に向けた広告宣伝
従来のアウトバウンド型セールスに加え、情報発信を強化しつつ顧客からの問い合わせを増大させるインバウンド型セールスの強化にも取り組んでいる。
情報発信としては、オンラインを中心としたセミナーのほか、WebARGUSやshield cmsといった他の自社商品と合同でのSNS利用を含めた広告宣伝活動などを進めている。
広告宣伝については、xoBlosを含めた自社商品を担当するプロダクトソリューション本部の下に23/6期に新たに設置した企画営業部がマーケティング・広告宣伝活動の最適化に取り組んでいる。

 

 

③電子契約アウトソーシングサービス「DD-CONNECT」
2020年9月、日鉄ソリューションズ株式会社と、電子契約サービス市場売上シェア6年連続No.1の電子契約クラウド「CONTRACTHUB(コントラクトハブ)@absonne(アブソンヌ)の販売についてパートナー契約を締結。
顧客に代わってCONTRACTHUBの導入から運用・維持までの一連の作業を代行するアウトソーシング型のサービス「DD-CONNECT」(ディ・ディ・コネクト)の販売を2020年10月から開始した。

 

(CONTRACTHUBおよびDD-CONNECT概要)
「CONTRACTHUB」は、2013年のサービス開始以来、様々な業界の大企業を中心に導入され、現在では13万ユーザー以上が利用する電子契約サービスのパイオニア。
ERPや販売システム等と柔軟に連携することができるため、契約に関連する様々な業務の生産性を向上させることができるほか、受注側・発注側双方が電子化された契約書の締結・改訂の履歴をクラウド上で確認できるため、契約管理業務も効率化することが可能である。

 

同社が提供する「DD-CONNECT」は、「CONTRACTHUB」の導入にかかる検討支援から運用支援およびサポートまでをセット化し、一連のサービスとして提供するもの。必要なサービスを一括で提供しているため、パッケージソフト単体の電子契約システムよりも導入が容易で、より一層のコストダウンや省力化が期待できる。

 

日鉄ソリューションズと、定期的な人材やノウハウの共有を進めながら国内企業の契約業務の効率化施策、ペーパーレス、はんこレスの推進など、より付加価値の高い電子契約サービスを幅広く提供している。

(同社資料より)

 

(強み・特徴)
「DD-CONNECT」は、受発注や請求を行う他のシステムとのシームレスな連携が容易であり、この点が他の電子契約システムとの違い・同製品の強み・特徴となっている。

 

(導入実績)
現在の導入先は、大手住設メーカー、建設・不動産関連が中心。地方自治体も含め、DX・電子化導入の余地が大きい業種や顧客を主要ターゲットとしている。
電子契約自体が、請負契約に適しているという面から、電子帳簿保存法対応ニーズを着実に取り込んでいる。
同社では、クラウドシステムである「CONTRACTHUB」の導入から運用・運営までを支援する点を付加価値として顧客に提供しており、この点を顧客が高く評価している。
また、機能向上も含めた製品開発は日鉄ソリューションズが行うため、同社の投資負担が少ない点は、大きな利点となっている。

 

当初は同社およびパートナーの大興電子通信株式会社(東証スタンダード、8023)がそれぞれ営業を行っていたが、お互いの強みをより活かすため、営業は大興電子通信に一本化し、同社は技術的な対応が必要となる導入や維持運営を担当するというように役割分担を明確化した。

 

④高セキュアなホームページ作成プラットフォーム「shield cms」
2021年9月、Web改ざんを0.1秒未満で瞬間検知・瞬間復旧するサイバーセキュリティ機能を標準装備したホームページ作成プラットフォーム「shield cms(シールドシーエムエス)」を発売した。
3年間で100社への導入を目指している。

 

※CMS:Contents Management System。ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステムの総称。

 

(発売の背景)
ホームページ作成プラットフォーム製品は、無料で使えるオープンソースやオープンソースをベースに改編されたものが多く、手軽に使えて便利な反面、仕組みが世の中に知られているため、サイバー攻撃に狙われやすいというリスクを抱えている。加えて、サイバー攻撃は益々多様化、複雑化しており、サイバー攻撃を自動的に防御できる製品ニーズが一層高まっている。
(同製品の特長)
「shield cms(シールドシーエムエス)」には、同社のセキュリティ商品「WebARGUS」が標準装備されており、サイバー攻撃によるWeb改ざんが発生すると、瞬間検知し、瞬間復旧。同時に、システム管理者にアラートでWeb改ざん攻撃が発生したことを通知する。改ざん発生から復旧・アラート通知までの時間は0.1秒未満であり、実害をゼロにすることができる。

 

またCMS機能として、豊富なデザインパーツを画面で組み合わせて配置する「みたまま編集」機能により初心者でも簡単にホームページが作成できるほか、HTMLの入力やCSS、JavaScriptの追加も可能なので、オリジナルデザインを作成することもできる。

 

【1-5 特長と強み】

➀多面多様のIT企業
同社は、IT技術の進化と変化に柔軟に対応した業務システム開発事業を皮切りに、コンピュータ販売事業(現・システム販売事業)、組込み開発検証事業、運用サポート事業などに事業領域を拡大すると同時に、その過程で磨き上げてきた技術力をベースに自社による独自製品の開発・販売にも取り組んでいる。
幅広い事業領域と独自性のある自社製品を提供する事の出来る「多面多様のIT企業」である点が同社の大きな特徴である。

 

こうした同社の強みや特徴を更にブラッシュアップするためには、新たな技術の習得や現場の能力向上が不可欠である。
これまでも人材育成・教育は行ってきたが、変化の激しい時代においては顧客に先んじて最新の知識を有することも重要であるため、より強力な教育体制の構築を進めている。

 

また多様性という観点では、女性社員が能力を発揮しやすい環境作りにも取り組んでいる。
現場のみでなく、中間層から管理層への引き上げ、執行役員などマネジメントにも就くことができるような教育も重点的に実施していく考えである。

 

②幅広い顧客基盤
取引先は約2,800社で、ソフトウェア開発事業は上場企業及びその関連会社、システム販売事業は中小企業が中心である。また、下記のように顧客の業種が分散していることに加え、長期安定ビジネスが主であるため事業基盤が安定している。
情報システム子会社を含めたエンドユーザー売上比率は約8割である。

(23年6月期同社決算説明資料より)

 

③部分最適と全体最適の組織戦略
部分最適と全体最適の相反する2要素をバランスよく活かした組織戦略も同社の大きな特徴となっている。
部分最適に関しては、カンパニー制度の導入で専門特化したカンパニーを立上げ、その領域でのNo.1を目指すとともに、ベンチャーマインドを持った経営者の育成・輩出を行っている。
全体最適に関しては、本社・本部が事業のスクラップアンドビルド、各カンパニー間のコラボレーション、新規事業領域の開拓など、カンパニーの独自性を尊重しながら、シナジーを追求している。

 

(各カンパニー概要)

主な事業

カンパニー名

概要

業務

システム

開発事業

ビジネスソリューション

カンパニー

顧客の様々な問題解決を支援する提案型SI事業を展開。

特に金融・通信・流通分野では、長年培った業務知識と技術基盤を核とし、汎用系からWeb系、基幹系から情報系まで幅広いソフトウェアの設計・開発を、業界のトップ企業から請け負っている。また、新たな事業領域として「保険薬局総合管理システム(Phant’s)」のASP事業を展開している。

eビジネスサービス

カンパニー

主に、金融業や大手小売業を中心に、ECサイトや、顧客向けサービスサイト、企業向け業務システムなどの、Web系システム構築、保守を長年にわたって手がけている。これまでの経験で培った技術を元に、顧客のニーズに合ったサービスを提供している。

運用

サポート

事業

サポートビジネス

カンパニー

幅広い知識を有するエンジニアがシステムの導入支援、インフラ構築、ネットワーク運用管理、アプリケーション・ミドルウェア開発など、顧客のニーズに合わせて最適なIT環境(サービス)をワンストップで提供している。

組込み

開発事業

エンベデッドソリューションカンパニー

車載機器、通信機器、産業機器、デジタル家電などのエンベデッド(組込み)システムを中心に、制御系システム開発に特化している。組込みシステム開発は、ハードウェアが持つ物理的な条件に左右されるために制約が多く、一般的なアプリケーション開発とは異なる発想が求められるため専門性に優れた多数のシステムエンジニアを擁している。

組込み

検証事業

クオリティエンジニアリングカンパニー

カーナビゲーションシステムなどの車載機器をはじめとして、医療機器、通信インフラ、モバイル端末等のソフトウェア評価・検証業務を幅広く行っている。製品の品質向上を第一に考え、テスト計画の策定から、設計、実施、運用、分析、コンサルティングまでのトータルサービスを提供している。

2011年より米国現地法人DIT America, LLCと連携。海外での検証業務にも対応している。

(複合)

西日本カンパニー

大阪を中心に名古屋以西を活動の拠点とし、業務システム開発、運用サポート事業/モバイル、Webアプリ開発事業/組込み開発事業(車載機器やセキュリティ関連)の三本柱でDITの成長分野における一翼を担う。

昨今はマルチスキルを活かしたIoT、Webサービス事業への展開を目指している。

愛媛カンパニー

愛媛県を拠点とし、地域特有の様々な業種・業態のニーズに応えた、ものづくりからソフト商品の販売やシステム機器販売、運用やシステムサポートに至るまで、付加価値の高いワンストップサービスを提供、ITビジネスによる地域活性化に貢献している。また、他カンパニーの技術者不足にも対応するために、多目的IT開発センターに地元採用の人材を配置し、ニアショア開発を可能としている。

 

④独自性のある自社製品の開発・販売
前述した「xoBlos」及び「WebARGUS」を代表として長年培ってきた技術を活かして様々な独自性のある自社製品を開発している。21年6月期はパートナーシップ契約に基づいた電子契約アウトソーシングサービス「DD-CONNECT」をリリースし、ラインアップを拡充した。将来の収益の柱として育成していく。

 

 

2.2024年6月期第2四半期決算概要

(1)連結業績概要

 

23/6期2Q

構成比

24/6期2Q

構成比

対前年同期比

予想比

売上高

9,068

100.0%

9,575

100.0%

+5.6%

+0.8%

売上総利益

2,308

25.5%

2,322

24.3%

+0.6%

販管費

1,058

11.7%

1,123

11.7%

+6.2%

営業利益

1,249

13.8%

1,198

12.5%

-4.1%

+8.9%

経常利益

1,268

14.0%

1,187

12.4%

-6.3%

+7.9%

四半期純利益

892

9.8%

811

8.5%

-9.1%

+6.3%

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。以下、同様。

 

増収減益も、前期の不採算案件の影響はなくなる
売上高は前年同期比5.6%増の95億75百万円。エンベデッドソリューション事業を中心にソフトウェア開発事業は堅調、システム販売事業は2桁の増収。
営業利益は同4.1%減の11億98百万円。前期発生した不採算案件の引継ぎ対応については、移管コストが発生する作業は第1四半期に完了し、第2四半期からは有償での支援作業を実施しており、引継ぎに関するコスト発生は終了。収益に対する直接的な影響はなくなった。
四半期ベースの売上高は過去最高を記録し、前四半期比では3期連続の増収増益となった。
売上・利益とも期初予想を上回った。

 

(2)セグメント別動向

 

23/6期2Q

構成比

24/6期2Q

構成比

対前年同期比

ソフトウェア開発事業

8,742

96.4%

9,194

96.0%

+5.2%

システム販売事業

325

3.6%

380

4.0%

+17.1%

売上高合計

9,068

100.0%

9,575

100.0%

+5.6%

ソフトウェア開発事業

1,203

13.8%

1,156

12.6%

-3.9%

システム販売事業

46

14.3%

42

11.2%

-8.4%

調整

0

0.0%

営業利益合計

1,249

13.8%

1,198

12.5%

-4.1%

*単位:百万円。売上高は外部顧客への売上高。利益の構成比は売上高営業利益率。

 

(分野別動向)

 

23/6期2Q

構成比

24/6期2Q

構成比

対前年同期比

ソフトウェア開発事業

8,742

96.4%

9,194

96.0%

+5.2%

ビジネスソリューション

5,250

57.9%

5,367

56.1%

+2.2%

業務システム

2,965

32.7%

2,965

31.0%

+0.0%

運用サポート

2,284

25.2%

2,402

25.1%

+5.2%

エンベデッドソリューション

3,089

34.1%

3,322

34.7%

+7.6%

   組み込み開発

2,250

24.8%

2,438

25.5%

+8.4%

   組み込み検証

839

9.3%

884

9.2%

+5.4%

自社商品

402

4.4%

504

5.3%

+25.2%

システム販売事業

325

3.6%

380

4.0%

+17.1%

売上高合計

9,068

100.0%

9,575

100.0%

+5.6%

単位:百万円。売上高合計に対する構成比。

 

◎ソフトウェア開発事業
増収・減益。

 

*ビジネスソリューション事業分野
需要自体は旺盛ではあるが、売上は前年同期比微増、利益は減益。
業務システム開発は、公共系、通信系案件及びローコード開発関連案件の獲得が順調に進むも、ERP案件で受注サイクルの谷間による待機工数が発生、大規模であった不採算案件の収束作業後の技術者のローテーションに時間を要し、売上高は前年並み、利益は減益。
運用サポートは、事業領域の拡張に加え、子会社シンプリズム社とのシナジー効果もあり、売上高・利益ともに過去最高を更新した。

 

*エンベデッドソリューション事業分野
車載関連が好調で業績を牽引。完成車メーカーを中心に開発ニーズは高く、旺盛な需要により期初予想を上回る伸長が続く。増収に加え、高単価案件の比率が向上し、利益面の改善が進む。
組込みシステム開発では半導体系が顧客の受注状況の影響で弱含んだが、車載系、家電系IoT関連が大きく伸長した。
組込みシステム検証では車載系の検証業務が伸長した。

 

*自社商品事業分野
ライセンス売上げの積上げや電子契約サービス関連の売上増により増収増益。

 

「WebARGUS」
ライセンス売上の積上げが下支えし、売上・利益ともに伸長。
ランサムウェア対応版の引き合いは着実に増加中。
「xoBlos」
既存顧客内での横展開・クロスセルに加え、前期から積み上げていたリード顧客の案件の取り込みが進んだ。売上・利益共に大幅な増収増益。

 

「その他」
電子契約サービス「DD-CONNECT」は導入期から成長期に移行し、業績に貢献し始めた。導入にあたり基幹システムとのデータ連携を図る企業もあり、周辺開発までを一括して手掛けることで、売上・利益ともに大幅な増収増益。
このような、事業セグメントを横断した案件協力/顧客対応/案件創出も増加中で、事業間シナジーも拡大している。

 

◎システム販売事業
電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の新制度導入に伴う需要が旺盛で、前年より大幅な増収も、体制強化を実施したため利益は微減となった。

 

(3)財務状態と

キャッシュ・フロー

◎主要BS

 

23年6月末

23年12月末

増減

 

23年6月末

23年12月末

増減

流動資産

7,378

7,838

+460

流動負債

1,980

2,101

+120

 現預金

4,185

4,338

+153

 仕入債務

615

630

+15

 売上債権

2,953

3,179

+225

固定負債

190

230

+40

固定資産

798

898

+100

負債合計

2,170

2,332

+161

 有形固定資産

138

170

+31

純資産

6,006

6,405

+399

 投資その他の資産

487

570

+83

 利益剰余金

5,742

6,253

+511

資産合計

8,176

8,737

+561

負債純資産合計

8,176

8,737

+561

*単位:百万円。売上債権には契約資産を含む。

 

現預金、売上債権の増加等で資産合計は前期末比5億61百万円増加の87億37百万円となった。負債合計は同1億61百万円増加の23億32百万円。利益剰余金増加により純資産は同3億99百万円増加の64億5百万円。
この結果自己資本比率は前期末から0.2ポイント低下し73.3%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

23年6月期2Q

24年6月期2Q

増減

営業CF

790

666

-123

投資CF

-41

-53

-11

フリーCF

748

613

-135

財務CF

-394

-421

-26

現金同等物残高

4,183

4,328

+144

*単位:百万円

 

税金等調整前四半期純利益の減少などで、営業CFおよびフリーCFのプラス幅は縮小。
キャッシュポジションは上昇した。

 

(4)トピックス

①函館に新拠点を開設
23年11月、北海道函館市内に新拠点となる「DXビジネス研究室函館分室」を開設した。

 

(背景)
同社は2013年に愛媛県松山市に事業所を設け、地元のIT人材を採用し、今では60名を超える規模に成長している。
他の地方都市での拠点開設を検討し、函館市の人材面、事業面の可能性に着目し、函館市役所のサポートもあり、「DXビジネス研究室函館分室」を設立することとした。
拠点開設に伴い、2023年12月には、函館市と同社間で連携協定を締結した。
函館市の可能性の高さに着目した理由は、市川社長が函館ラ・サール高等学校卒であること、執行役員のDXビジネス研究室 の成田室長が北海道松前高等学校卒で函館市福島町出身であることなど、函館に縁があり、以前より函館の良さを理解していたことにある。

 

(今後の活動)
同分室では、地元のIT人材を採用し、成長分野のローコード開発などのニアショア事業やAI等DX技術のセンター化を進める。地元企業と連携した狭小商圏での地方DX化のビジネスモデルの確立にも取り組み、地域雇用の促進およびDX推進により、地域経済への貢献を図る。
雇用計画としては、1期目の今期3名以上の採用を目標としており、現在、順調に進捗している。3年後には60名以上の雇用を目指している。

 

②2件のM&Aを実施
「DIT2030ビジョン」実現へ向けた更なる成長のため、24年2月、2件のM&A(子会社化)を実施した。
今後も組み込み系のリソース拡充等を目指してM&Aを推進していく考えだ。

 

◎株式会社ジャングル
1999年の創業以来、国内外の売れ筋の各種ソフトウェア製品を発掘、BtoB・BtoCで販売し、着実に成長してきた。今後の成長を図るため、これまでに培ったソフトウェア製品に対する開拓力、販売力、マーケティングノウハウをより活かせる環境を求めていた。

 

(M&Aの背景)
DITは、自社オリジナル製品に加え、2020年秋からは電子契約サービスなど他社製品も併せて取り扱い、着実に成長してきたが、ソフトウェア開発会社のため、販売網が弱い上にマーケティングノウハウが乏しく、思うような成長速度に達していないことが課題と認識していた。

 

こうした中、DITの商品事業拡大のための販売網及びノウハウ取得ニーズと、ジャングルの販売力及びマーケティングノウハウ活用ニーズを組み合わせることにより、両社において商品事業発展のためのシナジー効果発現が見込まれるため、双方合意のもと子会社化の株式譲渡契約を締結する判断に至った。

 

2024年6月期第4四半期(2024年4-6月)より連結業績に組み入れる予定で、現在連結業績に与える影響を精査中である。

 

◎システム・プロダクト株式会社
1979年の創業以来、金融、特に証券系のソフトウェア開発を得意とし、近年は新たな挑戦としてクラウドビジネスにおいてSalesforceの資格者を増やすなど、着実に成長してきたものの、二次請けが主であるため、成長に歯止めがかかり、新たな飛躍の場を求めてた。経営者の後継者問題も抱えていた。

 

(M&Aの背景)
DITの既存事業の強化及び新たな業務領域の拡大ニーズと、システム・プロダクトの事業規模拡大ニーズを組み合わせることにより、金融業務全般に対するソフトウェア開発力の強化と成長領域であるSalesforceの技術力の強化のシナジー効果が見込まれること、M&Aにより後継者問題が解決することから、双方合意のもと子会社化の株式譲渡契約を締結する判断に至った。

 

2025年6月期より連結業績に組み入れる予定で現在、連結業績に与える影響を精査中である。

 

③北海道北斗市のDX推進に向け、包括連携協定式を開催
24年2月、北海道北斗市におけるDXの推進に向けて、北斗市と包括連携協定を締結した。

 

前述のように、同社は函館市に「DX ビジネス研究室函館分室」を設立し、函館を拠点として道南地区の地域活性化に寄与する取り組みを目標として掲げていたところ、早速、北斗市のDX化推進を通じ、地域活性化を図ることを北斗市と合意した。

 

(今後の活動)
今回の協定締結により、デジタル人材の育成や庁内業務の効率化、各種市民サービスの向上、地域経済の活性化に向けて、相互に連携、協力し、DXを推進する。

 

*連携事項
(1) デジタル人材の育成に関すること。
(2) 北斗市における庁内業務の効率化に関すること。
(3) 各種市民サービスの向上に関すること。
(4) 地域経済の活性化に関すること。
(5) その他本協定の目的を達成するために必要な事項

3.2024年6月期業績予想

(1)通期業績予想

 

23/6期

構成比

24/6期(予)

構成比

前期比

進捗率

売上高

18,149

100.0%

19,500

100.0%

+7.4%

49.1%

営業利益

2,039

11.2%

2,500

12.8%

+22.6%

47.9%

経常利益

2,059

11.3%

2,500

12.8%

+21.4%

47.5%

当期純利益

1,447

8.0%

1,734

8.9%

+19.8%

46.8%

*単位:百万円。予想は会社側発表。

 

業績予想に変更なし、14期連続の増収増益を見込む
業績予想に変更は無い。売上高は前期比7.4%増の195億円、営業利益は同22.6%増の25億円の予想。全事業増収増益予想。
不採算案件の影響は第1四半期で収束した。下期は前年同期比、今上期比とも増収増益を見込む。
中期経営計画最終年度に当たり、中計で掲げた「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸を基に、14期連続の増収増益を目指す。
配当は前期比10.00円/株増配し46.00円/株の予定。予想配当性向は40.2%。

 

(2)各事業別動向と

今期の取り組み

(売上動向)

 

23/6期

構成比

24/6期(予)

構成比

対前期比

進捗率

ソフトウェア開発事業

17,460

96.2%

18,800

96.6%

+7.7%

48.9%

 ビジネスソリューション

10,350

57.0%

11,300

57.9%

+9.2%

47.5%

 エンベデッドソリューション

6,253

34.5%

6,500

33.6%

+3.9%

51.1%

 自社商品

856

4.7%

1,000

5.1%

+16.7%

50.4%

システム販売事業

688

3.8%

700

3.6%

+1.6%

54.3%

合計

18,149

100.0%

19,500

100.0%

+7.4%

49.1%

*単位:百万円

 

①ビジネスソリューション事業分野
DX化の進展に伴う旺盛な需要に的確に対応し、既存顧客のシェア拡大と新規顧客の開拓を進める。

 

■業務システム開発
不採算案件への対応が上半期で収束した。好調な受注に対応し回復基調への復帰を見込む。プロジェクト管理を強化し、適正規模の請負案件を受注し、収益性向上を目指す。

 

■運用サポート
サポート領域の拡大を図ると共に、シンプリズム社との協業領域を広げ、応需体制を強化し、更なる成長を目指す。
既にシナジー生み出しているシンプリズム社だが、リソース活用についてはまだまだ十分余地があり、新規案件開拓につなげていく。
底堅いDX化ニーズの取り込みに傾注する。

 

(重点施策)

(同社資料より)

 

②エンベデッドソリューション事業分野
引き続き需要は旺盛だが、今期は受注サイクルの谷間にあたる案件が発生する可能性があり、現時点では保守的な数値を開示している。完成車メーカー等の既存優良顧客との深耕と保有技術を活かして新規顧客を開拓する。
上期は売上高、利益共に想定以上の進捗であった。開発と検証のカンパニー間連携も想定以上に奏功しており、下期も引き続き旺盛な需要の取り込み、売上・利益の上積みに努める。

 

■組込みシステム開発
好調な車載系・半導体系の優良顧客とのシェア拡大を図ると共に、車載系の量産開発、IoT関連や産業機器系の拡大を図る。

 

■組込みシステム検証
好調な車載・医療・5G関連領域を拡大しながら、標準化手法をブラッシュアップさせ、生産性と品質向上を図り、更なる事業拡大を目指す。

 

(重点施策)

(同社資料より)

 

③自社商品事業分野
デジタル社会の到来に備えたニーズを取り込むため、代理店網や営業体制を強化し、大幅な成長を目指す。
電子契約サービス「DD-CONNECT」の貢献もあり、上期は想定以上の進捗であった。下期も旺盛な需要の取り込みに努める。子会社化したジャングル社の業績が連結されることもあり、通期で大幅な増収増益となる見込み。

 

 

*「WebARGUS」
アップセル、大型新規顧客開拓によるライセンス増、ランサムウェア対応版製品の拡販を目指す。
ランサムウェア対応版製品に関しては、ニーズの掘り起こしに注力し、受注拡大を図る。

 

(重点施策)

(同社資料より)

 

*「xoBlos」
着実に増えているリード顧客の早期受注とRPA連携、マルチタスク(並行処理)製品等をリリースし、再成長を目指す。
エンドユーザーにxoBlosを提供するだけでなく、BPO提供企業が効率化向上のためにxoBlosを活用するといった、新たなビジネスモデルの構築に向けた実証実験にも着手する予定である。
代理店に対しては、成功事例の共有などを中心に、営業活動の支援を行っている。

 

(重点施策)

(同社資料より)

 

*新商品・DX
(重点施策)

(同社資料より)

 

④システム販売事業分野
販売管理に関わる制度変更を機会に提案活動を強化し、増収を目指す。
上半期は想定以上の進捗。インボイス制度など、今後の制度改定に伴う需要増の着実な取込みに努める。

 

(重点施策)

(同社資料より)

 

4.今後の注目点

不採算案件の影響もなくなり、下期からは本格的な回復が期待される。
上期の通期予想に対する進捗率は、売上高49.1%、営業利益47.9%。売上高はほぼ例年並みだが、営業利益に関してはやや低水準となっている。
売上・利益の積み上げ、通期予想達成のポイントとしては、一つは売上高進捗率が47.5%にとどまるビジネスソリューション事業が第4四半期に向けて、どれだけ拡大するか、もう一つは、案件が順調に積み上がっている自社商品について、実際にどこまでクロージングに繋げることができるか、となろう。
中期経営計画最終年度となる今期、まずは第3四半期の両事業の動向に注目していきたい。

 

 

<参考1:2030年ビジョンと中期経営計画>

21年8月、長期ビジョンである「2030年ビジョン」と「新中期経営計画 ~信頼され、選ばれるITブランドに向かって~」を公表した。

 

(1)DITグループの

2030年ビジョン

2030年に向け、信頼され、選ばれるDITブランドを構築する。
そのために、プロフェッショナル集団として、サービスにおいては「安全・堅牢」「効率向上」「安心運用」「課題解決・提案力」「高品質」「高度技術」というワンランク上の価値を提供する。

 

(目指す将来像及びそのための施策)

(同社資料より)

 

(事業環境)
デジタル社会が本格的に到来し、DXの加速、IT人材不足、サイバーセキュリティに対する脅威及び働き方改革などの社会的課題のニーズ増大といった変化に対応できた会社が生き残る淘汰の時代を迎えると認識している。
IT業界が直面するこうした変化は、変化対応力を強みとするDITグループにとっては、これまで以上に存在感を高めていくチャンスであり、DITグループ自身がより変化に対応できる体質に変革するとともに、顧客に寄り添い、顧客の価値を高めることに注力していく。

 

(経営目標)
売上高500億円への挑戦「チャレンジ500」を掲げている。

 

2021/6期

2030/6期

オーガニックグロース

新規事業・M&A等

売上高

144億円

300億円以上(+8.5%)

500億円以上(+14.8%)

営業利益

17.2億円

40億円以上(+9.8%)

50億円以上(+12.6%)

*カッコ内はCAGR。

 

目標配当性向を、2024年6月期以降は40%以上としている。

 

(実現のステップ)
以下3つのステップを経て、「DIT 2030 ビジョン」を実現する。

2022/6期~2024/6期 事業構造改革の推進 次の成長を可能とする会社作り、仕組作りを推進することにより事業力を蓄える
2025/6期~2027/6期 成長軌道の実現 事業スタイルを確立させ、事業全般を成長軌道に乗せる
2028/6期~2030/6期 DITブランドの確立 全てのステークホルダーから信頼され、選ばれるDITブランドを確立

 

(中長期成長モデル)
これまでの成長を支えてきた「二軸の事業推進」をより強化する。
事業基盤においては、「成長が見込まれる領域に対する継続的な経営資源の投入」「総合力による更なる事業領域の拡大」により拡大・安定化を進める。
成長要素においては、「自社商品を軸とした事業拡大」「新しい技術を活用したビジネス領域の拡大」「協業・共創による新たなサービス型ビジネスの拡大」により、新しい価値・サービスの提供を図る。

 

(SDGs:持続可能な社会の実現への貢献)
適切な企業経営と顧客への自社商品導入等を通じ、持続可能な社会への貢献に努める。

 

企業経営による貢献においては、従業員の福利厚生の充実、女性の役職登用等による多様性の推進、ガバナンス等を重視した適切な事業経営により、持続的社会へ貢献する。
自社商品導入等による貢献においては、セキュリティ商品(WebARGUS)や働き方改革関連商品(xoBlos、DD-CONNECT)等の導入により、快適で安全なインターネット社会の確立や、社会の生産性向上に貢献する。

 

(2)新中期経営計画

(2022年6月期~2024年6月期)

概要

(基本戦略)
「経営基盤の強化:仕組み・環境作り」「コア事業:現場力強化」「商品事業:商品力強化」の3つの基本戦略を推進し、2030年に向けて長期成長を可能にする会社作りを目指す。

 

(各基本戦略の概要)
*経営基盤強化
会社の仕組みの強化、働く環境の改善、人財強化を経営基盤強化の重点施策として推進する。
これにより、事業戦略である現場力/商品力強化を支えて更なる収益力の向上を実現し、企業として強く成長するためのより健全な循環を生み出す。

 

(基本方針)

1 現場力強化のため、各種手法の標準化、知財の整備・活用、人材配置を適正化
2 市場・技術の変化に早期に対応できるよう変化対応力を高める
3 常に事業ポートフォリオの適正化を図る
4 顧客のニーズを深耕し、サービス提案型で顧客ビジネスの価値を高める
5 地方拠点の拡大、戦力化を進め、ニアショア機能を強化する

現状は既存顧客との強固な信頼関係により受注は十分に潤沢ではあるが、その基盤をさらに強固なものとしつつ、常に新規顧客の開拓にも取り組んでいくためには、請負案件増加に伴う適切なプロジェクトマネージャーの確保・育成、新卒エンジニア採用数の拡大などが必須であり、経営基盤の強化が極めて重要と認識している。
各種施策については全て着手済であり、今中計期間の目標達成に向け着実に進捗させていく。
新卒採用に関しては、大学、高専など多くの学校への訪問などの積み重ね、インターンシップ制度の積極的な実施などにより、現在の50名規模から100名規模への強化を目指している。
また、エンジニア確保については、ニアショアの拡充も必要と考えている。

 

(経営目標)
オーガニックグロースで24年6月期「売上高195億円、営業利益25億円」達成を目指している。
目標とする配当性向は24年6月期より40%以上へ引き上げた。

 

 

21/6期(実)

22/6期(実)

23/6期(実)

24/6期(計画)

CAGR

売上高

144

161

181

195

+10.6%

営業利益

17.2

20.0

20.3

25.0

+13.3%

営業利益率

11.9%

12.4%

11.2%

13.5%

ROE

29.2%

28.6%

25.1%

最低20%以上を維持

配当性向

30%以上

42.7%

37.9%

40%以上

*オーガニックグロースにおける経営目標、単位:億円。CAGRは21/6期から24/6期への年平均成長率、(株)インベストメントブリッジが計算。

 

引き続き利益率の向上を追求する。
請負案件および最終顧客との直接契約の向上に加え、売上構成比が上昇している自社商品の売上拡大も大きく貢献すると見ている。

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態 監査役設置会社
取締役 9名、うち社外4名(うち独立役員4名)
監査役 3名、うち社外2名(うち独立役員2名)

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2023年10月13日

 

<基本的な考え方>
当社は、法令を遵守し、経営の透明性を確保して、健全で継続的な企業価値の向上を図ることが、経営上の最も重要な課題と認識しています。
この課題に取り組み、株主その他のステークホルダーに対する社会的責任を果たしていくために、以下のコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。また、今後この体制をさらに強化し、その機能を定期的に検証して、必要な施策を実施することが、重要であると考えています。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>

原則

実施しない理由

<補充原則3-1-3> (1) サステナビリティについての取り組み

当社はDITグループ行動指針に環境に配慮した事業活動及び、環境問題と個人の活動を定め、環境問題に真摯に取り組むと同時に、事業活動に対する社会からの理解を得るよう努めます。

中期経営計画に記載の通り、従業員の福利厚生の充実、女性の役職登用等による多様性の推進、ガバナンスを重視した適切な事業経営を行うとともに、セキュリティ商品や働き方改革関連商品など自社商品・サービスの導入により、快適で安全なインターネット社会、社会の生産性向上を推進し、環境や社会への貢献と会社成長の両立を目指してまいります。

 

(2)人的資本や知的財産への投資等

①人的資本への投資

中期経営計画で「経営基盤の強化」を基本戦略とし、会社の財産である社員を増やし育成する「人財」創りを主要施策としております。

新卒採用、中途採用の積極化、教育、研修制度の拡充・体系化、資格取得報酬制度の拡充を推進してまいります。

 

②知的財産への投資

中期経営計画で「商品力強化」を基本戦略とし、時代のニーズに適合する商品開発に継続して取組むことで、研究開発・特許等の知的財産への投資を推進してまいります。

 

(3)気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響等

気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、当社は必要なデータの収集と分析が未だ十分にできていないため、TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示はできません。今後、必要に応じて前向きに検討してまいります。

 

<コーポレート・ガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

<原則1-4> 〈政策保有株式の縮減に関する方針・考え方〉

当社は、ステークホルダーの皆様との共存共栄を図りながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めるとの基本的考え方のもと、取引先や業務提携先などの重要なステークホルダーとシナジー効果が期待できる場合には、当該企業の株式を政策的に保有いたします。

株式を新規に取得する場合は、その目的を明確にするとともに、取得後は取引状況等を定期的に検証し、中長期的な企業価値向上への貢献が期待できないと判断した場合は、売却等の方法により縮減することとしております。

 

〈政策保有株式の保有の適否の検証内容について〉

政策保有株式の保有の適否は、年に一度、取締役会において、中長期的な企業価値向上への貢献度を検証し、継続保有の適否を確認しております。

 

〈政策保有株式に係る議決権行使基準〉

政策保有株式の議決権行使にあたっては、当社の企業価値を毀損させる可能性がないかを個別に精査した上で、議案への賛否を決定いたします。

 

<補充原則2-4-1> 1.中核人材の登用等における多様性確保につきましては、DITグループ行動指針に、性別・年齢・出身地・国籍・人種・民族等による差別をせず、人権を尊重すると定めております。

中核人材の登用における多様性の確保の現状及び今後の目標は以下の通りです。

 

①女性の登用:2022年6月末現在の当社における女性管理職は13名、管理職に占める割合は7.7%です。

今後も能力ある女性を積極的に管理職に登用し、女性管理職比率を20%とすることを目指します。

 

②中途採用者の管理職への登用:当社は従来から中途採用者の数が多く、既に中途採用者の管理職比率は70%弱であるため、特に今後の目標は定めておりません。

 

③外国人の登用:外国人の採用は、新卒採用を中心に行っておりますが、2022年6月末現在7名で1%未満です。今後も新卒、中途を問わず、能力のある人材については積極的に採用を行ってまいります。

 

2.多様性確保のための方針につきましては、中期経営計画にも記載しておりますが、中長期的な企業価値向上に向けた経営基盤強化施策として、強い企業であるための組織・制度等の「仕組み」作り、社員が働き甲斐をもって仕事が出来る「環境」作り、会社の財産である社員を増やし育成する「人財」創りに努めてまいります。

<原則3-1> (ⅰ)経営理念、経営戦略、経営計画等につきましては決算説明会等を開催すると共に、決算説明会資料として当社ホームページ(以下のURL)にて公表しております。

【決算説明会資料】https://www.ditgroup.jp/ir/kessan.html

 

(ⅱ)コーポレート・ガバナンスへの取り組みを当社ホームページ(以下のURL)にて公表しております。

【コーポレート・ガバナンス】https://www.ditgroup.jp/ir/governance.html

 

(ⅲ)取締役の報酬につきましては、株主総会で決定した報酬総額の限度内において、取締役会が、取締役会の任意の諮問機関である指名・報酬委員会へ諮問し、その答申を踏まえて決定しております。

 

(ⅳ)取締役の選任につきましては、取締役会が、指名・報酬委員会へ諮問し、その答申の結果を踏まえ、株主総会に提出する選任議案の決議を行ってまいります。また、取締役の解任提案につきましては、取締役会規則を踏まえ、取締役会が、指名・報酬委員会へ諮問し、その答申を踏まえて決定してまいります。 監査役の選任につきましては、選出基準を規程として設けており、代表取締役社長が、社外取締役の助言を受けたうえで、各候補者の実績、見識、経験等を総合的に判断のうえ提案し、監査役会にて審議・決議の上、株主総会に議案として提出しております。また、監査役の解任提案につきましては、監査役会規則を踏まえたうえで、監査役会において決定しております。

 

(ⅴ)株主総会招集通知におきまして、個々の選任・指名理由を公表しております。また、解任があった場合には、解任理由を公表いたします。

<補充原則4-11-1>  当社は取締役候補者を決定するに際し、各事業分野の経営に強みを発揮できる人材や経営管理に適した人材等、知見に優れた候補者を選定しております。社外取締役は、会社経営者として豊富な経験と高い専門知識を有する方を選定し、取締役会全体としてのバランス、多様性に配慮した体制を構築し、取締役会の実効性を確保しております。

また、当社の監査役会は、常勤監査役1名、独立社外監査役2名で構成しており、高い専門知識(法務・会計)を有する方を選定し、監査役会の実効性を確保しております。また、会計監査人との連携を密にすることで、十分な監査が行える体制としております。

取締役会の実効性に関しては、外部の専門機関のサポートを受けながら定期的に分析・評価を行っており、その機能の向上に努めております。

※なお、スキルマトリクス図は当社招集通知の9ページを参照ください。

<原則5-1> 株主との対話につきましては、社長をトップとして、関連部門が連携し建設的な対話が実現するように努めております。

また、個別面談以外の対話の手段の充実に関する取組みとして、半期ごとにアナリスト・機関投資家向けに決算説明会を開催しており、経営企画部門にて投資家からのミーティングや電話等によるIR取材を積極的に受け付けております。

対話において把握した株主の意見・懸念の経営陣幹部や取締役会に対する適切かつ効果的なフィードバックのための方策としましては、決算説明会における質問内容や、株主・投資家からの意見などを定期的に経営陣幹部に報告することにより、経営に活用しております。

インサイダー情報の管理に関する方策につきましては、株主、投資家との対話に際し、社内規程に則り、インサイダー情報管理を適切に行っております。

 

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

このページのトップへ