イー・ガーディアン(6050) 資本業務提携によるシナジー効果発揮へ期待
高谷 康久 社長 |
イー・ガーディアン株式会社(6050) |
企業情報
市場 |
東証プライム市場 |
業種 |
サービス業 |
代表者 |
高谷 康久 |
所在地 |
東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー8F |
決算月 |
9月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数(自己株式を控除) |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
1,511円 |
9,992,946株 |
15,099百万円 |
17.7% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
27.00 |
1.8% |
109.37円 |
13.8倍 |
739.14円 |
2.0倍 |
*株価は11/28終値。各数値は2023年9月期決算短信より。
連結業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主帰属利益 |
EPS |
DPS |
2020年9月(実) |
7,785 |
1,285 |
1,326 |
889 |
87.82 |
10.00 |
2021年9月(実) |
9,933 |
1,968 |
2,040 |
1,086 |
107.44 |
14.00 |
2022年9月(実) |
11,752 |
2,272 |
2,314 |
1,689 |
168.38 |
24.00 |
2023年9月(実) |
11,909 |
1,778 |
1,806 |
1,229 |
122.74 |
26.00 |
2024年9月(予) |
13,300 |
1,940 |
1,950 |
1,260 |
109.37 |
27.00 |
* 予想は会社予想。単位:百万円、円。
イー・ガーディアン(株)の2023年9月期決算の概要と2024年9月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2023年9月期決算概要
3.2024年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 23/9期の売上高は前期比1.3%増の119.09億円、営業利益は同21.7%減の17.78億円。業務別では、ゲームサポートは引き続き苦戦。一方、サイバーセキュリティの前年同期比16.7%増を筆頭に、アド・プロセスが同8.1%増、ソーシャルサポートが同2.1%増と堅調に推移したことで、概ね前期比並みの売上高を確保した。博多センターの新規開設による初期投資があったことに加え、センター稼働率の停滞の他、一部の低収益案件の影響(※収益率改善済み)等があって、前年同期比で大幅な減益で着地した。
- 24/9期の売上高は前期比11.7%増の133億円、営業利益は同9.1%増の19.40億円を計画。ポイントとしては、2023年10月にチェンジホールディングス<3962>による公開買付け(TOB)が成立し、同社を割当先とする第三者割当による新株式の発行が完了。今後、チェンジホールディングスとの資本業務提携によるシナジー効果発揮を目指すことが大きな方針となっている。
- チェンジホールディングスとの資本業務提携という文脈もあるが、会社側も説明に力を入れている通り、サイバーセキュリティ事業を成長エンジンとして位置づけているだろう。一方、苦戦が長期間続いているゲームサポート事業については、ゲームのマーケット環境次第というところもあり、不透明だ。こちらは継続的な新サービス投入でそろそろ落ち着きどころを探りたいところだ。また、ソーシャルサポートについても中型案件の終了が重なり、またそれを新規案件でカバーできなかったことによる売上高減少をチェンジホールディングスの顧客基盤を活用しつつ、エンタープライズ系デジタルBPO領域の提案を積極的に行っていくことでカバーしていく。これらの点については四半期毎に確認していく必要がありそうで、総じてチェンジホールディングスとのシナジー効果を具現化できるかにかかっているといえよう。
1.会社概要
経営理念として「We Guard All」を掲げ、グループでサイバーセキュリティからデバッグ、運用まで、上流から下流までの、ネットセキュリティのワンストップサービスを提供している。20年以上にわたる運用実績を誇り、国内外に拠点を展開。顧客数は1,000社を超える。グループは、投稿監視・カスタマーサポート・広告審査等を手掛ける同社の他、連結子会社5社。サイバーセキュリティ分野においてWAF・脆弱性診断等を提供するEGセキュアソリューションズ(株)、Webシステム・IoTのデバッグ(第三者検証)を手掛けるEGテスティングサービス(株)、投稿監視を中心に展開し、ローコストオペレーションを強みに低単価案件の収益化能力に優れるイー・ガーディアン東北(株)、及びグローバル展開の拠点であるE-Guardian Philippines Inc.、E-Guardian Vietnam Co.,Ltd.。
(同社資料より)
1-1 事業区分と成長戦略
事業は、ソーシャルサポート、ゲームサポート、アド・プロセス、サイバーセキュリティ、その他の5業務に区分され、いずれも件数に応じた課金体系を採用しており(一部サービスを除く)、高品質なサービスをリーズナブルな価格で提供している。
ソーシャルサポート
ソーシャルネットワークサービス(SNS)やECメディア等のソーシャルメディアへの投稿を監視する投稿監視や問い合わせ対応を24時間365日体制で提供しており、多様なニーズを取り込むべく、風評調査、多言語対応、サイト運用、分析等にサービスの幅を広げている。人による目視監視(ヒューマンリソース)に加え、投稿監視システム「E-Trident」や人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」の活用で対応している。低単価案件等には、ローコストオペレーションを強みとするイー・ガーディアン東北(株)が対応している。
決済事業者の加盟店審査を代行する「加盟店審査・登録申請サポートサービス」やリアルタイムAI動画監視フィルタの開発等も行っている。
ゲームサポート
ゲームの開発から運用までをワンストップでサポートしている。デバッグを手掛けるEGテスティングサービス(株)と連携したサービス、プロモーション、ソーシャルアプリやオンラインゲーム等のカスタマーサポート、更にはフィリピン現地法人E-Guardian Philippines Inc.やベトナム現地法人のE-Guardian Vietnam Co.,Ltd.が海外企業の日本進出支援(ローカライズ、運用等)と日本企業の第3国への進出支援を行っている。カスタマーサポートでは、バグ(苦情)、機能の使い方(質問)、更にはゲーム内での不正行為の通報等について、チャットボット(「チャット」と「ロボット」を組み合わせた自動会話プログラム)、メール、電話で対応している。
アド・プロセス
広告審査業務に加え、広告枠管理、入稿管理、広告ライティング及び広告運用代行等の業務受託を行っており、顧客のもとに常駐して業務を実施する常駐型のサービスも提供している。また、画像内物体検知システム「Kiducoo AI(キヅコウ エーアイ)」を活用し、マーケティング支援及び著作権侵害のパトロール等のサービスも提供している。
サイバーセキュリティ
EGセキュアソリューションズ(株)が提供する、ウェブアプリケーション等の脆弱性診断(脆弱性検査)や各種サイバーセキュリティに関するコンサル・支援、クラウドセキュリティやサイバー攻撃対策に関するソリューション、WAF「SiteGuard(サイトガード)シリーズ」によるWebサイトの脆弱性を悪用した攻撃を防御するソリューション等の収益が計上されている。 朝日新聞やサイバーエージェント、バルミューダ等をはじめとして多くの企業にサービス提供を行っている。
その他
EGテスティングサービス(株)によるWebシステム・IoTのデバッグ(第三者検証)等の収益が計上されている。
1-2 強み
人とシステムによる低コスト
高品質の実現、リスク高度化と
サービス多様化への対応力
TVゲーム・携帯ゲームがソーシャルゲーム・クラウドゲームに、電話問い合わせがメール・チャットに、現金決済・クレジットカード決済が電子決済・仮想通貨・Fintechにそれぞれ代わり、SNSやブログ等のソーシャルWebサービスが、CtoC、シェアリングサービス、VR、ARと多様化している。これに伴い、標的型攻撃、ランサムウェアによる被害、脆弱性対策情報の悪用、インターネットバンキングの不正利用、スマートフォンへの攻撃、個人情報の窃取、更にはサービスの妨害を目的とした攻撃等、リスクも高度化しており、セキュリティ侵害は年々深刻化している。
こうした中、同社は、セキュリティのワンストップサービスを構築し、ネットの安心・安全に必要なものを全て提供している。強みは、「①人とシステムによる低コスト・高品質の実現」と「②リスク高度化とサービス多様化への対応力」。
「①人とシステムによる低コスト・高品質の実現」では、人による目視監視(ヒューマンリソース)と、人工知能型テキスト監視システム、人工知能型画像認識システム、画像内物体検知システム、及びRPAによる低コスト・高品質なサービスを24時間・365日提供している。
「②リスク高度化とサービス多様化への対応力」では、2017年以降M&Aによりサイバーセキュリティ領域へ進出。既存の投稿監視やカスタマーサポートだけでなく、脆弱性診断やWAF、セキュリティコンサル等、ニーズが高まるサイバーセキュリティ領域のサービスを拡充し、一気通貫したサービス提供を可能にしている。
1-3 ESGの取り組み
Environment(環境)の観点からは、自社開発AIによる事業効率化(「E-Trident」による投稿監視の自動判定、「hinagata」によるメールの工数削減等)により、環境負荷の低減や書類の電子化(ペーパーレス化)、資源の有効活用に取り組んでいる。
Social(社会)の観点からは、インターネットセキュリティ事業を通じて貢献する他、働く環境づくりにも注力。具体的には、短時間勤務制度、時差出勤、在宅勤務など様々な働き方を取り入れる他、残業削減や誕生日休暇などの制度を導入することで労働環境の整備やワークライフバランスに取り組んでいる。また、若手社員の抜擢人事などにも積極的。
Governance(企業統治)については、任意の指名委員会および報酬委員会を設置している他、社外取締役の構成比50%、社内取締役の任期を1年とするなど、客観性・透明性の確保に努めている。また、株主の権利・平等性の確保という観点から株式の持ち合いも行っていない。
2.2023年9月期決算概要
2-1 連結業績
22/9期 |
構成比 |
23/9期 |
構成比 |
前期比 |
期初予想 |
|
売上高 |
11,752 |
100.0% |
11,909 |
100.0% |
+1.3% |
12,870 |
売上総利益 |
3,820 |
32.5% |
3,358 |
28.2% |
-12.1% |
– |
販管費 |
1,547 |
13.2% |
1,579 |
13.3% |
+2.0% |
– |
営業利益 |
2,272 |
19.3% |
1,778 |
14.9% |
-21.7% |
2,460 |
経常利益 |
2,314 |
19.7% |
1,806 |
15.2% |
-21.9% |
2,510 |
親会社株主帰属利益 |
1,689 |
14.4% |
1,229 |
10.3% |
-27.2% |
1,710 |
* 単位:百万円
前期比1.3%の増収、同21.7%の営業減益
売上高は前年同期比1.3%増の119.09億円。業務別では、ゲームサポートは引き続き苦戦。一方、サイバーセキュリティの前年同期比16.7%増を筆頭に、アド・プロセスが同8.1%増、ソーシャルサポートが同2.1%増と堅調に推移したことで、概ね前期比並みの売上高を確保した。
営業利益は同21.7%減の17.78億円。博多センターの新規開設による初期投資があったことに加え、センター稼働率の停滞の他、一部の低収益案件の影響(※収益率改善済み)等があって、前年同期比で大幅な減益で着地した。
2-2 業務別動向
22/9期 |
構成比 |
23/9期 |
構成比 |
前期比 |
|
ソーシャルサポート |
6,707 |
57.1% |
6,848 |
57.5% |
2.1% |
ゲームサポート |
2,082 |
17.7% |
1,874 |
15.7% |
-10.0% |
アド・プロセス |
1,420 |
12.1% |
1,534 |
12.9% |
8.1% |
サイバーセキュリティ |
663 |
5.6% |
773 |
6.5% |
16.7% |
その他 |
878 |
7.5% |
877 |
7.4% |
-0.1% |
売上高合計 |
11,752 |
100.0% |
11,909 |
100.0% |
1.3% |
* 単位:百万円。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
ソーシャルサポート
売上高68.48億円(前期比2.1%増)。EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートサービスや監視業務の受注が好調に推移。また、食品・飲食業界向けにSNSのリスク投稿を即時に検知・報告し、対応のサポートまで行う「SNSリスク即時検知サービス」を提供開始するなど、新サービスの提供にも積極的に取り組んだ。その一方、中型案件の終了や規模縮小が同時期に発生したこと、またそれを従来どおりに新規案件でカバーし上回ることができなかったことが売上高の伸びを抑制する要因になった。
ゲームサポート
売上高18.74億円(前期比10.0%減)。海外ゲーム会社のローカライズ案件(言語翻訳や調整等の支援)が伸長。これを契機として、海外タイトルの日本人ゲームユーザーに特化した、独自の検証・ユーザーインタビュー・QA対応まで一貫して行い、ユーザーが持つプレイ時の違和感を低減することでセールスを促進する包括的サービス「日本ゲームユーザーインタビュー」の提供を開始した。しかし、国内ゲーム市場では大型のヒットタイトルに恵まれず、ゲームサポートは減収となった。
アド・プロセス
売上高15.34億円(前期比8.1%増)。官公庁案件の受注実績やデジタル広告市場の規制強化などによる需要の増加を受け、広告審査業務が堅調に推移した。
サイバーセキュリティ
売上高7.73億円(前期比16.7%増)。各企業のセキュリティ強化、サプライチェーンリスク低減など、日々増加する市場のニーズに応えるべく、サービスラインナップの拡充などを行ってきた。その中で脆弱性診断の内製化を考えている企業に向けて、脆弱性の基礎知識から脆弱性診断員としてスキル習得までを幅広くレクチャーし、内製化の体制構築をサポートする「脆弱性診断内製化支援」の提供を開始したことなどが増収に寄与した。
その他
売上高8.77億円(前期比0.1%減)。完全子会社であるEGテスティングサービス社が、30年以上の経験とノウハウに裏打ちされた高品質なサービスを訴求し、深耕営業、新規開拓に取り組んだ。
2-3 財政状態及び
キャッシュ・フロー(CF)
財政状態
22年9月 |
23年9月 |
|
22年9月 |
23年9月 |
|
現預金 |
4,951 |
5,749 |
未払金・未払費用 |
793 |
819 |
売掛金 |
1,414 |
1,430 |
未払法人税・未払消費税等 |
566 |
320 |
流動資産 |
6,510 |
7,404 |
賞与・役員株式給付引当金 |
245 |
198 |
有形固定資産 |
602 |
639 |
有利子負債 |
– |
– |
無形固定資産 |
674 |
543 |
負債 |
1,931 |
1,726 |
投資その他 |
626 |
525 |
純資産 |
6,482 |
7,386 |
固定資産 |
1,903 |
1,708 |
負債・純資産合計 |
8,414 |
9,112 |
* 単位:百万円
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
期末の流動資産は前期末との比較で8.93億円増の74.04億円。現預金や売掛金の増加などがあり、流動資産は増加。無形固定資産、投資その他の資産の減少を主な理由として、固定資産は減少した。純資産については剰余金の配当及び自己株式の取得を実施した一方、当期純利益を計上したことで、前期末との比較で9.03億円増の73.86億円になった。なお、自己資本比率は81.0%(前期末77.0%)。
キャッシュ・フロー(CF)
22/9期 |
23/9期 |
前期比 |
||
営業キャッシュ・フロー(A) |
1,655 |
1,262 |
-393 |
-23.7% |
投資キャッシュ・フロー(B) |
-275 |
-140 |
+135 |
– |
フリー・キャッシュ・フロー(A+B) |
1,380 |
1,121 |
-258 |
-18.7% |
財務キャッシュ・フロー |
-138 |
-328 |
-190 |
– |
現金及び現金同等物期末残高 |
4,951 |
5,749 |
+799 |
+16.1% |
* 単位:百万円
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
税金等調整前当期純利益が16.84億円(前期23.01億円)と前期から大幅に減少したことで営業CFは縮小。有形固定資産の取得による支出が前期比で減ったことで投資CFのマイナス幅も縮小したものの、営業CF自体が減少した結果、フリーCFも減少した。なお、財務CFは主に配当金の支払いと自己株式の取得による支出等が背景。キャッシュポジションは前期から厚みを増した。
3.2024年9月期業績予想
3-1 連結業績
23/9期 実績 |
構成比 |
24/9期 予想 |
構成比 |
前期比 |
|
売上高 |
11,909 |
100.0% |
13,300 |
100.0% |
11.7% |
営業利益 |
1,778 |
14.9% |
1,940 |
14.6% |
9.1% |
経常利益 |
1,806 |
15.2% |
1,950 |
14.7% |
7.9% |
親会社株主帰属利益 |
1,229 |
10.3% |
1,260 |
9.5% |
2.5% |
* 単位:百万円
前期比11.7%の増収、同9.1%の営業増益予想
売上高は前期比11.7%増の133億円、営業利益は同9.1%増の19.40億円を計画。ポイントとしては、2023年10月にチェンジホールディングス<3962>による公開買付け(TOB)が成立し、同社を割当先とする第三者割当による新株式の発行が完了。今後、チェンジホールディングスとの資本業務提携によるシナジー効果発揮を目指すことが大きな方針となっている。
サイバーセキュリティ事業を除く既存事業においては、チェンジホールディングスによるコンサルティングのノウハウを活用し、営業組織の体制を強化することで、顧客開拓を強化する。また、市場の成長、新サービスや技術の登場、規制強化等の契機を的確にとらえた継続的成長を見込んでいる。
サイバーセキュリティ事業においては、更なる成長に向けてセキュリティ人材を確保し、チェンジホールディングスが有するデジタル人材育成力を活用して育成するなど、教育体制の強化や、マーケティングなどにも戦略的投資を行う計画。そのうえで、企業のサイバーセキュリティ対策に関する旺盛な需要を受け、既存サービスである脆弱性診断、WAF、コンサルティングサービスを軸に、市場の需要に応じてワンストップでサイバーセキュリティサービスを提供できるよう、M&Aや協業・提携も活用しつつサービスラインナップの拡充を続けていく。
(同社資料より)
(同社資料より)
4.今後の注目点
チェンジホールディングスとの資本業務提携という文脈もあるが、会社側も説明に力を入れている通り、サイバーセキュリティ事業を成長エンジンとして位置づけているだろう。一方、苦戦が長期間続いているゲームサポート事業については、ゲームのマーケット環境次第というところもあり、不透明だ。こちらは継続的な新サービス投入でそろそろ落ち着きどころを探りたいところだ。また、ソーシャルサポートについても中型案件の終了が重なり、またそれを新規案件でカバーできなかったために前期比で微増(2.1%増)に止まったが、チェンジホールディングスの顧客基盤を活用し、エンタープライズ系デジタルBPO領域の提案を積極的に行っていくことでカバーしていく。
また、セキュリティに関しても同様に、チェンジホールディングスとのシナジーによって顧客や受注を上積みする。これらの点について四半期毎に確認していく必要がありそうで、総じてチェンジホールディングスとのシナジー効果を具現化できるかにかかっているといえよう。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査等委員会設置会社 |
取締役 | 6名、うち社外3名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2023年3月10日)
基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンスの基本的な目的を企業価値の安定的な増大と株主重視の立場に立って経営の健全性の確保と透明性を高めることであると認識しております。そのために、財務の健全性を追求すること、タイムリーディスクロージャーに対応した開示体制を構築すること、取締役及び独立性の高い社外取締役が経営の最高意思決定機関として法令に定める重要事項の決定機能及び各取締役の業務執行に対しての監督責任を果たすことを経営の最重要方針としております。また、コーポレート・ガバナンスの効果を上げるため、内部統制システム及び管理部門の強化を推進し、徹底したコンプライアンス重視の意識の強化とその定着を全社的に推進してまいります。
また、当社は、以下の5点をコーポレート・ガバナンスの基本方針として掲げております。
・全ての株主に対して実質的な平等性を確保するとともに、株主の権利の確保と適切な権利行使に資するための環境整備を行います。
・株主をはじめとする全てのステークホルダーとの適切な協働を実践するため、ステークホルダーの権利・立場や企業倫理を尊重する企業風土の醸成に努めます。
・法令に基づく開示以外にも、株主をはじめとするステークホルダーにとって重要と判断される情報(非財務情報も含む)を、様々な手段により積極的に開示を行います。
・取締役会は、取締役の職務執行に対する独立性の高い監督体制を構築し、経営の健全性の確保と透明性の高い経営の実現に取り組みます。
・最高財務責任者を中心とするIR体制を整備し、株主や投資家との対話の場を設けます。
<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-1-2 中期経営計画】
当社では、激しく変化するインターネットビジネス分野において、中期的な業績予測を掲げることは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないとの立場から、数値目標をコミットメントする中期経営計画は公表しておりませんが、経営陣は中期経営計画を定めるとともに、その進捗状況の確認、分析を行っております。取締役会は、その中期経営計画を決議するとともに、進捗状況や分析結果について報告を受け、監視、監督をすることとしております。
<開示している主な原則>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、事業戦略、取引関係などを総合的に勘案し、中長期的な観点から当社グループの企業価値の向上に資することを確認したうえで上場株式を新規保有し、また、継続保有する場合は毎年判断することとしております。その議決権行使は、中長期的な視点で企業価値向上につながるか、または当社の株式保有の意義が損なわれないかを判断基準として行うこととしております。なお、現在、当社は政策保有に係る株式は保有しておりません。
【補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保】
当社は、中核人材の登用等に際し、人種・国籍・性別等による区別を行わず、個々の能力や実績を重視した人物本位の登用を行っております。また、当社は、管理者育成研修の実施や、昇進基準の整備、育児休暇等の社内整備を行うことで、中核人材の多様性の確保に努めております。女性の中核人材への登用に関しましては、女性活躍推進法に基づく行動計画を作成しており、管理職に占める女性割合を30%以上とすることを目標としております。なお、2022年9月末時点の当該女性割合は27%となっております。中途採用・外国人の中核人材への登用に関しましては、属性ごとに数値目標を設定しておりませんが、中長期的な企業価値の向上の観点から策定を検討してまいります。
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社では、最高財務責任者である総務部担当役員が、IR担当部署である総務部を統括し、IR活動を行うこととしております。
株主や投資家に対しては、個別面談に加えて、経営トップが出席する決算説明会を半期に1回行っております。加えてこれらの動画配信及び資料の公開をWebサイト上にて実施し、積極的に情報開示を行うこととしております。なお、株主との対話においては、インサイダー情報の漏洩防止に留意しております。