(8061)西華産業株式会社 発電所設備刷新寄与 電力事業増収
櫻井 昭彦 社長 |
西華産業株式会社(8061) |
企業情報
市場 |
東証プライム市場 |
業種 |
卸売業 |
代表取締役社長 |
櫻井 昭彦 |
所在地 |
東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル3F |
決算月 |
3月末日 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数 |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
1,540円 |
12,320,650株 |
18,973百万円 |
7.6% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
70.00円 |
4.5% |
208.30円 |
7.4倍 |
2,516.57円 |
0.6倍 |
*株価は12/2終値。各数値は22年3月期決算短信より。
業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益 |
EPS |
DPS |
2019年3月(実) |
157,145 |
2,118 |
2,418 |
1,587 |
125.50 |
45.00 |
2020年3月(実) |
140,677 |
2,809 |
3,122 |
-1,262 |
-100.73 |
45.00 |
2021年3月(実) |
71,933 |
2,581 |
2,906 |
2,721 |
221.87 |
45.00 |
2022年3月(実) |
85,307 |
3,824 |
3,879 |
2,246 |
186.85 |
65.00 |
2023年3月(予) |
95,000 |
3,700 |
3,700 |
2,500 |
208.30 |
70.00 |
*単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」を適用しており、2021年3期のみ比較のため同基準を適用。
西華産業株式会社の2023年3月第2四半期の決算概要などをお伝えします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2023年3月期第2四半期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の注目点(VIORB 2030)
5.トピックス
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 2023年3月期第2四半期の取扱高は前年同期比0.2%減の688億66百万円。売上高は前年同期並みの404億52百万円。序盤は前年同期を上回る水準で推移したものの、一部大型案件が第3四半期へずれ込んだこともあり前年同期並みにとどまった。また、営業利益は子会社の寄与が大きく同10.7%増の14億44百万円。経常利益は持分法投資損失4億21百万円を計上したため同7.4%減の12億17百万円。四半期純利益は、有価証券売却益(3億69百万円)の計上もあり同20.9%増の8億44百万円となった。なお、期首予想の売上高500億円、営業利益16億円、経常利益15億円、純利益10億円を下回ったのは、前述したとおり一部大型案件の期ずれによるもの。
- 2023年3月期の業績見通しについて、取扱高は前期比26.6%増の1,700億円、売上高は同11.4%増の950億円、営業利益は同3.3%減の37億円、当期純利益は同11.3%増の25億円と従来予想から変更なし。2020年4月より取り組んでいる中期経営計画「Re-SEIKA 2023」の最終年度にあたる2023年3月期の数値目標は達成可能としている。配当は2022年3月期より5円/株増配し70円/株を予定。予想配当性向は33.6%。
- 2023年3月期は中期経営計画「Re-SEIKA 2023」の最終年度であり、営業利益37億円、当期純利益25億円は達成できる見通しであるが、2022年4月22日に発表した長期経営ビジョン「VIORB 2030」達成に向け、引き続き同社の新たな分野への挑戦も期待したい。
1.会社概要
「社業の発展を通じ社会に貢献する。これをわが社の信条とする。」を企業理念に、機械総合商社として、電力、化学・エネルギー、産業機械分野の機械設備や機器等の販売およびサービスの提供を行っている。
現場密着の営業力、各事業における専門性の高さ、国内外103拠点に上る広範なネットワークの3つが特長および強み。
【1-1 沿革】
太平洋戦争終戦後の1947年7月、連合国最高司令官ダグラス・マッカーサーの覚書により旧三菱商事株式会社が解体を命ぜられると同時に、同年10月、初代社長中林恒治氏ら同社門司支店機械営業課の有志が中核となり福岡県門司市(現・福岡県北九州市門司区)に西華産業株式会社を設立。
「商道の精華:商いの本質を極める。自分も儲けるが、相手にも便宜を与える。」、「西の花形:西日本の花形企業を目指す。」、「華:将来、対中国貿易が盛んになるときに役立つかもしれない。」の3つが社名の由来である。
東京、大阪を含む国内各地に支店を開設した後、1954年10月には当時日本人が数名しか在住していなかったドイツ(旧西ドイツ)・デュッセルドルフに海外事務所を開設するなど、積極的な事業展開を行い、1961年10月には東証1部に上場した。
その後も、西日本を中心とした営業基盤の強化と、米国、欧州、アジア各地への拠点展開により機械総合商社として発展してきた。
2022年4月に東証プライム市場へ移行。
2023年3月期は中期経営計画「Re-SEIKA 2023」を推進すると共に、2022年4月22日に2030年に向けた長期経営ビジョン「VIORB 2030」を発表。
【1-2 企業理念等】
以下のような企業理念および行動規範を掲げている。
企業理念 | 「社業の発展を通じ社会に貢献する。これをわが社の信条とする。」
|
行動規範 | 1. 信用は、なにものにも代え難い財産である。
2. 常に存在意義を高く評価されるようにすることが、商社活動の基本である。 3. 迅速、適確な情報活動と効果的な対応は、すべてを制する。 4. 直観的思考に偏することなく、客観的考察と必然性、合理性の追及を行い諸事判断処置すべきものとする。 5. 開拓精神に燃え、あらゆる困難、障害、激動に挑戦し、これを克服することを誇りとすべきである。 |
また、西華産業グループとしての結束力やグループ経営を推進していくため、「グループポリシー」、「グループ行動規範」、「グループミッション」を定め、グループに属する各社および、そこで働く社員一人ひとりがこれらを共有し、日々の行動に繋げ、グループ全体で企業価値の向上を目指している。
グループ
ポリシー |
私たち西華産業グループは、お互いが連携し、高め合い、
公明正大な企業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献します。 |
グループ
行動規範 |
一人ひとりが法令を遵守すると共に
社会から信頼されるよう倫理観を持って行動します。 |
グループ
ミッション |
グループ全体で豊かな社会を実現します。 |
【1-3 事業内容】
(1)事業セグメント
機械総合商社として、電力、化学・エネルギー、産業機械分野の機械設備や機器、附帯製品の販売およびサービスの提供を行っている。
報告セグメントは、2021年3月期より「電力事業」「化学・エネルギー事業」「産業機械事業」「グローバル事業」の4セグメント。
①電力事業
関西電力、九州電力、中国電力、四国電力、電源開発の電力会社および共同電力会社など、西日本地域の電力会社を顧客とし、ボイラー、ガスタービンなどの事業用発電設備、排水や排ガスを処理する環境保全設備の販売やアフターサービスを提供している。
また、原子力発電所向けにセキュリティ設備や消火設備などの防犯・防災設備などを販売している。
この他にも、小型水力、風力、バイオマス等の再生可能エネルギー向けの発電設備やアフターサービスを提供している。
仕入先は、主に三菱重工業グループであり、同社は、三菱重工業グループの火力発電設備の販売代理権を有している。
(同社資料より)
②化学・エネルギー事業
石油精製、化学、製紙、鉄鋼等の事業会社向けにボイラー、タービンなどの自家用発電設備、排水や排ガスを処理する環境保全設備などの販売やアフターサービスを行っている。電力事業と同じく、主に三菱重工業グループから仕入れて販売している。
また、環境負荷低減商材やバイオマス発電向け設備および燃料の販売を行っている。
(同社資料より)
③産業機械事業
幅広い産業分野の顧客に対して、国内または海外メーカー製の繊維設備、食品加工設備、醸造設備、各種プラント設備、液晶関連設備、環境関連設備、無停電電源装置(UPS)、電子機器用プリント基板などを販売するほか、超音波検査装置搭載ドローンによる点検サービスを行っている。
子会社の日本ダイヤバルブでは、各種産業用バルブの製造・販売、西華デジタルイメージでは最先端計測機器およびソフトウェアの販売を行っている。
(同社資料より)
④グローバル事業
(欧州)
自動車分野として車載関係の顧客に産業用ロボットを販売しているほか、社会インフラ分野として公共工事などで使用される水中ポンプの販売およびレンタルも行っている。いずれも仕入先は日本メーカーが中心。
(北米)
自動車分野として主に自動車部品業界向けに日本メーカー製のエレクトロニクス基板実装関連機器の販売や、技術サポートを行っている。
(アジア)
産業機械分野として主に自動車、化学、繊維業界向けに日本メーカー製の機械設備を販売しているほか、繊維メーカーに対し繊維原材料を海外で調達し販売している。
(同社資料より)
(2)地域別売上高
更なるスケールアップのためには海外市場の開拓が必須である。現在約20%の海外売上高比率をどこまで引き上げていくことができるかが課題である。
2022年3月期地域別売上構成
|
海外売上高推移
|
【1-4 特長と強み】
(1)現場に近い営業力
70年超の歴史の中で培われてきた現場に近い営業力が同社最大の強み。
きめ細かい対応で、人脈を形成し、信頼関係を構築することが安定的な受注獲得に繋がっている。
(2)各事業における専門性の高さ
同社は豊富な情報収集力と、顧客の先を行く提案力など、高度な専門性を有する必要不可欠なビジネスパートナーと評価されている。
(3)国内外103拠点に上る広範なネットワーク
M&Aを通じて国内拠点の拡充に加え、グローバル化を見据えヨーロッパおよび東南アジアを中心に急速に拠点を拡大させてきた。情報のスピード、網羅性はさらに高まっており、有効に活用することで存在価値を更に高めていきたいと考えている。
(4)社員教育・営業力強化施策
社員の育成・強化はOJTが中心で、先輩社員や上司がビジネスに必要な基本動作を重点的に教育しており、また、各種階層別研修や目的別研修、海外研修制度にも力を入れている。
加えて、最近はメーカーや顧客のOBにコンサルティングおよび営業現場の支援を依頼している。
各種アドバイスは同社の専門性を更に高め、更なる営業力強化に繋がっている。
【1-5 ROE分析】(※過去5ヵ年のみ)
18/3期 |
19/3期 |
20/3期 |
21/3期 |
22/3期 |
|
ROE(%) |
5.9 |
5.6 |
-4.7 |
10.0 |
7.6 |
売上高当期純利益率(%) |
1.00 |
1.01 |
-0.90 |
3.78 |
2.63 |
総資産回転率(回) |
1.53 |
1.71 |
1.58 |
0.76 |
0.84 |
レバレッジ(倍) |
3.83 |
3.24 |
3.32 |
3.50 |
3.42 |
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
2022年3月期の売上高は「収益認識に関する会計基準」を適用の売上高を使用。2022年3月期を会計処理の変更前の従来ベースでみると売上高当期純利益率は1.67%となるが、レバレッジは比較的高水準であるため、利益率の向上を期待したい。
中計経営計画「Re-SEIKA 2023」最終年度である2023年3月期の当期純利益目標25億円を達成するとROEは8%以上となる。
【1-6 ESGへの取り組み】
<E:環境>
環境方針として「地球環境の保全と向上に努め、産業界に価値をもたらすクリエイティブパートナーとして持続可能な社会の実現に貢献する」という基本理念を掲げている。その一環として、2005年にISO14001を取得しており、環境配慮型商品の拡販に努めている。
同社が取り扱う環境配慮型商品は、ボイラーおよび焼却炉用排ガス処理設備や、化学・半導体工場向け有機溶剤回収装置など多岐に亘り、下記のように2022年3月期の取扱実績は13,345件(前期比7.0%増)、取扱高843億円(同4.9%減)。
引き続き、単なる社会貢献という観点のみでなく事業活動を通じて地球環境の保全に寄与する考えだ。
(同社資料より)
<S:社会責任>
「社会責任」として、以下のような働き方改革に取り組んでいる。
「組織・時間体系」
● フレックスタイム制の導入
● プレミアムフライデー+カジュアルフライデーの実施
● 有給休暇取得の促進
「職場環境の充実」
● 快適な職場環境の実現のためリフレッシュルームを設置
● 社員向けアンケート調査実施(社員満足度調査、人材育成および職場環境アンケート)
「従業員の健康管理」
● 年一回のストレスチェック実施
● 法定健康診断に加え 30 歳以上の従業員および役員に生活習慣病または人間ドック実施
● 腫瘍マーカー(健康診断時)、インフルエンザ予防接種の実施
「人材育成」
● 各種階層別・目的別研修
● 海外研修派遣制度
<G:ガバナンス>
2021年6月改訂後のコーポレートガバナンス・コードに基づき、全項目に対する取り組みをホームページで開示している。
2022年3月期の「取締役会の実効性評価」はコーポレートガバナンス・コードに対応し、任意の仕組みとして独立社外取締役で構成される「指名審査委員会」や、独立社外取締役および社内取締役で構成される「報酬審査委員会」を取締役会のもとに設置している。
2022年6月より監査等委員会設置会社へ移行し、監査等委員3名のうち2名が社外監査等委員で構成されている。
また、招集通知の一部英訳や、決算説明会資料やファクトブック作成による英語での情報提供に取り組むと共に、議決権電子行使プラットフォームも導入している。
持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために引き続きコーポレート・ガバナンスの充実を図ると共に、健全で透明性の高い経営体制を追求する。
【1-7 株主還元】
株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つとしており、安定的な配当を基本方針としている。
営業・財務両面の効率的な業務運営により、経営基盤の強化を図るとともに、新しい事業の開発等の資金需要に対応しながら、連結配当性向35%を目途としている。
2023年3月期は、中間35円、期末35円の合計70円/株を予定しており、予想配当性向は33.6%。
配当方針および通期の業績等を総合的に勘案して積極的に株主還元に取り組む。
2.2023年3月期第2四半期決算概要
(1)連結業績概要
22/3期2Q |
構成比 |
23/3期2Q |
構成比 |
前年同期比 |
|
受注高 |
41,667 |
103.0% |
46,468 |
114.9% |
11.5% |
受注残高 |
62,141 |
153.6% |
64,772 |
160.1% |
4.2% |
取扱高 |
69,027 |
170.6% |
68,866 |
170.2% |
-0.2% |
売上高 |
40,452 |
100.0% |
40,452 |
100.0% |
0.0% |
売上総利益 |
8,186 |
20.2% |
8,610 |
21.3% |
5.2% |
販管費 |
6,881 |
17.0% |
7,166 |
17.7% |
4.1% |
営業利益 |
1,304 |
3.2% |
1,444 |
3.6% |
10.7% |
経常利益 |
1,315 |
3.3% |
1,217 |
3.0% |
-7.5% |
当期期純利益 |
698 |
1.7% |
844 |
2.1% |
20.9% |
*受注高・受注残高は、会計基準適応前。
*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
*費用項目の▲は費用の増加を示す。
増収・大幅増益
2023年3月期第2四半期の取扱高は前年同期比0.2%減の688億66百万円。売上高は前年同期並みの404億52百万円。序盤は前年同期を上回る水準で推移したものの、一部大型案件の第3四半期にずれ込みもあり前年同期並みにとどまった。また、営業利益は関連会社の寄与が大きく同10.7%増の14億44百万円。経常利益は持分法投資損失4億21百万円を計上したため同7.4%減の12億17百万円。純利益は、有価証券売却益(3億69百万円)の計上もあり同20.9%増の8億44百万円となった。なお、期首予想の売上高500億円、営業利益16億円、経常利益15億円、純利益10億円を下回ったのは、前述したとおり一部大型案件の期ずれによるもの。
(2)セグメント別概要
◎売上・利益
22/3期2Q |
構成比 |
23/3期2Q |
構成比 |
前期比 |
|
売上高 |
|||||
電力事業 |
4,436 |
11.0% |
6,686 |
16.5% |
50.7% |
化学・エネルギー事業 |
10,553 |
26.1% |
10,542 |
26.1% |
-0.1% |
産業機械事業 |
16,950 |
41.9% |
17,880 |
44.2% |
5.5% |
グローバル事業 |
8,512 |
21.0% |
5,342 |
13.2% |
-37.2% |
売上高計 |
40,452 |
100.0% |
40,452 |
100.0% |
0.0% |
セグメント利益 |
|||||
電力事業 |
458 |
1.1% |
351 |
0.9% |
-23.4% |
化学・エネルギー事業 |
200 |
0.5% |
381 |
0.9% |
90.5% |
産業機械事業 |
263 |
0.7% |
544 |
1.3% |
106.8% |
グローバル事業 |
374 |
0.9% |
197 |
0.5% |
-47.3% |
セグメント利益計 |
1,296 |
3.2% |
1,475 |
3.6% |
13.8% |
*単位:百万円。売上高は外部顧客への売上高。利益の構成比は売上高利益率。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
①電力事業
大幅増収・減益。
北陸地区の大型火力発電所における設備の刷新や中国地区の原子力発電所向け保安設備増強等が寄与し大幅増収。セグメント利益は、防災およびセキュリティ関連の好採算商談が減少したことや、低採算の燃料ビジネスが利益率へ影響し減益となった。
②化学・エネルギー事業
前期並み・大幅増益。
大手運輸会社向け水力発電設備等の大型案件が予定通り進み、売上高は前期並みに推移。セグメント利益は連結子会社のセイカダイヤエンジン株式会社や敷島機器株式会社の業績が寄与し大幅増益となった。
③産業機械事業
増収・大幅増益。
官公庁向け製本設備や健康食品メーカー向け製造設備等の大型案件の寄与や日本ダイヤバルブ株式会社の業績が引き続き好調であったこと等により増収。セグメント利益は、前年同期に発生した中国案件での一時的損失の反動や円安進行によるTsurumi(Europe)GmbHグループ向け輸出案件の利益増加影響もあり大幅増益となった。
④グローバル事業
大幅減収・大幅減益
工事用水中ポンプを扱うTsurumi(Europe)GmbHグループの業績が堅調に推移したものの、主に中国や東南アジア地域
における新型コロナウイルスの影響による営業活動の制限や商談の遅延等により大幅減収、大幅減益となった。
(3)財務状態
◎主要BS
22年3月末 |
22年9月末 |
22年3月末 |
22年9月末 |
||
流動資産 |
89,746 |
87,985 |
流動負債 |
70,409 |
66,891 |
現預金 |
17,334 |
12,710 |
仕入債務 |
31,602 |
27,870 |
売上債権 |
36,029 |
31,825 |
短期有利子負債 |
5,506 |
4,256 |
棚卸資産 |
7,007 |
9,307 |
前受金 |
29,354 |
32,015 |
前渡金 |
28,551 |
33,003 |
固定負債 |
3,354 |
3,519 |
固定資産 |
15,119 |
14,309 |
長期有利子負債 |
27 |
27 |
有形固定資産 |
2,743 |
2,892 |
負債合計 |
73,764 |
70,411 |
無形固定資産 |
793 |
750 |
純資産 |
31,101 |
31,884 |
投資その他の資産 |
11,582 |
10,666 |
利益剰余金 |
18,734 |
19,079 |
資産合計 |
104,865 |
102,295 |
負債純資産計 |
104,865 |
102,295 |
*単位:百万円。有利子負債にはリース債務を含まない。
*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。
現預金や売上債権など減少したことから、資産合計は前期末に比べ25億70百万円減少し1,022億95百万円となった。有利子負債の減少や仕入債務の減少したため、負債合計は同33億52百万円減少し704億11百万円となった。
利益剰余金の増加などで純資産は同7億82百万円増加し318億84百万円。
自己資本比率は30.5%。
3.2023年3月期業績予想
◎連結業績予想
22/3月期 |
構成比 |
23/3月期(予) |
構成比 |
前期比 |
|
取扱高 |
134,261 |
157.4% |
170,000 |
178.9% |
26.6% |
売上高 |
85,307 |
100.0% |
95,000 |
100.0% |
11.4% |
営業利益 |
3,824 |
4.5% |
3,700 |
3.9% |
-3.3% |
経常利益 |
3,879 |
4.5% |
3,700 |
3.9% |
-4.6% |
当期純利益 |
2,246 |
2.6% |
2,500 |
2.6% |
11.3% |
*単位: 百万円。予想は会社側発表。
増収減益予想
2023年3月期の業績見通しについて、取扱高は前期比26.6%増の1,700億円、売上高は同11.4%増の950億円、営業利益は同3.3%減の37億円、当期純利益は同11.3%増の25億円と従来予想から変更なし。2020年4月より取り組んでいる中期経営計画「Re-SEIKA 2023」の最終年度にあたる2023年3月期の数値目標は達成可能としている。配当は2022年3月期より5円/株増配し70円/株を予定。予想配当性向は33.6%。
4.今後の注目点
2023年3月期は中期経営計画「Re-SEIKA 2023」の最終年度であり、営業利益37億円、当期純利益25億円は達成できる見通しであるが、2022年5月27日に発表した長期経営ビジョン「VIORB 2030」達成に向け、引き続き同社の新たな分野への挑戦も期待したい。
◎長期経営ビジョン「VIORB 2030」
「地球環境と調和したサステナブルなエネルギー創出・産業活動を支援する」というパーパス(存在意義)を実践し、豊かな社会の実現に貢献するために策定。
◎同社の存在意義
エネルギーおよび産業のインフラ分野に強みを持つ商社を核とする企業グループとして、地球環境と調和したサステナブルなエネルギー創出・産業活動を支援して行きたい。
◎事業面での重点分野
脱炭素:脱炭素のユーザーニーズと技術革新を機敏に捉えビジネス化
省エネ・省資源:産業界の恒久ニーズへの支援を拡大
サーキュラーエコノミー:循環経済の進展・実現の動きへの対応を強化
DX:広義に捉え商機を探求
◎経営面での主要5施策
①キャッシュマネジメントの仕組みの整備による資金余力の最大化
②100億円規模の事業投資による既存事業の深化と事業領域の拡張
③SDGsに資すると判断される事業や活動を応援するための10億円のファンドを設定
④組織スリム化と生産性向上による重点分野への人的リソース投入
⑤グループ各社毎の特性を踏まえた強みを明確にし経営資源を集中
◎成果を測るための指標
2030年度グリーンイノベーション関連取扱高 1,200億円。
◎連結純利益到達目標
2030年度当期純利益到達目標 40億円
5.トピックス
◎三隅サテライト事務所開設
2022年10月に広島支店傘下の拠点として島根県浜田市に「三隅サテライト事務所」を開設した。
中国電力株式会社をはじめとした島根県沿岸部のユーザーへは、広島支店を拠点とした営業を行ってきたが、中国電力が三隅発電所に三菱重工業製100万kwのボイラー発電設備を増設し、本年11月1日より運転開始することもあり、より機動的な営業活動を目的として同サテライト事務所を開設。
(同社資料より)
◎株式会社ユーグリードへの出資
ユーグレナ由来のナノ繊維「パラミロン・ナノファイバー(PNF)」を製造するベンチャー企業である株式会社ユーグリードに対し出資を行うとともにPNFの販売に係る業務提携を開始した。
PNFは、プラスティック強化複合材として需要の伸びが期待されている「セルロース・ナノファイバー(CNF)」と類似した化学構造と特徴を持つ、自然由来のナノ繊維。CNF 同様に、鋼鉄の 5 倍の強度がありながら5分の1程の重量である特徴を活かし、自動車、家電、住宅・建材等向けプラスティックへの複合材として注目されている。
(同社資料より)
◎米国子会社SEIKA MACHINERY INC. 民間試験機関ACE社と業務提携契約を締結
(同社資料より)
◎社会貢献活動の紹介
株式会社レナテックの「メタロ・バランスがんリスクスクリーニング検査」事業を支援すべく、レナテック社へ1,500万円を出資した。
同検査は安価で信頼性の高いがんリスク診断ツールとして、早期がんの発見に資する取り組みであり、SDGsの目標における「3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」に貢献する事業と判断し、長期経営ビジョン「VIORB 2030」SDGs応援ファンドの第1号案件として出資した。
DR.C 医薬株式会社製ハイドロ銀チタン®不織布マスク約 60 万枚を岡山県、山口県、長崎県、北九州市、東京都共同募金会、ふーどばんくOSAKA、フードバンクTAMA、FUKUSHIMAいのちの水などへ寄付を行った。
同製品は感染症・アレルギー疾患治療薬開発を専門とする DR.C 医薬が不衛生タンパク質、花粉内のタンパク質を水や二酸化炭素・窒素等に分解するハイドロ銀チタン®クリーン技術を応用した機能性マスク。
(同社資料より)
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査等委員会設置会社 |
取締役 | 9名、うち社外4名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2022年6月29日
<基本的な考え方>
当社は「社業の発展を通じ社会に貢献する。」を企業理念に掲げ、あらゆるステークホルダーと良好な関係を築きながら、中長期的な企業価値の向上に取り組んでおります。こうした取り組みを実行していくため「経営の健全性と透明性」「迅速な意思決定と実行」が必要不可欠であると考え、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。
なお、当社は本年6月開催の第99回定時株主総会の承認をもって、「監査役会設置会社」から「監査等委員会設置会社」へ移行致しました。独立社外取締役および監査等委員会による経営の監督体制の強化、業務執行に対する適法性、妥当性の監査体制の強化を図っております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
原則 |
開示内容 |
【原則1-4 政策保有株式】 | 「政策保有株式に関する方針」
当社は、取引先との取引内容や取引の規模・期間等を鑑みて、取引関係の維持・強化のために必要と判断する企業の株式を保有しております。 当社は、保有の意義が希薄と考えられる政策保有株式については、できる限り速やかに処分・縮減していくことを基本方針とし、毎年、取締役会で個別の政策保有株式について、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを精査し、検証の結果を有価証券報告書に開示しております。 なお、当社では、2021年3月期に一部保有株式を売却致しました。
「政策保有株式に係る議決権行使に関する方針」 当社が保有する株式の議決権の行使については、当該企業の経営方針を尊重した上で、当社の中長期的な企業価値向上に資するものであるかを議案毎に確認し、総合的に判断致します。
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【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】 | 当社は、株主、機関投資家との積極的な対話を通じ、中長期的な企業価値の向上を図るため、年二回の決算説明会において社長自ら決算状況や中期経営計画の進捗状況を説明している他、株主総会においては、質疑応答時間を十分に設け、株主からの質問に対して丁寧な対応に努めております。
また当社は、個人株主からの対話(面談)の申込みに対しては総務・人事部が、機関投資家等の法人株主に対しては企画部が対応しております。 |