(7127)株式会社一家ホールディングス コロナ禍の影響残るも黒字転換

2022/06/16

 

 

 

 

武長 太郎 代表取締役社長

株式会社一家ホールディングス(7127)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード

業種

小売業(商業)

代表取締役社長

武長 太郎

所在地

千葉県市川市八幡2-5-6 糸信ビル3F

決算月

3月末日

HP

https://ikka-holdings.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

556円

6,657,000株

3,701百万円

64.8%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

23.93

23.2倍

87.93円

6.3倍

*株価は6/1終値。ROE、BPSは22年3月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2019年3月(実)

7,078

289

286

122

19.84

0.00

2020年3月(実)

7,991

167

129

-122

-19.82

0.00

2021年3月(実)

3,426

-1,115

-1,131

-949

-153.86

0.00

2022年3月(実)

4,424

-729

-751

189

28.56

0.00

2023年3月(予)

8,961

279

255

159

23.93

0.00

*単位:百万円、円。17年10月12日付で1:20、18年6月15日付で1:2、19年10月1日付で1:2の株式分割を実施。EPSは遡及して調整。

 

*同社は2021年10月1日に単独株式移転により設立されたため前期実績はなし。本レポート中で記載している21/3期及びそれ以前の各種数値は全て上場廃止となった子会社である一家ダイニングプロジェクト(9266)のものを参考値として掲載。

 

株式会社一家ホールディングスの2022年3月期決算概要及び2023年3月期見通しなどをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 22年3月期は、飲食事業で引き続きコロナ禍による緊急事態宣言発出等に伴う臨時休業や時短営業、酒類提供の制限等の影響が依然として残ったものの、ブライダル事業の回復などもあって売上高は44億24百万円と最悪期は脱した。営業損失は7億29百万円。「助成金収入」を特別利益に、「店舗臨時休業等による損失」の他、一部店舗の固定資産に関する減損損失をそれぞれ計上し、最終損益は1億89百万円の黒字で着地した。新規出店は3店舗。店舗数は2022年3月末で71店舗。 
  • 23年3月期は、売上高が89億61百万円の予想。飲食事業の新規出店については、引き続き既存業態の出店による主力ブランドの認知向上、ブランド力向上に加え、新生活様式のニーズに対応した新規業態開発を行っていく方針。営業利益は2億79百万円の予想の他、前利益段階で黒字化を見込む。新規出店に伴う開業コスト、本部人員増など販管費も増加するが増収により吸収する。 
  • 主力の飲食事業においては、新業態への業態変更によって業績が良化しているデータが説明会資料の中でも示されている。人流も回復しつつあり、経済活動の正常化に向け水際対策の緩和や訪日観光客の受け入れ再開等の動きも始まるなか、コロナ禍(少人数利用)の反動が見られないかには注意しつつ、新業態『韓国屋台ハンサム』や『肉のウヱキ』などの展開、レジャーサービス事業や宿泊・ホテル事業などへの進出可能性など、期待材料もあり引き続き注目していきたい。 

1.会社概要

グループミッションとして『あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団』を掲げ、主力業態である餃子・串焼き・もつ鍋などが中心メニューの「屋台屋博多劇場」と、炉端・蒸焼・大鍋がメインの「こだわりもん一家」、全卓にハイボールタワーを設置した「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」、韓国料理をリーズナブルに楽しめる「韓国屋台ハンサム」などを展開。他には類を見ない接客サービス、業界における独自のポジショニング、理念を共有する人材育成のための取り組みなどが特長・強み。
2022年3月末現在、1都3県に71店舗を展開。ブライダル事業も展開。

 

【1-1 沿革】

学生時代の旅の途中、お客様の笑顔に囲まれる飲食業の楽しさ・面白さに魅了された武長社長はホテルでのアルバイトなどサービスの基礎を学びながら資金を貯め、20歳で1997年10月に同社の前身である有限会社ロイスカンパニーを設立し、同年12月には1号店として「くいどころバー一家(現こだわりもん一家)本八幡店」を千葉県市川市にオープンした。
その年の12月22日、来店客からコースターの裏に書かれた「こんな素敵なお店をありがとう。」とのメッセージを受け取った武長社長は、深く感銘を受け、「お客様の喜び・感動は自分の喜び・感動である。」ことを改めて強く認識。
お客様と喜びと感動を分かち合うことを理念に掲げて店創り、会社創りに邁進する。
2000年8月に有限会社から株式会社へ組織変更し、同時に商号を「株式会社一家ダイニングプロジェクト」へ変更。
2010年2月には新業態である屋台屋博多劇場1号店「屋台屋博多劇場 成田店」を千葉県成田市にオープンした。
2011年8月には屋台屋博多劇場の初の都心部の出店となる「屋台屋博多劇場 八重洲店」を東京都中央区にオープンするなど、1都3県で店舗を拡大するとともに、2012年8月にはブライダル施設「The Place of Tokyo」 を東京都港区にオープンし、ブライダル事業へも参入し、業容を着実に拡大。2017年12月、東証マザーズ市場に上場し、2020年3月には東証1部へ市場変更した。
その後、株式会社一家ホールディングスの設立に伴い、完全子会社となる株式会社一家ダイニングプロジェクトの株式は2021年9月29日付で上場廃止。同年10月1日付で株式会社一家ホールディングスの株式が東京証券取引所市場第一部に上場した(※東京証券取引所の市場再編に伴って東証スタンダード市場に移行)。

 

【1-2 経営理念】

沿革で述べた武長社長の創業時の強い想いを込め、以下のようなグループミッション、経営理念、社訓を掲げている。

 

(グループミッション)
『あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団』

 

(経営理念)

お客様、関わる全ての人と喜びと感動を分かち合う。
誇りの持てる「家族のような会社」であり続ける。
夢を持ち、限りなき挑戦をしていく。

 

(社訓)

笑顔であれ どんな時も明るく元気に仕事をせよ。笑顔は活力の源である。
思いやる人となれ 人の喜びや悲しみを共有せよ。心優しき者が繁盛店を創る。
目標を定め、実行せよ 実行の前に目標がある。ゴールを定めない者は結果を出せない。
やり抜く強さを持て 自分を信じ、決して諦めるな。希望は自身の中にある。己に勝て。
前向きに捉えよ 愚痴や言い訳を言うな。否定的な考え方はつまらない人生を呼び寄せる。
素直な心であれ 感動、感激、感謝せよ。吸収力は感受性の高さに比例する。
日々改善、改革せよ 失敗を恐れるな。進化し、変化し、大きく飛躍せよ。

 

【1-3 事業内容】

報告セグメントは「飲食事業」と「ブライダル事業」の2つ。売上高で6-7割を占める飲食事業が成長ドライバーである。

 

(*)なお、飲食事業は年末・年始が、またブライダル事業は婚礼シーズンである10月、11月が年間を通じた最繁忙期となるため、3月決算の同社においては第3四半期(10-12月)に売上・利益が偏重する季節特性がある点には留意する必要がある。

 

(1)飲食事業
餃子・串焼き・もつ鍋などが中心メニューの博多業態「屋台屋博多劇場」と、炉端・蒸焼・大鍋がメインの一家業態「こだわりもん一家」が中心業態。
他に、「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」「おでんトさかな にのや」「寿司トおでん にのや」「韓国屋台ハンサム」「Remo Café」を運営している。「屋台屋博多劇場」、「こだわりもん一家」ともに、『あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団』として来店客に喜びと感動を提供するための様々な特長を備えている。

 

業態

特長

「屋台屋博多劇場」

46店舗(22年3月末)

*「福岡・博多の風物詩である、中洲の屋台街の雰囲気や活気を再現した空間で、気軽で安くて旨い屋台飯を楽しんで頂ける、笑顔と活気があふれた劇場」がコンセプト。

 

*屋台をそのままお店にしたような店舗設計店内の活気やスタッフの笑顔が外からでもわかるように間口を広くし、遠くからでも一目で博多劇場だとわかる、店名の入った提灯やのれん、看板を掲げたファザードを設置。店内に入ると、串焼きや鉄板焼き、おでんといった屋台さながらのオープンキッチンとカウンター席。個室は作らず、開放感のある店内はスタッフの元気や活気が客に伝わる劇場をイメージし、設計している。

 

*「旨くて安い屋台飯」をコンセプトに、メニューを作成毎日手仕込みで作り、鉄鍋で調理する博多劇場名物の「鉄鍋餃子」をはじめ、肉や季節の野菜のほか、色々な食材を串に刺して焼く「博多串焼き」、博多名物である「博多もつ鍋」など。その他、鉄板焼きやおでんなどの屋台飯、辛子明太子や、ごま鯖などのメニューを取り揃え、ドリンクは、ハイボールや店内で仕込む自家製塩レモンサワー、九州の酒蔵より取り寄せた焼酎などを提供している。

 

*サービスと商品を組み合わせることで顧客との接点を増やし、客に楽しんでもらうために様々な取り組みを行っている。(「鉄鍋餃子」100個(総重量1.5㎏)を60分以内に食べたら無料イベントの実施の他、年齢同数の餃子の誕生日プレゼント、3回以上の来店で、乾杯ドリンクを通常料金で1リットルサイズに変更するなど独自のアプリ会員システム「屋台屋会員」の運営)。

 

(同社資料より)

 

業態

特長

こだわりもん一家

7店舗(22年3月末)

*「お客様の第二の我が家」をコンセプトに、「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさい」と出迎えるなど、自分の家に居る様なくつろげるお店造り。

 

*30代~50代のサラリーマンやOLを中心に、家族連れやカップルなど幅広い客層が様々なシーンで利用。

 

*店内の中央部分には、その日水揚げされた鮮魚や旬の野菜が並べられた食材のディスプレイを設置。奥には開放感のあるオープンキッチンを配置し、目の前で食材や調理の様子を見ることができる。

 

*オープンキッチンを囲む様に配置されたカウンター席の間には、「こだわりもん一家」の特徴である「畳」を設置。「畳」には着物を着た「女将」がおり、一人一人の客と会話をし、魚を煮る・焼く・刺し身にするなど要望に合わせたおもてなしを提供する。その他、様々な利用シーンに対応できるよう、カウンター席、テーブル席や掘り炬燵の宴会個室などを用意。

 

*日本各地から地魚や旬の野菜、郷土の名物調味料や地酒を仕入れており、素材の味を活かした炉端焼きを中心とした通常メニュー、旬の食材を使用し45日ごとに年8回変わる旬彩メニュー、料理長が市場へ足を運び買い付けした日替わりメニューなどがある。

 

*店舗ごとに、その日の鮮魚や旬野菜を桶に入れて席まで運び、直接素材を見てもらったうえで、好みの調理法で料理を提供する「桶売りサービス」、料理長一押しの厳選素材を通常の販売価格より低価格で提供する「タイムセール」、食事が進んだ頃に、メニューにはない料理長のおもてなしの一品を、出来立ての状態で客の席を回り販売する「中間サービス」など、料理を通じ顧客との接点を増やす取り組みを実施している。

 

(同社資料より)

 

業態

特長

大衆ジンギスカン酒場

ラムちゃん

11店舗(22年3月末)

*昨今の健康志向の高まりにより、「低糖質」「高タンパク」な食材が注目されヘルシーで太りにくい健康食材が一段と注目されている。脂肪燃焼に効果的なカルニチンを多く含むラム肉と、低糖質でプリン体も少ないウイスキー(ハイボール)を思う存分楽しめることをコンセプトとして、そうした需要を取り込む。

 

*全卓に強炭酸ハイボールタワーを設置し、60分500円(税抜)飲み放題で、顧客自身でハイボールを好きなタイミングで好きなだけ注ぐことができるため、注文してもなかなか運ばれてこないといった心配がない、ストレスフリーな構造となっている。

 

*こだわりの岩塩で塩締め・低温熟成させ、かつ柔らかく旨みを最大限に引き出した低カロリー高タンパクのラム肉を使ったジンギスカンが最大の売りとなっている。マトンに比べてクセがない(羊肉特有の臭み)ため、男女・世代を問わずに気取らず楽しめる、活気に溢れた大衆酒場。

 

(同社HPより)

 

(同社資料より)

 

(2)ブライダル事業
東京タワーの目の前に位置し、東京タワーを一望できる開放的なチャペルが特長であるブライダル施設「The Place of Tokyo」を運営している。
「The Place of Tokyo」には、和モダンをコンセプトとしてデザインした4階会場「Tower room」、オープンキッチンを併設した3階会場「Terrace room」、パリの宮殿をイメージした地下2階会場「Grand room」と趣の異なる3つの披露宴会場があり、婚礼料理も、幅広い年齢層のゲストにも喜んでもらえるよう、素材そのままの風味を活かした和テイストのオリジナルのジャパニーズキュイジーヌを提供している。
また、利用客の要望に応じて出身地の食材を使用したメニューをアレンジしたり、新郎新婦の希望に沿ったウェディングケーキを作成したりするなど、「日本一の“おもてなし”集団」として独自のサービスを創出・提供している。

(同社資料より)

 

【1-4 特長と強み】

(1)他には類を見ない接客サービスによる高いリピート率
同社では来店客を自分の大切な人(家族)と考え、接客している。
基本的なサービスマニュアルはあるものの、それをベースにスタッフが自ら考え、マニュアルにはないおもてなしを表現できるよう理念浸透や教育に取り組んでいる。
調理場スタッフも含めスタッフ全員で来店客を出迎えるためのオープンキッチンの導入、こだわりもん一家業態における「女将」の対応に加え、「2.成長戦略」で述べる会員企画など、他社には見られないユニークな接客サービスが高いリピート率に結び付いている。

 

(2)業界における独自のポジショニング
居酒屋マーケットの中で低価格帯ながらも、顧客に対するサービスレベルが高く、独自のポジションを構築している。また、コロナ禍の影響とは関係なしに、飲食店の利用は昔と比較して企業や大人数での利用から、個人や親しい人との少人数利用の需要形態へと移行しつつある。こうした社会背景等も反映しつつ、積極的な業態開発を行っていく方針を示している。

 

(同社資料より)

 

(同社資料より)

 

(3)理念を共有する人材育成のための取り組み
グループミッション、企業理念、社訓を、パートアルバイトを含めた全スタッフにいかに深く浸透させることができるかが業容拡大、企業価値向上のための最も重要なポイントであると考えており、人材の採用および育成についても同社ならではの取り組みを実施している。
◎社内教育プログラム「IKKAユニバーサルカレッジ」
「マインド」、「知識」、「スキル」、「行動」、「コミュニケーション」など、広範囲なテーマにわたり座学と実践を交えて包括的な人材育成を行っている。
社内講師も着実に育ってきており、継続的かつ安定的に同社の理念やビジョンを継承・浸透させていく仕組みとなりつつある。

 

(同社資料より)

 

◎社内動画共有ポータルサイト
後述の従来型イベントの開催や、集合研修や対面での会議をすることに伴う新型コロナウイルス感染リスクも警戒されるなか、社内動画共有ポータルサイトを立ち上げ、各種教育プログラム動画を配信し、コロナ禍においても歩みを止めることなく、教育体制の充実、理念浸透の強化を図っている。

 

(同社資料より)

 

◎各種イベントの実施
社員やアルバイトメンバーへの理念浸透、モチベーション向上、離職率低下を図るため、以下のような各種賞賛・イベントを開催している。

 

(同社資料より)

 

こうした取り組みが功を奏し、同業他社と比較して低い離職率を実現するとともに、人手不足が深刻化する中でも新卒採用に関しても安定したエントリー数を確保し、計画通りの採用に成功している。

 

【1-5 成長戦略】

同社では成長ドライバーを飲食事業、なかでも中心業態である「屋台屋博多劇場」の拡大と位置付けてきたが、今後は「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」「韓国屋台ハンサム」の出店拡大にも注力していく考えだ。

 

「屋台屋博多劇場」による成長戦略は以下のとおりである。

 

(1)商品戦略
同社資料によると、2015年に仕事帰りの「ちょい飲み」が一般化し、新生銀行の発表した統計データによるとサラリーマンの小遣い額は、37,873円と前年比231円の微増で1979年の調査開始以来、過去3番目に低い額となった。

 

そうした中、博多劇場では下記の代表的なメニューに見られるように、気軽に利用できる客単価でありながら、高いコストパフォーマンスを実現している。
また、2018年4月からは「180円メニュー」を増品し、よりリーズナブルなメニュー作りを進めている。

(同社資料より)

 

(2)会員企画
総来店客数の増大及び継続的なリピーターの獲得を重視する同社において「会員企画」は重要な取り組みであり、ユニークな販促企画を次々と産み出している。

 

主な企画名

概要

バースデー餃子 誕生日に年齢同数の餃子をプレゼント
V・I・P会員 3回行くとVIP会員になり、VIP会員は最初の飲み物をメガジョッキにしてくれるのに加え、同伴来店客にも同様のメガジョッキをサービス
博多出身者を探せ 博多出身者の方には、特別メニューをプレゼント
持ち出せ企画 指定の品物を持参するとその個数分ドリンクをサービス

 

博多劇場1号店オープンからの8年間の累計会員数は20年9月末で100万人を突破。
一方、16年10月からスマホ・アプリ会員をスタートさせ、18年1月からはアプリ会員に一本化しているが、21年6月末のアプリ会員は77万人を突破した。継続した会員獲得とアプリ企画のブラッシュアップで客数増・リピート率上昇を目指している。

 

(3)出店戦略
認知度およびブランド価値向上を図るため、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県で集中的に出店している。
最寄り駅乗降客数10万人以上の都心店舗と、それ以外の郊外店舗を組み合わせたハイブリッド型出店で、約200の候補地(駅)の中から厳選して年間10~12出店する計画である(※コロナ禍を除く)。
心のこもった接客を最重視する同社では十分な接客が可能なスタッフの育成が不可欠であり、サービスレベルを低下させることなく成長を追求するためには無理のない着実な店舗拡大が重要と考えている。

 

【1-6 株主還元】

同社は現在成長過程にあり、事業規模の拡大および財務基盤の強化を目的として内部留保の充実を優先するため、配当を実施していない。
ただ、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、今後は、経営成績および財務状況等を総合的に勘案しながら、配当の実施を検討していく考えだ。
なお、株主の支援に対する感謝の意を表すとともに、店舗の利用を通じて事業内容の理解と継続的な支援を得ることを目的として株主優待制度を設けている。

 

(2022年3月末日以降の株主向け優待)

所有株式数

優待内容

100株以上200株未満 2,500円相当の食事優待券
200株以上400株未満 5,000円相当の食事優待券
400株以上 10,000円相当の食事優待券

 

2.2022年3月期決算概要

同社飲食事業では、過去の実績からも12月の忘年会等の需要による客数の増加およびコース予約増加による客単価の向上、ブライダル事業では、婚礼の需要が高まる10~11月の施行件数の増加といった季節要因に加え、第1~2四半期に新規出店した店舗の売上寄与もあり、第3四半期(10-12月)の売上高が他四半期に比べ増加する傾向にある。
これに対し、第1~2四半期(4-9月)は、飲食事業において新規出店を集中し、それに伴う出店コストや人員確保のための採用費、新卒入社での人員増による人件費の増加などにより、費用が先行するため利益は低水準となりやすい。投資家はこうした同社決算の特性に留意する必要がある。

 

※同社は2021年10月1日に単独株式移転により設立されたため前期実績はなし。本レポート中で記載している21/3期及びそれ以前の各種数値は全て上場廃止となった子会社である一家ダイニングプロジェクト(9266)のものを参考値として掲載。

 

(1)業績概要

 

21/3期

構成比

22/3期

構成比

対前期比

売上高

3,426

100.0%

4,424

100.0%

+29.1%

売上総利益

2,286

66.7%

2,839

64.2%

+24.2%

販管費

3,402

99.3%

3,568

80.7%

+4.9%

営業利益

-1,115

-729

経常利益

-1,131

-751

当期純利益

-949

189

4.3%

単位:百万円

 

増収、最終損益は黒字転換
飲食事業で引き続きコロナ禍による緊急事態宣言発出等に伴う臨時休業や時短営業、酒類提供の制限等の影響が依然として残ったものの、ブライダル事業の回復などもあって売上高は44億24百万円と最悪期は脱した。売上総利益は28億39百万円だが、営業損失は7億29百万円。また、「助成金収入」を特別利益に、「店舗臨時休業等による損失」の他、一部店舗の固定資産に関する減損損失をそれぞれ計上し、最終損益は1億89百万円の黒字で着地した。
新規出店は3店舗。その結果、店舗数は2022年3月末で71店舗となっている(その他、既存店2店舗の業態変更を実施)。なお、新規出店3店舗の内訳は、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん1、寿司トおでん にのや1、韓国屋台ハンサム1。

 

*既存店とは、新規開店した月を除き、18ヶ月以上経過した店舗。改装等により稼働していない期間があった店舗は当該月から除外している。

 

(2)セグメント動向

 

21/3期

構成比

22/3期

構成比

対前期比

売上高

         

飲食事業

2,812

82.1%

3,065

69.3%

9.0%

ブライダル事業

613

17.9%

1,359

30.7%

121.5%

合計

3,426

100.0%

4,424

100.0%

29.1%

営業利益

         

飲食事業

-710

-553

ブライダル事業

-405

-183

合計

-1,115

-729

*単位:百万円。営業利益の構成比は営業利益率。

 

◎飲食事業
増収、営業損失で着地。
アフターコロナにおけるニーズや、テイクアウト・デリバリーに対応した新業態の開発及び新規出店、既存店のサービス力向上及び店舗オペレーションの改善、自社アプリなどの会員獲得によるリピーター客数の増加に継続して注力。ただし、緊急事態宣言の発出、まん延防止等重点措置等に伴い、臨時休業及び要請の範囲内での時短営業を行ったことに加え、臨時休業の長期化に伴う食材廃棄等による一時的な原価圧迫なども重しとなった。

 

※4月25日~9月末まで、臨時休業及び時短営業を実施し、10月より順次営業を再開。
1月21日より一部店舗で臨時休業及び時短営業を実施。

 

(新規出店など)
ドミナントエリア拡大に向けて下記、出店した。
東京都への出店(大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん有楽町店、寿司トおでん にのや有楽町店、韓国屋台ハンサム 海浜幕張店)

 

以上、直営店3店舗を出店し、直営店は合計で71店舗となった。
内訳は、屋台博多劇場46、こだわりもん一家7、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん11、Remo Café2、にのや2、韓国屋台ハンサム3。

 

(業態変更、退店など)
*業態変更
既存店の「屋台屋博多劇場 柏2号店」を「韓国屋台ハンサム」、「屋台屋博多劇場 藤沢店」を「韓国屋台ハンサム 藤沢店」へ変更した。

 

*退店
特になし。

 

*その他
2021年4月1日より「鮨あらた」独立。

 

(既存店の状況)
既存店(屋台屋博多劇場業態・こだわりもん一家業態・大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん業態)は前期比4.1%の減収。緊急事態宣言の発出、まん延防止等重点措置に伴い、4月25日より9月末まで、1月中旬より3月下旬までの期間、対象エリアの店舗を中心に臨時休業及び酒類提供の自粛を含む要請の範囲内での時短営業を実施したことが背景。業態別では、「屋台屋博多劇場」が同5.9%減収、「こだわりもん一家」が同8.3%減収、「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」が同8.7%増収となった。なお、客単価については同3.5%減少。客数は同9.5%増加。臨時休業や時短営業があったなか、ラムちゃん業態が増収を確保した点は評価したい。

 

(同社資料より)

 

◎ブライダル事業
大幅増収、営業損失。
近年、結婚式のニーズの多様化により少人数婚のニーズが高まり、婚礼1組当たりの組人数が減少傾向にある中、婚礼の主力広告媒体との連携強化による来館数・成約率の向上、サービス力向上及びコスト削減、宴席の新規案件の取り込み及びリピート客数の増加、レストランのサービス力、商品力の向上及び新規客数の増加にも継続して注力。また、SNSのLIVE配信を利用したリモート会場案内、オンライン結婚式オプションや家族婚・挙式のみプランの販売、3密を回避した婚礼料理コースの開発など、コロナ禍における様々なニーズに対応した取り組みを強化した。
その結果、施行件数は前期比で大幅に増加。一方、感染予防の観点から依然として少人数での挙式が多い状況ではあるものの、組人数・組単価も前期比で増加している。なお、施行件数増加による費用増(アウトソーシング費の増加)の他、付帯原価率の高い婚礼件数が増加したことが重しとなり、前期から縮小したものの営業損失1億83百万円で着地している。
なお、2022年3月期第4四半期は新型コロナウイルスの新規感染者数増加の影響により、来館数は減少したものの、婚礼の成約率は40%を超える高い水準をキープしている他、婚礼組単価もコロナ以前と同様の水準まで回復してきている。

 

■婚礼の成約率推移について

(同社資料より)

 

■婚礼のコロナ後の売上回復率について

(同社資料より)

 

■婚礼のコロナ後の組単価回復率について

(同社資料より)

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

21年3月末

22年3月末

 

21年3月末

22年3月末

流動資産

1,242

1,525

流動負債

1,313

1,688

 現預金

632

1,088

 仕入債務

61

185

 売上債権

102

177

 短期借入金

833

876

固定資産

3,022

3,133

固定負債

2,597

2,371

 有形固定資産

1,896

1,662

 長期借入金

2,254

2,020

  建物

1,651

1,437

負債合計

3,910

4,060

 無形固定資産

11

6

純資産

353

598

 投資その他の資産

1,113

1,464

 利益剰余金合計

-537

-397

  敷金・保証金

572

989

負債純資産合計

4,264

4,658

資産合計

4,264

4,658

借入金合計

3,088

2,896

単位:百万円

 

店舗の営業時間短縮等に関連した助成金等の計上に伴い未収入金が増加したこともあり、資産合計は前期末に比べ394百万円増加し46億58百万円となった。
なお、借入金は同191百万円減少。新株の発行に伴い資本金が増加した他、資本剰余金も増加。加えて、親会社株主に帰属する当期純利益の計上もあり、純資産は同244百万円増加の5億98百万円。この結果、自己資本比率は前期末より4.4ポイント上昇し、12.6%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

21/3期

22/3期

増減

営業CF

-1,412

1,153

+2,566

投資CF

-620

-563

+56

フリーCF

-2,033

590

+2,623

財務CF

1,966

-140

2,106

現金同等物残高

542

993

+450

単位:百万円

 

税金等調整前当期純利益や減価償却費などによる資金の増加影響で営業CFが黒字に転換。これを受けて、フリーCFについても同様に。ただし、財務CFは長期借入金の返済による支出などの影響でマイナスとなっている他、キャッシュポジションは増加している。

3.2023年3月期業績予想

(1)業績概要

 

22/3期

構成比

23/3期(予)

構成比

対前期比

売上高

4,424

100.0%

8,961

100.0%

+102.5%

売上総利益

2,839

64.2%

5,986

66.8%

+110.9%

販管費

3,568

80.7%

5,706

63.7%

+59.9%

営業利益

-729

279

3.1%

経常利益

-751

255

2.9%

当期純利益

189

4.3%

159

1.8%

-15.9%

単位:百万円。予想は会社予想。

 

大幅増収、各利益段階で黒字転換予想。
売上高は89億61百万円の予想。飲食事業の新規出店については、引き続き既存業態の出店による主力ブランドの認知向上、ブランド力向上に加え、新生活様式のニーズに対応した新規業態開発を行っていく方針。ブライダル事業においては、主力広告媒体との連携強化による来館数・成約率の向上、サービス力向上及びコスト削減、宴席の新規案件取り込み及びリピート客数の増加、レストランのサービス力向上・商品力向上に注力し売上及び利益拡大を図っていく。

 

営業利益は2億79百万円の予想。新規出店に伴う開業コスト、本部人員増など販管費も増加するが増収により吸収する。しかし、経済活動の正常化に向けて着実に進展しているとはいえ、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない状況の中、不透明な状況は続くと会社側は考えており、飲食事業既存店・ブライダル事業の売上高は、コロナ禍前の水準比で約9割の回復率の前提で試算されている。

 

(2)注力施策

 

デジタル化による業務改善
大衆ジンギスカン酒場ラムちゃんで導入していたセルフオーダーシステム(お客様自身でスマホから注文が可能)「「O:der Table」を、博多劇場などの他業態でも随時挿入を検討。注文が集中するピークタイムでも店員を待つことなく注文が可能となり、注文時のストレス解消に繋がる他、ホール業務軽減によるホールオペレーション全体の効率化を図る。オペレーションの効率化で生まれた余裕でおもてなしに注力することで、顧客満足度の向上に繋げる狙いだ。

 

また、AI自動発注システム「HANZO」の導入を検討。これにより、バックオフィス業務のさらなる改善・効率アップを図る。

 

<「HANZO」の特徴>
・AIによる売上・客数予想
自動で理論在庫を算出し最適な発注を実現。

 

・予想に基づく自動発注が可能
短時間で精度の高い発注が可能。

 

・発注業務に係る時間削減
発注時間を短縮し、営業時間外の人件費削減。

 

・人的な発注ミスの低減
発注漏れや過剰発注ロスによる原価圧迫を防止。

 

子会社の取得
2022年4月1日付けで株式会社Egoの株式を取得し、子会社化した。同社が運営する「肉のウヱキ」は、「ネオ大衆酒場」×「昭和の商店街にあるお肉屋さん」をコンセプトとした、「ランチ」・「中食(テイクアウト)」・「居酒屋利用」の三毛作業態。現在は1店舗のみの出店ながら、2021年9月のオープン後、業績も堅調に推移しており、今後の拡大可能性を秘めた業態となっている。

 

社内教育の充実
社内講師陣による教育プログラム「Ikka Universal College」をはじめ、様々な研修や教育プログラムをオンラインで実施し、アーカイブを社内動画ポータルで共有する等、さらなる教育体制の充実、理念浸透の強化を図っていく。

 

(3)新規出店戦略&業態変更戦略等

飲食事業においては、2023年3月期は新規出店10店舗を計画。現時点では、2022年4月1日に屋台屋博多劇場 横浜店、2022年5月30日に寿司トおでん にのや 大門店、2022年9月頃に韓国屋台 ハンサム町田店、2022年9月頃に寿司トおでん にのや 町田店、2023年2月頃に韓国屋台 ハンサム 有楽町店が計画されている。

 

コロナ禍において業態開発を進めてきたことで、とれる選択肢が拡大。既存店の業績動向や、エリア特性などを勘案しながら、業績向上が見込める店舗に関しては、積極的な業態変更を検討していく方針。現時点では、屋台屋博多劇場 本川越店を「韓国屋台ハンサム 本川越店(※2022年7月中旬予定)」、屋台屋博多劇場 新橋店を「→韓国屋台ハンサム 汐留店(※2022年8月上旬予定)」が計画されている。

 

ブライダル事業では、開業10年目を迎える「The Place of Tokyo」の定期建物賃貸借契約の更新が決定。2023年6月~8月には内外装の一新、+1バンケット構築、館内デザインのブラッシュアップ、機能性の改善等を行う大型リニューアルを実施予定であり、唯一無二の結婚式場として、今後もさらにサービス力・付加価値の向上に努める。具体的には、通常の形式的な人前式ではなく、「人」の強みを活かし、プランナーが新郎新婦様に寄り添い、親御様、ゲストとともに創る感動溢れるオリジナル挙式スタイル「The Place for Eternity」の販売。また、今までアウトソーシングしていた「婚礼サービスの内製化」を通じてアウトソーシング費の削減と「おもてなし」の強化に邁進する。

 

(4)今後のビジョン

2021年10月1日から、予定通り持株会社体制に移行。これをきっかけに、今後はレジャーサービス事業や宿泊・ホテル事業など”おもてなし“に関わる事業にビジネス領域を広げることを視野に入れ、おもてなしの総合商社を目指していく。

4.今後の注目点

ブライダル事業において2022年3月期第4四半期に来館数が減少傾向になったが、こちらはあくまで一時的なものであろう。なお、反動的に多少の回復は見られても、基本線として婚礼の小規模化は継続していくと見られる。そうした状況のなか、婚礼サービスの内製化に同社は舵を切る方針であり、外注費の削減及びサービスの差別化(単価上昇)に繋がる可能性があり、ポジティブに受け止められよう。実際の効果表面化を待ちたい。

 

また、主力の飲食事業においては、新業態への業態変更によって業績が良化しているデータが説明会資料の中でも示されている。人流も回復しつつあり、経済活動の正常化に向け水際対策の緩和や訪日観光客の受け入れ再開等の動きも始まるなか、コロナ禍(少人数利用)の反動が見られないかには注意しつつ、新業態『韓国屋台ハンサム』や『肉のウヱキ』などの展開、レジャーサービス事業や宿泊・ホテル事業などへの進出可能性など、期待材料もあり引き続き注目していきたい。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態 監査等委員会設置会社
取締役 9名、うち社外4名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年12月21日

 

<基本的な考え方>
当社は、「お客様、関わる全ての人と喜びと感動を分かち合う」とういう理念のもと、「あらゆる人の幸せに関わる日本一の“おもてなし”集団」というグループミッションを掲げ、飲食事業、ブライダル事業のみならず、おもてなしに関わる様々な事業で、日本人の文化である“おもてなし”を広め、日本を代表する「おもてなし」のリーディングカンパニーを目指しております。
当社は、企業価値の継続的な向上には、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが必要不可欠であると考え、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に努めております。株主をはじめとするステークホルダーと良好な関係を築き、事業活動を行うことで、長期的な成長を遂げることができると考えております。
透明かつ公平な経営を最優先に考え、株主総会の充実をはじめ、取締役会の活性化、監査等委員会の監査機能の強化及び積極的な情報開示に努め、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図ってまいります。

 

<実施しない主な原則とその理由>

【補充原則1-2-4】 当社は、機関投資家や海外投資家の比率が相対的に低いため、議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳は実施しておりません。今後は、株主・投資家の皆様のご意見・ご要望を参考にしつつ、機関投資家や海外投資家の比率、費用対効果等を勘案し、引き続き議決権の電子行使を可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳の導入について検討してまいります。
【原則1-3】 当社は、資本効率の向上や株主に対する適切な利益還元は、重要な経営課題のひとつであると考えておりますが、具体的な方針を定めるには至っておりません。当面は、収益力の向上・改善が最重要課題であると認識しており、収益力を強化し、企業価値の向上に努めてまいります。
【補充原則4-1-2】 当社は、経営環境の変化が激しい中で、中期的な業績予測を掲げることは、必ずしもステークホルダーの適切な判断に資するものではないとの観点から、事業単年度毎の見通しを公表することとしており、数値目標をコミットメントする中期経営計画は策定しない見込みです。一方、単年度予想と実績との乖離に関する原因分析は定期的に行っており、決算発表等を通じ必要なタイミングで株主を含むステークホルダーに対し開示・説明を行っております。

 

<各原則に基づく主な開示>

【原則1-4】 当社は現状、政策保有株式として上場株式を保有する見込みはありません。
【原則4-9】 当社は、東京証券取引所が定める独立性判断基準に基づき、独立社外取締役の選定を行っております。また、取締役会は、当社からの独立性があり、自己の知見に基づき、的確な助言、意見具申や企業経営における監督等への貢献が期待できる人物を、社外取締役候補者として選定しております。
【原則5-1】 当社では、IR担当取締役を選任するとともに、管理部をIR担当部署としております。管理部は、経理部、広報部、総務部等IR活動に関連する部署を統轄し、日常的な部署間の連携を図ってまいります。株主や投資家に対しては、代表取締役社長が出席する決算説明会を半期に1回開催するとともに、個人投資家説明会や役員懇親会(株主総会後)を実施してまいります。その他、株主から面談の希望があった際は、目的・内容等に応じ、IR担当取締役や代表取締役社長が対応してまいります。これらの活動を通じて得られた意見等は、適宜取締役会にフィードバックを行ってまいります。なお、株主との対話に際してはインサイダー情報の漏洩防止を徹底してまいります。

 

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