(6058)株式会社ベクトル PR・広告事業好調、増収増益
西江 肇司 代表取締役会長兼社長 |
株式会社ベクトル(6058) |
|
企業情報
市場 |
東証プライム市場 |
業種 |
サービス業 |
代表者 |
西江 肇司 |
所在地 |
東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ18F |
決算月 |
2月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数 |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
1,278円 |
47,674,039株 |
60,927百万円 |
17.1% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
18.00円 |
1.4% |
62.93円 |
20.3倍 |
259.38円 |
4.9倍 |
*株価は4/20終値。各数値は22年2月期決算短信より。
業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益 |
EPS |
DPS |
2019年2月(実) |
29,693 |
2,575 |
2,738 |
-2,421 |
-52.29 |
0.00 |
2020年2月(実) |
36,821 |
2,891 |
3,322 |
-199 |
-4.20 |
0.00 |
2021年2月(実) |
37,273 |
2,314 |
2,797 |
486 |
10.21 |
2.00 |
2022年2月(実) |
47,351 |
5,248 |
5,201 |
2,071 |
43.46 |
13.00 |
2023年2月(予) |
53,100 |
6,200 |
6,100 |
3,000 |
62.93 |
18.00 |
*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。
株式会社ベクトルの2022年2月期決算概要、2023年2月期業績予想などをお伝えします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2022年2月期決算概要
3.2023年2月期業績予想
4.中期利益計画
5.経営戦略
6.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンの下、PR・広告事業を中心に企業のコミュニケーション戦略を多角的に支援。「モノ」を広めるための幅広いインフラを完備する競争優位性を武器に、6兆円の広告市場をターゲットとし、「広告業界のFAST COMPANY」として、「PR業界で世界No1のポジション」を目指している。
- 2022年2月期の売上高は前期比27.0%増の473億51百万円。PR・広告事業、プレスリリース事業、メディア事業は2ケタ増収。営業利益は同126.8%増の52億48百万円。PR・広告事業、プレスリリース配信事業が牽引したほか、HR事業が黒字転換。ファンド事業も貢献した。売上・利益ともに修正予想を上回った。好調な決算に加え。配当性向の目安を20%から30%に引き上げたことから配当予想を8円/株から13円/株に増額修正した。
- 23年2月期の売上高は前期比12.1%増の531億円、営業利益は同18.1%増の62億円と2桁の増収増益予想。コロナ禍の影響は前期同等程度と想定している。配当は前期比5.00円/株増配の18.00円/株の予想。予想配当性向は28.6%。
- 26年2月期のEBITDA、営業利益はそれぞれ107億円、100億円を計画。グループ企業を、モノを広める支援を図る「PR COMPANY」、人事・採用面での支援を図る「HR COMPANY」、新規事業の創出を図る「COMPANY FACTORY」、投資事業の成長を図る「INVESTMENT」の4領域により顧客企業の成長を支援し、継続的なグループの拡大を目指している。
- 事業によってはコロナ禍の影響を受けつつも、「モノ」を広めるための幅広いインフラを完備する同社の特徴が企業のマーケティング需要を確実に取り込んだことに加え、HR事業の構造改革も終了したことで収益性も改善し、大幅な増収増益となった。今期も引き続き好調な業績推移を予想しており、前期損失を計上したビデオリリース事業、メディアCMS事業とも黒字転換を見込んでいる。
- 「PR業界で世界No1のポジション」を目標に掲げつつ、6兆円と言われる広告市場をターゲットに、広告業界のFAST COMPANYを目指す同社の4領域における施策の進捗に注目していきたい。
1.会社概要
「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンの下、PR・広告事業を中心に企業のコミュニケーション戦略を多角的に支援。「モノ」を広めるための幅広いインフラを完備する競争優位性を武器に、6兆円の広告市場をターゲットとし、「広告業界のFAST COMPANY」として、「PR業界で世界No1のポジション」を目指している。
【1-1沿革】
1993年3月に西江 肇司氏(創業者・取締役会長)がセールスプロモーション事業を目的に設立。より成長性の高い事業を展開するため、2000年4月にPR事業を中心とした事業体制に移行し、PR業界のNo.1企業となることを目標として積極的に事業展開を開始した。PRを幅広い角度から支援すべく様々な企業を設立。さらに近年では従来のPRサービスの分野にとどまらず、企業のコミュニケーション戦略を総合的にサポートするためのサービスの拡充と体制の強化を継続的に推進している。
2012年に東証マザーズに上場。2014年には東証1部にステップアップした。2022年4月、東証プライム市場へ移行。
【1-2 理念】
「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンを掲げている。
他に、同社社員が身に付けるべき想い・考え方、取るべき行動を挙げた「vector’s Rock」も示している。
プロになること |
この業界に狂おしいほどに精通すること。自らを肯定し、強烈な自信を持って、日々切磋琢磨し、お客様に貢献し続けながら業界に君臨すること。プロフェッショナルとはそういうものだ。 |
クールな情熱 |
情熱を持つこと。その必要性を理解すること。冷めたピザなど食えるか。ただし、熱すぎるのもご用心。我々はクールな情熱を賞賛する。 |
アクション |
まず行動なくして何も産み出されない。行動してから考えるか、考えてから行動するか、そんなことは真顔できくな。ベクトルは行動する集団である。もちろんスピーディーに。 |
明確な目標 |
目標を持つこと。その重要性を認識すること。それらを常に想像し妄想しつづけること。それらを無心で手放し、成功を受け取ること。我々は成功の法則を知っている |
ベンチャースピリット |
ベンチャーを賞賛する。我々の会社は、ベンチャー精神によってここまで来た。0からモノを創り出す快楽。この喜びをともに享受しよう。大企業病はごめんだ。 |
シンプル |
シンプルに仕事をすること。人間は得てして複雑にしすぎる。できる人の人生は、極めてシンプルだ。羨ましい。そんな風に生きたいものだ。 |
進化すること |
僕らは、自ら画策する集団である。そう、頼まれる仕事は、いつも完璧にこなす。だが、それだけでなく、時代を読み、常に創造、改善をしつづけ、革新的で独創的なサービスを開発し、業界に革命をおこしていく。 |
与えること |
まず与えること。誰もが取りに行ってしまう。その気持ちはわかる。何を与えられるかをまず整理しよう。富のサイクルは与える事から始まるらしい。逆説的だ。 |
素直 |
素直であることは、何ものにもかえがたい。仕事での成長には、これが一番重要だ。どんな困難も素直さで乗り切る事ができるらしい。素直に生きること。単純なようで奥深い。 |
シンクストレート |
当たり前のようだがこれがなかなかできない。人間関係の問題は、これでほとんど解決する。文句を言いそうになったら、これを読め。もし、言いにくいレベルなら黙っとけ。品とは自分で作り出すものだ。 |
クライアントファースト |
ベクトルズロックでは、色々といっているが、ベクトルの繁栄はクライアントあってのことである。そんなことは100も承知だ。ビジネスの成功は顧客への貢献から得られるものであること、十分理解している。 |
波にのること |
いくら頑張ってもダメ。そこに波がないと。時代の流れを読み、用意周到に、そして、運を司ること。世の中に流れているパワーに気づきそれとつながること。そうすれば自ずとおこってくるものだ。その手法として瞑想も悪くはない。 |
トータルでビューティフル |
仕事も人生も楽しむこと。目標も大事だが、今を楽しむ事が重要であることに気づくこと。トータルでビューティフルな人生を。素晴らしい言葉だ。 |
栄光 |
僕らが目指すものはどこか。その問いに答えてくれる簡単なようであらゆる物を含んでいる夢のある言葉だ。 |
【1-3 同社を取り巻く環境】
2021年日本の広告費(株式会社電通)によれば、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が下期にかけて緩和したことに加え、社会のデジタル化が進む中、好調なインターネト広告費の成長に支えられ、2021年(1~12月)の日本の総広告費は前年比10.4%増のの6兆7,998億円と大きく回復した。新聞・雑誌・ラジオ・テレビのマスコミ四媒体も同8.9%増加したが、インターネット広告費は同21.4%増と大きく伸長し、1996年実績以来、初めてマスコミ四媒体広告費を上回った。2005年以降の長期トレンドを見てもインターネット広告の成長は群を抜いている。
インターネット広告のなかでも、ビデオ(動画)分野においては、5Gの商用化により通信速度が向上することで従来よりもリッチなコンテンツで伝えることが可能となり、ビデオ(動画)を活用したマーケティング施策が今後、増加し、飛躍的に市場が拡大していくとベクトルでは予想している。
(インベストメントブリッジ制作)
【1-4 事業内容】
顧客である企業等によるメディアを活用した生活者とのコミュニケーション戦略を総合的に支援するPR・広告事業・プレスリリース配信事業・ビデオリリース配信事業・メディア事業、物品のオンライン販売を中核とするダイレクトマーケティング事業、人事評価クラウドサービスを提供するHR事業、ベンチャー企業の成長支援を目的とした投資行うファンド事業を展開している。
基本となるのが一定期間の継続的なコンサルティングを行うPRのリテナー契約。この契約をベースに、同社グループが有する多様な広告・PR手法を提供。現在年間約2,600件のプロジェクトを手掛けている。
グループは、(株)ベクトルを始めとして合計50社。顧客に対するサービス提供の実務を子会社各社が担い、グループ全体の経営企画、人事、総務、法務、財務、経理に至る各種管理機能を(株)ベクトルが一括管理している。
今期より、インベストメントベンチャー事業として行っていた投資を事業化することに伴い、「ファンド事業」を「投資事業」に、また事業の実態に合わせ「メディア事業」を「メディアCMS事業」に名称を変更する。
(1)PR・広告事業
従来からの広報業務に加え、広告・宣伝分野でPRを活用する「戦略PR」を通じ、クライアントの商品及びサービス等のPR支援を行うコンサルティングや、タクシーの車内に設置するタブレットを活用したIoTサイネージサービスによる広告を販売している。業務の大半は、グループ会社を通じてクライアントに対して提供されており、それぞれのグループ会社では、既存メディア、ブログやソーシャルメディアなど得意なメディア領域や、日本国内、中国やASEAN等展開エリアをすみ分けて事業展開をしている。
|
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(同社資料より)
(2)プレスリリース配信事業
クライアントからのパブリシティの依頼に基づき、顧客商品・サービスに関する情報をプレスリリースとして配信し、企業と生活者をプレスリリースでつなぐプラットフォーム事業を展開している。
プレスリリースプラットフォーム「PR TIMES」の利用企業数は65,000社以上で、上場企業の50%が利用している国内NO.1のプラットフォームである。
(同社資料より)
(3)ビデオリリース配信事業
クライアントの「企業」「商品」「サービス」に関するニュースを動画コンテンツ化し、インターネットを通じてターゲットに訴求する動画を配信している。
2015年のサービス開始から累計3,500本以上の制作・配信実績を有している。
新型コロナウイルスの影響によるコミュニケーション手法の変化を捉え、動画を活用した新サービス「Sales Video Analytics」を開発し、2022年1月より提供を開始した。「Sales Video Analytics」は、動画とデータの力で営業活動をDX化する初のSaaSモデルプロダクトである。
(同社資料より)
(4)ダイレクトマーケティング事業
インターネットを通じて、健康美容関連商品及びサービスを開発し販売するD2C(Direct to Consumer)事業を展開している。
中心商材の一つ、「ビタブリッドC」シリーズの売上は、4年間で約4倍の急成長を遂げている。
D2Cを自ら行って得たノウハウや実績をPR・広告事業に活用するシナジー効果も生み出している。
(同社資料より)
(5)メディアCMS事業
クライアントのオウンドメディア構築・運営支援サービスを提供するほか、広告収入を得ることを目的とした自社メディアを運営している。今後の成長を見据えSaaS型CMSの販売に注力している。
(6)HR事業
企業に対し人事評価制度の導入や運用を支援するコンサルティングや人事評価クラウドサービスを提供している。
(7)投資事業
ベンチャー企業の成長支援を目的とした投資を行っている。投資のみでなくPR・IR支援も行い企業価値の向上をバックアップしている。
これまでにPR TIMESを始めとした子会社を含め27社がIPOした。
(同社資料より)
【1-6 特長・強み・競争優位性】
「モノ」を広めるための幅広いインフラを完備
企業が新製品や新サービスの認知度を向上させるための方法には、急速に拡大するインターネット、TV・新聞・雑誌・ラジオのマスメディア、発表会・記者会見等のイベント、店頭での販促など多種多様な手法がある。
一方、広告業界は分業が進んでいるため、企業がそれぞれの手法を利用しようとすると、別々の企業に発注する必要があり、手間もかかるし、コストも高くなるケースが多い。
それに対し同社は、50社から成るグループによって「モノ」を広めるために必要なインフラを幅広く揃えており、ワンストップで提供できるため、コストを抑制できる。大手広告代理店からの受注も多く、競合というよりも得意分野の棲み分けが行われている。
また、的確なコンサルティングを基に、企業のニーズや製品・サービスの特長にマッチしたPR・広告手法を提案・提供できるのも、同社の強力な競争優位性である。
2.2022年2月期決算概要
【2-1業績概要】
|
21/2期 |
構成比 |
22/2期 |
構成比 |
前期比 |
修正予想比 |
売上高 |
37,273 |
100.0% |
47,351 |
100.0% |
+27.0% |
+4.1% |
売上総利益 |
24,448 |
65.6% |
29,669 |
62.7% |
+21.4% |
– |
販管費 |
22,134 |
59.4% |
24,420 |
51.6% |
+10.3% |
– |
営業利益 |
2,314 |
6.2% |
5,248 |
11.1% |
+126.8% |
+9.4% |
経常利益 |
2,797 |
7.5% |
5,201 |
11.0% |
+85.9% |
+4.0% |
当期純利益 |
486 |
1.3% |
2,071 |
4.4% |
+326.1% |
+3.6% |
*単位:百万円。当期純利益は親会社の所有者に帰属する当期純利益。以下、同様。修正予想比は21年10月公表の修正予想に対する比率。
増収、大幅な増益
売上高は前期比27.0%増の473億51百万円。PR・広告事業、プレスリリース事業、メディア事業は2ケタ増収。
営業利益は同126.8%増の52億48百万円。PR・広告事業、プレスリリース配信事業が牽引したほか、HR事業が黒字転換。ファンド事業も貢献した。
売上・利益ともに修正予想を上回った。
好調な決算に加え。配当性向の目安を20%から30%に引き上げたことから2022年2月期の配当予想を8円/株から13円/株に増額修正した。
第4四半期売上高は第3四半期に続き、四半期ベースの過去最高を記録した。営業利益も第4四半期の最高となった。
【2-2 セグメント動向】
|
21/2期 |
構成比 |
22/2期 |
構成比 |
前期比 |
売上高 |
|
|
|
|
|
PR・広告事業 |
17,483 |
46.9% |
25,763 |
54.4% |
+47.4% |
プレスリリース配信事業 |
3,615 |
9.7% |
4,695 |
9.9% |
+29.9% |
ビデオリリース配信事業 |
1,093 |
2.9% |
1,054 |
2.2% |
-3.6% |
ダイレクトマーケティング事業 |
11,325 |
30.4% |
12,201 |
25.8% |
+7.7% |
メディア事業 |
599 |
1.6% |
660 |
1.4% |
+10.2% |
HR事業 |
2,678 |
7.2% |
2,513 |
5.3% |
-6.2% |
ファンド事業 |
477 |
1.3% |
462 |
1.0% |
-3.1% |
合計 |
37,273 |
100.0% |
47,351 |
100.0% |
+27.0% |
セグメント利益 |
|
|
|
|
|
PR・広告事業 |
1,159 |
6.6% |
2,125 |
8.2% |
+83.3% |
プレスリリース配信事業 |
1,301 |
36.0% |
1,834 |
39.1% |
+41.0% |
ビデオリリース配信事業 |
-157 |
– |
-72 |
– |
– |
ダイレクトマーケティング事業 |
716 |
6.3% |
774 |
6.3% |
+8.1% |
メディア事業 |
103 |
17.2% |
-22 |
– |
– |
HR事業 |
-905 |
– |
236 |
9.4% |
– |
ファンド事業 |
102 |
21.4% |
376 |
81.4% |
+268.6% |
調整 |
-5 |
– |
-3 |
– |
– |
合計 |
2,314 |
6.2% |
5,248 |
11.1% |
+126.8% |
*単位:百万円。
*以下、売上高増減に関しては外部顧客に対する売上高について記載
(1)PR・広告事業
増収増益
断続的な緊急事態宣言の発令により、企業のマーケティング活動が一部制限されるなど影響が出ていたが、前期から取り組んだオンラインを活用したPRイベントやSNSを活用したライブコマース支援などデジタル領域における新しいサービスを積極的に展開したこと等により、国内においては、引き続き好調に推移。タクシーサイネージも好調だった。海外において都市封鎖などもあり、新型コロナウイルスの影響を大きく受けたものの、過去最高の売上高を記録した。
(2)プレスリリース配信事業
増収増益
コロナ禍でも社会インフラとして多くの企業に活用され、2022年2月には利用企業社数が65,000社を突破した。売上・利益とも大きく伸長し過去最高を更新した。
(3)ビデオリリース配信事業
減収、損失幅縮小
前期から取り組んでいた動画を活用して企業のマーケティング課題を解決するコンサルティング型営業への転換の効果が表れ、新型コロナウイルスの影響を大きく受ける中でも、第2四半期までは黒字を確保したが、断続的な緊急事態宣言の発令により、営業活動が大きく制限され、見込み顧客の獲得件数が伸びなかったことから、第3四半期以降は営業赤字となった。そうした状況下でも今後の成長を見据え、2022年1月には、コロナ禍におけるコミュニケーション手法の変化による課題に対応するため、顧客の営業活動をDX化する支援サービス「Sales Video Analytics」の提供を開始し、新規事業の創出に取り組んだ。
(4)ダイレクトマーケティング事業
増収増益
第3四半期に広告宣伝費を積極的に投下した効果が表れ、第4四半期は新規獲得顧客数が増加し、四半期ベースで過去最高の売上高を更新。通期においても過去最高の売上高・営業利益を更新した。主力商品ビタブリッドCブランドは好調に推移している。ボディメイクサプリメントの販売を開始した。
(5)メディア事業
増収、損失計上
オウンドメディア構築サービスの販売は順調に推移したが、今後の成長を見据えSaaS型CMSの機能拡充を図る先行投資を実施したことにより、営業赤字となった。
(6)HR事業
減収、黒字転換
前期に生じた会計処理問題の再発防止策として、「クラウドシステムの無期限使用権」の販売を終了したことにより、減収となったが、断続的に緊急事態宣言が発令される中でも、SaaS型商材の販売は順調に推移していることに加え、前期から取り組んでいる事業体制の整備と最適化の効果が表れ、第2四半期から継続して黒字化を達成し、通期においても初めて営業黒字となった。
(7)ファンド事業
減収増益
100キャピタル第1号投資事業有限責任組合で保有している株式において、新型コロナウイルスの影響を受けた一部の投資先を中心に投資有価証券評価損を計上したが、保有株式を一部売却したことにより、売却益が営業利益の増加に寄与した。
【2-3 財務状態とキャッシュ・フロー】
◎主要BS
|
21年2月末 |
22年2月末 |
増減 |
|
21年2月末 |
22年2月末 |
増減 |
流動資産 |
18,410 |
22,241 |
+3,831 |
流動負債 |
8,930 |
10,820 |
+1,890 |
現預金 |
10,860 |
13,522 |
+2,662 |
仕入債務 |
1,039 |
1,827 |
+788 |
売上債権 |
4,695 |
6,090 |
+1,395 |
短期有利子負債 |
1,976 |
2,084 |
+108 |
固定資産 |
11,646 |
9,333 |
-2,313 |
固定負債 |
6,272 |
4,576 |
-1,696 |
有形固定資産 |
720 |
972 |
+252 |
長期有利子負債 |
4,481 |
3,631 |
-850 |
無形固定資産 |
1,302 |
1,077 |
-225 |
負債合計 |
15,202 |
15,397 |
+195 |
投資その他の資産 |
9,624 |
7,283 |
-2,341 |
純資産 |
14,854 |
16,178 |
+1,324 |
資産合計 |
30,057 |
31,575 |
+1,518 |
利益剰余金 |
2,590 |
7,076 |
+4,486 |
|
|
|
|
負債資本合計 |
30,057 |
31,575 |
+1,518 |
*単位:百万円。
現預金及び売上債権の増加などで資産合計は前期末比15億18百万円増加。
仕入債務の増加などで負債は1億95百万円増加。
純資産は13億24百万円の増加。
自己資本比率は前期末比0.2ポイント低下し39.2%となった。
◎キャッシュ・フロー
|
21/2期 |
22/2期 |
増減 |
営業CF |
2,129 |
4,672 |
+2,543 |
投資CF |
644 |
-1,002 |
-1,646 |
フリーCF |
2,773 |
3,670 |
+897 |
財務CF |
209 |
-1,060 |
-1,269 |
現金同等物残高 |
10,852 |
13,522 |
+2,670 |
*単位:百万円。
営業CF、フリーCFのプラス幅は拡大。キャッシュポジションは上昇した。
【2-4 トピックス】
①譲渡制限付株式報酬制度を導入
22年4月、役員報酬制度の見直しを行い、取締役(社外取締役を除く)を対象として、譲渡制限付株式報酬制度
を導入することとした。2022年5月26日開催予定の第30回定時株主総会での承認を前提とする。
(導入の目的)
対象取締役に対して、株価変動のメリットとリスクを株主と共有しながら、長期間にわたる企業価値向上への貢献意欲を従来以上に高めること、また、2026年2月期の連結営業利益を100 億円とする中期利益計画の達成意欲を高め、かつ、計画の実行を通じ中長期的な企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としている。
株主総会終結の時以降、同制度導入と同様の趣旨から譲渡制限付株式を活用した報酬制度をグループの役職員の一部に対しても導入する予定である。
②株主優待制度を廃止
22年4月、株主優待制度を廃止すると発表した。
ポイント贈呈型の株主優待制度「ベクトル・プレミアム優待倶楽部」を実施してきたが、株主に対する公平な利益還元という観点から慎重に検討を重ねた結果、配当金による直接的な利益還元を充実することがより適切であると判断したため。
配当については、2022 年 2 月期の期末配当より連結配当性向 の目安を従来の20%から 30%へ引き上げ、継続的に配当を実施行く考えである。
今後とも株主への利益還元を経営の重要課題として位置付け、企業価値の向上に取り組む。
2022年2月28日の株主名簿に記載された 3 単元(300 株)以上保有の株主に対して贈呈する優待ポイントをもって新規ポイント付与を終了した。
なお、ポイントの繰り越しは 1 回のみ(次年度まで)となっており、ポイントを次年度へ繰り越す場合は来年の優待商品交換期間中(交換期限 2023年7月末日)に利用が可能だが、引き続き2023年2月末日の株主名簿に記載されていることが必要となる。
3.2023年2月期業績予想
【3-1 業績予想】
|
22/2期 |
構成比 |
23/2期(予) |
構成比 |
前期比 |
売上高 |
47,351 |
100.0% |
53,100 |
100.0% |
+12.1% |
営業利益 |
5,248 |
11.1% |
6,200 |
11.7% |
+18.1% |
経常利益 |
5,201 |
11.0% |
6,100 |
11.5% |
+17.3% |
当期純利益 |
2,071 |
4.4% |
3,000 |
5.6% |
+44.9% |
*単位:百万円。予想は会社側予想。
増収増益
売上高は前期比12.1%増の531億円、営業利益は同18.1%増の62億円の予想。
コロナ禍の影響は前期同等程度と想定している。
配当は前期比5.00円/株増配の18.00円/株の予想。予想配当性向は28.6%。
【3-2 セグメント動向】
今期より、インベストメントベンチャー事業として行っていた投資を事業化することに伴い、「ファンド事業」を「投資事業」に、また事業の実態に合わせ「メディア事業」を「メディアCMS事業」に名称を変更する。
PR・広告事業
収益のベースとなるリテナー契約数の拡大を図り、クロスセルによる単価上昇を目指す。
リテナー契約件数は今期1,000件を目標とし、顧客エンゲージメントを強化。2026年2月期は1,750件を目指す。
海外事業は、コロナの影響が今期も残るが前期以上の成長を目指す。
プレスリリース配信事業
「PR TIMES」をはじめ新規事業の拡大に向け、積極的な投資を実施しさらなる成長を図る。
売上高は前期比22.6%増の59億50百万円、営業利益は同12.8%減の16億円の計画。先行投資のフェーズと位置付けている。
「PR TIMES」などの利用者拡大に向けて広告宣伝費を前期比3.5倍の約12億円投下するほか、「PR TIMES」の米国進出に向け海2億円の費用を想定している。
ビデオリリース配信事業
新サービス「Sales Video Analytics」を強化し通期黒字化を目指す。
営業人員の育成により顧客ニーズを引き出す提案力を強化し、顧客基盤の拡大と平均単価の向上を図る。
2026年2月期にはビデオリリースに加え、「Sales Video Analytics」を拡大し、営業利益5億円を目指す。
ダイレクトマーケティング事業
2021年2月期同様期初に広告を実施し、通期で収益・利益の最大化を図る。
メディアCMS事業(旧 メディア事業)
オウンドメディアの販売に加え、CMSの販売を一層強化し、通期黒字化を目指す。
ストック型の安定収益基盤となるCMS契約件数は、今期400件を目標としている。2026年2月期までに累計1,000件以上の獲得を目指している。
HR事業
SaaS型商材の販売及び機能強化に向けた投資を実施しつつも、営業利益3億50百万円を目指す。
2026年2月期はストック収益の積み上げにより6億48百万円まで拡大させる。
投資事業(旧 ファンド事業)
市場動向や投資先の状況を踏まえ、株式の売却および評価減を行い、利益の最大化を図る。
(セグメント利益計画)
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22/2期 |
23/2期(予) |
前期比 |
PR・広告事業 |
2,125 |
2,634 |
+23.9% |
プレスリリース配信事業 |
1,834 |
1,600 |
-12.8% |
ビデオリリース配信事業 |
-72 |
50 |
– |
ダイレクトマーケティング事業 |
774 |
835 |
+7.7% |
メディアCMS事業 |
-22 |
51 |
– |
HR事業 |
236 |
350 |
+48.1% |
投資事業 |
376 |
680 |
+80.7% |
合計 |
5,248 |
6,200 |
+18.1% |
*単位:百万円
【3-3 投資の事業化に伴う会計処理の変更】
人員増強など体制を強化し、投資を事業化することで主要事業の一つと位置付ける。それに伴い、投資を事業化する会社においては、以下のような会計処理の変更を行う。
(同社資料より)
投資を事業化する会社は、「100キャピタルファンド」「ベクトルインベストメントアドバイザリー」「ベクトル」「ベクトル香港」の4社となる。
(同社資料より)
投資を事業化しない会社においては、変更前はグループの会計処理に合わせて計上していたが、上記の投資の事業化により各社の実態に合わせる形で会計処理を以下のように変更する。
(同社資料より)
今期の会計処理変更を遡って2022年2月期に適用した場合、売上高は変更前比7億71百万円増加し481億22百万円、売上原価は同8億91百万円増加し185億73百万円、売上総利益および営業利益は同1億20百万円減少のそれぞれ295億49百万円、51億28百万円となる。
また営業外収益及び営業外費用はそれぞれ同6億42百万円、7億70百万円減少し、結果経常利益は同7百万円増加の52億8百万円となる。
4.中期利益計画
【4-1 利益計画】
2026年2月期までのEBITDA、営業利益の計画は以下の通り。いずれも株式報酬費用を含んでいない。
今後の市場状況や実績を踏まえて適宜アップデートしていく。
【4-2 ベクトルグループ事業構想図】
グループ企業を、モノを広める支援を図る「PR COMPANY」、人事・採用面での支援を図る「HR COMPANY」、新規事業の創出を図る「COMPANY FACTORY」、投資事業の成長を図る「INVESTMENT」の4領域により顧客企業の成長を支援し、継続的なグループの拡大を目指している。
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(同社資料より)
5.経営戦略
【5-1 ベクトルグループ事業構想図】
4領域におけるビジョン、取組、施策は以下のとおりである。
(1)「PR COMPANY」領域の拡大
①ビジョン・目指す姿
同社は、PRの世界的な調査で、アジアNo.1のPR会社に選出された。
今後は新たな目標として、「PR業界で世界No1のポジション」を掲げている。
国内におけるPR市場は1,000億円と見込まれるが、さらに領域を拡大すべく、6兆円と言われる広告市場をターゲットに、広告業界のFAST COMPANYを目指す考えである。
「広告業界のFAST COMPANY」とは、「Low Cost」「Middle Quality」「Speedy」を武器に、アパレル業界におけるファストファッション企業のように、広告業界で業界革命を巻き起こすことを意味している。
また、同社は「広告業界のディスラプター」も目指している。
つまりクラウドやビッグデータ、IoT、AIなどのデジタルテクノロジーを活用することにより、既存の業界の秩序やビジネスモデルを破壊するプレイヤーと位置付けている。
「いいモノを世の中に広め人々を幸せに」というビジョンを掲げている同社は、現在はPRを起点としてデジタル広告を活用し、効率的にモノを広める時代であり、企業のリード獲得に必要な施策をワンストップで提供できるのは同社のみであると考えている。また、時代に適したマーケティング施策を従来の10分の1以下のコストで提供できるのも、「FAST COMPANY」である同社の大きな特徴・強みである。
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(同社資料より)
②重点項目
「FAST COMPNY」構想の基盤強化を実現する重点項目は「1.DX」[2.タレント]「3.VC × PR」であると考えている。
「1.DX:広告業界のDX」
業務の効率化を図り、顧客に新たな価値を提供する「ヒロメル」と「PR BANK」により、生産性を高めながら顧客単価の向上を図る。
*広告業界のEコマースサイト「ヒロメル」
ベクトルグループのPRメニューをオンラインで発注できるプラットフォーム「ヒロメル」は、豊富なメニューをワンストップで提供し、販売プロセスを効率化する。
自社にマッチした成功事例の広め方を知ることができるほか、目的に合わせて広め方を検討できる。また、ネットで専門家に相談したうえでの注文も可能である。
認知度や機能を高めながら、当面の目標として、問い合わせ350件、受注35件の獲得を目指している。
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(同社資料より)
*クラウド型PR効果測定・分析サービス「PR PRBANK」
クライアントに対し、データドリブンなPR活動をサポートする。ベクトルグループに蓄積されたデジタルデータを活用し、広告効果を可視化することで、顧客企業に対しより緻密で効果の高い広告・PR戦略を提案することができる。顧客企業は適切な予算配分も可能になる。
(同社資料より)
「2.タレント:タレントコミュニケーション」
誰もが知っているタレントを活用し、メジャー感を醸成しながら伝えたい内容を絞り込み、認知度を高め訴求効果の最大化を図る。「タレント」と「ヒトコト」で伝えたい内容を絞り込み、サービスを訴求する。年間300社のタレントコミュニケーションを目標に顧客単価の向上を図る。
また、企業のタレント起用の障壁を下げるとともに、タレントの広告出演契約の機会を創出するため、タレントの肖像をTV以外の媒体で利用できる「TALENT BANK」の提供を22年4月から開始した。
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(同社資料より)
「3.VC × PR:出資とPR支援が可能なVC」
従来のVCにおける資金面のみのサポートではなく、PR・IR支援により投資レバレッジ効果の最大化を図る。
IPO実績は累計27社。
(2)「COMPANY FACTORY」領域の創出
新規事業の創出に取り組む。
*ライブコマースツール「自社でライブコマースできるくん」
今後のライブコマースの成長性に注目している。
2022年3月に、ライブコマースツール「自社でライブコマースできるくん」の提供を開始した。PRノウハウを活用しクライアント企業のライブコミュニケーションをトータルサポートする。
*LIVER BANK(Influencer Works)
企業の様々なニーズとインフルエンサーをつないで新しい関係を構築するマッチングプラットフォーム「Influencer Works」を21年10月より提供開始した。
「自社でライブコマースできるくん」
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「Influencer Works」
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(同社資料より)
(3)「HR COMPANY」領域の開拓
*採用マッチングプラットフォーム「JOBTV」
動画で就職/採用活動の入り口を完結する「JOBTV」は、求職者と企業の双方が抱える課題を解決するサービスで、採用活動の入り口に動画を活用し、スピーディーなマッチングを実現する。
就職/採用活動において、求職者側は「書類だけで自分の魅力を伝えるのが難しい」「説明会や面接に行くのに時間やお金がかかる」、企業側は「実際に面接をするまで応募者の人柄が分からない」「募集から採用までに時間が掛かる」といった声があった。
「JOBTV」では、求職者と企業の双方が動画をアップする。求職者は大手動画閲覧サイトのようなデザインで会社説明動画を簡単に検索できる。また、企業側は、求職者がアップした自己PR動画により応募者の印象を確認することでミスマッチを減少させることができる。
21年11月のサービス開始以来、参画企業は1,000社を超えた。
これまで培ってきたPRのノウハウを生かし、多くの企業・求職者の魅力を効率よく分かりやすく発信し、より良いマッチングを実現することで、就職活動市場活性化の一助となる取り組みを進めていく考えだ。
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(同社資料より)
6.今後の注目点
事業によってはコロナ禍の影響を受けつつも、「モノ」を広めるための幅広いインフラを完備する同社の特徴が企業のマーケティング需要を確実に取り込んだことに加え、HR事業の構造改革も終了したことで収益性も改善し、大幅な増収増益となった。
今期も引き続き好調な業績推移を予想しており、前期損失を計上したビデオリリース事業、メディアCMS事業とも黒字転換を見込んでいる。
「PR業界で世界No1のポジション」を目標に掲げつつ、6兆円と言われる広告市場をターゲットに、広告業界のFAST COMPANYを目指す同社の4領域における施策の進捗に注目していきたい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
組織形態 |
監査役設置会社 |
取締役 |
9名、うち独立社外取締役5名 |
監査役 |
3名、うち独立社外監査役2名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年12月15日
<基本的な考え方>
当社は、めまぐるしく変化する経営環境において、企業が安定した成長・発展を遂げていくためには、経営の効率性と健全性を高めるとともに、公正で透明度の高い経営体制を構築していくことが不可欠であるとの観点から、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題と位置づけております。
また、今後も社会環境の変化や法令等の施行に応じて、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めるため必要な見直しを行ってまいる方針であります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
2021年6月改訂のコーポレートガバナンス・コードの各原則について記載しています。
【原則1-2. 株主総会における権利行使】
補充原則1-2 ②
当社は、株主総会の招集通知について、記載する情報の正確性を担保しながら早期発送に努めております。2021年5月開催の定時株主総会については、招集通知の発送に先立って当社ウェブサイトおよびTDnetでの公表を行いました。今後も、株主が総会議案の十分な検討期間を確保できるように発送と電子的な公表の早期化に取り組んでまいります。
<各原則に基づく主な開示>
2021年6月改訂のコーポレートガバナンス・コードの各原則について記載しています。
原則 |
開示内容 |
【原則1-4. 政策保有株式】 |
当社は、株式を含む有価証券の取得等については、当社の中長期的な企業価値向上に資するものであることを基準として、「投資管理規程」および「職務権限規程」等に基づき投資規模に応じて取締役会や投資委員会等において事前に審議するものとし、実行後においても定期的に取締役会に報告することとしています。株式保有に係る議決権行使においては、発行会社や当社の企業価値の向上に資するものであるかなどを総合的に勘案して個別具体的に検討し行っております。 なお、当社は、本報告書最終更新日時点において、いわゆる「持ち合い」に該当するような政策保有株式として保有している上場株式は一切ありません |
【原則2-4.女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】 補充原則2-4 ① |
当社は、中核人材の多様性を確保することは中長期的な企業価値の向上に資するものと考えており、あらゆる差別を排除した人材の採用や育成をすることとしており、それを推進確保するために主に女性にとって働きやすい環境を実現する勤務制度の整備に取り組んでおり、従業員に占める女性の割合が過半数を実現しているグループ会社も多く存在し、多くの女性が管理者として活躍しています。今後も中核人材の多様性の確保を目指し、少なくとも現状の水準を維持しつつ、外国人や中途採用者などそのほかの観点での多様性の確保にも取り組んでまいります。 |
【補充原則3-1③.サステナビリティに関する開示】 |
当社は、2021年10月に「Vector SDGs PROJECT」を発足し、当社グループにおける社会課題解決に対する取組みについて具体的なアクション等を定め、その概要を当社ウェブサイトで公開しております。 また、人的資本や知的財産への投資等については、当社グループの成長の主たる原動力である人的資本への投資を特に重視し、研修内容の質向上による人材育成や社内制度の見直し等を通じた働きやすい環境の整備を進めています。 なお、気候変動にかかる取り組みについては、現在は気候変動のシナリオ分析にかかるデータの収集と分析を進めている段階であり、2022年6月までに気候変動リスクおよび収益機会が自社の事業活動や収益、財務計画にもたらす影響等の分析を行い、気候変動に対する当社の中長期目標を設定した上で、TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づきこれらを開示する予定です。 |
原則5-1 【株主との建設的な対話に関する方針】 |
当社は、株主を含む投資家との建設的な対話を促進するための体制として、経営管理本部をIR担当部署として位置づけ、当社グループ各部門との有機的な連携を図りながら、株主を含む投資家との建設的なコミュニケーションに取り組んでおります。 株主及び投資家からの対話の申し入れに対しては積極的に対応することとしており、随時国内外の投資家との間でウェブ会議等の機会を持っております。また、四半期ごとに決算説明資料を作成しTDnetやウェブサイトで公開するなど、より実効的な情報発信にも取り組んでおります。 IR活動等を通じて寄せられた株主、投資家、アナリスト等の意見は、必要に応じて経営陣幹部や取締役会に報告しております。 |