BuySell Technologies(7685) 減収も、これからに期待大

2020/09/10

 

 

 

岩田 匡平 代表取締役社長兼CEO

株式会社BuySell Technologies(7685)

 

 

企業情報

市場 東証マザーズ
業種 卸売業(商業)
代表取締役社長兼CEO 岩田 匡平
所在地 東京都新宿区四谷4-28-8 PALTビル8F
決算月 12月末日
HP https://buysell-technologies.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

2,975円

6,868,760株

20,434百万円

33.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

15.00円

0.5%

62.17円

47.9倍

332.55円

8.9倍

*株価は8/31終値。発行済株式数、DPS、EPSは2020年12月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年12月

7,559

225

145

24.30

0.00

2017年12月

8,917

319

226

37.69

7.50

2018年12月

10,118

496

472

329

55.00

11.00

2019年12月

12,828

846

817

505

83.87

15.00

2020年12月(予)

14,685

727

719

425

62.17

15.00

*予想は会社側予想。

 

株式会社BuySell Technologiesの2020年12月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年12月期第2四半期決算概要
3.2020年12月期業績予想
4.成長戦略
5.出張訪問リユース事業における成長戦略
6.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

今回のポイント

  • 店舗を保有せず、「インターネット」と「リアル」のそれぞれの強みを生かしたネット型リユース事業を展開。インターネットやマスメディアを駆使したマーケティング戦略により買取希望者を集客するとともに、日本全国を対象に出張訪問買取を行う。「ラグジュアリー商材×出張訪問買取」による差別化、シニア層を中心とした強固な顧客基盤、クオリティの高い経営陣などが特長・強み。巨大な潜在リユース市場の開拓と顧客基盤を活かした新規事業の創出により更なる成長を目指している。
  • 2020年12月期第2四半期の売上高は前年同期比2.6%増の63億51百万円。第2四半期(4‐6月)に入り新型コロナウイルスの影響を受けたが、第2四半期累計では増収。金相場が堅調に推移したため利益率の低い貴金属の買取構成比が上昇した結果、粗利率は同0.8ポイント低下。営業利益は同64.2%減の2億16百万円。第2四半期に入り広告宣伝費の抑制と休業対応等による人件費の一部圧縮による徹底したコスト管理を行ったものの一時的な事業縮小の影響に加え、百貨店催事の中止やオークションの延期・中止に伴い、減益。四半期純利益は同75.9%減の92百万円。投資有価証券評価損30百万円を特別損失に計上した。
  • 新型コロナウイルスの影響を踏まえて一旦「未定」としていた2020年12月期業績予想を開示した。売上高は前期比14.5%増の146億85百万円、営業利益は同14.1%減の7億27百万円の予想。3月~5月までの新型コロナウイルスによる事業縮小や今期中の先行投資の影響を考慮している。配当は2019年12月期と同額の15円/株を予定。予想配当性向は24.1%。
  • 既存の「出張訪問リユース事業」においては「出張訪問数」×「出張訪問あたり変動利益」の最大化により成長を図る。加えて、「未開拓リユース領域」の拡大、及び主要顧客層である「シニア層のニーズや課題を解決する事業領域」の拡大を推進していく。具体的には「買取店舗のトライアル出店」「アプリ買取事業『CASH』の開始」「カタログ通販事業『美つむぎ』のローンチ」「業務提携の拡大」の4つを挙げている。
  • 第2四半期(4-6月)は新型コロナウイルスの影響を大きく受けたものの、現状であれば通期で増収を達成し、減益予想ではあるものの、新規事業投資やマーケティング投資による部分も大きく、主要KPIである出張訪問あたり変動利益は前期比のみならず2月の期初計画も上回る見込みである。新型コロナウイルスの影響はいまだ不透明ではあるが、第3四半期の開示を注目したい。
  • 中期的な視点では、既存の「出張訪問リユース事業」の成長はもとより、「未開拓リユース領域」の拡大や、新規事業となる主要顧客層である「シニア層のニーズや課題を解決する事業領域」の拡大に向けた施策の進捗に期待したい。また、子会社化したダイヤコーポレーションとのシナジーをどのように早期に生みすのかも注目点である。

1.会社概要

店舗を保有せず、「インターネット」と「リアル」のそれぞれの強みを生かしたネット型リユース事業を展開。
インターネットやマスメディアを駆使したマーケティング戦略により買取希望者を集客するとともに、日本全国を対象に出張訪問買取を行う。「ラグジュアリー商材×出張訪問買取」による差別化、シニア層を中心とした強固な顧客基盤、クオリティの高い経営陣などが特長・強み。巨大な潜在リユース市場の開拓と顧客基盤を活かした新規事業の創出により更なる成長を目指している。

 

【1-1. 沿革】

大手広告会社でマーケティングを担当していた岩田氏は、豊富な広告宣伝費を持つ大企業や有名企業が優遇され、予算も少ない中小企業、ベンチャー企業は十分な対応を受けることができない状況に疑問を抱き、資本力の弱い企業でも真のマーケティングが展開できるよう支援したいとの思いから、大手広告会社を退職しコンサルティング会社を立ち上げた。
多くのベンチャー企業や中小企業を支援する中で出会ったのが、現在の株式会社BuySell Technologies(旧 株式会社エース)であった。
同社は以前から現在の中心事業である「出張訪問買取」を行ってはいたが、2016年5月にコンサルに入った当時はマーケティングといってもチラシをまくくらいで、ホームページも洗練されたものではなく、業績も芳しいものではなかった。
岩田氏の下で本格的な改革に乗り出した同社は、同年8月には過去最高の申込件数を記録、9月にはそれを更新するなど、改革の芽が出始める。
この過程で岩田氏は、「出張訪問買取」サービスは付加価値が高く、必要とする顧客が多数存在する反面、「出張訪問買取」サービスのメリットの伝え方、ブランディング構築方法、マーケティングアクションなどが極めて不十分であると感じ、そこに自分がこれまで培ってきたマーケティングノウハウを注入していけば、もっと魅力的な会社に変革できるはずと確信する。
同年10月に岩田氏が取締CSMO(Chief Strategy & Marketing Officer)に就任。11月には社名を株式会社BuySell Technologiesに変更し、新たなTVCMをオンエアするなどさらに改革のスピードを上げる。
岩田氏が2017年9月に代表取締役社長に就任。クリエイティブのPDCAサイクルを回すと共に、知見を活かしたTVCM枠の購入などが奏功し、業容は順調に拡大。コンプライアンス体制も整備し、2019年12月、東証マザーズに上場した。

 

【1-2 企業理念・経営理念】

以下のようなミッション、バリューを掲げている。

 

ミッション 人を超え、時を超え、たいせつなものをつなぐ架け橋となる。

 

バリュー すぐに、つなぐ:すぐに着手し、すぐに仕上げて、次へ行け

 

みずから、つなぐ:評価するな、手を動かせ

 

おそれず、つなぐ:自分を変え、組織を変え、世界を変えることに挑戦し続ける

 

物には物を超えた価値、バリューがあり、そこを的確につないでいくのが自社の使命、社会的な存在価値と考えている。

 

【1-3 市場環境】

リユース市場は2020年で約2.6兆円と推計されているが、自宅内の1年以上利用されていない不用品である「かくれ資産」を含めた潜在的なリユース市場規模総額は2018年時点で約37兆円と同社では推計している。
加えて人口減少が続く日本においては、不用品は毎年7.6兆円増加すると推定しており、潜在リユース市場は今後も拡大が続くと見ている。

 

(同社資料より)

 

BuySell Technologiesではその強みである出張訪問買取により、自宅に眠る「かくれ資産」となる潜在商材を掘り起こすことで、成長ポテンシャルの大きい潜在的なリユース市場の開拓を進めていく考えである。

 

【1-4. 事業内容】

(1)ビジネスモデル
店舗を保有せず、「インターネット」と「リアル」のそれぞれの強みを生かしたネット型リユース事業を展開している。
主にインターネットやマスメディアを駆使したマーケティング戦略により買取希望者を集客するとともに、日本全国に出張可能な査定員を配置した出張訪問買取を中心に、宅配、持込による買取を実施。
買取品は、自社EC「バイセルオンライン」、ヤフオク!などのECモール、ebayなどの越境ECサイトを通じたEC販売や、百貨店での催事販売により一般顧客に販売するほか、自社オークション市場「バイセルオークション」や他社市場を利用した卸販売により外部業者に販売している。

 

(同社資料より)

 

マーケティングによる集客から買取査定、在庫管理、販売までの一連の流れをすべて自社で一貫して管理実行する体制を構築している。
また主力のリユース事業を拡大すると同時に、資産管理サービスとして愛車の資産価値を維持・向上させるアプリ「CAPPY(キャッピー)」の運営など、リユースに隣接する新規事業や顧客データを活用した新規事業の立ち上げ・育成にも注力している。

 

(2)各サービスの概要
同社のネット型リユース事業は「買取希望者の集客」→「買取の実施」→「買取品の販売」というビジネスフローで構成されている。
「集客」、「買取」、「販売」各ステップの概要、特長は以下のとおりである。

 

①集客:シニア富裕層を対象としたクロスメディアマーケティングを展開
◎マーケティング
顧客からの査定依頼を受注するためのマーケティング活動が事業戦略・遂行の起点であり、集客数の最大化が同社ビジネス成功の第一のカギである。
ここでは、岩田社長を始めとした経営陣が有するマーケティングスキルやノウハウが大きな役割を果たしている。

 

SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)、リスティング広告、SNSなどの「インターネット」と、TVCMを中心とした「マスメディア」を駆使したクロスメディアマーケティングを展開している。
市況や季節性等を踏まえたマクロ視点での広告運用に加え、日々の媒体別、エリア別等に細分化した詳細な分析を行うことによって、費用対効果を最大化したマーケティング活動を行っている。
こうしたきめ細かいマーケティング活動により、問い合わせ件数および集客数は年々拡大している。

 

◎問い合わせ対応:顧客ニーズに沿ったサービスの提供と査定員稼働数の最大効率化
自社内製で構築しているコールセンターが問い合わせ対応をしている。
約100名のオペレーターが顧客の要望を直接聞き、その要望を査定員と連携することにより、顧客ニーズに沿ったサービスの提供を図っている。
また、コールセンターでは、売却希望の商材や訪問日時の調整といった事務的な受付業務のみでなく、顧客がより安心して同社サービスを利用できるよう、事前に顧客に対して、サービスの概要、査定取り扱いが可能な商材の説明、不招請勧誘防止のための案内等を実施しているほか、査定員が訪問査定時に説明する内容を事前に説明している。

 

加えて、コールセンターではこうした顧客向けサービスと共に、問い合わせ予測やエリア別の訪問申し込み状況をもとに、エリア別の稼働効率や顧客ニーズを踏まえた査定員の訪問計画案を策定しており、査定員稼働数の最大効率化を図っている。

 

(同社資料より)

 

②買取:幅広い顧客ニーズに対応した「出張訪問買取」を展開
◎出張訪問買取
問い合わせのあった顧客の自宅へ出向き、査定・買取を実施する「出張訪問買取」が買取方法の中心である。
このほか、売却希望商品を同社まで送る「宅配買取」、直接顧客が同社まで商品を持ち込む「持込買取」も行っている。

 

「出張訪問買取」においては、約250名の査定員を有し、関東圏、関西圏、名古屋、福岡など10センター(2019年12月時点)を拠点として全国各地をカバーしている。
査定希望の商品種類が多岐にわたる場合、査定数量が多量となる場合、査定商品の重量があり持ち運びが困難な場合などのほか、遠方に居住の顧客や高齢の顧客からの問い合わせなど、店頭買取や宅配買取の利用が難しい顧客からの買取依頼にも「出張訪問買取」は柔軟に対応することが可能であり、より幅広い顧客ニーズに対応している。
例えば、着物は1着で1kg程度の重量のものもあり、整理したい着物の枚数が多く、持ち運びが困難な場合、同社の査定員が自宅まで訪問して査定買取を実施する「出張訪問買取」は顧客ニーズに即した親和性の高いサービスである。

 

◎査定員
顧客満足度を高めるため、査定員に対する教育を重視しており、営業研修や現場への同行等のOJTを定期的に実施し、営業姿勢、査定能力、コンプライアンス意識の向上に努めている。
加えて、顧客の自宅に上がるためには顧客に十分な安心・安全を提供する必要があることから、コンプライアンス体制の徹底にも注力している。
査定員のみでは契約を決裁することはできず、契約時にコンプライアンス専門部署が顧客に電話し、売買契約の内容についての確認(商品、金額および金額への納得の有無の確認)を行う決裁コールを行ったうえで最終契約を締結する。

 

また、コンプライアンス専門部署は査定員退出後に再度顧客に電話(フォローコール)するほか、出張査定についての顧客の率直な意見を、査定員の対応や法令遵守及び顧客の満足度について具体的なヒアリングを行っている。
フォローコールでの結果については、査定員個人別で意見、クレーム、賛辞内容を管理し、更なる品質向上に向けて適宜査定員に周知徹底を図っている。

 

◎真贋鑑定・査定
同社の査定体制は、正確な査定、贋物買取防止および査定員不正を防止する観点から、出張訪問する査定員の現場査定に加えて、査定員からモバイル端末を利用して送られて来る画像や動画等の情報をもとに、真贋及び鑑定を専門とする社員により二重で査定内容をチェックしている。

 

このように、顧客ニーズの的確な把握と対応、安心・安全の徹底など顧客満足度向上のための同社独自の取り組みにより、ビジネス成功の第二のカギである買取の実施件数を着実に増大させている。

 

(同社資料より)

 

◎取扱商品
主として、着物、切手、古銭、貴金属、ジュエリー、ブランド品、時計、骨董品、毛皮、酒類等を対象としており、販売時に高単価を確保できるものをメイン商材としている。

 

◎主要顧客
中心サービスである出張訪問買取との親和性が高いシニア富裕層からの問い合わせが多く、2019年12月期では50代以上の顧客が全顧客の約75%を占めている。
また、シニア層が中心であることから、自宅整理、遺品整理及び生前整理に伴い同社の買取サービスを利用するケースが多く、サービス利用理由の約60%をそれらが占めている。

 

(同社資料より)

 

③販売:
◎在庫管理
買取商品はクーリング・オフの期間を経た後、千葉県習志野の自社倉庫において100名を超えるスタッフにより検品から出品までを一元管理している。
在庫は、自社開発のITシステム「AXIS」によって管理されており、クーリング・オフへの対応を含めて商品一点ごとの在庫管理を行っている。
商品の特徴・状態・市場環境など様々な面を考慮した上で、最適な販売ルートに送品している。

 

◎販売方法
在庫状況を踏まえて販売戦略を企画立案の上、古物市場や業者向けオークションでの販売、EC販売、催事での販売、着物自社オークション等の販売チャネルにより買取商品の販売を行っている。

 

古物市場やオークション販売等のtoB販売(法人向け販売)では、商材ごとに対面形式・対面オークション形式を使い分け、取引先との交渉を繰り返し、より高い利益率を出せる販売先を選定している。売上の約90%がtoB販売である。
また、習志野倉庫において定期的に着物の自社オークションを開催し、品質毎の適正な販売、流通量の拡大に繋げている。

 

一方、エンドユーザーである一般消費者向けのtoC販売おいては、良質の商品を提供すべく、EC販売(楽天市場、ヤフオク!等)や百貨店催事による販売を行うとともに、2018年7月よりリユース着物の販売を中心とした「バイセルオンライン」、2020年2月よりブランド品、時計、ジュエリーや酒類などのラグジュアリーリユース商品の販売を中心とした「BUYSELL brandchée(バイセル ブランシェ)」と、2つの自社ECサイトを展開している。

 

toB販売により在庫回転期間を短縮(在庫リスクの低減)しながら、toC販売の拡大により収益の最大化を図っている。
商材の需要動向等に応じた商品1点ごとの最適な販売戦略の立案と多様な販売チャネルの構築により、リユースビジネス成功の第三のカギとなる「販売」においても着実に実績を積み上げている。

(同社資料より)

 

【1-5 .強み・特長】

①「ラグジュアリー商材×出張訪問買取」による差別化
リユース市場における多くのプレーヤーの中で、同社は商材単価の高額な「ラグジュアリー商材」を無店舗型の「出張訪問」で買い取るという他社にはないビジネスモデルで独自のポジションを築いており、明確な差別化となっている。

 

(同社資料より)

 

②シニア層を中心とした強固な顧客基盤
前述の通り50代以上の顧客が全顧客の約75%を占めている。同社のヒアリングによれば8割の顧客が同社サービスをまた利用したいと回答しており、シニア富裕層からの信頼は厚い。
この強固な顧客基盤は、今後の事業展開において大きなアドバンテージとなろう。

 

③クオリティの高い経営陣
同社の成長を支えている要因の一つが優れたマーケティング戦略である。岩田社長によれば、ベンチャー企業で同社ほど良好なコストパフォーマンスでTVCMを打てている企業は他にはないという。
上手にTVCMを打つには、どういうプレーヤーがいるのか、どういった段取りが必要なのかなど、その構造を熟知していることが必要だが、同社は大手広告会社出身で知見・経験・ノウハウが極めて豊富な岩田社長および取締役副社長兼COO谷口 雅紀氏(2016年10月入社)がクロスマーケティング戦略を強力に推進している。
また、上場のみならず顧客からの信頼を得て持続的な成長を追求するにはコンプライアンス体制の完備が不可欠で、買取りプロセスにおける現金の管理なども重要なポイントであるため、2016年10月に取締役CFOに就任した小野 晃嗣氏の指揮の下、経理面からのオペレーション整備を進めてきた。
2名の社外取締役を含め、攻守にわたる6名のクオリティの高い経営陣により事業を推進している。

 

④主要KPI:「出張訪問数」×「出張訪問あたり変動利益」
同社ではリユース事業の主要KPIとして 「出張訪問数」×「出張訪問あたり変動利益」を設定している。
「出張訪問数」拡大のためには認知度向上による問い合わせ件数の増大を、「出張訪問あたり変動利益の最大化」のためには高額商品買取増と広告宣伝費の効率化をそれぞれ追求している。

 

(同社資料より)

 

 

【1-6. ROE分析】

18/12期

19/12期

ROE (%)

56.5

33.9

 売上高当期純利益率(%)

3.26

3.94

 総資産回転率(回)

3.67

3.31

 レバレッジ(倍)

4.73

2.60

 

店舗を保有しないネット型リユース事業を展開する同社は高いROEを実現している。
今期の予想売上高当期純利益率は新型コロナウイルスの影響もあり2.9%。2019年12月上場時のファイナンスにより2020年12月期の総資産回転率及びレバレッジは19年12月実績よりも低下すると見込まれるため、今期のROEは大きく低下することとなろうが引き続き高水準を維持しよう。

 

 

2.2020年12月期第2四半期決算概要

(1)業績概要

19/12期2Q

構成比

20/12期2Q

構成比

前年同期比

売上高

6,193

100.0%

6,351

100.0%

+2.6%

売上総利益

4,095

66.1%

4,149

65.3%

+1.3%

販管費

3,489

56.4%

3,932

61.9%

+12.7%

営業利益

605

9.8%

216

3.4%

-64.2%

経常利益

597

9.7%

213

3.4%

-64.2%

四半期純利益

386

6.2%

92

1.5%

-75.9%

*単位:百万円

 

増収も新型コロナウイルスの影響で大幅減益
売上高は前年同期比2.6%増の63億51百万円。第2四半期(4‐6月)に入り新型コロナウイルスの影響を受けたが、第2四半期累計では増収。
金相場が堅調に推移したため利益率の低い貴金属の買取構成比が上昇した結果、粗利率は同0.8ポイント低下。
営業利益は同64.2%減の2億16百万円。第2四半期に入り広告宣伝費の抑制と休業対応等による人件費の一部圧縮による徹底したコスト管理を行ったものの一時的な事業縮小の影響に加え、百貨店催事の中止やオークションの延期・中止に伴い、減益。
四半期純利益は同75.9%減の92百万円。投資有価証券評価損30百万円を特別損失に計上した。

 

(主要な販管費)

19/12期2Q

20/12期2Q

前年同期比

広告宣伝費

1,121

1,335

+19.1%

人件費

1,017

1,100

+8.2%

*単位:百万円

 

(2)主要KPIの動向

20年12月期第2四半期の出張訪問数は前年同期比2.2%減の8万5,924件。新型コロナウイルス感染拡大に伴う一時的な事業縮小等の影響を受けた。
出張訪問あたり変動利益は、継続的なTVCM投下に伴う訪問あたり広告宣伝費の増加により同3.3%減の32,753円。減少したものの徹底した広告宣伝費のコントロールによりほぼ期初予想と同水準で推移した。

 

19/12期2Q

20/12期2Q

前年同期比

出張訪問数

87,826

85,924

-2.2%

出張訪問あたり変動利益

33,865

32,753

-3.3%

*単位:件、円

 

(3)財政状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

19/12末

20/6末

19/12末

20/6末

流動資産

3,923

3,772

流動負債

1,763

1,462

現預金

3,197

2,779

短期有利子負債

377

408

売上債権

72

113

未払金

497

419

たな卸資産

550

672

固定負債

566

883

固定資産

668

878

長期有利子負債

549

871

有形固定資産

205

221

負債

2,330

2,346

無形固定資産

236

381

純資産

2,261

2,304

投資その他の資産

227

275

株主資本

2,272

2,302

資産合計

4,592

4,650

負債・純資産合計

4,592

4,650

*単位:百万円

 

現預金減、投資その他の資産増などで資産合計は前期末比58百万円増加の46億50百万円。
負債合計は同16百万円増加の23億46百万円。
資本金、資本剰余金の増加等で純資産は同42百万円増加の23億4百万円。
この結果、自己資本比率は前期末から0.3ポイント上昇しし49.5%となった。

 

一部オークションの中止や商材価格下落等に伴い、戦略的に在庫の繰り越しを行った結果、在庫回転期間は約50日と伸長した。
ただ、今後は販売価格の趨勢等を勘案しながら下期以降に適宜販売を行う予定である。

 

◎キャッシュ・フロー

19/12期2Q

20/12期2Q

増減

営業CF

580

-342

-922

投資CF

-177

-354

-176

フリーCF

402

-697

-1,099

財務CF

-381

282

+664

現金同等物残高

1,988

2,783

+794

*単位:百万円

 

税引前当期純利益の減少などで営業CF、フリーCFはマイナスに転じた。
長期借入による収入などで財務CFはプラスに転じ、キャッシュポジションは上昇した。

 

(4)トピックス

◎リユース事業を展開する株式会社ダイヤコーポレーションを子会社化
2020年8月、リユース事業を展開する株式会社ダイヤコーポレーションを完全子会社化すると発表した。

 

(株式会社ダイヤコーポレーション概要)
2009年4月設立。ブランドバッグを中心に年間約200,000点を取り扱う古物オークション「TIMELESS AUCTION」、百貨店の常設店舗や催事で買取を行う総合買取サロン「TIMELESS」、ヴィンテージアイテムの販売事業「TIMELESS TOKYO」の運営を中心としたリユース事業を展開している。
2020年2月期の売上高、営業利益はそれぞれ60億円、4億円。純資産は4億円。

 

(子会社化の背景)
異なる顧客層の取り込み、それぞれの買取チャネルの強みを活かした買取数量・商材の拡大、古物オークションなどの新たな販路の獲得に加え、ダイヤコーポレーションのもつ最新の市場価格を反映した商品取引データの活用やそれらのデータベース化等を推進することで、大幅なシナジー効果を生み出し、両社の企業価値向上に繋がると考えた。
株式取得及び株式交換により、BuySell Technologiesは2020年11月にダイヤコーポレーションを完全子会社化とし、2020年12月期第4四半期より連結決算に移行する予定である。なお、2020年12月31日をみなし取得日とし、当第4四半期連結会計期間においては貸借対照表のみを連結する予定のため、2020年12月期における業績への影響は軽微なものと見込んでいる。

 

3.2020年12月期業績予想

(1)業績概要

19/12期

構成比

20/12期(予)

構成比

前期比

売上高

12,828

100.0%

14,685

100.0%

+14.5%

売上総利益

8,410

65.6%

9,619

65.5%

+14.4%

販管費

7,564

59.0%

8,891

60.5%

+17.6%

営業利益

846

6.6%

727

5.0%

-14.1%

経常利益

817

6.4%

719

4.9%

-12.0%

当期純利益

505

3.9%

425

2.9%

-15.9%

 *単位:百万円。

 

増収減益
新型コロナウイルスの影響を踏まえて一旦「未定」としていた20年12月期業績予想を開示した。
売上高は前期比14.5%増の146億85百万円、営業利益は同14.1%減の7億27百万円の予想。
3月~5月までの新型コロナウイルスによる事業縮小や今期中の先行投資の影響を考慮している。
配当は2019年12月期と同額の15円/株を予定。予想配当性向は24.1%。

 

◎経常利益の期初計画(11億1百万円)との今回予想(7億19百万円)との変動要因

要因

期初予想比増減額

主な要因

コロナの影響

-377

*事業縮小及びオークション等の中止の影響 -647百万円

*広告宣伝費コントロール +158百万円

*休業対応等による人件費削減 +110百万円

新規事業投資

-174

*CASH事業 -70百万円

*カタログ通販事業 -44百万円

*店舗トライアル展開 -60百万円

マーケティング投資

-122

*新TVCM制作投資など

既存事業の成長

+290

*出張訪問あたり変動利益の増加 +1,313円(期初計画比+4%)

 

マーケティングにおいては、前期第4四半期に行った「ブランディング広告」をブラッシュアップして新たに実施し、買取と言えば「BuySell」を第一想起してもらうことに注力する。
出張訪問あたり変動利益は期初計画比4.0%増、前期比6.5%増の34,265円を計画。査定員の能力向上などを通じチャレンジする。
来期以降の成長につなげる新規事業投資の詳細は後述。

 

(主要な販管費)

19/12期

20/12期(予)

前期比

広告宣伝費

2,613

3,016

+15.4%

人件費

2,084

2,415

+15.9%

 

(KPIの推移)

19/12期

20/12期(予)

前期比

出張訪問数

180,146

192,695

+7.0%

出張訪問あたり変動利益

32,178

34,265

+6.5%

*単位:件、円

(2)新型コロナウイルス感染症による影響

4月から5月の緊急事態宣言下において、従業員や顧客等に対する安全保護、および問い合わせ数の減少による業績への影響を最小化する観点から出張訪問買取の事業運営を縮小した。
6月回復傾向となり、7月以降は通常の事業運営を再開している。
買取は、問い合わせ数及び商談時間ともに、当初計画水準に回復している。
販売においては、国内外オークションが再開し、EC販売は当初計画を上回る水準まで回復している。百貨店催事も再開し、8月は7回開催した。
コスト面では、通常通りの事業運営を再開し、広告宣伝費の積極投資を計画している。

 

4.成長戦略

既存の「出張訪問リユース事業」の成長に加え、「未開拓リユース領域」の拡大、及び主要顧客層である「シニア層のニーズや課題を解決する事業領域」の拡大を推進していく。

(同社資料より)

 

具体的には以下、4つの取り組みを挙げている。

 

(1)買取店舗のトライアル出店

買取チャネルの拡大及び主要サービスである出張訪問買取の信頼性の更なる向上を目的として、店舗型買取サービスのトライアルを開始した。
主要サービスである出張訪問買取とは異なる顧客層の取り込みや、出張訪問に抵抗感のある顧客の取り込みを通じて新たなユーザーを獲得する。また、実店舗があることによる安心感を醸成し、出張訪問買取とのシナジー獲得を見込んでいる。

 

2020年7月に横浜元町店をオープンしたほか、2019年12月にオープンした名古屋栄セントラルパーク店を9月にリニューアルオープン、2020年10月には有楽町店をオープンする予定だ。
店舗を利用する顧客層や買取商材、出張訪問買取サービスとのシナジーの状況を見ながら、今後の出店計画を検討する。

 

(2)アプリ買取事業「CASH」の開始

2020年4月、出張訪問買取以外の買取チャネルを拡充し、シニア層以外の顧客層(20-40代)の獲得及び取扱商材の拡大等を目的として、アプリ買取事業「CASH」を事業譲受により開始。リニューアルを実施し、より使いやすいアプリへ磨きをかけている。

 

◎取扱商材の拡大
「ゲーム」「お酒」「シューズ」「アクセサリー・ジュエリー」「バッグ」「ファッション小物」「時計」を追加した。
今後、リユース他社とのアライアンス等を通じ取り扱い商材の更なる拡大を図る。

 

◎査定スキームの導入
適正価格の提示及び高価格帯商材の真贋査定の導入の観点から、各商材のプロによる査定である「専門査定」を2020年7月に導入した。
高額商品については、真贋鑑定に加え、市場トレンド等を加味した査定価格を提示し、適正なプライシングの担保を図る。

 

今後は、様々な事業先への展開を予定している。様々な場所で、自分の持ち物を本格査定できるスキームを導入し、「モノを売る」という体験をより身近かつ安心して行うことのできるサービスを目指す。

 

(3)カタログ通販事業「美つむぎ」のローンチ

2020年6月、主要顧客であるシニア層の生活機会の最大化を提供することを目的として、シニア層に向けた健康食品、サプリメント及び化粧品等を取り扱うカタログ通販サービス「美つむぎ」を開始した。
50代以上のシニア富裕層が顧客の約75%という特徴を持つ出張訪問買取モデルとの親和性を活かす。

 

ローンチ初期は商品数を6品程度に限定しつつ、顧客も直近の出張訪問の利用顧客を中心としてミニマムで検証を開始している。6か月程度の顧客推移や商品販売数のKPI等を見極めつつ、今後の投資方針を決定する予定だ。

 

(4)業務提携の拡大

不用品の売却ニーズのみならず、不動産の売却、自宅整理・片付け、相続等に関する相談を受ける機会が多く、顧客のニーズ充足や課題解決に向けてシナジーのある企業との業務提携を引き続き拡大している。

 

2019年12月の上場以降、以下5社と業務提携契約を締結した。
今後も積極的に領域の拡大とともにシナジーの見込まれる企業との業務提携を加速させる。

事業領域

アライアンス先

アライアンス先概要

片付け・遺品整理 領域 株式会社リリーフ 全国で生前整理・不用品整理・遺品整理等のおかたづけサービスを中心に事業を展開
MIKAWAYA21株式会社 全国でシニアの日頃の「ちょっと困った」をサポートする、まごころサポート事業を中心に展開
株式会社鎌倉新書 終活(ライフエンディング)領域で「いい葬儀」、「いい仏壇」、「いいお墓」などのポータルサイトを運営
株式会社終活ねっと 「終活ねっとのお葬式」、「終活ねっとのお坊さん」、「終活ねっとのお墓探し」、「終活ねっとマガジン」などのライフエンディング領域のポータルサイトを運営
不動産売買 領域 株式会社AMBITION 主力のプロパティマネジメント事業の管理物件を順調に増やし続けている他、不動産テック企業として様々な事業を展開
昭和住宅株式会社 兵庫・大阪・岡山を中心に分譲・注文住宅、不動産売買、リノベーション等の総合的な住宅・不動産事業を展開
株式会社ホームネット 全国主要都市(札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡)で、中古不動産のリノベーション及び売買などの中古不動産の再生・販売事業を展開
株式会社クロスソリューションズ 東京都23区を中心にシェアハウス、家具付きアパートやマンスリー物件など約450棟、5000室を運営・管理するほか、全国で不動産売買・賃貸における仲介業をはじめ、不動産にまつわるソリューション(土地・建物活用、資産組換等)事業を展開
リストインターナショナルリアルティ株式会社 不動産の売買・賃貸の仲介を中心とした不動産事業を展開。
株式会社カチタス 全国100以上の拠点において中古住宅の再生ビジネスを展開
相続相談 領域 BSP税理士法人 税務申告・助言指導や相続支援などを展開
その他 株式会社福邦銀行 福井県に広範な店舗網と強固な顧客基盤を有し、個人顧客に対し資産運用や相続支援などを展開
オットージャパン株式会社 大人の女性たちに向けたファッション・ライフスタイルグッズのオンライン・カタログ通信販売事業を展開

 

 

5.出張訪問リユース事業における成長戦略

既存の中心事業である出張訪問リユース事業においては、以下5つの成長戦略を遂行していく。

(同社資料より)

 

(1)マスマーケティング投資によるブランド認知獲得

リユース市場において「出張買取」サービスの認知度及び利用実績はまだまだ低く、その認知度向上が課題である。
そのため、今後も継続して「バイセル」ブランドの強化を図るとともに、リユース市場において伸びしろの大きい「出張買取」サービスの認知率を高めるマーケティング戦略を展開する。
具体的には、バイセルサービス利用想起率を直接高めるTVCMを中心としたダイレクトマーケティングと、「出張買取」サービスの認知と安心・安全に利用したい顧客における同社指名率を高めるブランドマーケティングを実施。
「出張訪問数」の拡大及び「出張訪問あたり広告宣伝費」の効率化を目指す。

 

(2)人材戦略(採用×教育)

査定員の採用を強化するとともに、ホスピタリティの高い優れた査定員へと育成するための教育を強化し、「出張訪問数」及び「出張訪問あたり売上総利益」を拡大する。

 

採用に関しては、2017年より新卒採用を強化する方針に転換した。人手不足の中で人材採用競争が激化しているが、同社は強みである採用力を活かし、2020年も99名(内、リユース事業部64名)の優秀な新卒を採用することができた。
また、教育に関しては、教育研修専門部門である「イネーブルメント部」による査定員の体系的教育研修システムを導入した。
査定員別に営業スキル、査定ノウハウ、商品知識、賛辞率等様々な項目をスコア化のうえ、管理教育を実施している。
これらの施策が奏功し、新人であっても約6か月程度の期間で訪問査定が可能となる水準への能力引き上げに成功している。

 

(3)データ・テクノロジー活用によるスケール化

査定データやテクノロジーの活用により、機械学習技術などを用いて査定や価格決定を自動化すべく取り組んでいる。
査定の効率化・生産性向上を図り、買取量を最大化することで「出張訪問あたり売上総利益」を拡大する。
既に一部導入済であり、今後はエンジニア人員を拡大して開発を強化する。

 

(同社資料より)

 

(4)toC向け及び海外販路の拡大

toC向けの直接販売比率を拡大し、利益率向上による 「出張訪問あたり売上総利益」の拡大を図る。
施策の一環として、2020年2月にはブランド品、時計、ジュエリーや酒類などのラグジュアリーリユース商品の販売を中心とした「BUYSELL brandchée(バイセルブランシェ)」をオープンした。
また、現在の販路はほぼ国内のみであるため、中国向けLiveコマース販売「淘宝直播(タオバオライブ)」や越境 EC ショッピングアプリ「豌豆公主(ワンドゥ)」への出品強化など海外販路開拓による収益性向上を目指す。

 

(5)顧客データ活用によるCRMの実現

顧客データや商材分析データを活用したCRMを構築してリピート率を向上させ、「出張訪問数」の拡大及び「出張訪問あたり広告宣伝費」の効率化を図る。
2020年4月には顧客分析・商材分析データを活用した自社顧客管理システム「GYRO」をローンチした。
また、顧客とのコミュニケーションの効率性を高めるべくLINEを利用した会員サイトを2020年2月に立ち上げた。
利便性向上のため、出張訪問買取の依頼、現在の予約状況の確認、キャンペーン情報配信などを実装する。
加えて、より安心して利用してもらうために、訪問する査定員の現在地や氏名・顔などの情報確認、商品写真による簡易査定などの機能も搭載する予定である。

 

6.今後の注目点

第2四半期(4-6月)は新型コロナウイルスの影響を大きく受けたものの、現状であれば通期で増収を達成し、減益予想ではあるものの、新規事業投資やマーケティング投資による部分も大きく、主要KPIである出張訪問あたり変動利益は前期比のみならず2月の期初計画も上回る見込みである。
新型コロナウイルスの影響はいまだ不透明ではあるが、第3四半期の開示を注目したい。
中期的な視点では、既存の「出張訪問リユース事業」の成長はもとより、「未開拓リユース領域」の拡大や、新規事業となる主要顧客層である「シニア層のニーズや課題を解決する事業領域」の拡大に向けた施策の進捗に期待したい。
また、子会社化したダイヤコーポレーションとのシナジーをどのように早期に生みすのかも注目点である。

 

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成>

組織形態 監査役会設置会社
取締役 6名、うち社外2名
監査役 3名、うち社外3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
更新日:2020年3月26日

 

<基本的な考え方>
当社は企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、お客様、取引先、従業員、地域社会、行政機関等のステークホルダーと良好な関係を築いていくために、コーポレートガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。
そのため、当社は経営環境の変化に迅速かつ公正に対応する意思決定機関を構築し、当社の営む事業を通じて利益を追求すること、財務の健全性を確保してその信頼性を向上させること、説明責任を果たすべく積極的に情報開示を行うこと、実効性ある内部統制システムを構築すること、並びに監査役が独立性を保ち十分な監査機能を発揮すること等が重要であると考えております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
「当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております」と記載している。

 

 

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