日本エンタープライズ株式会社:(4829) 売上、営業利益共に順調な進捗
植田 勝典 社長 |
日本エンタープライズ株式会社(4829) |
企業情報
市場 |
東証1部 |
業種 |
情報・通信 |
代表者 |
植田 勝典 |
所在地 |
東京都渋谷区渋谷1-17-8 |
決算月 |
5月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数 |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
186円 |
40,133,000株 |
7,465百万円 |
2.0% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
2.00円 |
1.1% |
3.99円 |
46.6倍 |
122.14円 |
1.5倍 |
*株価は09/27終値。
連結業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主帰属利益 |
EPS |
DPS |
2016年5月(実) |
5,530 |
219 |
252 |
327 |
8.07 |
3.00 |
2017年5月(実) |
4,838 |
192 |
229 |
99 |
2.45 |
2.00 |
2018年5月(実) |
3,892 |
174 |
257 |
166 |
4.11 |
2.00 |
2019年5月(実) |
3,413 |
242 |
292 |
97 |
2.44 |
2.00 |
2020年5月(予) |
3,850 |
275 |
300 |
160 |
3.99 |
2.00 |
*予想は会社予想。単位は百万円、円。
日本エンタープライズ株式会社の2020年5月期第1四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2020年5月期第1四半期決算概要
3.2020年5月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:CSR活動>
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 20/5期1Q(6-8月)は前年同期比12.4%の増収、同155.1%の営業増益。自社保有の権利・資産を活用したサービスや受託開発を行うビジネスサポートサービスをけん引役にクリエーション事業が同16.6%増加した他、システムの受託開発・運用を中心にソリューション事業も同5.8%増と堅調に推移。売上が増加する中、貸倒引当金の戻し入れ等で販管費が減少したため、営業利益率が9.5%と5.3ポイント改善した。
- 通期予想に変更はなく、前期比12.8%の増収、同13.5%の営業増益。キッティング支援ツールが伸びるビジネスサポートサービスやシステムの受託開発・運用サービスが増加する中、中古端末買取販売を行う端末周辺事業(ソリューション事業)や脱通信キャリアプラットフォームを進めるコンテンツサービス(クリエーション事業)の寄与が期待される。1株当たり2円の期末配当を予定(予想配当性向50.2%)。
- 通期予想に対する進捗率は、売上高22.6%(通期実績ベースの前年同期22.7%)、営業利益30.0%(同13.3%)と順調。業務効率化投資等、企業の旺盛な開発需要の取込みに成功している事に加え、モバイルキッティング支援ツールが大手通信キャリアに採用され、導入が進んでいるようだ。企業におけるスマートフォン・タブレットの活用の拡大と新しい端末への買い替え需要でキッティング市場は更なる成長が期待できる。この他、コンテンツサービスで脱通信キャリアプラットフォームの成果が現れつつあり、キッティングツールの販路を活かせる端末周辺事業は電気通信事業法の一部改正(2019年10月)による携帯端末と通信料金の完全分離を追い風に拡大が見込まれる。取り組みの成果に期待したい。
1.会社概要
モバイルソリューションカンパニーを標榜。個人向けスマートフォンアプリの開発・提供、企業向けシステム開発、モバイルキッティング、e コマース、AI チャットボット等のサービスを提供しており、事業セグメントは、自社IP(Intellectual Property)を活用したアプリケーションやシステムを提供する「クリエーション事業」と企業の業務用ソフトウェアやシステムの開発を請け負う「ソリューション事業」に分かれる。また、新たなサービスの創出に向け、IoT、ブロックチェーンなどの実証事業に積極的に取り組んでいる。
2001年2月16日に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ市場)へ株式上場。2007年7月10日の東京証券取引所市場第二部への市場変更を経て、2014年2月28日に同市場第一部の指定を受けた。
【経営理念】
同社の経営理念は「綱領・信条・五精神」及び「日エン経営原則」に刻まれており、「これを繰り返し学ぶ事で基本理念を永遠に堅持していく」事が同社社員の責務。こうした正しい考えと正しい行動の下にこそ、長い目で見た「株主価値の極大化」、すなわち「資本という大切な“お預かりもの”を1円もムダにせず、最大化していくことが可能である」と言うのが同社を率いる植田社長の考えである。そもそも同社は、「社業を通じて社会のお役に立ちたい」という強い一念から植田社長が興した会社であり、様々なIT機器を通して便利で面白い多種多様なコンテンツを制作し提供する事でユーザーの満足度を高めると共に社会貢献していく事を目指している。こうした植田社長の経営哲学の下、創業初年度の経常利益は、ほぼ全額が日本赤十字社・各地社会福祉協議会・児童養護施設等に寄付され、東日本大震災の折には、被災した方々の支援と東北地方の復興に寄与するべく日本赤十字社に寄付が行われた。
1-1企業グループ連結子会社8社、非連結子会社1社
連結子会社は、アプリ/WEBサイト企画・開発・運用、業務支援等の(株)ダイブ、交通情報を中心にした情報提供の交通情報サービス(株)、アプリ/システム開発~運用、デバッグ等の(株)フォー・クオリア、音声通信関連ソリューションの(株)and One、スマートフォン向けキッティング支援ツール等の(株)プロモート、アプリ/システム開発、HEMS等の(株)会津ラボ、太陽光発電の山口再エネ・ファクトリー(株)、電子商取引サービス「いなせり」の企画・開発・運営を手掛ける いなせり(株)の国内8社。非連結子会社は、コンテンツ運営等を行うNE銀潤(株)の国内1社。
1-2事業概要
事業は、クリエーション事業とソリューション事業に分かれ、19/5期の売上構成比は、それぞれ54.3%、45.7%。
クリエーション事業:自社IP(Intellectual Property)を活用したアプリケーション・システムの提供
コンテンツサービス、ビジネスサポートサービス、その他(太陽光発電)に分かれる。
コンテンツサービスでは、「女性のリズム手帳(ヘルスケア)」、「ATIS交通情報サービス(交通情報)」、「フリマjp(フリマ)」、総合電子書籍サービス「BOOKSMART(月額制・定額制)」、ライフスタイルやエンターテイメント等を中心とするキャリアプラットフォーム向け各種コンテンツ(月額制・定額制)や消費者向け魚介ECサイト「いなせり市場」といったサービスを提供している。
一方、ビジネスサポートサービスでは、キッティング作業の人的作業の軽減と生産性・正確性を向上させる支援ツールの開発・販売を行っている「キッティング」、ケーブルテレビへのデータ配信提供等でストック型ビジネスを確立し、車両動態管理クラウドiGPS on NET等の提供も手掛ける「ATIS交通情報サービス」、操作性・柔軟性に優れたビジネスフォン環境を提供するIP-PBXソフトウェア『Primus』等の開発・販売を行っている「音声ソリューション」、東京魚市場卸協同組合所属仲卸業者のインターネット水産物販売サイト「いなせり」の運営といったサービスを提供しており、新規事業・サービスの開発につなげるべく、IoT・ブロックチェーン等の実証事業も手掛けている。
ソリューション事業:企業の業務用ソフトウェアやシステムの受託開発
システム開発・運用サービスとその他に分かれる。システム開発・運用では、アプリ開発やサイト構築等の受託、サーバ設計~構築、運用監視、デバッグ、カスタマーサポート、コンサルティング等を手掛けている。
クリエーション事業で培ったノウハウを活かし、受託開発(スクラッチ開発)を中心としたトータルソリューションサービスに力を入れている他、中古端末買取販売サービスの育成に取り組んでいる。中古端末買取販売サービスは、携帯電話販社や同社グループ独自開発のキッティングツールの導入先等、クリエーション事業の取引先が有力な中古端末仕入先となる。取引量の安定化を図ると共に新規取引先の獲得を進める事で業容拡大を図る考え。
2.2020年5月期第1四半期決算概要
2-1第1四半期(6-8月)連結業績
19/5期 1Q(6-8月) |
構成比 |
20/5期 1Q(6-8月) |
構成比 |
前年同期比 |
|
売上高 |
775 |
100.0% |
871 |
100.0% |
+12.4% |
売上総利益 |
370 |
47.7% |
386 |
44.4% |
+4.4% |
販管費 |
337 |
43.6% |
304 |
34.9% |
-10.0% |
営業利益 |
32 |
4.2% |
82 |
9.5% |
+155.1% |
経常利益 |
43 |
5.7% |
93 |
10.8% |
+113.6% |
親会社株主帰属利益 |
5 |
0.7% |
66 |
7.6% |
+1052.1% |
*単位:百万円
前年同期比12.4%の増収、同155.1%の営業増益
売上高は前年同期比12.4%増の8億71百万円。キッティングが大きく伸びたビジネスサポートサービスをけん引役にクリエーション事業が同16.6%増加した他、システムの受託開発・運用を中心にソリューション事業も同5.8%増と堅調に推移した。
利益面では、売上の増加で売上総利益が同4.4%増加する中、貸倒引当金の戻し入れ等で販管費が同10.0%減少した事で営業利益が82百万円と同155.1%に拡大。税負担率の低下で(65.4%→18.5%)で最終利益は66百万円と前年同期の5百万円を大きく上回った。
2-2セグメント別動向
19/5期 1Q(6-8月) |
構成比・利益率 |
20/5期 1Q(6-8月) |
構成比・利益率 |
前年同期比 |
|
クリエーション事業 |
473 |
61.1% |
552 |
63.4% |
+16.6% |
ソリューション事業 |
301 |
38.9% |
319 |
36.6% |
+5.8% |
連結売上高 |
775 |
100.0% |
871 |
100.0% |
+12.4% |
クリエーション事業 |
145 |
30.7% |
178 |
32.3% |
+22.7% |
ソリューション事業 |
28 |
9.4% |
45 |
14.2% |
+60.1% |
調整額 |
-141 |
– |
-141 |
– |
– |
連結営業利益 |
32 |
4.2% |
82 |
9.5% |
+155.1% |
*単位:百万円
クリエーション事業
売上高5億52百万円(前年同期比16.6%増)、セグメント利益1億78百万円(同22.7%)。ビジネスサポートサービスが伸びた事に加え、コンテンツサービスも脱通信キャリアプラットフォームの成果が現れつつある。
ビジネスサポートサービス
交通情報等の各種サービスや、eコマース関連、チャット機能を活用したアプリサービス等の自社開発のサービスをベースにした受託開発等が堅調に推移する中、大手通信キャリアにおいてキッティング支援ツール「Kitting-One」の導入が進んだ事でキッティング支援が大きく伸びた。飲食事業者向け鮮魚eコマース「いなせり」においては、東京魚市場卸協同組合と連携して出品数の増加と飲食事業者開拓に取り組んでいる。
コンテンツサービス
通信キャリアが運営するプラットフォーム市場が縮小する中、定額制コンテンツでの効率的な運用による収益確保を図ると共に、App StoreやGoogle Play等の通信キャリア以外が運営するプラットフォームでのコンテンツの利用促進に取り組んでいる。この他、一般消費者向け鮮魚eコマース「いなせり市場」での拡販にも力を入れている。
<キッティング支援について>
キッティング支援ツール「Kitting-One」は、「Certino」、「Semble」、「SSA」、「SC2000」を連携させたキッティングのRPA(Robotic Process Automation)ツールであり、キッティングの作業検証(設定漏れやミス)の確認までをワンストップでカバーする。19/5期に販売を開始し、大手通信キャリアに採用された。20/5期は大手通信キャリアでの導入が本格化しており、その他のキャリアへの営業活動も加速している。
スマートフォンを中心とした国内モバイル通信市場は、コンシューマ向けの成長が一段落する中、「働き方改革」や「IoT」の普及もあり、法人向け市場が拡大している。また、キッティング業界では、1台ずつ手作業で個別設定対応を行う単純作業から、ツールを活用した業務効率化の需要が高まっている。企業におけるスマートフォン、タブレット、PC等のIT機器の活用の拡大と新しい端末への買い替え需要でキッティング市場は更なる成長が期待でき、キッティング業務を効率化するツールの需要拡大が予想される。
(同社資料より)
ソリューション事業
売上高3億19百万円(前年同期比5.8%)、セグメント利益45百万円(同60.1%増)。クリエーション事業で培ったノウハウを活かした受託開発(スクラッチ開発)を中心としたトータルソリューションサービスが様々な分野で伸びた他、キッティングとのシナジーが期待できる端末周辺事業(中古端末買取販売)の育成に力を入れた。
システム開発・運用サービス
活発なIT投資が続く中、働き方改革や東京オリンピック・パラリンピック等もあり、AI、IoT、セキュリティ関連システムの需要が増加している。同社は、単独のシステム開発だけでなく、様々な分野との掛け合わせによるシームレスなサービス提供により、顧客満足度の高いサービス提供で需要の取り込みに成功している。
(同社資料より)
端末周辺事業(中古端末買取販売サービス)
端末周辺事業とは、クリエーション事業で注力しているキッティング支援の販路を活かした中古端末(スマートフォン等)の買取りを強みとする中古端末の買取販売事業である。この事業は、電気通信事業法の一部改正による2019年10月からの携帯端末と通信料金の完全分離を追い風に拡大が見込まれている。
キッティング作業請負や支援ツール導入の取引先である企業や携帯電話販社を中心に仕入先が順調に拡大しており、取り扱い台数の増加に伴い販売先の新規開拓も進んでいる。また、中古端末販売に欠かせない、「データ消去」や価格を左右する「グレーディング(査定)」等のサービス提供に向け、業界団体であるリユースモバイルジャパンにも加入した(2019年6月28日)。リユースモバイルジャパンは、リユースモバイルガイドラインを策定する等、リユースモバイル通信端末市場の健全な発展と消費者保護を目的として設立された団体である。
2-3財政状態
19年5月 |
19年8月 |
19年5月 |
19年8月 |
||
現預金 |
4,345 |
4,444 |
仕入債務 |
130 |
112 |
売上債権 |
567 |
429 |
未払法人税・消費税等 |
79 |
51 |
流動資産 |
5,154 |
5,172 |
退職給付に係る負債 |
55 |
57 |
有形固定資産 |
372 |
365 |
有利子負債 |
277 |
273 |
無形固定資産 |
334 |
323 |
負債 |
822 |
840 |
投資その他 |
174 |
173 |
純資産 |
5,213 |
5,193 |
固定資産 |
881 |
861 |
負債・純資産合計 |
6,035 |
6,034 |
*単位:百万円
第1四半期末の総資産は前期末と比較して1百万円減の60億34百万円。なお、2019年7月23日開催の取締役会決議に基づき、2019年7月31日付で自己株式480,000株を消却している。自己資本比率81.2%(前期末81.4%)。
3.2020年5月期業績予想
3-1連結業績
19/5期実績 |
構成比 |
20/5期予想 |
構成比 |
前期比 |
|
売上高 |
3,413 |
100.0% |
3,850 |
100.0% |
+12.8% |
営業利益 |
242 |
7.1% |
275 |
7.1% |
+13.5% |
経常利益 |
292 |
8.6% |
300 |
7.8% |
+2.5% |
親会社株主帰属利益 |
97 |
2.9% |
160 |
4.2% |
+63.6% |
*単位:百万円
前期比12.8%の増収、同13.5%の営業増益予想
売上高は前期比12.8%増の38億50百万円。ビジネスサポートサービスやシステム受託開発・運用サービスの増加が見込まれる中、コンテンツサービスも通信キャリア以外のプラットフォームへの展開で増加する見込み。また、新規事業であるキッティングと中古端末買取販売の端末周辺事業も伸びる見込み。
利益面では、売上の増加で営業利益は2億75百万円と同13.5%増加する見込み。補助金収入の減少で経常利益は同2.5%の増加にとどまるものの、特別損失の一巡等で最終利益は1億60百万円と同63.6%増加する見込み。
配当は1株当たり2円の期末配当を予定している(予想配当性向50.2%)。
4.今後の注目点
通期予想(上期予想は非開示)に対する進捗率は、売上高22.6%(通期実績ベースの前年同期22.7%)、営業利益30.0%(同13.3%)、経常利益31.3%(同15.0%)、純利益41.6%(同5.9%)。同社の業績には季節性があり、閑散期に当たる第1四半期は利益が通期予想の1/4に達さない事が少なくないが、20/5期第1四半期は営業利益の進捗率が30%に達した。要因は、スマートフォン・タブレット向けアプリ及びサービスの開発や業務効率化に向けたIT投資等、企業の旺盛な開発需要の取込みに成功している事と、モバイルキッティングツールが大手通信キャリアに採用され、導入が進んでいる事。コスト削減が進み利益が出やすい体質への転換が進む中で、長く続いた売上の減少に歯止めがかかり、増収基調に転じた。
残る課題はコンテンツサービスだが、定額制コンテンツでの効率的な運用による収益確保やApp Store・Google Play等の通信キャリア以外が運営するプラットフォームでのコンテンツの利用促進といった取り組みの成果が現れつつある。育成中の端末周辺事業と共に今後の展開に期待したい。
参考:CSR活動
同社は、創業以来の企業理念(「我々は商人たるの本分に徹しその活動を通じ社会に貢献し、文化の進展に寄与することを我々の真の目的とします」)の下、社業を通じて顧客、取引先、株主・投資家、地域社会、従業員等すべてのステークホルダーの物心共の幸せに貢献する事がグループの社会的責任と認識し、CSR活動の一環として下記の取組みを進めている。
顧客満足への取組み
「お客様第一主義を貫く」ことを「日エン経営原則」に掲げ、品質・価格・サービスの全てにおいて顧客の要望に真摯に向き合い、顧客満足を追及している。
品質へのコミットメント
「ダントツ品質」をスローガンに顧客の期待を超える価値の提供に努めている。また「カスタマーサポートセンター」を自社で運営し、的確・迅速な顧客の要望への対応や寄せられた要望のサービスや商品への反映による改善・品質向上に取組んでいる。
情報開示への取組み
ステークホルダーに同社に対する理解を深めてもらうべく、適時かつ適切な経営状況・事業活動状況の開示を行っている。
株主との対話への取組み
株主総会を株主と直接対話する貴重な場と考え、多くの株主が出席できるよう、毎年8月に東京都内のホテルで開催している。また同社への理解を深めもらうべく、株主総会会場に同社サービスの実体験できる場を設けている他、映像で案内している。
情報保護への取組み
「情報セキュリティ基本方針」並びに「個人情報保護方針」を定め、同社が取扱う情報資産の適切な保護・管理に努めている。また、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO27001認証」を取得している。
健全な情報発信への取組み
一般社団法人インターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)が認定するDCA資格取得等を通じて、インターネットによる健全な情報発信を推進している。
環境への取組み
太陽光パネルによる発電(山口県宇部市)等を通じ持続可能な社会への取組みを推進している。
新技術創出支援の取組み
総務省が実施し、株式会社角川アスキー総合研究所が業務実施機関として運営する、これからの日本を創るInnovator(開拓者)を支援する「異能vationプログラム」に協賛し、新技術の創出を支援している。
ワーク・ライフ・バランス
社員が個々の能力を十分に発揮できるよう、「毎週2日のノー残業デー」、「業務改善を図る“創意くふう改善制度”」、「子育て支援」などワーク・ライフ・バランスに配慮した、職場環境づくりに努めている。
社内クラブ活動
社員の親睦と健康増進を図るため、社内クラブ活動を支援している。
慈善事業・支援活動
創業初年度の経常利益ほぼ全額を日本赤十字社・各地社会福祉協議会・児童養護施設等に寄付して以来、毎年、最終利益の1%の寄付を行っている。また、東日本大地震による被災に対して、被災された方々の一日も早い復興を願い、日本赤十字社通じて義援金を拠出した。
参考:コーポレート・ガバナンスについて
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 | 監査役会設置会社 |
取締役 | 5名、うち社外2名 |
監査役 | 3名、うち社外2名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日 : 2019年08月23日)
基本的な考え方
当社グループは、経営目標の達成の為に取締役会が行う意思決定について、事業リスク回避または軽減を補完しつつ、監査役会による適法性の監視・取締役の不正な業務執行の抑止、また、会社の意思決定の迅速化と経営責任の明確化を実現する企業組織体制の確立により、株主利益の最大化を図ることがコーポレート・ガバナンスと考えております。
<実施しない主な原則とその理由>
<補充原則4-1-3:CEOなどの後継者計画>
当社は、経営陣幹部向けに「植田塾」を開催し、経営者として求められる「戦略思考」「リーダーシップ」等の資質の醸成を図っておりますが、現在、最高経営責任者等の後継者計画の策定を行っておりません。今後、後継者候補の育成計画の策定及び監督を検討してまいります。なお、計画の策定にあたっては、十分な時間と資源をかけて後継者候補の育成が行われていくよう努めます。
<原則4-11:取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件>
当社の取締役会は、取締役は7名以内、監査役は4名以内の規模で構成しております。社外取締役は2名程度、監査役は過半数を社外監査役とすることを基本的な考え方としております。現在、当社の取締役会には、女性若しくは外国人の取締役・監査役は存在しておりませんが、取締役会としての役割・責務を実効的に果たすための多様性と適正規模を両立した形で構成していると認識しております。将来的には、ジェンダー及び国際性の面における多様性の確保に努めてまいります。また、当社は監査役として公認会計士を1名選任しており、財務会計に関する適切な知見を有している監査役を選任しております。
<原則5-2:経営戦略や経営計画の策定・公表>
当社は中期経営計画を公表しておりませんが、毎期初において、当該期の目標額を開示しております。その目標額の策定にあたっては、資本コストを考慮した上で、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資、研究開発投資、人材投資を含めた経営資源の配分について計画を策定しておりますが、目標達成に向けた具体的な施策については、決算短信や決算説明会の他、日常のIR活動を通じて株主に分かりやすく説明、伝えるよう努めてまいります。
<開示している主な原則>
<原則5-1:株主との建設的な対話に関する方針>
当社では、「IR活動の基本姿勢と開示基準」、「情報開示の方法と情報の公平性」、「将来の見通しについて」、「IR自粛期間について」からなるIR基本方針を策定しており、当社ウェブサイトにて公表しております。
●IR基本方針URL:https://www.nihon-e.co.jp/ir/management/line.html
現在、当社ではこのIR基本方針に基づき、株主との建設的な対話という観点から、以下の取り組みを積極的に実施しております。
(1)当社では常務取締役管理本部長を内部情報管理責任者に指定し、経理部、総務部、人事・広報部等のIR活動に関連する部署を管掌し、日常的な部署間の連携を図っております。
(2)社内各部門の会社情報については、内部情報管理責任者が一元的に把握・管理し、的確な経営判断のもと、有機的な連携に努め、IRに関連する他部署との情報共有を密にすることで、連携強化を図るよう努めております。
(3)広報・IRグループにおいて、株主・投資家からの電話取材やスモールミーティング等のIR取材を積極的に受け付けると共に、アナリスト向けに決算説明会を開催し、社長又は常務取締役が説明を行っております。
(4)IR活動及びそのフィードバック並びに株主異動等の状況については、適宜取締役会へ報告を行い、取締役や監査役との情報共有を図っております。
(5)投資家と対話をする際は、当社の公表済みの情報を用いた企業価値向上に関する議論を対話のテーマとすることにより、インサイダー情報管理に留意しております。