ブリッジレポート:(5162) 朝日ラバー 主力製品回復基調に 動向に注目

2019/08/29

 

 

渡邉 陽一郎 社長

株式会社朝日ラバー(5162)

 

企業情報

市場

JASDAQ

業種

ゴム製品(製造業)

代表取締役社長

渡邉 陽一郎

所在地

埼玉県さいたま市大宮区土手町2-7-2

決算月

3月

HP

http://www.asahi-rubber.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

668円

4,531,844株

3,027百万円

8.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

30.00円

4.49%

73.30円

9.1倍

987.28円

0.68倍

*株価8/9終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期実績。
*DPS(予)は、記念配当10円を含む。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する四半期純利益

EPS

配当

2016年3月(実)

5,976

237

235

131

29.16

13.00

2017年3月(実)

6,511

475

490

341

76.09

16.00

2018年3月(実)

7,534

561

589

459

101.98

20.00

2019年3月(実)

7,706

483

508

352

77.97

20.00

2020年3月(予)

7,810

464

466

332

73.30

30.00

*予想は会社予想。
*2020年3月期(予想)の配当金の内訳は、普通配当20円、記念配当10円。
*単位:百万円、円

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画
3.2020年3月期第1四半期
4.2020年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/3期第1四半期は前年同期比7.6%の減収、同59.3%の経常減益。売上高は、新製品の寄与により医療・衛生用ゴム事業で増加したものの、自動車装照明用のASA COLOR LEDや認証・ 認識ビジネスに対応するRFIDタグ用ゴム製品の受注などが減少した工業用ゴム事業で減少した。セグメント利益も、売上高が増加した医療・衛生用ゴム事業で増加したものの、売上高の減少を受け工業用ゴム事業で減少した。 
  • 20/3期の会社計画は、前期比1.3%の増収、同8.4%の経常減益の期初予想から修正なし。売上高は、自動車関連製品の販売及びRFIDタグ用ゴム製品等の工業用ゴム事業の受注増加を見込んでいる。一方、セグメント利益は、医療・衛生用ゴム事業の販売の減少の影響及び設備投資、人員補強等によるコスト増加などを考慮している。1株当たり配当は、19/3期から10円増配の30円の予想(上期末10円、期末20円)を据え置き。期末配当に記念配当10円が含まれている。 
  • 減収減益となった第1四半期決算ではあるが、明るい兆しも見え始めている。主力のASA COLOR LEDの受注が回復基調となってきたことに加え、採血用・薬液混注用ゴム栓において、新たに投入した製品の受注が好調に推移していることなどである。今後回復傾向が強まってくるのか、売上規模が大きく収益性も高いASA COLOR LEDとRFIDタグ用ゴム製品の受注の動向が注目される。 

1.会社概要

小型電球やLEDに被せる事で様々な発色を可能にする被覆用ゴム製品を主力とする。自動車の内装用照明を中心に、携帯用通信機器、電子・電気機器、産業機器、スポーツ用等、幅広い分野で利用されている。シリコーン(ゴム状の合成樹脂)材料の配合技術と調色技術に強みを有し(色と光のコントロール技術)、シリコーンゴムに蛍光体を配合したLED用ゴムキャップは、LEDの光を波長変換して色調や輝度を調節できるため、10,000色以上の光を出す事やLEDの課題である光のばらつきを均一化する事が可能。また、医療・衛生用ゴム製品や硬質ゴムと軟質ゴムの複合製品等も配合技術を活かしてそれぞれの用途にあったゴム質を実現している。

 

グループは、同社の他、ゴム・プラスチック等の研究開発を行う(株)朝日FR研究所、米国の販売会社ARI INTERNATIONAL CORP.、及び工業用ゴム製品の販売を手掛ける朝日橡膠(香港)有限公司、10年7月に設立した工業用ゴム製品の製造・販売を手掛ける東莞朝日精密橡膠制品有限公司、及び12年1月に設立した工業用ゴム製品の開発・設計・販売を手掛ける朝日科技(上海)有限公司の連結子会社5社からなる。

 

事業系統図

(同社決算説明会資料より)

 

 

海外拠点

 

 (同社決算説明会資料より)

 

 

連結業績の推移

 

【事業内容と主要製品】

事業は、自動車のスピードメーターや内装照明の光源向けの「ASA COLOR LED」や各種センサ向けのレンズ製品「ASA COLOR LENS」、或いは弱電製品に使われる応用製品、更にはスポーツ用ゴム製品(反発弾性、高摩擦抵抗等を追及した高品質の卓球ラケット用ラバー)等の工業用ゴム事業、点滴輸液バッグ用ゴム栓や真空採血管用ゴム栓、プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケット等、使い捨てのディスポーザブル用ゴム製品の医療・衛生用ゴム事業に分かれ、19/3期の売上構成比は、それぞれ84.3%、15.7%。 今後は、RFIDタグ向け新製品、マイクロTAS製品などの新製品の販売拡大が期待される。

 

・ASA COLOR LED
ASA COLOR LEDとは、LEDの光と色のばらつきを解消する商品。青色LEDに蛍光体を配合したシリコーン製キャップを被せることで、自動車内装照明用に10,000色以上の均質な光を提供。顧客に要求される均一な色を実現している。
ASA COLOR LEDのイメージ

同社決算説明会資料より

 

ASA COLOR LEDの採用例

 

(同社会社説明会資料より)

 

(同社会社説明会資料より)

 

・医療用ゴム製品
点滴輸液バッグ用ゴム栓、真空採血管ゴム栓、薬液混注ゴム栓、プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケットなど、医療現場で用いられるディスポーザブル商品に使用さる。安全性の高い材料を開発し、独自のコーティング技術で“漏れない”と“滑る”を両立し、注射速度の微妙な調節が可能。素材変性技術による安全性の高い材料と表面改質技術による摺動性の向上により、医療ミス防止などの安全性向上に貢献している。

 

プレフィルドシリンンジ向けガスケットのイメージ

(同社決算説明会資料より)

 

・RFIDタグ用ゴム製品
RFIDタグ用ゴム製品は、溶剤を使わずに接着させる“分子接着・接合技術”を応用し、IC チップやアンテナ部をゴム素材で覆い、折り曲げに強く、耐水性、耐熱性に優れた、柔らかい小型のRFIDを提供。取り付ける対象がどのようなものかを記憶し、認識させる機能で、今後成長が期待される認証・認識ビジネスに対応。 ゴムという弾性体の特徴を生かして、RFIDが使用できなかった用途への利用が可能に。さらに応用し市場拡大を進める。

 

RFIDタグ用ゴム製品イメージ

(同社決算説明会資料より)

 

 

【コア技術と事業領域】

オープンイノベーションで事業領域深耕につながる研究を加速するとともに、製品化に向けた実証研究を強化する。

(同社会社説明会資料より)

 

・色と光のコントロール技術
シリコーンゴムに着色剤や蛍光体を配合し、様々な色と光を出すことのできる色調管理技術を有し、ばらつきを調整し、顧客が望む細かい色調を実現。また、透明なシリコーン樹脂を材料とし、耐熱性、対紫外線性に優れ、集光・拡散といったレンズ機能を実現。ASA COLOR LEDなどにこの技術が生かされている。今後もこれら技術を活用し、自動車内装、照明分野とコア技術を応用したスイッチ分野の拡大を図る方針。

 

・表面改質及びマイクロ加工技術
接着剤を使わずに、ゴムとゴムや金属、樹脂を接着させる分子接着・接合技術を有する。接着させる表面を改質処理し、化学反応で結合。これにより、有害な溶剤の廃棄処理が不要となり、耐熱性、耐水性もクリア。耐水性、耐候性に優れており、RFIDタグ用ゴム製品やマイクロ流体デバイスでこの技術が生かされている。また、数十ミクロンから数ミクロン単位の表面加工を行うマイクロ加工技術を確立。医療用ゴム製品である薬液混注ゴム栓の薬液注入口の形成と薬液漏れの防止や、充電して使用できる二次電池の内圧管理にもこのマイクロ加工技術が生かされている。今後もこれら技術を活用し、高性能製品や新たな分野を開拓する方針。

 

・素材変性技術
ゴムをはじめとするソフトマテリアルは、素材に添加物を配合することで求める機能を持たせることができる。更に、ナノ・分子レベルで成形することによりその機能をパワーアップすることも可能。卓球ラケット用ラバーなどにこの技術が生かされている。今後もこれら技術を活用し、医療分野を支える製品を提供する方針。

 

【ESGへの取り組み】

同社は、ESGへも積極的に取り組んでいる。

 

(同社会社説明会資料より)

 

項目

方針と実績

E(エコロジー)環境 環境に対する取り組みが、持続可能性のある社会の実現に寄与すること、また、事業の競争力の向上と持続的な成長を支える視点の一つととらえ、社会の要請の応えられるよう取り組みを行う。

 

●工場電力の削減

白河工場と福島工場に太陽光発電パネルを設置。 また、白河工場と福島工場の照明をLED蛍光灯に置き換え、省電力化を実現。

●廃棄物のリサイクル推進

ゴム屑やポリシート、フィルムなどのプラスチック類に加え、硬質を 含む混合プラスチックの焼却灰をセメント原料として使用する活動を推進。

S(ソーシャル)社会 地域社会の一員としての会社であることから、地域への貢献活動も継続して行い、地域の皆様とのコミュニケーションを深めることで、従業員の責任感とモチベー ションの向上に役立てる。

 

●最寄駅の清掃

福島工場、第二福島工場の最寄駅であるJR東北本線泉崎駅で、毎週火曜日の就業時間前に4~5名の当番制で清掃活動を実施。 活動を開始して2019年で24年目となる。

●卓球大会の開催

福島県の県南地区の中学生を対象にした朝日ラバー杯の卓球大会と、高校生や社会人も含めた卓球大会を主催。

●ケアハウスの清掃

新入社員研修の一環として、地域のケアハウスの清掃を実施。

●地域イベントへの参加

福島県白河市のイベント「まるごと白河」の企業ブースに出展し、地元にある企業の活動の認知を広め、従業員が直接地域の皆様とふれあう機会を創出。

G(ガバナンス)統制 2015年6月に、監査等委員会設置会社に移行。社外取締役を招聘し、社内にない多様な意見を取締役会に反映し、内部統制のしくみとマネジメントの監査・監督のしくみの両輪で、適切なリスクマネジメントを推進。トップダウンによる経営理念・経営方針の伝達と、ボトムアップによる現場の知恵の具現化により事業を成長させる。

 

2.中期経営計画

同社は、中期経営計画を策定するにあたり、中期三カ年を二回分の6年後、2020年を見据え、ビジョン(目指す姿)を「AR-2020 VISION」として定めている。後半の2017年4月から2020年3月までの二期目の三ヵ年計画を「V-2計画」とし、存在する市場に対して“魅力ある提案“をするために、素材力とサービスを磨き鍛え、多くの安心した製品を安定的に届けるためコア技術を磨いて育てていく方針。

 

V-2計画(第12次三ヵ年中期経営計画)
同社は、2018年3月期を初年度とする三ヵ年の「V-2計画(第12次三カ年中期経営計画)」(2017年4月~2020年3月)を策定した。 中期経営方針 として「AR-2020VISIONに通ずる質的成長を求めて広く社会に貢献する」を掲げ、中期経営戦略 として、①ゴム技術・コア技術・製品力を成長させる、②経営基盤を磨き成長を加速すると定め、最終年度である20/3期に数値目標である、連結売上高70~80億円、連結営業利益率8%以上を目指す。先行きの不確定要因を考慮し、売上高目標は範囲を持って設定、質的成長を目指すため利益指標は率の成長を着実に目指す方針。また、最終年度目標は環境の変化などを考慮し、随時見直しをかける方針。

 

(1)事業分野の再編

従来、自動車、医療、ライフサイエンス、その他の4事業分野であったものを、車載・照明、医療・ライフサイエンス、その他の3事業分野へ変更する。これは、①照明全般に視点を広げて市場を見出し、新たな付加価値で市場創造を図る、②医療事業とライフサイエンス事業を融合することで、医療機器分野・診断医療分野などに対する経験を生かして、事業に対する総合力を強化する、③ゴム技術を生かした機構部品を創造することを目指すものである。

(2)事業分野の戦略

車載・照明(主要製品:ASA COLOR LED、透明部材、反射材料)
17/3期の連結売上高実績27.4億円に対し、20/3期の売上高は30~35億円を計画。当社のコア技術のひとつである色と光のコントロール技術を駆使したASA COLOR LEDなど、他社に真似のできない独自製品で市場と顧客の要望に応えることに加え、培った技術を照明全般に視点を広げて市場を見出していく。
医療、ライフサイエンス(主要製品:採血用・薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、マイクロ流体デバイス)
17/3期の連結売上高実績12億円に対し、20/3期の売上高は13~15億円を計画。医療現場での衛生管理や医療事故の防止などに役立つディスポーザブルのゴム製品と診断医療や解析分野に貢献するマイクロ流体デバイスの開発を進める。
その他(主要製品:RFIDタグ用ゴム製品、自動車向けスイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバー)
17/3期の連結売上高実績25.7億円に対し、20/3期の売上高は27~30億円を計画。ゴムの可能性を追求し、独自のコア技術と複合化させたこれまでにない付加価値を持つ機構製品を提供する。
その他、経営基盤を磨き成長を加速するために、拠点地域をつなぐ製品企画と連結販売を行う体制を構築する他、健康経営を軸に経営基盤を整備する。

 

なお、中期経営計画(V-2計画)最終年度である20/3期は、売上高目標は達成の見込みであるが、営業利益率は未達となる見通し。

 

3.2020年3月期第1四半期決算

(1)連結業績

 

19/3期

第1四半期

構成比

20/3期

第1四半期

構成比

前年同期比

売上高

1,943

100.0%

1,796

100.0%

-7.6%

売上総利益

511

26.3%

405

22.6%

-20.6%

販管費

344

17.7%

333

18.6%

-3.2%

営業利益

166

8.6%

72

4.0%

-56.8%

経常利益

179

9.2%

72

4.1%

-59.3%

親会社株主に帰属する

当期純利益

124

6.4%

51

2.9%

-58.3%

*単位:百万円

 

前年同期比7.6%の減収、同59.3%の経常減益
売上高は、前年同期比7.6%減の17億96百万円。売上面では、工業用ゴム事業の売上高が同9.7%減少。主力製品の自動車内装照明用のASA COLOR LEDの受注は減少したものの、緩やかな回復基調となってきた。自動車用精密ゴム製品で自動車スイッチの防水用パッキン等の受注が減少したものの、自動車内装スイッチの接点ラバーは新規の受注が増加した。その他、認証・ 認識ビジネスに対応するRFIDタグ用ゴム製品の受注は顧客の販売状況及び新旧製品の入替に伴う現行品の在庫調整等の影響により減少した。一方、医療・衛生用ゴム事業の売上高は同5.9%の増加となった。採血用・薬液混注用ゴム栓において新製品への入替が進み、新たに投入した製品の受注が好調に推移した。
営業利益は、前年同期比56.8%減の72百万円。売上高が減少した工業用ゴム事業のセグメント利益は同49.3%の減益となった一方で、売上高が増加した医療・衛生用ゴム事業のセグメント利益は同6.0%の増益となった。売上高営業利益率は、4.0%と前年同期比4.6ポイントの低下。収益性の高いASA COLOR LED やRFIDタグ用ゴム製品の売上高の減少が影響し、売上総利益率は、22.6%と同3.7ポイント低下した。販管費の圧縮に努めたものの、売上高の減少により売上高対販管費率も同0.9ポイントの上昇。その他、前年同期に為替差益が発生したものの、今四半期では為替差損となった影響などにより経常利益の減益率は営業利益の減益率を上回った。特別損益はほぼ前年並みとなった。

 

四半期業績の推移

 

 

20/3期第1四半期(4-6月)は、顧客企業の在庫調整や先行投資負担の増加の影響を受け、売上高、営業利益ともに前年同期を下回る結果となったものの、前四半期(1-3月)比で回復傾向となった。
※15/3Qと4Qは、取締役2名逝去による役員退職慰労引当金繰入額等の特殊要因が影響。

 

(2)セグメント別動向

セグメント別売上高・利益

 

19/3期

第1四半期

構成比

20/3期

第1四半期

構成比

前年同期比

工業用ゴム事業

1,671

86.0%

1,508

84.0%

-9.7%

医療・衛生用ゴム事業

271

14.0%

287

16.0%

+5.9%

連結売上高

1,943

100.0%

1,796

100.0%

-7.6%

工業用ゴム事業

207

84.1%

105

71.7%

-49.3%

医療・衛生用ゴム事業

39

15.9%

41

28.3%

+6.0%

全社費用

-79

-74

連結営業利益

166

72

-56.8%

*単位:百万円

 

国内・海外別売上高

 

19/3期

第1四半期

構成比

20/3期

第1四半期

構成比

前年同期比

国内

1,617

83.2%

1,484

82.6%

-8.2%

海外

326

16.8%

312

17.4%

-4.3%

アジア

286

14.7%

268

14.9%

-6.5%

北米

36

1.9%

40

2.3%

+9.3%

欧州

3

0.2%

4

0.2%

+36.3%

合計

1,943

100.0%

1,796

100.0%

-7.6%

*単位:百万円

 

国内売上高は前年同期比8.2%減少、海外売上高はアジアの減少が影響し同4.3%減少した。

 

(3)財政状態

 

19年3月

19年6月

 

19年3月

19年6月

 現預金

2,388

2,563

 仕入債務

401

473

 売上債権

1,793

1,668

 短期有利子負債

1,089

1,115

 たな卸資産

832

944

流動負債

3,126

3,150

流動資産

5,367

5,463

 長期有利子負債

2,058

2,136

 有形固定資産

3,946

3,985

固定負債

2,851

2,943

 無形固定資産

101

98

純資産

4,471

4,481

 投資その他

1,033

1,027

負債・純資産合計

10,449

10,576

固定資産・繰延資産

5,081

5,112

有利子負債合計

3,148

3,251

*単位:百万円。有利子負債=借入(リース含まず)

 

19年6月末の総資産は19年3月末比1億26百万円増の105億76百万円。資産サイドでは、太陽光発電システム設置により建物及び構築物が増加したことが主な要因。負債・純資産サイドでは、支払手形及び買掛金、電子記録債務が増加したことと、長期運転資金の借入金が増加したことが主な要因。19年6月末の自己資本比率は、42.4%と前期末から0.4ポイント低下した。

 

(4)上期(第2四半期累計期間)の会社予想に対する第1四半期累計期間の実績の進捗状況

 

 

19/3期 第1四半期

20/3期 上期会社予想

進捗率

売上高

1,796

3,707

48.5%

売上総利益

405

868

46.8%

営業利益

72

127

56.8%

経常利益

72

128

57.0%

四半期(当期)純利益

51

88

58.9%

*単位:百万円

 

20/3期第1四半期連結累計期間の営業利益は、上期(第2四半期連結累計期間)の会社計画に対して、56.8%の進捗率と、上期の会社計画の達成に向けて順調に推移している。

 

4.2020年3月期業績予想

(1)連結業績

19/3期

構成比

20/3期 予想

構成比

前期比

売上高

7,706

100.0%

7,810

100.0%

+1.3%

売上総利益

1,907

24.8%

1,959

25.1%

+2.7%

販管費

1,423

18.5%

1,495

19.1%

+5.0%

営業利益

483

6.3%

464

5.9%

-4.1%

経常利益

508

6.6%

466

6.0%

-8.4%

親会社株主に帰属する当期純利益

352

4.6%

332

4.3%

-5.8%

*単位:百万円

 

前期比1.3%の増収、同4.1%の経常減益予想
第1四半期が終わり、20/3期の会社計画である前期比1.3%の増収の78億10百万円、同8.4%の経常減益の4億66百万円から修正なし。売上面では売上面では、採血用・薬液混注用ゴム栓の旧タイプの終息による医療・衛生用ゴム事業の減少を、ASA COLOR LED やRFIDタグ用ゴム製品の受注増加による工業用ゴム事業の拡大でカバーし過去最高を更新する見込み。一方、利益面は、売上増加による利益増加があるものの、前期から継続する将来に向けた投資による費用増が影響し各段階利益とも前期比減益の計画。売上総利益率は、前期比0.3ポイント上昇の25.1%、売上高対販管費率は、同0.6ポイント上昇の19.1%の会社前提。この結果、営業利益は、前期比4.1%減益の4億64百万円となる計画。売上高営業利益率は、前期比0.4ポイント低下の5.9%の予想。
1株当たり配当も、19/3期から10円増配の30円の予想(上期末10円、期末20円)を据え置き。期末配当20円には、創立50周年の記念配当10円が含まれている。

 

(2)セグメント別業績予想

セグメント別売上高

19/3期

構成比

20/3期 予想

構成比

前期比

工業用ゴム事業

6,498

84.3%

6,706

85.8%

+3.2%

医療・衛生用ゴム事業

1,207

15.7%

1,104

14.2%

-8.6%

連結売上高

7,706

100.0%

7,810

100.0%

+1.3%

*単位:百万円

 

セグメント別売上高(中期事業分野別)

19/3期

構成比

20/3期 予想

構成比

前期比

車載・照明

3,154

40.9%

3,272

41.9%

+3.7%

医療・ライフサイエンス

1,227

15.9%

1,104

14.1%

-10.1%

その他

3,324

43.2%

3,434

44.0%

+3.3%

連結売上高

7,706

100.0%

7,810

100.0%

+1.3%

*単位:百万円

 

車載・照明セグメントでは、ASA COLOR LED、レンズ、シリコーン応用製品などの受注が増加する見込み。医療・ライフサイエンスセグメントでは、採血用・薬液混注用ゴム栓の旧タイプの終息の影響で減少する予想。その他セグメントでは、RFIDタグ用ゴム製品、自動車スイッチ用ゴムの受注が増加する計画となっている。

 

(3)四半期別会社計画

 

上期(19年4月~9月)

下期(19年10月~20年3月)

通期(19年4月~20年3月)

会社計画

構成比

前期比

会社計画

構成比

前期比

会社計画

構成比

前期比

売上高

3,707

100.0%

-6.1%

4,103

100.0%

+9.1%

7,810

100.0%

+1.3%

売上総利益

868

23.4%

-16.3%

1,091

26.6%

+25.3%

1,959

25.1%

+2.7%

営業利益

127

3.4%

-62.5%

337

8.2%

+132.2%

464

5.9%

-4.1%

経常利益

128

3.5%

-63.7%

338

8.2%

+116.6%

466

6.0%

-8.4%

当期純利益

88

2.4%

-62.9%

244

5.9%

+112.1%

332

4.3%

-5.8%

*単位:百万円

 

19年3?期後半の受注減少の影響が続き、上期は減収減益となる?通し。下期からの受注回復の見込みにより、下期は増収増益を予測、中期経営計画の営業利益率?標8%を達成できる見通し。

 

(4)主要製品の売上計画

 

19/3 実績

20/3 計画

増減率

前提・方針

ASA COLOR LED

2,917

3,035

+4.0%

・18/3期は、採??種の中国市場での販売好調により受注が増加も、19/3期は、この傾向が落ち着き、次の新規採?活動に注力。

医療用ゴム製品

1,179

1,065

-9.7%

・採血用・薬液混注?ゴム栓は新規受注製品を計画どおりに量産へと導く。

・独自コーティングのプレフィルドシリンジガスケットの開発や細胞培養などに向けた超薄膜シリコーンシートなど開発製品に取り組む。

卓球ラケット用ラバー

415

416

+0.1%

・これまでの主力製品と昨年スタートの新製品の受注が引き続き堅調に推移する?込み。

RFIDタグ用ゴム製品

898

1,018

+13.1%

・競合対応の新機種の投?による市場の拡?と採?増加による売上げ増を?込む。

*単位:百万円

 

(5)設備投資計画

設備投資計画

17/3 実績

18/3 実績

19/3

期初会社計画

設備投資

680

948

750

減価償却費

417

497

580

*単位:百万円

 

今期の設備投資計画7億50百万円の事業分野別内訳は、車載・照明分野2億30百万円、医療・ライフサイエンス分野1億70百万円、その他分野3億、共有・研究開発等50百万円。ASA COLOR LED、ASA COLOR LENS、プレフィルドシリンジガスケット処理設備など投資を計画。
また、法人別では、同社6億円40百万円、東莞朝日精密橡膠制品1億円、朝日FR研究所10百万円(研究開発)等が大きなもの。

 

(6)開発投資の推移

開発投資(販管費の研究開発費と知的財産費用及び開発に関する設備投資の合計) 

17/3 実績

18/3 実績

19/3 実績

20/3 会社計画

開発投資

192

263

263

265

連結売上比

3.0%

3.5%

3.4%

3.4%

*単位:百万円

 

第12次三ヵ年中期経営計画(V-2計画)どおり、同社各社において弾性無限への挑戦を推進し、ゴム技術・コア技術・製品力の成長に投資する。

 

(7)分野別成長戦略

同社の、20/3期の経営方針は、好奇心を高めて深化、進化、新化しよう。
経営戦略は、基礎力を鍛えて質を高めよう(深化)、より優れた価値に高めよう(進化)、新たな道へ挑戦しよう(新化)であり、分野別の成長戦略は以下の通りである。

 

車載・照明分野

開発製品

特徴・用途

ASA COLOR LED 自動車内装照明向け光源として、青色LEDに蛍光体を配合したシリコーン製ゴムキャップをかぶせることで10,000色以上の光を実現。

 

【深化】

●さらに色と光のばらつきを狭小化した調光製品の拡販。

●新薄型パッケージ製品投入。

【進化】

●IATF16949(自動車産業の国際的な品質マネジメント規格)の認証取得活動。

2019年 東莞朝日精密橡膠制品有限公司

2020年 白河工場

【新化】

●光と色の新たな価値提案に向けて埼玉大学との共同研究。

感性認知支援研究を継続(感性工学重視)

白色シリコーンインキ 照明器具の反射板に塗布することで光反射取り出し効率を高め、耐熱性、耐UV性に優れたシリコーン製インキ。

 

【深化】

●バックライト市場の省エネ、?寿命化に貢献。

【進化】

●JIS規格(JIS Z 8922 照明器具???シリコーンインキ塗膜)

? 取得を?かした差別化製品を開発。

ASA COLOR LENS 耐熱性、耐UV性に優れた光透過率94%の集光・拡散機能を持つシリコーン製レンズ。

 

【深化】

●素材?、光学設計技術?を?め、機能性樹脂製品とのさらなる差別化を狙う。

【進化】

●?動?エクステリア市場への新規参?。

 

医療・ライフサイエンス分野

開発製品

特徴・用途

プレフィルドシリンジガスケット あらかじめ薬剤が充墳された注射器に使?されるガスケット。

 

【深化】

●グローバル規格に準拠した豊富な量産実績で受注拡?へ。

? 規格値を?幅に下回る低溶出素材開発

? ?産能?増強で受注拡?

【進化】

●独?の表?改質技術で低摺動のコーティングを開発中。

超薄膜シリコーンシート 毒素の少ないメディカルシリコーンを使?した超薄膜のシリコーンシート。

 

【深化】

●他に類を?ない超薄膜成形技術を?かし、細胞培養や医療、分析機器?途へ

標準品を展開。

? 無溶剤で最薄15?の成形を実現

? 透明度が?く、顕微鏡による観察に最適

採血用・薬液混注用ゴム製品 輸液システムで薬液を混注するゴム製品。

 

【深化】

●輸液回路、?液回路に対応するメディカル素材や加?素材を開発。

【進化】

●採血用・薬液混注?ゴム製品の?部を?河第??場に移管し、増産に向けた準備を開始。

【新化】

●同社独?開発の医療回路製品を市場投?。

 

その他分野
ゴムの基礎技術を高めて機構部品を創造する。

開発製品

特徴・用途

卓球ラケット用ラバー 球を?速で弾く反発弾性、強烈なスピンをかける?摩擦抵抗などを追及した高性能、高品質の製品。

 

【進化】

●顧客と連携し、さらに機能を追求した新製品を開発。

RFIDタグ用ゴム製品 情報の読み書きを保存するICチップとアンテナ部をゴムで覆い、折り曲げに強く、耐水性、耐熱性に優れた柔らかい?型のタグ製品。

 

【進化】

●顧客と連携し、市場ニーズを満?する品質・機能を追求した次世代製品を市場

投入。

感圧ラバーセンサ 静電容量の変化により荷重を測定するセンサ。

 

【深化】

●IoTやロボットなどのインターフェースとして開発・提案。

【新化】

●即時評価を手助けする動作検証用の感圧ラバーセンサ用ドライブキットの

販売開始。

F-TEM

(Flexible Thermos Electrical Module)

電流極性の切替により冷却・加熱が可能な電?部品「ペルチェデバイス」を応?し、従来にないゴムならではの柔軟性のある熱伝導シートと組み合わせた製品。

 

【新化】

●サンプル出荷によるエビデンス取得活動を通じて市場参入目指す。

 

5.今後の注目点

同社の20/3期第1四半期決算は、前年同期比で7.6%減収、同56.8%営業減益の厳しい内容となった。顧客の在庫調整が続く中、前期から継続する将来に向けた投資による費用の増加が影響したものである。しかし、これは、期初から想定していたことであり、今第1四半期の営業利益は上期の計画に対し56.8%の進捗率と、上期の会社計画の達成に向けて順調に推移している。こうした中、明るい兆しも見え始めている。主力のASA COLOR LEDの受注が回復基調になってきたことに加え、採血用・薬液混注用ゴム栓において新製品への入替が進み、新たに投入した製品の受注が好調に推移していることなどである。今期の会社計画の達成に向けてどこまで貯金が作れるのか、続く第2四半期の業績動向が注目される。その鍵を握るのは、売上規模が大きく収益性も高いASA COLOR LEDとRFIDタグ用ゴム製品の受注状況と言えよう。今後回復傾向が強まるのか、ASA COLOR LEDとRFIDタグ用ゴム製品の動向が注目される。
また、同社は今期積極的に新製品の投入を予定している。自動車エクステリア市場へ新規参入するASA COLOR LENS、同社独自開発の医療用回路製品を市場投入する採血用・薬液混注用ゴム、顧客と提携し市場ニーズを満足する品質・機能を追求したRFIDタグ用ゴム製品の次世代製品、電流極性の切替により冷却・加熱が可能な電子製品「ペルチェデバイス」を応用し、ゴムならではの柔軟性のある熱伝導シートと組み合わせたF-TEMなどがその代表例である。今期投入予定の新製品の販売状況や採用状況についても期待を込めて注目していきたい。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態 監査等委員会設置会社
取締役 8名、うち社外2名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日: 2018年6月29日

 

「当社は、JASDAQ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。」と記載している。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づいて開示している主な原則>

原則

開示内容

【株主以外のステークホルダーとの適切な協働】

 

年二回行っている社内での方針説明会、また毎月全社員を対象に行っている月例報告会で、健全な事業活動倫理を尊重する精神について、様々な角度と表現で伝えています。また、地域の経済同友会などに加盟し、他企業と交流を深めることで情報収集を行い、社内に展開しております。

特に重視しているのは社内のオープンなコミュニケーションです。いろいろな意見を出せる環境、聞く環境を整えていくことで、ステークホルダーを尊重する企業風土を醸成していけると考えております。

【株主との対話】

 

当社WEBサイトで中期経営計画をわかりやすく公開しています。また、個人投資家向けのページでは、会社の目指す方向やトップメッセージなどを紹介しています。決算説明会は今期の重点施策について社長が直接説明し、当日の状況はWEBサイトにて動画配信しております。
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