ブリッジレポート:(6552) GameWith ゲーム紹介の増加で成長軌道への回帰目指す

2019/08/08
 

今泉 卓也 社長

株式会社GameWith(6552)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

サービス業

代表取締役社長

今泉 卓也

所在地

東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー20階

決算月

5月

HP

https://gamewith.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

576円

18,014,832株

10,377百万円

23.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

23.35円

24.7倍

183.30円

3.1倍

*株価は07/19終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

非連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年5月(実)

994

300

329

220

13.45

0.00

2017年5月(実)

1,598

657

654

465

28.39

0.00

2018年5月(実)

2,677

1,168

1,168

816

48.73

0.00

2019年5月(実)

3,148

808

807

686

39.12

0.00

2020年5月(予)

3,217

616

616

420

23.35

0.00

*予想は会社予想。単位は百万円、円。
*株式分割 2017年4月 1:50、2018年2月 1:2。EPSは遡及修正済み。

 

 

株式会社GameWithの2019年5月期決算の概要と2020年5月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年5月期決算概要
3.2020年5月期業績予想
4.中期事業戦略
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 19/5期は前期比17.6%の増収、同30.8%の営業減益。タイアップ広告の好調もあり、「ゲーム紹介」が同77.5%増と伸びた他、専属のゲームタレントがYouTube上で行う「動画配信」も同61.1%増加。ゲーム業界全体がヒット作に恵まれない中、運用広告の広告単価改善で「ゲーム攻略」も前期並みの売上を確保した。利益面では、中期事業戦略に基づく人材関連費費用の増加が負担になった。 
  • 20/5期予想は前期比2.2%の増収、同23.7%の営業減益。「ゲーム攻略」は前期4QのPV数を前提に前期比減収を見込むが、「ゲーム紹介」の売上高が伸びる他、「動画配信」も堅調な推移が見込まれる。ただ、「ゲーム攻略」の売上の落ち込みで売上総利益率が悪化する中、前期に実施した増員に伴う人件費の増加等、人材関連費用を中心にした営業費用の増加が負担になる。 
  • 19/5期の「ゲーム攻略」の売上の落ち込みは想定外だったと言う。ただ、その要因である主要3タイトルのPV数の減少は、同社がシェアを落とした訳ではなく、主要3タイトルの攻略情報に対するニーズ自体が減少したためだ。19/5期の苦戦で、中期事業戦略の目標としている21/5期に売上高55億円、営業利益20億円を達成するためのハードルが高くなったが、同社は「ゲーム紹介」の領域を伸ばす事で達成したい考え。20/5期は「ゲーム攻略」の減少をアプリとプロモーションの強化による「ゲーム紹介」の増加で吸収して前期比増収を目指している。想定通りに「ゲーム紹介」を伸ばす事ができれば、中期事業戦略の達成に関わらず、成長軌道への回帰が見えてくる。 

1.会社概要

ゲーム情報メディア「GameWith」の運営・管理を行うメディア事業を展開。「GameWith」はゲーム攻略情報、ゲームのレビュー、コミュニティ機能並びに動画配信等のコンテンツを提供。ゲームに必要な記事や機能を提供する事でユーザーを集客し、広告枠を広告主に提供する事で収益をあげている。

 

Mission  ゲームをより楽しめる世界を創る“Create a more enjoyable gaming experience”
ゲームに熱中し、ゲームで繋がり、ゲームを仕事にして誇れる。そんな「ゲームをより楽しめる世界」を、私たちGameWithが創り出していく。

 

Vision  世界のゲームインフラになる
ゲームをプレイするユーザーにとっても、ゲームを開発するメーカーにとっても、GameWithがいなければ提供できない体験や価値を提供し、ゲームを楽しむことに関わる全ての人たちのインフラのような存在になっていく。メディア事業にとどまることなく、ゲームをより楽しむための、あらゆる事業領域に進出していく。

 

1-1 事業内容

ゲーム情報メディア「GameWith」を通してゲームに必要な記事や機能を提供する事でユーザーを集客すると共に、広告枠を広告主に提供する事で収益化している。インターネット広告市場は高い成長を続けており、またスマートフォンにおける広告市場も高い成長が続いている。

 

国内Webサイト合計訪問数ランキング

 

国内Webサイト合計訪問数 国内39位

 

国内1位 : 検索サイトG

国内2位 : ポータルサイトY

国内4位 : 動画サイトY

 

ゲームメディア〇〇〇〇〇〇国内1位

 

(同社資料より)

 

1-2 事業領域
事業領域は、ゲームを有利に進めるための情報を提供する「ゲーム攻略」、ゲームを探すための情報を提供する「ゲーム紹介」、専属のゲームタレントがYouTube等でゲームの実況動画を配信する「動画配信」、eスポーツ、ブロックチェーンゲーム、マンガ等の「新規事業」、の4領域に分かれる。

 

ゲーム攻略
主にスマートフォンゲーム等の攻略記事やゲーム会社からの受託による攻略記事の作成及びメディア掲載(ゲーム情報メディア「GameWith」上への掲載)やゲーム会社から受託した攻略サイトの運営代行を行っており、メディアの広告収入やサイトの運営代行に伴う収益を計上している。人気ゲームの上位ランカーをライターとして採用・教育し、組織的に記事作成を行う事で、イベントに素早く対応し、正確な記事を高頻度で更新する仕組みを構築。ゲーム内でのイベントやアップデー卜に合わせて夕イムリーに記事を提供している。

 

ゲーム紹介
利用者が新たにゲームを始めるきっかけとなるゲームの紹介記事・動画の作成及びGameWith・YouTubeといったメディアでの公開を行っており、メディアの広告収入を収益計上している。新作ゲームの情報が発表されると同社所属のライターがレビュー記事を作成する(自社スタジオで動画制作も行い、よりゲームの良さが伝わりやすいレビュー記事が作成される)。また、ゲームの紹介記事の他、速報性に優れた同社独自のランキング情報や網羅的なゲームのデータベースも提供している。

 

動画配信
リアルタイムでのゲームプレイ動画の配信や動画ならではの魅力的なコンテンツの企画・運営を行っている。動画出演者は同社所属の攻略情報のライターからの選出や専属マネジメント契約を締結したクリエーター。2016年9月から動画中に広告を挿入する事で広告収入を得ている他、動画出演者が、ゲームのプロモーションだけでなく、商品の販売促進を行うサービスも広告商材として販売している。

 

新規事業
eスポーツ、ブロックチェーンゲーム、イベント制作、マンガ等、新規事業の育成に取り組んでいる。eスポーツでは、リアルタイム対戦型モバイルカードゲーム等のeスポーツチームを組成しリーグ戦に参戦しており、コンシューマー格闘ゲームでは同社所属の選手が世界的な格闘ゲーム大会への出場実績を有する。ブロックチェーンゲームでは、出資先のCryptoGames社がブロックチェーンゲーム「CryptoSpells」を配信している他、同社自身も2019年内のリリースを目指して「EGGRYPTO」(エグリプト)の開発を他社と共同で進めている。この他、オンラインだけでなく、リアルの場でも「ゲームをより楽しめる世界を創る」というMissionの実現を目指して、イベント制作にも取り組んでいる。

 

ゲーム情報メディア「GameWith」を介した広告収入
同社はコンテンツを提供するなかで、広告主または広告代理店に対して、アドネットワーク等を利用した「ネットワーク広告」または「タイアップ広告」として広告枠を販売する事等で収益を得ている(アドネットワークとは、広告媒体のWebサイ卜を多数集めて形成される広告配信ネットワークの事)。

 

ネットワーク広告は、「GameWith」のインターネット広告枠、攻略情報アプリ内の広告枠、及び動画配信を行う際の広告枠を、アドネットワークを通して販売する事で広告収入を得るもの。一方、タイアップ広告は広告主となるゲーム会社との相対の交渉の下で行う広告であり、アプリゲームの認知度向上やユーザーの定着率向上等を目的としたプロモーションの一環としてゲーム会社は同社に広告を発注する。

 

1-3 主要商材と事業領域の関係性

(同社資料より)

 

2.2019年5月期決算概要

2-1 非連結通期業績

 

18/5期

構成比

19/5期

構成比

前期比

期初予想

予想比

売上高

2,677

100.0%

3,148

100.0%

+17.6%

3,154

-0.2%

売上総利益

1,811

67.7%

1,801

57.2%

-0.6%

 -

販管費

643

24.0%

992

31.5%

+54.3%

 -

営業利益

1,168

43.6%

808

25.7%

-30.8%

905

-10.7%

経常利益

1,168

43.6%

807

25.7%

-30.9%

904

-10.7%

当期純利益

816

30.5%

686

21.8%

-15.9%

623

+10.1%

*単位:百万円

 

前期比17.6%の増収、同30.8%の営業減益
売上高は前期比17.6%増の31億48百万円。広告主となるゲーム会社との相対の交渉の下で付加価値の高い広告枠を制作し同社サイトで提供するタイアップ広告の好調もあり、「ゲーム紹介」が伸びた他、専属のゲームタレントがYouTube上で行う「動画配信」も増加。eスポーツやブロックチェーンゲーム等が含まれるその他の売上も増加したが、アドネットワーク(運用広告)が中心の「ゲーム攻略」が横ばいにとどまった。「ゲーム攻略」は広告単価が改善したものの、ゲーム業界全体がヒット作に恵まれない中、ページビュー数が減少した。

 

営業利益は同30.8%減の8億08百万円。中期事業戦略に基づき実施した戦略投資(新規事業、海外展開及び組織・人材戦略に係る総費用)に伴い、人材関連費費用が増加(9億70百万円→16億11百万円)する等、営業費用が23億40百万円と同55.2%増加した。
経常利益も8億07百万円と同30.9%減少したものの、消費税の課税区分見直しに伴う還付消費税等1億60百万円を特別利益に計上したため(第4四半期は還付消費税等84百万円を売上高にも計上した)、当期純利益は6億86百万円と同15.9%の減少にとどまった。消費税の課税区分見直しとは、海外法人との取引に関する消費税の取扱いに関する課税区分の見直しであり、過去にさかのぼって消費税の還付を受けた(当期分84百万円は第4四半期に売上に計上した)。

 

領域別売上高(概算値)

 

18/5期

構成比

19/5期

構成比

前期比

ゲーム攻略

2,116

79.0%

2,116

67.2%

+0.0%

ゲーム紹介

342

12.8%

607

19.3%

+77.5%

動画配信

167

6.2%

269

8.5%

+61.1%

その他

51

1.9%

154

4.9%

+202.0%

売上高合計

2,677

100.0%

3,148

100.0%

+17.6%

*単位:百万円
*上記領域別売上高は百万円単位の四半期売上高の合計(概算値)。このため、構成比、前期比を含め、実際の数値と異なる可能性があります。

 

営業費用(概算値)

 

18/5期

対売上比

19/5期

対売上比

前期比

人材関連費用(*)

970

36.2%

1,611

51.2%

+66.1%

地代家賃

179

6.7%

238

7.6%

+33.0%

サーバー利用料

60

2.2%

88

2.8%

+46.7%

減価償却費

23

0.9%

22

0.7%

-4.3%

増床費用及び株主優待

16

0.6%

10

0.3%

-37.5%

その他

260

9.7%

371

11.8%

+42.7%

営業費用合計

1,508

56.3%

2,340

74.3%

+55.2%

人員数(人)

188

 

242

 

+28.7%

*単位:百万円。18/5期営業費用の内訳は概算値のため、18/5期対売上比及び19/5期前期比を含め、実際の数値と異なる可能性があります。
*人材関連費用=人件費+株式報酬費用+外注費+人材採用費及び人材育成費

 

2-2 非連結第4四半期業績

 

18/5-1Q

2Q

3Q

4Q

19/5-1Q

2Q

3Q

4Q

前年同期比

前四半期比

売上高

671

614

666

725

761

813

753

819

+13.0%

+8.8%

売上総利益

483

409

452

467

473

493

391

442

-5.3%

+13.1%

販管費

135

131

154

220

229

233

277

252

+14.2%

-9.1%

営業利益

347

277

297

246

244

259

113

190

-22.7%

+67.2%

経常利益

345

276

297

248

242

259

113

191

-22.9%

+69.7%

四半期純利益

246

197

212

159

170

178

68

268

+68.7%

+289.4%

売上総利益率

72.0%

66.5%

67.9%

64.4%

62.2%

60.6%

51.9%

54.0%

販管費率

20.2%

21.4%

23.2%

30.5%

30.1%

28.7%

36.8%

30.8%

 

第4四半期は前四半期比67.2%の増益
第4四半期(3-5月)の売上高は8億19百万円となり、前年同期比、前四半期比共に増加。前年同期比では、ゲーム攻略の売上が同13.1%減少したものの、ゲーム紹介が47.6%増と大きく伸びた他、動画配信も期を通して増収基調で推移した。消費税の課税区分見直しに伴う影響額84百万円を売上計上したが、前年同期比では、この影響を除いても増収である。
営業利益は1億90百万円。前年同期比では戦略投資が負担となり22.7%減少したものの、前四半期比では67.2%増加した。消費税の課税区分見直しに伴う影響額を売上計上した事もあるが、採用がピークアウトした事と人材関連費用を中心にコストの見直しを進めた事で全体のコストが前四半期比減少した。人員数は前四半期から6名の純増にとどまり、人員増加率は低下傾向にある。

 

 

 

2-3 ゲーム攻略PV数・PV単価の概況

*各四半期の月間平均PV数を算出して掲載
*広告運用体制を構築した2017年1月次の月間平均PV単価を基準値100として相対値を算出
*2019年5月期第2四半期から海外分をPV数とPV単価指標に算入

 

四半期毎月間平均PV(ページビュー)単価指標は、引き続き高い水準を維持しているものの、四半期毎月間平均PV数は減少傾向が続いており、19/5期第4四半期は5.5億PVにとどまった。ゲーム攻略のうちPV数が多い主要3タイトルのPV数が下落傾向にあった事がPV数減少の主な要因。これまでスマートフォンゲームの中でのトップタイトルにPV数を大きく依存していたが、トップタイトルの攻略ニーズが、この半年で大きく減少した。いずれも、運営してから5年、6年が経過しているタイトルであると言う。ただ、期末にかけて下げ止まり、底打ち感が出てきた。一方、主要3タイトル以外のタイトルは堅調に推移している。今後は主要タイトル以外も含めてPV数全体の回復を目指す。

 

*2018年6月時点のゲーム紹介関連PV数を除くPV数を基準値100として相対値を算出
*主要3タイトルは、2018年6月時点での月間PV数上位3タイトルを表す

 

2-4 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

18年5月

19年5月

 

18年5月

19年5月

現預金

2,414

2,708

未払金

65

70

売上債権

362

341

未払費用

84

103

流動資産

2,817

3,310

未払法人税等

265

70

有形固定資産

84

94

負債

636

463

投資その他

279

360

純資産

2,544

3,302

固定資産

363

454

負債純資産合計

3,181

3,765

*単位:百万円

 

期末総資産は前期末との比較で5億84百万円増の37億65百万円。借方では、現預金、敷金が増加し、貸方では、利益剰余金が増加した。同社は、流動性に富み、かつ財務の安定性に優れた財務体質を有し、現預金が総資産の71.9%(前期末75.9%)を占め、自己資本比率87.7%(同80.0%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

18/5期

19/5期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

951

341

-609

-64.1%

投資キャッシュ・フロー(B)

-174

-116

+57

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

776

224

-552

-71.1%

財務キャッシュ・フロー

302

69

-232

-76.9%

現金及び現金同等物期末残高

2,414

2,708

+294

+12.2%

*単位:百万円

 

税前利益の減少と税金費用を含めた運転資金の増加で営業CFが減少したものの、2億24百万円のフリーCFを確保した。投資CFは、設備投資、投資有価証券取得、敷金等で、財務CFは新株予約権の行使による。

 

参考:ROEの推移

 

15/5

16/5

17/5

18/5

19/5

ROE

21.31%

25.96%

39.04%

41.12%

23.48%

 売上高当期純利益率

24.22%

22.18%

29.43%

30.48%

21.79%

 総資産回転率

0.78回

0.96回

1.05回

1.07回

0.91回

 レバレッジ

1.14倍

1.21倍

1.27倍

1.26倍

1.19倍

*ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残

 

3.2020年5月期業績予想

3-1 非連結業績

 

19/5期 実績

構成比

20/5期 予想

構成比

前期比

売上高

3,148

100.0%

3,217

100.0%

+2.2%

営業利益

808

25.7%

616

19.2%

-23.7%

経常利益

807

25.7%

616

19.2%

-23.7%

当期純利益

686

21.8%

420

13.1%

-38.7%

*単位:百万円

 

前期比2.2%の増収、同23.7%の営業減益
売上高は前期比2.2%増の32億17百万円。「ゲーム攻略」は前期第4四半期のPV数を前提に前期比減収を見込むが、「ゲーム紹介」の売上が伸びる他、「動画配信」も堅調な推移が見込まれる。

 

営業利益は同23.7%減の6億16百万円。「ゲーム攻略」の売上の落ち込みで売上総利益率が悪化する中、前期に実施した増員に伴う人件費の増加を中心に営業費用が増加する。尚、今後、大幅な増員の計画はない。

 

営業費用(概算値)

 

19/5期 実績

対売上比

20/5期 予想

対売上比

前期比

人材関連費用

1,611

51.2%

1,752

54.5%

+8.8%

地代家賃

238

7.6%

269

8.4%

+13.0%

サーバー利用料

88

2.8%

104

3.2%

+18.2%

その他

403

12.8%

476

14.8%

+18.1%

営業費用合計

2,340

74.3%

2,601

80.9%

+11.2%

*単位:百万円

 

3-2 経営体制の強化

2019 年8月21 日開催予定の第6回定時株主総会を経て正式な承認になるが、新たに社内取締役1名、社外取締役1名が就任し、取締役5名の経営体制に移行する。社内からは、執行役員経営企画室長を務めた伊藤修次郎氏が就任し、管理部門全体を管掌する。社外からは、ファミ通グループ代表を務め、日本eスポーツ連合副会長でもある濵村弘一氏。濵村氏が持つゲーム会社とのネットワークを活用して「ゲーム紹介」やeスポーツ事業の成長を加速させていく。

 

(同社資料より)

 

4.中期事業戦略

【MissionとVision】

Mission : ゲームをより楽しめる世界を創る “Create a more enjoyable gaming experience” 
ゲームに熱中し、ゲームで繋がり、ゲームを仕事にして誇れる。そんな「ゲームをより楽しめる世界」を創り出していく事をミッションとしている。このため、同社の全ての事業がゲームをより楽しめる世界につながっており、現状では、ゲームにかかわらない事業領域に展開していく予定はない。

 

Vision : 世界のゲームインフラになる
ゲームをプレイするユーザーにとっても、ゲームを開発するメーカーにとっても、GameWithがいなければ提供できない体験や価値を提供し、ゲームを楽しむことに関わる全ての人たちのインフラのような存在になっていく。そのためには、メディア事業にとどまることなく、ゲームをより楽しむための、あらゆる事業領域に進出していく。
これまで国内のメディア事業に注力してきたが、「世界のゲームインフラになる」というビジョンを実現するため、海外に展開し、そのスピードを加速させる。また、メディア以外への展開も進める。例えば、eスポーツやブロックチェーンゲーム等、ゲームに関する様々な事業領域に展開していく考え。

 

4-1 中期事業戦略の概要

同社は、国内メディア事業の売上創出・収益化に取り組み、ゲーム攻略・ゲーム紹介・動画配信等、メディア事業を軸にビジネスモデルを確立した。中期事業戦略では、上記ミッションの下でビジョンを実現するべく、既存事業の収益を拡大させつつ、海外展開を加速すると共に新規事業領域の創出に取り組んでいく。

 

既存事業での収益拡大 : ゲーム攻略に次ぐ、第二の柱の創造に向けてゲーム紹介に注力
海外展開の加速 : 英語圏を中心に海外展開を加速
新規事業領域への挑戦 : 既存事業以外の、様々なゲーム関連領域に展開

 

第二の柱の創造に向け、「ゲーム紹介」に注力
「ゲームを始めるきっかけを作る」ことを提供価値とした「ゲーム紹介」の育成が既存事業拡大戦略の中核であり、ゲーム攻略を超える第二の収益の柱として育成していく。

 

この一環として、事業の軸足をWebからアプリにシフトさせる。既にアプリは提供済みだが、これまでは攻略アプリとしての側面が強かった。今後はアプリのメインを「ゲーム紹介」に置き、広告宣伝費を投下して、ゲームを探しているユーザーを誘導する。ゲーム会社の広告出稿を基に、ゲームを宣伝したい企業とゲームを探しているユーザーのマッチングをアプリで実現する。これまでは、プロモーションをせず、Webで、“おすすめゲーム”等の検索を通して集客し、「ゲーム紹介」の売上につなげていたが、「ゲーム紹介」の領域はオーガニックな集客だけでは限界があった。加えて、Webでは獲得したユーザーをストックできない。このため、アプリを改修して、アプリで獲得したユーザーをストックしていく。ゲームをする時は、必ずGameWithのアプリを開いて、ゲームを始めてもらう。いわゆるゲームに関する第一想起のポジションを取りに行く事で、「ゲーム紹介」を拡大させていく。

 

広告宣伝費を投下して集客するような経験がないため、20/5期は広告宣伝費を投下して、その効果を検証する。先ず、Webのプロモーションを中心に効果検証を行い、効果が見えてきた段階でプロモーションを組んで伸ばしていく考え。

 

英語圏を中心に海外展開を加速
海外展開については、英語版GameWithが2018年7月のリリースから1年が経過した。体制面で課題が残っている事に加え、扱っているタイトルが主にテレビゲーム(コンソール)のタイトルである事も課題である。国内の攻略サイトはスマホゲームであり、継続性のある運用型のゲームだが、コンソールタイトルの場合、ゲームをクリアしてしまうとトラフィックが急減する。集客に成功してトラフィックが増えても、概ね1週間~2週間で急減すると言う。高い水準のトラフィックを維持するためには、検索結果で勝ち続ける必要がある。ページビュー数は1,300万PVを超えたが、未だ発表できるような段階ではないようだ。体制については、PDCAを回しているところだ。

 

様々なゲーム関連領域に展開
eスポーツチーム運営
現在、3チームを運営している。その一つである「クラッシュ・ロワイヤル」(フィンランドSupercell Oy社が提供するリアルタイム対戦型モバイルカードゲーム)部門のチームが、「クラッシュ・ロワイヤル」の公式リーグに参戦しており、韓国・ソウルで開催されたアジアリーグ(2019年4月25日~6月29日)を突破し、7月に中国・西安で開催される国際的なeスポーツ競技大会「World Cyber Games」の出場権を獲得した。

 

「FORTNITE」(米Epic Games社が提供するバトルロイヤルゲーム)部門では、同社所属のNephrite(ネフライト)選手が参戦しており、YouTubeで配信している実況プレイ動画の再生回数が順調に伸びている。チャンネル登録者数が約7.5万人を数える等、動画配信サイトは好調だ。大会での実績は今一つだが、ファンの獲得に関しては成功していると言う。

 

この他、コンシューマー格闘ゲーム部門において、同社所属のZackray(ザクレイ)選手が、2月に米国・オークランドで開催された世界的な格闘ゲーム大会「Genesis 6」で世界Best 5に入賞した。この8月に米国・ラスベガスで開催される国際格闘ゲーム大会「EVO Championship Series」に出場する予定である。

 

(同社資料より)

 

イベント制作
昨今、ゲーム会社によるeスポーツ大会やオフラインのイベントが増えている。同社はオンラインだけでなく、リアルの場でも「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションの実現を目指しており、この一環としてイベントの制作受託を開始した。19/5期は全国10都市で開催する「Shadowverse(シャドウバース) ES地方大会」(5月~7月)のイベント制作業務を受託し、各会場でのイベントが盛況のうちに終わった。「Shadowverse」は株式会社Cygames(東京都渋谷区、代表取締役社長:渡邊耕一)が開発・運営を手掛けるスマホeスポーツである。

 

ブロックチェーンゲーム「EGGRYPTO」
同社初のブロックチェーンゲーム「EGGRYPTO」(エグリプト)を他社と共同開発中である。同ゲームはベーシックなRPGで、レアなキャラクターをブロックチェーンで管理するゲームだ。今春のリリースを予定していたが、クオリティを上げるべくリリース時期を延期した。2019年内のリリースを予定している。

 

ブロックチェーンゲーム「CryptoSpells」
出資先のCryptoGames株式会社(東京都世田谷区、代表取締役社長:小澤孝太)がブロックチェーンゲーム「CryptoSpells(クリプトスペルズ)」を6月にリリースした。「CryptoSpells」はTCG(トレーディングカードゲーム)型ブロックチェーンゲーム。リリース後初日のゲーム内通貨の売上高累計が600ETHを超える等、順調な立ち上がりとなった。

 

5.今後の注目点

19/5期の「ゲーム攻略」の売上の落ち込みは想定外だったと言う。ただ、その要因である主要3タイトルのPV数の減少は、同社がシェアを落とした訳ではなく、主要3タイトルの攻略情報に対するニーズ自体が減少したためだ。19/5期の苦戦で、中期事業戦略の目標としている21/5期に売上高55億円、営業利益20億円を達成するためのハードルが高くなったが、同社は「ゲーム紹介」の領域を伸ばす事で達成したい考え。
「ゲーム紹介」については、これまでも、Webを中心にサービスを提供してきたが、基本的には検索エンジンで検索しないとアクセスする事が難しく、ゲームに対してリテラシーが高く、前のめりな人しか使わないサービスだったと言う。このため、アプリの機能を強化すると共にプロモーションをかけてゲームに関する“GameWith”の第一想起を取りに行く。「ゲームをしたい時に先ずGameWithを開く」という認知を取る事であり、飲食店であれば、「食べログ」、美容室であれば「ホットペッパービューティー」といったイメージの定着を目指す。
20/5期はアプリとプロモーションの強化により「ゲーム紹介」を伸ばし、「ゲーム攻略」の減少をカバーして前期比増収を目指している。想定通りに「ゲーム紹介」を伸ばす事ができれば、成長軌道への回帰が見えてくる。

 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査役会設置会社
取締役 3名、うち社外1名
監査役 3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2018年08月23日)
基本的な考え方
当社は、「ゲームをより楽しめる世界を創る」というミッションのもと、ゲームに携わる全ての人や企業にとって最適な環境を作る事業運営体制の構築に向け、健全性と透明性が確保された迅速な意思決定を可能とする体制の整備を進めるとともに、コンプライアンスの徹底やリスク管理を含めた内部統制の強化を図っております。これらの取組みを通じて、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を目指し、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則の全てを実施しています。

 

<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、取引・協業関係の維持・拡充のための手段として、他社の株式を取得・保有する場合があります。当該保有に関しては、企業価値向上につながることを政策保有方針の基本とし、発行会社と当社事業における中長期の協力関係の維持・強化、取引関係等の円滑化及び事業機会の創出・発展に資する可能性から判断します。政策保有株式の議決権の行使については、(1)発行会社が当社の政策保有方針に適う目的・事業を有していること、(2)企業活動の適時かつ適切な情報開示を行っていること、(3)持続的な成長につながる事業基盤を有していることなどを総合的に勘案し、議案の内容と中長期的な企業価値の向上について検討し、「職務権限規程」に定める然るべき決裁者が賛否を判断します。

 

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、当社の取締役が利益相反の疑義がある取引を行う際は、法令及び取締役会規則に則り取締役会の承認を得ることにより、適切に監視しております。なお、利益相反の疑義がある取引を実行した場合には、法令の定めに基づき、重要な事実を適切に開示します。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、企業価値の持続的成長を目的とし、株主とのより強固な信頼関係を構築するため、コーポレート・ガバナンス、経営戦略、資本政策、業績・財務状況、サービス内容とそのリスク等について、中長期的な視点から、株主との建設的な対話を継続する体制を整備しています。
- 株主との対話は、代表取締役社長による統括のもと、個別面談については実施責任者である経営戦略室長が、面談の目的と効果、株主の属性などを考慮の上、代表取締役社長等の参加も含め、対応者と対応方法を検討、実施しております。
- IR担当者は、事業部門や管理部門をはじめとする社内各部門から必要情報を収集するとともに、緊密な社内連携を通じて、わかりやすい説明を工夫し、株主との対話を充実させています。
- 当社は株主の皆様に、当社の経営方針、コーポレート・ガバナンス、戦略、事業の現状などについて、理解を深めていただく活動を継続しています。
- 機関投資家との対話としては、個別面談の他、半期毎の決算説明会を適宜開催しております。また、ホームページの株主・投資家向け専用ページを通して、これらのイベント情報を個人投資家へも開示するとともに、個人投資家向けの会社説明会も開催しています。
- 株主との対話を通して把握した株主の関心や懸念などは、部室長以上の経営幹部に随時報告し、経営分析や情報開示のあり方の検討などに生かしております。
- 株主との対話においては、社内規則の定めるところに従い、インサイダー情報を適切に管理しております。
- 当社では決算情報に関する対話を控える「沈黙期間」を設定しております。

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。