ブリッジレポート:(8793)NECキャピタルソリューション

2019/07/11

 

 

今関 智雄 社長

NECキャピタルソリューション株式会社(8793)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

その他金融業(金融・保険業)

代表取締役社長

今関 智雄

所在地

東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟

決算月

3月末日

HP

https://www.necap.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,751円

21,533,400株

37,704百万円

7.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

60.00円

3.4%

301.86円

5.8倍

4,131.64円

0.4倍

*株価は5/20終値。発行済株式数は直近決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2012年3月

232,760

8,096

8,375

3,847

178.68

44.00

2013年3月

229,204

9,132

9,350

4,301

199.77

44.00

2014年3月

228,262

16,067

16,478

5,009

232.63

44.00

2015年3月

213,853

6,043

4,733

2,816

130.81

44.00

2016年3月

202,637

4,870

6,031

3,334

154.85

44.00

2017年3月

215,718

6,024

6,537

3,517

163.35

44.00

2018年3月

231,432

12,674

13,455

6,006

278.93

50.00

2019年3月

204,131

8,929

8,900

6,391

296.81

55.00

2020年3月(予)

210,000

10,000

10,000

6,500

301.86

60.00

*予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

NECキャピタルソリューション株式会社の2019年3月期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年3月期決算概要
3.2020年3月期業績見通し
4.中期計画2017の進捗状況
5.今関社長に聞く
6.今後の注目点
<参考1:中期計画2017について>
<参考2:コーポレートガバナンスについて>

 

 

今回のポイント

  • 19年3月期の売上高は、前期比11.8%減の2,041億円。前期にあったヘルスケア関連の売却、リサ事業のファンドビジネス等、大型案件の影響で減収となった。この大型案件の影響および、為替評価、与信コストの影響等により経常利益は同33.9%減の89億円。為替評価や与信コストの影響(合計約20億円)を除けば前年水準を確保した。当期純利益は2期連続で過去最高を更新。この実績を踏まえ、配当性向も勘案し、配当を50円/株から55円/株に修正した。 
  • 20年3月期の売上高は前期比2.9%増の2,100億円、経常利益は同12.3%増の100億円の予想。前期2期連続で過去最高を更新した当期純利益は同1.7%増の65億円で連続して最高を更新する見込み。主力の賃貸・割賦事業で営業資産の積み上げが進み、売上総利益が下げ止まり傾向にある。他セグメントも堅調な推移を見込んでいる。配当は前期比5円/株増配の60円/株の予定。予想配当性向は19.9%。 
  • 前期に大型案件があった関係で減収・減益となったが、当期純利益は過去最高を更新、同社の収益のベースとなる営業資産残高も着実に拡大した。中計最終年度となる今期、経常利益100億円、当期純利益65億円という予想に対し、どれだけ積み上げを行っていくことができるかを注目したい。 

1.会社概要

NECグループに属する金融サービス会社。リースを中心とした賃貸・割賦事業が売上のおよそ8割を占める。官公庁・自治体に強みを持つNECとの関係をベースとした安定した事業基盤、ICTと金融の融合などが大きな特長・強み。事業そのものが社会的価値を創造すると共に、企業として求めるべき経済的価値も創出するCSV経営を目指す。

 

【1-1 沿革】

1978年11月にNECグループの金融サービス会社として設立される。(社名:「日本電気リース株式会社」)
1996年3月には稼動資産残高(購入価格ベース)が1兆円を突破した。
2005年2月に東京証券取引所市場第二部に上場し、2006年3月には東京証券取引所市場第一部銘柄として指定された。
2008年11月に社名を「NECキャピタルソリューション株式会社」に変更。
2010年12月に「株式会社リサ・パートナーズ」を子会社化し、リサ事業をスタート。
2012年4月に社会イノベーションに多大な価値を提供する可能性のあるベンチャー企業に投資を行う「イノベーティブ・ベンチャー投資事業有限責任組合」を設立。
同年10月に香港法人「日本電氣租賃香港有限公司」を設立したのを皮切りに、シンガポール、マレーシア、タイにも子会社を設立し海外展開を積極的に推進している。

 

【1-2 経営理念など】

企業理念

私たちは「Capital Solution」を通してより豊かな社会の実現に貢献します。

 

従業員全員が企業理念に基づくそれぞれのミッション、バリュー、ビジョンを明確に捉え、顧客の信頼に足るベストパートナーを目指している。

 

また、同社では以下のようなグループビジョンを2013年10月に制定した。
今後10年間にわたり、グループで共有して目指す方向性であり、ありたい姿を文言化したもの。
同社を取り巻く外部環境及び内部環境は絶えず変化する事が予想されるが、どんな変化に対しても事業展開がぶれないよう、同社の拠り所とするものである。

 

グループビジョン お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー
  社会価値向上

 

お客様と共にCSV(Creating Shared Value)経営を実践することで、社会価値向上を目指します。

 

グローバルに

 

日本のみならずアジア地域を中心に、海外進出するお客様、現地のお客様に対し、サービスを提供します。

 

サービス・カンパニー

 

お客様が抱える課題を解決するために、より質の高いサービスの提供を目指します。

(サービスとは、当社における金融サービス、ICT周辺サービスの総称)

 

このグループビジョンでは、事業そのものが社会的価値を創造すると共に、企業として求めるべき経済的価値も創出するCSV(Creating Shared Value)の概念に基づく経営を目指すという方向性を打ち出した。

 

近年、企業が永続的に存在するためには、より豊かな社会の創造に貢献する社会価値を創造することが求められるようになっており、同社もCSV経営という考えを中心に据えて、10年後のありたい姿を明確にし、持続的な成長を目指していきたいと考えている。

 

同社はこれまでもCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を強く意識した事業展開を行ってきた。
リース事業が循環型産業であることにいち早く着目し、リース満了品の3R(リデュース、リユース、リサイクル)処理や環境に配慮した機器をリースする「エコリース」の拡販に取り組んできたのはその一例。
また同社が得意とする官公庁向けのビジネスでは、社会インフラ構築そのものの支援をしている。
このような素地を足掛かりに、CSRから一歩進んで、事業そのものを通した社会価値の向上に貢献していきたいと考えている。

 

【1-3 市場環境など】

◎リースの仕組み
同社の売上の大半を占める「リース取引」の仕組みは以下のとおり。

 

プレーヤーは以下の3者。

賃借人(ユーザー) リース契約に基づき、物件を借り、使用し、対価としてリース料を支払う。
賃貸人(リース会社) 賃借人が希望する物件を調達し、貸与し、対価としてリース料を受け取る。
サプライヤー(メーカー等) 対象物件を賃貸人に販売する。

日本では、リース会計基準により、リース取引は「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2つに区分される。

 

<ファイナンス・リース>
以下の2要件を満たすリースを指す。
①リース期間の中途での解約が禁止されている。(中途解約禁止)
②物件金額と付随費用(賃貸人の調達金利、税金、保険、手数料など)合計が、リース料で概ね全額(90%以上)回収されること(フルペイアウト)。つまりリース料総額は「物件金額+付随費用」となる。
ユーザーには、事務管理の省力化、コスト削減、多額の初期費用が不要など様々なメリットが生じる。

事務管理の省力化、コスト削減 機器等をユーザー自身で購入・所有する場合、資金調達、動産保険の契約、減価償却費の計算、固定資産税の申告等の事務管理が発生するが、リースを利用した場合は、月々のリース料を支払うだけで、諸手続きをユーザーが行う必要が無い。
コスト把握が容易 支払は月々のリース料に一本化され、設備投資にかかった費用を容易に管理することができる。
多額の初期費用が不要

 

リース料はリース期間内で原則定額。初期費用として多額の資金を用意する必要がない。
陳腐化に弾力的に対応

 

リース期間は、ユーザーの設備使用予定期間に合わせて一定の範囲内で設定することができ、設備の陳腐化に柔軟に対応が可能。

 

ファイナンス・リース取引は、さらに、「所有権移転外ファイナンス・リース」と「所有権移転ファイナンス・リース」に区分される。
「所有権移転ファイナンス・リース」は譲渡条件付きリース、購入選択権付リース、特別仕様物件のリースの3つで、限定的。
「所有権移転外ファイナンス・リース」は、「所有権移転ファイナンス・リース」以外のファイナンス・リースで、ファイナンス・リースの大部分は「所有権移転外ファイナンス・リース」となる。

 

<オペレーティング・リース>
ファイナンス・リース以外のリースのこと。
つまり、上の2要件のうち両方、もしくはいずれかを満たさないリース。
通常は「②フルぺイアウト」の要件を満たさない仕組みのリースである。
将来価値が見込まれる機器や設備に関し、その価値をあらかじめ見込んだリーススキーム。

 

オペレーティング・リースを行う場合は、まずリース終了時点におけるリース物件の中古物件価値(残存価額)を見積もり、物件金額から残存価額を差し引いた金額をベースにしてリース料を設定する。
残存価額は、ユーザーがオペレーティング・リース取引を希望する物件について、リース会社が「中古市場の有無や動向」、「経済情勢」、「同一物件の過去の実績」、「ユーザーの使用状況」などから将来の市場価値を予測して設定する。
このため、オペレーティング・リースにおけるリース料総額は、物件金額よりも小さく、ファイナンス・リースと比べて安くなる。

同社が扱うのは主として「ファイナンス・リース」だが、一部航空機、建物などを対象としたオペレーティング・リースも取り扱っている。

 

◎市場動向・規模
公益社団法人リース事業協会の統計によれば、2018年度のリース取扱高(速報)は約5兆円。
2008年4月に導入された新リース会計基準(※)及び同年9月に発生したリーマンショックの影響により、取扱高は1991年度をピークに大きく減少してきた。
ただ、中堅・中小企業には新リース基準が適用されないこと、前述の様なオフバランス以外のファイナンス・リースのメリットは依然魅力的であることから、近年は5兆円近辺で推移している。

 

一方、リース会社間の競争に加えて、マイナス金利政策の導入で事業環境が悪化している地方金融機関が、リース会社の取引先を含めたこれまでは融資対象としていなかった先に対しても貸出を積極化させており、競争は激化している。
サービスの多様性、高付加価値化など、差別化要因の確立がリース会社各社に求められている。

(※)新リース会計基準:2008年4月の導入。それまでは、所有権移転外ファイナンス・リース取引は所有権の移転が無いことから賃貸借処理(オフバランス)が認められていたが、新基準では原則廃止となり、 売買処理(オンバランス)が原則となった。原則としてリース開始時に貸借対照表に「リース資産」、「リース債務」を計上。また、リース資産に係わる減価償却費とリース債務に係わる利息相当額を、それぞれ損益計算書に計上する。
適用対象会社は、金融商品取引法が適用される上場会社並びにその子会社及び関連会社または、会社法上の大会社 (資本金5億円以上または負債総額200億円以上の会社)。
中小企業は、従来通り、賃貸借処理(オフバランス)を継続できる。資本金5億円未満かつ負債総額200億円未満の株式会社、特例有限会社、合名会社、合資会社または合同会社は、新リース会計基準の適用を受けず、従来通りの賃貸借処理(オフバランス)が認められている。

 

◎同業他社比較

コード

社名

売上高

増収率

営業利益

増益率

利益率

ROE

ROA

時価総額

PER

PBR

7148

FPG

25,035

+13.6

14,524

+11.2

58.0%

33.4

15.0

82,059

8.0

2.8

8424

芙蓉総合リース

700,000

+13.2

39,500

+10.5

5.6%

10.1

1.6

162,039

6.2

0.6

8425

興銀リース

450,000

+16.9

24,200

+5.6

5.4%

10.3

1.2

118,785

7.0

0.7

8439

東京センチュリ

1,100,000

+3.0

79,300

+2.0

7.2%

12.7

2.2

504,334

9.3

1.2

8566

リコーリース

321,400

+2.4

17,700

+2.5

5.5%

7.0

1.7

103,102

8.6

0.6

8586

日立キャピタル

460,500

+14.0

52,000

+17.4

11.3%

293,342

7.4

0.7

8591

オリックス

2,434,864

-14.9

329,438

-2.0

13.5%

11.6

3.4

2,053,175

6.1

0.7

8593

三菱UFJリース

865,000

+0.1

178,000

+12.4

20.6%

9.4

1.5

503,458

7.1

0.7

8793

NECCソリュ

210,000

+2.9

10,000

+12.0

4.8%

7.4

1

37,704

5.8

0.4

*売上高、営業利益は今期予想、単位は百万円。ROE、ROAは前期実績、単位は%。時価総額、PER(予)・PBR(実)は5月20日終値ベース。単位は百万円、倍。オリックスは前期実績。
多くのリース会社が、PBR1倍割れの状況にある。
同社も収益性の向上に加え、投資家に対する認知度の向上や、特徴・強み・競争優位性・持続的な利益拡大の道筋などの理解促進が不可欠である。

 

【1-4 事業内容】

1.事業セグメント
事業セグメントは賃貸・割賦事業、ファイナンス事業、リサ事業、その他の事業の計4つ。

 

 

◎賃貸・割賦事業
リース事業および割賦販売事業を行っている。

 

ファイナンス・リース以外には、保守契約をセットしたスキームである「メンテナンス・リース」、オフバランスが可能な「オペレーティング・リース」、ICT機器を対象とした解約自由の残価設定型オペレーティングリースである「Nレンタル」サービスなど、様々なサービスを提供している。

 

オペレーティングリースは通常、経年による価値低下が緩やかでリース契約期間満了後もある程度の価格で売却可能な飛行機や船舶といった資産が対象となり、陳腐化の速いPC等ICT機器は対象とし難いが、同社の「Nレンタル」リースは、ICT機器を再生することで価値を高めてこの課題をクリアし、世界の中古市場へ販売している。

 

(Nレンタル イメージ)

(同社HPより)

 

このようにリースされた製品は必ず返却されることから、同社ではリースは資源循環型社会に貢献するサービスであると捉え、リース満了品のうち再販可能なICT製品をリユース中心に3R処理し、資源循環型社会づくりにつなげている。
割賦販売はユーザーの設備投資における資金ニーズや設備所有ニーズに対して、ユーザーに代わって同社が設備を購入し、ユーザーへ割賦販売する事業。購入代金や金利等は分割で回収する。

 

(同社HPより)

 

近年は、取り扱う営業資産の多様化を進めており、太陽光パネル等の再生可能エネルギー関連設備、建物、航空機等にも取り組んでいる。

 

◎ファイナンス事業
主に「企業向け貸付」や「ファクタリング」から構成される。
企業向け貸付は、主に「各種債権流動化プログラムの提供」や「設備投資向けストラクチャードファイナンスの提供」等を行う事業。
ファクタリングは売掛金の早期回収を実現し、企業の資金調達負担を軽減するサービスである。
これらのサービスは新規の顧客を主力のリース事業に結び付けるためのきっかけづくりとしての役割も担っている。
この他、有価証券の投資業務等も行っている。

 

◎リサ事業
金融サービスの多様化を目的に2010年12月に連結子会社とした株式会社リサ・パートナーズ(以下、リサ)が展開する事業。
顧客企業の抱える経営課題に対し、資金面で支援する「投融資」と、金融・不動産を軸に専門的見地から助言する「アドバイザリー」の両面から、解決策を提供している。
事業成長支援、資本効率改善、債権の健全化、不動産の有効活用など、幅広い課題にワンストップで対応できるのは、各専門分野のプロフェッショナルが多数在籍している同社ならではの強みである。

 

中でも同社が得意としているのが、180を超える地域金融機関とのネットワークを活かした地域企業の活性化支援。
その強みを活かして2014年3月には、日本政策投資銀行、地域経済活性化支援機構と共に「観光活性化マザーファンド」を設立している。
このファンドは全国各地の観光産業の活性化を目的とし、宿泊、飲食、観光物産品の製造・販売、地方交通等、観光関連の事業を幅広く投資対象としている。同ファンドを通じて、国内各地で、地域ごとの豊かな観光資源を活かした経済活性化に貢献することで、観光大国としての日本経済の成長に寄与していきたいと考えている。

 

◎その他の事業
ストラクチャードファイナンスの組成手数料等の様々な手数料収入が計上される他、賃貸事業において同社が保有するリース満了・中途解約物件を売却する中古品売買、保守料の回収、顧客の債権管理に関する業務効率化やアウトソーシングニーズに対し同社が業務を代行するサービスなどがある。
CSV観点の新しいニーズの開拓と事業化を推進する中で新たに取り組むこととなった太陽光発電事業、PFI事業、ヘルスケア事業の手数料もこのセグメントに含まれる。

 

(ICT関連事業)
ICTのライフサイクルである導入、利用、廃棄まですべての領域で顧客のICT資産の運用・管理の最適化をBPO(Business Process Outsourcing)型クラウドサービスで支援している。
また契約満了後のICT機器は、子会社のキャピテック&リブートテクノロジーサービス株式会社によって再生し、海外を含む独自のルートで中古販売している。

 

(PFI事業)
PFI(Private Finance Initiative)は、民間資金を活用した社会資本整備、つまり民間の資金、経営能力及び技術能力を活用して公共施設等の建設、維持管理、運営等を行う官民連携事業。
一般的にはプロジェクト・ファイナンスによる資金調達の組成が必要となるため、専門スタッフが事業に最適なストラクチャーを構築し、低利な資金調達の支援、官公庁への提案書作成等、事業者側に立ったサービス提供を行っている。

 

(ヘルスケア事業)
投資家から募った資金をヘルスケア施設に特化して投資する不動産投資信託証券「ヘルスケア REIT」を中心に展開している。

 

(エネルギー事業)
CSV経営の一つとして、SPC(特定目的会社)を通した太陽光発電事業の他、地域新電力会社の運営、電力の買い取り及び販売を行っている。
2015年10月には、「エネルギーの地産地消」というコンセプトの下、浜松市や株式会社NTTファシリティーズ、浜松市内の金融機関や民間企業と共に地域新電力会社「株式会社浜松新電力」を設立した。
浜松新電力は、市内の太陽光発電事業者等から電力を買い取り、小中学校をはじめとした市内の公共機関を中心に電力を販売している。地域産のエネルギーを地域内で消費することで、外部からの供給に頼らない電力の安定確保が実現でき、加えて、電力供給に関わる資金や資源を市内で循環させることで、地域経済の活性化にもつなげていく。

 

2.海外展開
現在、香港、シンガポール、マレーシア、タイに現地法人を設立し、海外展開を進めている。
通常海外拠点設立に際しては、相当の準備と期間が必要になるが、同社はNECの海外戦略に呼応し、既にNECがサービスを展開し注力しているマーケットに対し、金融面のサポートをするという形をとりリスクの低減を図っている。
現地企業への対応、アジアへの進出を図る日本企業の支援等も含め、事業を拡大していく考えだ。

 

【1-5 特長と強み】

NECとの関係をベースとした安定した事業基盤
NECグループに属する金融サービス会社である同社は、設立以来NECと顧客基盤を共有してきたことから、顧客の5割以上を占める官公庁や大企業を中心とした安定した顧客基盤を有している。
また、契約実行高の3分の2近くがNECやNEC系販社からのものとなっている。NEC製品については、メンテナンスリースやベンダーファイナンスプログラム等、NECの製品・サービスと組み合わせたメーカー系ならではのリースも提供している。

 

NECとは戦略的なパートナーシップの構築を推進している。
NECが顧客に行うシステム等の提案活動に際し、同社は販売方法について検討を行い、「チームNEC」として提案活動を行っている。
NECは競合先との差別化を図った提案ができ、同社は他の金融サービス会社と競合することなく商談を進めることができ、両社ともメリットを享受している。

 

リース契約は平均5年程度という長期間にわたり、顧客と取引をするビジネス。
メーカーが機器を販売した後も、同社と顧客の取引は続いており、新たな顧客の課題を知ることもでき、こうした顧客との関係から、同社からNECに新規のビジネスチャンスを紹介することもある。

 

「ICT」と「金融」の融合
様々な種類の設備についてリースを提供している同社だが、中でもNECの販売促進のための金融会社として歩んできた経緯から、ICT製品のリースの取扱割合が7割強と高くなっている。
こうしたバックボーンを背景に、多くのリース会社の中で同社の存在を特徴づけているキーワードが『「ICT」と「金融」の融合』だ。

 

「ICT」と「金融」が融合した同社ならではのサービスの代表例が「PITマネージドサービス」。
利用に際して各種の設定や管理が必要となるPCを始め様々なデバイスやソフトウェアなどICT資産の「調達、展開から運用管理・資産処分」に至るまでのライフサイクルを管理する各種サービスをワンストップで提供するBPO型クラウドサービスである。

(同社HPより)

 

パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレット端末等のマルチデバイスに柔軟に対応し、NECに限らず複数のメーカーを取り扱い、顧客の状況に合わせたベストな提案を行っている。
また、最新の技術・サービスを取り入れたクラウドサービスにより、トータルコストの削減とクオリティ維持に貢献している。
加えて、サービスデスクを運営し、コンプライアンスやセキュリティを考慮した各種サービスを提供して顧客のバックオフィス機能の業務を代行する。

 

NECとの戦略的な連携という強固な事業基盤の上で、ICTに関する豊富な知見を武器に、幅広い金融ソリューションを提供しているのがNECキャピタルソリューション株式会社である。

 

③CSV経営
同社を特徴づけるもう一つのキーワードがCSV経営だ。
2013年10月、自社の存在意義を明確にし、持続的成長を追求するためには決してぶれることの無い指針が必要と考え、採り入れた。

 

前述の様にCSVは、事業そのものが社会的価値を創造すると共に、企業として求めるべき経済的価値も創出するという考え方。
2011年、「競争戦略論」で有名なマイケル・ポーター教授が、ハーバード・ビジネス・レビューで提唱した。
社会に対する責任や活動としてはCSRが有名だが、CSRが、コンプライアンス(法令順守)や、環境マネジメント、フィランソロピー(社会貢献的活動)など本業の周辺における活動であるのに対して、CSVは、本業、事業そのものでの戦略的展開が重視される。
CSVは、CSRより一歩進んで、社会的価値の実現を通じて企業価値、事業価値や競争力を向上させる新しい動きとして理解されはじめている。

 

同社はこれまでもCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を強く意識した事業展開を行ってきた。
リース事業が循環型産業であることにいち早く着目し、リース満了品の3R(リデュース、リユース、リサイクル)処理や環境に配慮した機器をリースする「エコリース」の拡販に取り組んできたのはその一例。
また同社が得意とする官公庁向けのビジネスでは、社会インフラ構築そのものの支援をしている。
このような素地を足掛かりに、CSRから一歩進んで、事業そのものを通した社会価値の向上に貢献していきたいと考えている。

 

同社ではCSV経営は、全社員が自分の部署において何をなすべきかを話し合ったほか、社長が支店を含めた全部門と議論するなど理解、浸透を図った結果しっかりと定着している。加えて、新中期計画2017の策定を契機に改めてリマインド、ブラッシュアップを図る為社長が全社員と議論する場を設けた。

 

以下はCSV経営実践の主な取り組みである。

 

取り組み事例①:光海底ケーブルプロジェクト向けシンジケートローンを組成
2018年4月、日本・グアム・オーストラリアを結ぶ大容量光海底ケーブルプロジェクト向けシンジケートローンをリードアレンジャーとして組成した。

 

このプロジェクトは、日本・グアム・オーストラリアを結ぶ大容量光海底ケーブルシステムの建設・運用をするもので、建設はNECが請負い、運用は RTI Connectivity Pte. Ltd.(シンガポール)が行う。
プロジェクト資金は、国内金融機関 8 社で組成したシンジケートローンで調達され、NECキャピタルソリューションはリードアレンジャーとしてこのシンジケートローンを組成し、貸付人としても参画する。
クラウドサービスや新たな産業アプリケーションを背景に、通信需要が拡大の一途を辿る中、国際通信の99%は海底ケーブルによって賄われており、海底ケーブルは今日のデジタル社会に不可欠な通信インフラとなっている。
同プロジェクトは、拡大する通信需要に応えるとともに、アジア・オーストラリア地域における迂回ルートとしても期待されるなど、重要な役割を担っている。

 

今回のプロジェクトは、社会の価値向上に資することに加え、新中期計画2017の重要な事業戦略の一つと位置付ける「NECとの戦略的なパートナーシップの確立と深耕」においても、NECにおけるNECキャピタルソリューションのプレゼンスを更に大きく向上させるものといえよう。

 

取り組み事例②:(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園整備運営事業」に係る事業契約を締結
2018年11月、他7社で組成するコンソーシアムを通じ、特別目的会社(SPC)、株式会社宇治まちづくり創生ネットワークを設立し、同年10月16日付で宇治市と「(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園整備運営事業」に係る事業契約を締結した。

 

この事業は、宇治まちづくり創生ネットワークが、施設の設計・建設から維持管理・運営を一貫して行うPFI事業。
同社は同事業の代表企業を務めるとともに、出資・SPC管理等を行い、同事業を積極的に進めていく方針である。
株式会社宇治まちづくり創生ネットワークの代表者にはNECキャピタルソリューションの執行役員である林隆志氏が就任した。

 

「宇治まちづくり創生ネットワーク」という会社名には、地域の団体や企業とともに地域一帯のまちづくりを担っていく、という意味を込めている。同施設が中心となって市民や地域団体とともに、地域の活性化や宇治のブランド力向上につながる事業に取り組んでいく。
同社は、2017年4月に発表した「中期計画2017」において、PFI・PPP事業(※)の拡大を戦略のひとつに掲げているが、今回の運営事業は、代表企業として同事業に参画する初めての取り組みである。

 

※PPP/PFI事業
「PFI」とは、Private Finance Initiativeの頭文字を取ったもので、民間資金を活用した社会資本整備、つまり民間の資金、経営能力および技術能力を活用して公共施設等の建設、維持管理、運営等を行う官民連携事業のこと。「PPP」とはPublic Private Partnershipの頭文字を取ったもので、官公庁と民間事業者がパートナーを組んで事業を行うこと。従来公営で行われてきた事業に、民間事業者が事業の計画段階から参加して、設備は官公庁が保有したまま、設備投資や運営を民間事業者に任せる民間委託などを含む手法を指す。

 

 

【1-6 ROE分析】

 

2014/3期

2015/3期

2016/3期

2017/3期

2018/3期

2019/3期

ROE (%)

7.2

3.9

4.4

4.5

7.3

7.4

売上高当期純利益率(%)

2.19

1.32

1.65

1.63

2.60

3.13

総資産回転率(回)

0.32

0.28

0.25

0.26

0.26

0.23

レバレッジ(倍)

10.32

10.36

10.89

10.89

10.79

10.39

 

19年3月期の売上高当期純利益率は前期比0.5ポイント上昇。今期予想も同水準である。
後述のように、同社では最終的に一定規模のリース資産を保有する必要があるため業態的に総資産回転率の上昇はなかなか難しいだろうが、マージンの着実な向上によるROEの上昇が望まれる。

 

【1-7 株主還元について】

主力の事業であるリースは、契約期間が長く、定期的にリース料を受領するビジネスモデルであるため、ベースとなる収益は安定的な推移となっている。こうした事業の特性から、配当方針も安定配当を第一とし上場来44円/株を続けていたが、2018年3月期に上場来最高益を計上したことや、昨今の株式市場における配当性向の動向などを勘案して、同期に初の増配を行い50円/株(配当性向17.9%)とした。前2019年3月期も55円/株(配当性向18.5%)と連続して増配を行い、今2020年3月期も5円増配の60円/株(配当性向19.9%)とする予定である。
今後も安定配当を基本方針としつつも、配当性向についても25%を目指すべき水準とし、配当額を決定していく考えだ。

 

また、保有期間および保有株式数に応じた株主優待制度を設けており、3月末現在の株主を対象に年に一度実施している。株主優待品の発送は7月初旬の予定。

該当要件

優待品

1単元(100株)以上の株式を1年未満保有

カタログギフト 2,000円相当

1単元(100株)以上の株式を1年以上保有

カタログギフト 3,000円相当

5単元(500株)以上の株式を1年未満保有

カタログギフト10,000円相当

5単元(500株)以上の株式を1年以上保有

カタログギフト15,000円相当

 

株主が事前に優待品の辞退を申し出た場合は、同社より優待品相当額を寄付する計画。(寄付先は未定)

 

2.2019年3月期決算概要

(1)業績概要

 

18/3月期

対売上比

19/3月期

対売上比

前期比

予想比

売上高

231,432

100.0%

204,131

100.0%

-11.8%

+2.1%

売上総利益

28,957

12.5%

25,588

12.5%

-11.6%

販管費

16,283

7.0%

16,659

8.2%

+2.3%

営業利益

12,674

5.5%

8,929

4.4%

-29.5%

+11.6%

経常利益

13,455

5.8%

8,900

4.4%

-33.9%

+11.3%

当期純利益

6,006

2.6%

6,391

3.1%

+6.4%

+59.8%

*単位:百万円

 

前期の大型案件の影響などで減収も当期純利益は2期連続で過去最高を更新。
売上高は、前期比11.8%減の2,041億円。前期にあったヘルスケア関連の売却、リサ事業のファンドビジネス等、大型案件の影響で減収となった。
上記大型案件の影響および、為替評価、与信コストの影響等により経常利益は同33.9%減の89億円。
為替評価や与信コストの影響(合計約20億円)を除けば前年水準を確保した。
当期純利益は2期連続で過去最高を更新。この実績を踏まえ、配当性向も勘案し、配当を50円/株から55円/株に修正した。

 

(2)事業別動向

売上高

18/3月期

構成比

19/3月期

構成比

前期比

賃貸・割賦

164,011

70.9%

166,847

81.7%

+1.7%

ファイナンス

6,127

2.6%

6,644

3.3%

+8.4%

リサ

17,442

7.5%

14,051

6.9%

-19.4%

その他

43,898

19.0%

16,649

8.2%

-62.1%

調整

-48

-62

合計

231,432

100.0%

204,131

100.0%

-11.8%

営業利益

         

賃貸・割賦

4,496

2.7%

4,087

2.4%

-9.1%

ファイナンス

3,132

51.1%

3,321

50.0%

+6.0%

リサ

6,618

37.9%

3,634

25.9%

-45.1%

その他

137

0.3%

-354

調整

-1,711

-1,758

合計

12,674

5.5%

8,929

4.4%

-29.5%

*単位:百万円。営業利益の構成比は売上高に対する利益率

 

*賃貸・割賦事業
増収・減益。
2018年度の業界全体のリース取扱高は前期比2.8%の増加で3期ぶりのプラス。同社の主力である情報通信機器のリース取扱高も同7.3%の増加と市場環境は堅調。また倒産件数についても前期比減少し、事業環境は総じて安定した推移となった。
営業資産残高増で増収。貸倒引当金戻入額の減少で営業利益は減少した。
契約実行高は、ICTレンタル等の強化施策が奏功したことで民需が順調に推移し、官公庁も微増となり同4.3%増と堅調。
成約高は官公庁・民需領域ともに堅調に推移し同7.4%増。

 

*ファイナンス事業
増収・増益。
売上高は配当収益や金利収入等を中心に堅調に推移し増収。
与信関連戻入益の増加により営業利益は増益。
契約形態別の契約実行高は、ファクタリングが減少した一方、企業融資が堅調に推移したほぼ前期並みの水準を維持。
業種別契約実行高では、短期貸付を中心に金融業・保険業、及び不動産業で前年比増加し全体では前年並み。

 

*リサ事業
前期に大型案件を計上したため減収・減益。
(アセットビジネス)
前期に大型の投資有価証券売却があったため減収・減益となった。

 

(不動産)
販売用不動産の売却により増収となったが、手数料配当収入の減少により営業減益。

 

(アドバイザリー)
安定的なM&A関連手数料などで前期並みの収益を確保した。

 

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

18年3月末

19年3月末

 

18年3月末

19年3月末

流動資産

794,998

780,629

流動負債

416,387

415,890

現預金

35,036

21,041

買入債務

17,579

20,351

リース債権及びリース投資資産

422,720

431,727

短期有利子負債

378,310

376,238

営業貸付金

250,715

243,682

固定負債

379,117

373,793

固定資産

111,496

115,054

長期有利子負債

369,441

365,100

有形固定資産

54,810

59,546

負債合計

795,505

789,684

賃貸資産

50,282

54,703

純資産

110,989

105,999

無形固定資産

6,269

5,910

株主資本

83,330

88,577

投資その他の資産

50,415

49,596

負債純資産合計

906,495

895,683

 投資有価証券

38,054

39,247

有利子負債残高

747,751

741,338

資産合計

906,495

895,683

自己資本比率

9.3%

9.9%

単位:百万円

 

現預金、営業貸付金の減少などにより資産合計は前期末比108億円減少の8,956億円。
有利子負債の減少により負債は同58億円減少の7,896億円となった。株主資本は増加したが、その他有価証券評価差額金および非支配株主持分の減少により純資産は同49億円減少の1,059億円。
自己資本比率は前期末比0.6ポイント上昇の9.9%となった。

 

◎営業資産残高
賃貸・割賦事業の残高は官公庁が堅調に推移した他、ICTレンタル等の強化施策が奏功し、官公庁・民需ともに前期末に比べ増加。9年ぶりに5,000億円を超えた。
外貨を始めとした企業融資が増加したが、ファクタリングの減少によりファイナンス事業の残高は減少した。
販売用不動産の売却等によりリサ事業の残高は減少。
全体の残高は前期末に比べ48億円増加した。下のグラフからもわかるように、順調に積み上げが進んでいる。

 

◎資金調達状況
外貨調達における市場金利上昇で、資金原価率(資金原価 ÷ 有利子負債平残)は前期比0.03ポイント増の0.66%となった。ただ、貸出金利と連動しているため影響はさほど大きくない。
有利子負債合計に占めるCP、社債、債権流動化の構成比である直接調達比率は、CP残高減少により前期末の39.0%から36.5%へ低下した。

 

 

◎キャッシュ・フロー                            

 

18/3月期

19/3月期

増減

営業CF

-31,596

5,661

+37,257

投資CF

-12,922

-97

+12,825

フリーCF

-44,518

5,564

+50,082

財務CF

36,196

-19,999

-56,195

現金同等物残高

35,124

20,686

-14,438

単位:百万円

 

営業貸付金および販売用不動産減少などで営業CFはプラスに転じた。
投資有価証券の取得額減少、償還による収入増で投資CFのマイナス幅は縮小し、フリーCFはプラスに転じた。
CPが前期の増加から減少に転じたため財務CFはマイナスに転じた。キャッシュポジションは低下した。

 

(4)トピックス

◎国内水力発電事業拡大に向け資本参加
2019年4月、みらいエネルギー・パートナーズ株式会社(以下、未来エネルギー)の株式を取得し、SMFLみらいパートナーズ株式会社(三井住友ファイナンス&リース株式会社の100%子会社)、株式会社三井住友銀行と共同で未来エネルギーの事業を取り組んでいくことに合意した。
未来エネルギーの株式保有割合は、代表者関連会社45.04%、SMFLみらいパートナーズ30%、NECキャピタルソリューション20%、三井住友銀行4.88%。

 

未来エネルギーは、再生可能エネルギー分野においてこれまで培ってきた知見や経験をもとに、水力発電を中心に民間事業者や地方自治体の発電事業の組成や開発を支援している。
特に水力発電所の改修事業では、事業の立案、許認可申請・取得から土木設計、機器調達、工事施工計画、工事監理の実施まで一貫したサービスを提供している。また、未来エネルギーが無限責任組合員を務める水力発電ファンド「みらいハイドロパワー投資事業有限責任組合」を通じ、水力発電所の改修・開発事業への資金提供も行っている。

 

NECキャピタルソリューションは、PPP/PFI事業(※)や水力発電を含む再生可能エネルギープロジェクトへの投融資の実績と経験に基づき、公営水力発電コンセッションを含む地方公共団体等による水力発電プロジェクト等へのファイナンシャル・アドバイザリー業務や投融資等の総合的な金融サービスの提供を通じて、次世代エネルギーインフラをベースとした地域経済の活性化に貢献していく。

 

※PPP/PFI事業
Public Private Partnershipの頭文字を取ったもので、官公庁と民間事業者がパートナーを組んで事業を行うこと。従来公営で行われてきた事業に、民間事業者が事業の計画段階から参加して、設備は官公庁が保有したまま、設備投資や運営を民間事業者に任せる民間委託などを含む手法を指す。PFIはPrivate Finance Initiativeの頭文字を取ったもので、PPPの手法の一つ。

 

◎「自然と伝統の融合した白馬岩岳の街並み活性化株式会社」へ出資
18年9月、「自然と伝統の融合した白馬岩岳の街並み活性化株式会社」(長野県北安曇郡)に出資を行った。

 

(白馬岩岳の街並み活性化株式会社概要)
「自然と伝統の融合した白馬岩岳の街並み活性化株式会社」は、18年 8 月に、白馬観光開発株式会社(長野県北安曇郡)、ALL 信州観光活性化ファンド(長野県長野市、無限責任組合員: REVIC キャピタル株式会社、八十二キャピタル株式会社)、FUNNY 株式会社(東京都港区)およびNEC キャピタルソリューションの出資により設立された。
長野県白馬村岩岳エリアの観光資源を再生し、街並み全体を一体的にリゾート開発するという、新しい事業モデルの推進を目的としている。

 

(出資の背景など)
スキーリゾートとして著名な白馬村は、オールシーズン楽しめるマウンテンリゾートへ変貌を遂げるため、国内外からのコンテンツを積極的に誘致・開発に取り組んでおり、訪日外国人数は増加の一途を辿っている。
一方で、同エリアの宿泊施設は、経営者の高齢化や後継者・人手不足などの理由から減少傾向にあり、特に高級志向の観光客をターゲットとした宿泊施設が不足し、繁忙期の宿泊客の受け入れが困難な状況になりつつある。

 

白馬岩岳の街並み活性化株式会社では、白馬岩岳に点在する古民家などの宿泊施設を再生・利用し、インバウンドを含む富裕層を地方の観光地へ誘致し、高級志向の観光客のニーズも満たす「高級古民家リゾート」を開発する。
各施設は18年 9月より改装工事を開始し、同年12 月より順次開業予定。
開業後は各施設を運営すると共に、同エリアの観光資源を活用しながら、魅力ある街づくりやイベントを行い、白馬村の地域活性化に貢献していく。
NEC キャピタルソリューションは現在進行中の中期計画2017において「エネルギー、ヘルスケア、農業、観光」の4つを重点分野とする新事業の立上げに取り組んでおり、これまでにも DMC(※)や同様の企業に出資参画し、地元関係者と連携して地域が抱える課題の解決に資する事業を展開している。
今回の案件に関しても出資にとどまらず地元自治体や他の出資者等と連携し、白馬エリアの活性化や観光地としての更なる魅力向上に注力する。

 

※「DMC」:Destination Management / Marketing Company
「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づく観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人 DMO(Destination Management / Marketing Organization )における収益事業体を指す。

 

3.2020年3月期業績予想

◎通期業績予想

 

19/3月期

対売上比

20/3月期(予)

対売上比

前期比

売上高

204,131

100.0%

210,000

100.0%

+2.9%

営業利益

8,929

4.4%

10,000

4.8%

+12.0%

経常利益

8,900

4.4%

10,000

4.8%

+12.3%

当期純利益

6,391

3.1%

6,500

3.1%

+1.7%

*単位:百万円。予想は会社側予想

 

増収増益。当期純利益は3期連続で過去最高更新へ
売上高は前期比2.9%増の2,100億円、経常利益は同12.3%増の100億円の予想。前期2期連続で過去最高を更新した当期純利益は同1.7%増の65億円で連続して最高を更新する見込み。
主力の賃貸・割賦事業で営業資産の積み上げが進み、売上総利益が下げ止まり傾向にあることに加え、再リースも着実に増加している。他セグメントも堅調な推移を見込んでいる。。
配当は前期比5円/株増配の60円/株の予定。予想配当性向は19.9%。

 

4.中期計画2017の進捗状況

(1)中期計画 2017概要

同社は「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」をグループビジョンに掲げ、その実現に向けた10年間のロードマップを三段階に分割しており、2018年3月期から第二段階にあたる「中期計画 2017」を推進中である。
「中期計画2017」ではこの3年間を「コア領域の完成」と「新事業立ち上げ」で持続しうる事業基盤を構築する期間と位置付けている。
(※ 「中期計画2017」の詳細は、後述の「参考」を参照)

 

(2)取り組み状況

<コア領域の完成>
各種付随収益が期待できるリースにこだわった事業を展開すると共に、様々な商材を組み合わせるアレンジ力や社内外とのシナジー創出に注力しながら、強みを活かした同社らしい「サービス」の確立に取り組む。

テーマ

取り組み状況

NECとの戦略的なパートナーシップの確立と深耕 ・NECとの連携強化による取扱高の増加

・ベンダーファイナンスソリューションの新規取り組み強化による民需市場拡大

・NEC商材を活用した新たなレンタルサービスの開始

独自商流における顧客基盤の拡充

 

・外資系ベンダーを中心としたベンダーファイナンスビジネスの拡大

・大口販社との取り組み強化による小口リースの積み上げ伸長

高い利益成長の源泉を確保 ・リサアセットソリューション事業での収益確保

・リサの次期ファンドによる投資が順調に進展

・価値共創ベンチャー2号有限責任事業組合の立ち上げ

・PFI事業へ代表企業として初参画

 

<新事業の立ち上げ>
非金融を含め同社らしく持続可能な新事業を確立する。

テーマ

取り組み状況

新事業における新ビジネスモデルの確立、及び投融資に留まらない新事業の立ち上げ ・水力発電分野への取り組み開始(みらいエネルギー・パートナーズへの出資)

・みらい共創ファーム秋田における米と畑作(たまねぎ)の複合農業の試行

・ヘルスケア施設のリート向けウェアハウジング事業の開始

・阿寒アドベンチャーツーリズム、白馬岩岳街並み活性化への出資参画による観光資源活性化を通した事業創出、街づくり

 

新事業は「エネルギー、ヘルスケア、農業、観光」の4つを重点分野としている。

 

<経営基盤強化戦略>
事業戦略を支える経営基盤を強化する。
「営業サポート体制の強化」、「業務品質向上への取り組み推進」、「コンプライアンス態勢の更なる強化」などに積極的に取り組んでいる。

 

(3)利益計画の進捗

中期計画2017の利益計画の進捗は良好だ。
18年3月期、19年3月期ともに経常利益、当期純利益は計画値を上回り、今期20年3月期も計画を上回る予想。
3年間累計額の計画と実績(20年3月期は予想)の差額は、経常利益、当期純利益でそれぞれ84億円、69億円と大幅に超過する見込みである。
20年3月期1.0%と計画していたROAについても、18年3月期 1.6%、19年3月期 1.1%という実績に続き、今期20年3月期も1.2%と0.2%の超過予想である。

 

 

5.今関社長に聞く

今関社長に2019年3月期決算の振り返り、中期経営計画の進捗状況、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

 

Q:「2019年3月期決算についてどんな評価をしていらっしゃいますか?」
A:「当期純利益は64億円と4期連続増益でかつ2期連続で過去最高益を更新。営業資産の積み上げに関しても、トータル残高8,268億円と前期末を上回り、中でも主力の賃貸・割賦事業において9期ぶりに5,000億円を超すなど、及第点を付けることができる決算であったと思います。」

 

前期にヘルスケア関連の売却やリサ事業での大型案件のEXITがあったため減収で営業利益・経常利益は減益となったものの、最終的に株主に帰属するという意味で我々が重視している当期純利益は64億円と4期連続増益、かつ2期連続で過去最高益を更新することができました。
また、ウインドウズ7のサポート期間終了に伴うパソコンの入れ替えや人手不足に対応できる新型POSの需要を背景に、2期ぶりに業界全体のリース取扱高がプラスになるなどの事業環境もあり、主力の賃貸・割賦事業の契約実行高は順調に推移、営業資産残高についても5,000億円を超えました。トータルの営業資産の積み上げに関しても、8,268億円と前期末を上回り、全体として及第点を付けることができる決算であったと思います。

 

 

Q:「続いて2020年3月期見通しおよび配当に関する考え方についてお聞かせください。」
A:「増収増益を予想しており、当期純利益については3期連続の過去最高益更新を見込んでいます。賃貸・割賦事業をはじめとした4つのセグメントがそれぞれに貢献し、増収増益となる計画です。
配当については、安定配当の維持をベースとしつつも、今後は株主還元という観点から利益に応じた配当を実施することも必要と考え、配当性向25%を目指すべき水準とし、利益に応じて増配の検討していくこととします。」

 

2020年3月期は小幅ではありますが増収増益を予想しており、当期純利益については3期連続の過去最高益更新を見込んでいます。
4セグメントともバランスよく伸ばしていけるだろうと考えています。中でも賃貸・割賦事業については、長らく減少傾向が続いてきた売上総利益の下げ止まりが2018年度に実現しました。これについては、過去数年にわたり、当社が得意とするICT機器、特にメインサーバーの入れ替えやシステムの更新といった中期的な計画についてNECやITベンダーと綿密に連携しながら取り組んできた成果が現れてきたといえるでしょう。反転増加というにはもう一段の力強さが必要ですが、今後はしっかりと増加傾向に転ずるように注力してきたいと思っています。

 

 

配当については、上場以来44円/株の安定配当を行ってきました。今後は同業他社平均を鑑み、安定配当をベースとしつつも、利益に応じた配当を実施することも必要と考え、配当性向25%を目指すべき水準とし、段階的に増配を検討していきたいと考えています。
また、現在の株価であれば配当利回りは3%台であり、この点も株主・投資家の皆様には是非注目していただきたいと思います。

 

 

Q:「では中期計画2017の進捗状況はいかがでしょうか?」
A:「NECとの関係深化は着実に進んでいます。また、外資系ITベンダーとのビジネスも、当社のICT機器に関する長年の実績と経験をご評価いただき、取引は拡大しています。加えて、PFI事業については、初めて代表企業として参画することができました。「新事業立ち上げ」に関しては、収益への貢献という意味での「事業の確立」にはもう少し時間がかかるかと思います。まだまだ機会を探し、幅を広げていくという段階ですので、当社らしいユニークな案件を手掛けていきたいと思っています。」

 

「コア領域の完成」においては、NECとの関係深化は着実に進んでいます。
NECの製品・サービスが大部分を占める官公庁における契約実行高は、今期1,023億円でしたが、過去数年間の推移を見れば明らかなよう確実に1段階レベルが上がっており、これはNECとの連携が進んだ結果です。

今後はベンダーファイナンスソリューションの取り組み強化による民需市場の拡大にも取り組んでいきます。また、NEC商材を活用した新たなレンタルサービスの試行を開始しています。まだ詳細はお話しできませんが、本格的な段階に入りましたら開示したいと思います。
この他、外資系ITベンダーとのビジネスも、当社のICT機器に関するの長年の実績と経験をご評価いただき、取引は拡大しています。
加えて、PFI事業については、これまで当社は約30件のPFI事業に参画してきましたが、2018年11月、「(仮称)お茶と宇治のまち歴史公園整備運営事業」において初めて代表企業として参画することとなりました。この経験を活かして地域経済活性化に貢献するPFI・PPP事業に引き続き積極的に取り組んでいく考えです。
「新事業立ち上げ」に関しては、エネルギー、ヘルスケア、農業、観光のそれぞれで新たな取り組みを進めています。
収益への貢献という意味での「事業の確立」にはもう少し時間がかかるかと思いますが、案件によっては五合目程度まで進んでいるものもあります。
ただ、まだまだ機会を探し、幅を広げていくという段階ですので、当社らしいユニークな案件を手掛けていきたいと思っています。

 

 

Q:「では最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。」
A:「特定の事業に偏るのではなく、4事業全てにおいて利益の拡大に取り組んでいきたいと考えています。また、配当についても安定配当をベースにしつつも、配当性向25%を目指すべき水準とし利益増に応じた増配を検討していく考えです。株主・投資家の皆様におかれましてはこれからも是非当社を応援していただきたいと思います。」

 

今期が中期計画2017の最終年度となります。おかげさまで策定時に設定した3ヵ年の経常利益、当期純利益は2年で達成し、3ヶ年合計では、当初計画を大きく上回る見込みです。
これから次の中期計画策定作業に取り掛かるわけですが、各種の不透明要因やリスクがあるのでどんな絵が描けるのか現時点でははっきりとしたことは申し上げられません。しかし、コアビジネスである賃貸・割賦事業とファイナンス事業は営業資産の積み上げにより収益力を向上させることができましたから、次期中計においてもこの2事業をベースに、利益の拡大に取り組んでいきたいと考えています。
加えて先程もお話ししたように、配当についても安定配当をベースにしつつも、配当性向25%を目安に利益増に応じた増配を行っていく考えですので、株主・投資家の皆様におかれましてはこれからも是非当社を応援していただきたいと思います。

 

 

6.今後の注目点

前期に大型案件があった関係で減収・減益となったが、当期純利益は過去最高を更新、同社の収益のベースとなる営業資産残高も着実に拡大した。
中計最終年度となる今期、経常利益100億円、当期純利益65億円という予想に対し、どれだけ積み上げを行っていくことができるかを注目したい。

 

<参考1:中期計画2017について>

同社は事業活動そのものが社会的価値を創造すると同時に、企業として求めるべき経済的価値を創出し、企業と社会双方に共通の価値を生み出すCSV経営を目指し、グループビジョンに掲げている。
このビジョンに基づき、CSV経営実現に向けた10年間のロードマップを三段階に分割しており、第一段階である「中期計画 2014」が終了したことに伴い、「中期計画 2017」を策定した。

 

(1)中期計画2014の振り返り
「コア領域の基盤再構築とビジョン実現に向けた仕掛けの構築」をテーマとした「中期計画2014」は、異次元の金融緩和による競合激化を受け、従来型のリース・ファイナンスが伸び悩み、数値面では当初計画を下回る結果となった。ただ、各事業領域の収益拡大や新たな収益源の確保が進み、2016年度における見直し後の計画値は達成することができた。

 

   

15/3期

16/3期

17/3期

(当初)

17/3期

(見直し後)

経常利益

中計策定時目標

40

55

70

60

実績

47

60

65

当期利益

中計策定時目標

20

35

45

35

実績

28

33

35

*単位:億円
また、各種施策が着実に進捗し、コア領域の基盤再構築及び新事業の仕掛け構築についても一定の成果を得る事が出来たと考えている。

 

 

事業戦略 ・国内外におけるNECグループとの連携進展

・リサ事業の持続的な収益拡大

・規模別、地域別の顧客基盤強化

・再生可能エネルギー関連設備、航空機、建物等、アセットの多様化

・CSV経営につながる新事業に向けた仕掛けづくりが進展

財務基盤 ・CP増加や外貨等資金調達の多様化が進み、資金調達基盤が拡充
経営基盤 ・事業の多様化を推進するための社内体制の整備・拡充

 

(2)新中期計画2017概要
この3年間を『ビジョン実現に向けた「コア領域の完成」と「新事業立ち上げ」の期間と位置付けている。
① 事業戦略
<コア領域の完成>
各種付随収益が期待できるリースにこだわった事業を展開すると共に、様々な商材を組み合わせるアレンジ力や社内外とのシナジー創出に注力しながら、強みを活かした同社らしい「サービス」の確立に取り組む。

 

NECとの戦略的なパートナーシップの確立と深耕 ビジネスのサービス化・クラウド化を背景に、NECグループビジネスにおける官公庁および民間企業領域について、ベンダーファイナンスや高度な提案活動等、高付加価値なリース、ファイナンスの提供を推進すると共に、PFI/PPP(※)事業の拡大を進める。

加えて、同社が取り組む新事業におけるNEC関連ビジネスの機会創出を推進する。

独自商流における顧客基盤の拡充

 

既存の顧客基盤を深耕しながら、ベンダーファイナンスや提案型営業を通して、中堅・中小企業向け営業を強化させ、独自の顧客基盤の拡充を図ると共に、収益性向上に取り組む。
高い利益成長の源泉を確保

 

海外におけるNECとの協奏プロジェクトを推進すると共に、独自の事業ノウハウやパートナー構築力を高めることでグローバル事業を加速させる。

また、専門性が高く成長が期待できる分野において、競争優位なサービスを提供するほか、株式会社リサ・パートナーズの持つ地域金融機関とのネットワークを活かした金融法人営業を強化する。

(※)PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携):公民が連携して公共サービスの提供を行うスキーム。PFIは、PPPの代表的な手法の一つ。

 

<新事業の立ち上げ>
地域活性化や高齢社会等の社会課題解決に対する事業への取り組みを推進する。

 

新事業における新ビジネスモデルの確立、及び投融資に留まらない新事業の立ち上げ 「エネルギー」、「ヘルスケア」、「農業」、「観光」の4領域を新事業と位置付け、NECグループのICT技術・ノウハウを活用しながら、同社ならではの新事業を立ち上げ、将来の収入源を確保する。
ICT/IoT、非ICT商材を対象とするレンタル事業の展開

 

既存のICT機器に関するLCM(Life Cycle Management)サービスに加え、IoTやビッグデータ活用に関連する機器等のレンタル事業に取り組む。

 

以下の5領域で事業戦略を展開する。

NECグループ領域 ・PFIをはじめ、官民領域における高付加価値な当社独自サービスの提供

・新事業において協奏し得る新たな事業機会創出

グローバル領域 ・大型プロジェクトファイナンスへの取り組み、海外現法によるNECベンダーファイナンスの拡大

・独自の事業ノウハウ、パートナー構築力の向上による収益機会の拡大

事業法人領域 ・既存顧客基盤の深耕、及び提携先拡大によるベンダーファイナンス強化

・中堅・中小企業を中心とする提案営業・独自商材の提供の本格化

専門領域 ・新事業への取り組みと新ビジネスの拡充

・環境・エネルギー関連や戦略アセットへのさらなる取り組み

・ベンチャーファンド機能の強化

金融法人領域 ・リサ・パートナーズによる投融資&アドバイザリービジネス拡大

・地域金融機関連携による地域活性化ソリューションの展開

 

<経営基盤強化戦略>
事業戦略を支える経営基盤を強化する。

経営、営業現場双方に対する強力なサポート体制の構築
コンプライアンス体制のさらなる強化、業務品質・効率の向上、及び事業戦略の実行に伴う各種リスク管理レベルの向上
管理会計の高度化をはじめとした、適切な意思決定に資する経営管理機能の強化
従業員満足度向上に向けた人事諸制度の改革

 

②数値目標

 

2017/3期

実績

2020/3期

計画

増減

経常利益

65

100

+35

当期純利益

35

65

+30

ROA

0.8%

1.2%

+0.4%

*単位:億円
収益性向上を図りつつ成果を刈り取り、着実に増益を達成する。

 

<参考2:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態 監査役会設置会社
取締役 8名、うち社外4名
監査役 4名、うち社外3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年6月28日

 

<実施しない主な原則とその理由>
「コーポレートガバナンス・コードの各原則について全てを実施しております。」と記載している。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づいて開示している主な原則>

原則

開示内容

【原則1-4.いわゆる政策保有株式】 当社は、営業取引の拡大、業務提携の強化等当社グループの事業発展に資すると判断した場合には、政策保有株式として上場会社株式を保有することがあります。

政策保有株式は、銘柄ごとに取得の時点で継続保有基準を定め、取締役会において1年に1回、継続保有基準の適合性を検証しております。

検証の結果、継続保有基準に適合しない場合は、株価や市場動向を踏まえ、適切な時期に売却するものとしています。

政策保有株式の議決権行使にあたっては、当社グループの事業発展に寄与する方向で議案に対する賛否を判断しております。

【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】 ・株主との建設的な対話の方針

当社では、IR担当役員を選任した上で、IR担当部署をコミュニケーション部と定め、各種IR活動の実行及び取りまとめや改善を行っております。

・IR担当と他部門の有機的連携

コミュニケーション部では、IRに関連する経営企画部、経理部、財務部及び法務部等との情報共有を適宜実施することで、有機的な連携を図っております。

・対話の手段の充実

コミュニケーション部にて株主及び投資家からの個別面談やお問い合わせ対応を行うとともに、株主、投資家及びアナリスト向け決算説明会等で代表取締役が直接その内容を説明しております。また中長期的な視点での対話促進を目的に、説明資料に積極的に統合レポートを使用しております。

・経営陣に対するフィードバック

IR活動及びそのフィードバック等の情報については、四半期に一度、取締役会で報告を行い、情報共有を図っております。

・インサイダー情報管理

株主、投資家及びアナリストとの対話の際には、インサイダー情報の提供は行いません。

また、インサイダー取引防止規程を定め遵守管理する等情報管理を徹底しております。

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