(6181:東証マザーズ) パートナーエージェント 進捗率ややスローながらも増収増益
今回のポイント |
・2019年3月期3Q累計の売上高は前年同期比3.6%増の31億31百万円。主力のパートナーエージェント事業は前年同期並み、ファスト婚活事業は堅調、ソリューション事業は保育士向け婚活支援サービスの開発等により大幅増収となった。保育事業譲渡に伴う人件費が減少した一方、延期していた広告宣伝を計画通りに展開し販管費は前期並みで、営業利益は同39.5%増の1億49百万円。前年同期にあった補助金収入がなかったため経常利益は同1.1%増の1億37百万円。固定資産売却益19億円を特別利益に、固定資産除却損40億円を特別損失に計上した結果、四半期純利益は同8.9%減の79百万円となった。・業績予想に変更は無い。2019年3月期の売上高は前期比6.8%増の43億81百万円、営業利益は同38.1%増の2億69百万円の予想。引き続き将来の事業・収益拡大に向けた諸施策に注力する。
・2019年3月期の第3四半期累計売上高進捗率は例年に比べややスローな状況である。パートナーエージェント事業の在籍会員数、ファスト婚活事業のパーティー参加者数計画とともに、どこまで上積みを行うことができるのかを注目したい。一方で、下期に入り株式会社メイションのグループ化、株式会社シニア-ライフの結婚相談事業「MARRIX(マリックス)」の一部譲受、エン婚活エージェント株式会社との資本提携および持分法適用関連会社化と事業領域の拡大・深耕のための施策を矢継ぎ早に打ち出した。上期に発表した「ナシ婚層向け新規事業開始」、「婚活パーティー情報ポータルサイトリリース」などとともに、どのように中長期的な業容拡大、企業価値向上に結実させていくのか?来期中の策定・発表となる中期経営計画の内容も合わせ、同社の取り組み、進捗に期待したい。 |
会社概要 |
婚活支援を起点に多様なサービスを提供。登録会員の婚活を支援する主力の「パートナーエージェント事業」のほか、婚活パーティーの企画・運営などを手がける「ファスト婚活事業」、これまで競合関係にあった婚活支援サービス事業者と会員の相互紹介を行うことができるオープンプラットフォームである『CONNECT-ship』や、婚活に取り組む企業や地方自治体を対象に、イベント開催の受託からマッチングシステムの提供・サポートを行う「ソリューション事業」、結婚式場紹介、ブライダルリングの販売、保険契約の見直しなど成婚後のライフステージごとの新生活をサポートする「QOL事業」を展開。
「世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。」という企業理念に基づき、各種サービスを展開している。中でも、専任コンシェルジュによるキメの細かいフォローアップと独自システムによる婚活支援により、高い成婚率実績を出していることが大きな特徴。【1-1 沿革】 2004年6月、ウェディングの企画および施設の運営を手掛ける株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(4331、東証1部、T&G社)が新規事業として婚活支援事業を始めるにあたり、100%子会社として同社を設立した。そのスタートアップにあたり招聘されたのが大手婚活会社で豊富な経験・実績を積み重ねた現社長の佐藤茂氏。 その後T&G社の業況が低調となり、継続的な投資が難しくなったのを機に、2008年5月、佐藤社長を始めとした経営陣と従業員の共同出資により株式を取得し、T&Gグループから独立した。「顧客成果追求」の結果である成婚率の高さを顧客に評価され、業績は順調に拡大。2015年10月に東証マザーズに上場した。 【1-2 企業理念】 【1-3 市場環境】 *未婚者の結婚の意思 ~「結婚する意思」は引き続き高水準~ 一方、「一生結婚するつもりはない」未婚者の割合が男女とも上昇してはいるが、その中でも今後「いずれ結婚するつもり」に変わる可能性があると回答した割合は、男性44.1%、女性49.8%となっており、今は結婚するつもりの無い層も半数近くは今後結婚に向けて動き出す可能性がある。 *独身でいる理由 ~25歳を過ぎると適当な相手に巡り会わない~ <同業他社> 【1-4 事業内容】 (1) パートナーエージェント事業 (サービスの特色) <PDCAサイクルに基づく活動支援のイメージ> ②入会後:専任コンシェルジュによる活動サポート (※)成婚(退会) ③コンタクト(お見合い)の設定:専任のコンシェルジュ以外の活動サポート 顧客が利用するコースに応じて毎月2~6人の相手紹介をしているが、これはサービス契約上の義務であって上限ではないので、会社の裁量によりそれ以上紹介を受けられることもある。 (付随サービス) ②オプションサービス (2)ファスト婚活事業 ①「OTOCON(オトコン)」婚活パーティー ②アライアンスモデル婚活支援サービス (3)ソリューション事業 (概要) これら一定規模の事業者間において、最大5万人超の会員(各社の会員数合計)の相互紹介を通じて成婚率を高め、顧客成果、顧客満足度の向上を図る「コネクトシップ」は、婚活支援業界初の試みである。 今後も顧客成果である成婚の最大化という想いを共有できる婚活支援事業者を利用事業者に加え、規模を拡大していく予定。利用事業者は、自社のサービス内容や運営について、事務局である同社を含めた他の利用事業者から干渉されることなく、自社の顧客に独自のサービスを提供することができる。 システムを提供・運用する同社は、利用事業者各社から受け取る会員同士のお見合い(コンタクト)が成立した場合のコンタクト成立料を収益源とする。 ②婚活パーティー情報サイトの運営 ③事業会社及び地方自治体向けコンサルティング 自治体向けの主な実績は以下の通り。 (4)QOL(Quality Of Life)事業 成婚退会した会員がメンバーとなる「アニバーサリークラブ」が主として以下のようなサービスを提供している。 結婚式場紹介に関しては、これまでは式場と直接提携し関東エリアの成婚会員への紹介が中心だったが、株式会社リクルートゼクシィなびが運営する「ゼクシィ相談カウンター」への紹介を開始した。これにより全国の成婚会員に式場紹介サービスの提供が可能となった。 【1-5 特長と強み】 同業他社は明確な数字を開示していないものの平均10%と言われており、同社の成婚率の高さは断トツである。 |
2019年3月期第2四半期決算概要 |
増収増益。
売上高は前年同期比3.6%増の31億31百万円。主力のパートナーエージェント事業は前年同期並み、ファスト婚活事業は堅調、ソリューション事業は保育士向け婚活支援サービスの開発等により大幅増収となった。 保育事業譲渡に伴う人件費が減少した一方、延期していた広告宣伝を計画通りに展開し販管費は前期並みで、営業利益は同39.5%増の1億49百万円。 前年同期にあった補助金収入がなかったため経常利益も同1.1%増の1億37百万円。 固定資産売却益19億円を特別利益に、固定資産除却損40億円を特別損失に計上した結果、四半期純利益は同8.9%減の79百万円となった。 (パートナーエージェント事業) (ファスト婚活事業) (ソリューション事業) (QOL事業) 現預金の増加、売上債権の減少に伴い、流動資産は前期末比58百万円増加し、16億10百万円となった。固定資産は投資有価証券の増加などで同35百万円増加し、12億76百万円となり、資産合計は同93百万円増加の28億88百万円となった。短期借入金の減少等で負債合計は同12百万円減少の19億30百万円。利益剰余金の増加などで純資産は同1億6百万円増加の9億58百万円となった。この結果、自己資本比率は前期末から2.7ポイント上昇し、33.1%となった。 (4) トピックス (株式会社メイション概要) 適正価格で提供する「挙式披露宴」への新規参入が相次ぎ、2017年3月期の売上高・売上総利益は減少したが、直近は「スマ婚」が堅調に推移すると同時に、「2次会くん」の収益拡大により業績は回復基調にあり、2019年3月期の売上高、売上総利益、営業利益はそれぞれ37億14百万円、16億46百万円、31百万円を計画している。 (グループ化の背景と目的) (今後の見通し等) ②結婚相談事業の一部譲受 (株式会社シニア-ライフ及びマリックス概要) (一部譲受の内容) ③エン婚活エージェント株式会社との資本提携および持分法適用関連会社化 (エン婚活エージェント株式会社概要および資本提携の背景) パートナーエージェントは、今後もオンライン型の婚活領域は更なる成長が見込め、かつファスト婚活と位置付けるこの領域を第2の成長軸として注力していることから、エン婚活エージェントとの連携を強化し、「エン婚活エージェント」サービスの品質向上と利用者拡大を図ることは自社の企業価値向上にも繋がると判断したため、資本提携契約を締結することとした。 (資本提携の内容) |
2019年3月期業績予想 |
業績予想に変更は無い。増収・増益。
業績予想に変更は無い。 売上高は前期比6.8%増の43億81百万円、営業利益は同38.1%増の2億69百万円の予想。 (2)今後の取り組み |
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年6月26日 <実施しない主な原則とその理由> |