(6046:東証マザーズ) リンクバル 売上高、営業益共に大幅増 イベント注力で更なる成長へ

2019/03/07

linkbal

今回のポイント
・国内最大級のコト消費(※)ECプラットフォーム「machicon JAPAN」を運営。対象とするコト消費領域の拡大を通じて、人と人、人と世界をつなぐワンストップ型の「コト消費のプラットフォーマー」を目指している。強固なユーザー基盤を源泉とした集客力は同社の強力な競争優位性。国内コト消費市場への本格展開、WEBサイト運営サービスの強化、海外コト消費市場の創造・開拓により更なる成長を目指している。※「コト消費」とは、サービスやレジャー(イベント・セミナー・体験)にお金を使う消費者の行動。

・ワンストップ型の「コト消費のプラットフォーマー」を目指す同社にとって、「コト消費の拡大」と「EC市場拡大に伴い高まるプラットフォームの役割」という市場環境、事業環境は、極めてポジティブなものである。

・19年9月期の売上高は前期比20.9%増の33億47百万円の予想。ECプラットフォームの更なる拡大により、参加者数は同30~40%増の150~160万人を見込む。営業利益は同40.1%増の10億30百万円の予想。事業規模拡大を目的とした、イベントへのフリーパス等販売促進費等が増加するが、引き続き他社イベントの強化による事業構造の戦略的転換や、イベント参加者数の拡大によって大幅な増益を見込み、利益率も大きく上昇する。

・「恋活・婚活市場からより巨大な「コト消費市場」への展開」、「WEBサイト運営サービスの強化」、「海外コト消費市場の創造・開拓」により更なる高成長を目指している。

・吉弘和正社長に、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。
「国内だけでなく世界でも類を見ない「コト消費のワンストップ型ECプラットフォーマー」を目指し、今後も倍々に近い急成長を目指していく考えだ。是非株主や投資家の皆様には中長期の視点で大いに期待していただきたい。」とのことだ。

・前期は事業構造の戦略的転換の実質初年度ということで利益および利益率は大幅に伸張した一方、増収率は1桁にとどまったが、他社イベントへの注力が更に進み「国内コト消費ECプラットフォームの確立」に向けた本格的展開初年度となる今期はイベント掲載数及び参加者数の更なる拡大で増収率も大きく高まる見込みである。
強力な集客力を始めとした競争優位性を活かして高成長を目指す同社の今後を見ていくにあたり、リンクバルID会員数、イベント参加者数に加え、カテゴリー別掲載数の今後の推移にも注目したい。

会社概要

年間18万件以上のコンテンツを掲載する国内最大級のコト消費ECプラットフォーム「machicon JAPAN」を運営。恋活・婚活に加え、趣味、体験、習い事、旅行等のコト消費領域の拡大を通じて、人と人、人と世界をつなぐワンストップ型の「コト消費のプラットフォーマー」を目指している。

「machicon JAPAN」のほか、オンラインで恋活・婚活をするためのデーティングアプリ「CoupLink」や恋愛専門情報メディア「KOIGAKU」を運営。同社サービスが利用可能なリンクバルID会員数は20~30代を中心に約150万人。約4,000万人に上る年間UU(ユニークユーザー:一定期間内にサイトへ訪れた利用者)数と合わせた強固なユーザー基盤を源泉とした集客力は同社の強力な競争優位性である。

国内コト消費市場への本格展開、WEBサイト運営サービスの強化、海外コト消費市場の創造・開拓により更なる成長を目指している。

【1-1 上場までの沿革】

10代の頃から起業意欲が旺盛であった吉弘 和正氏は米国カリフォルニア大学を卒業し、不動産投資やプライベート・エクイティ業界での従事後、英国オックスフォード大学でMBA(経営学修士)を取得。2008年に、米国のプライベート・エクイティを専門とする投資顧問の日本法人立ち上げのために帰国した。

そして、2011年に起こった東日本大震災後、全国で自粛機運が強まっている中、地域活性化イベントであり今で言う「街コン」が実施されているのをメディアで目にする。

MBA在籍中の起業家プロジェクトにおいてポータルサイトの可能性を実感していた吉弘氏は「街コン」情報を全国に発信すべく、2011年6月、ポータルサイト「街コンジャパン(現machicon JAPAN、以下「machicon JAPAN」)」を立ち上げた。

ただ、当初はビジネスというより地域活性化のためのボランティアの意味合いが強かったと言う。サイト作成・Webデザインなどを独学でゼロから勉強し、休日を利用してサイトを作成。自ら街コンを企画・集客するなど一人で運営を行っていたが、2011年11月、TVを始めとしたマスメディアで「machicon JAPAN」が一斉に取り上げられて状況は一変する。

ほぼ毎晩ゴールデンタイムで放送されたことから、社会の注目を一気に集めた「machicon JAPAN」は街コンの公式サイトとして認知され、サイトのユーザー数は急増し、製品・サービスのプロモーションを図りたいという様々な企業からの問い合せも増加した。

ポータルサイトとしての大きな可能性を感じ、改めて起業意欲を大いに刺激された吉弘氏は「日本全国に街コンを普及させたい」との思いから、街コン運営のノウハウを提供する「街コン応援プロジェクト」を立ち上げた。

ここまでは吉弘氏ほぼ一人で運営して来たものの、急増する街コン参加希望者や街コン主催者、業務提携を依頼する大手企業からの引き合いに対し適切な対応を行う必要があることから、2011年12月、株式会社リンクバルを設立した。

コンテンツ量の多寡が価値決定の最大要因であるポータルサイトにおいて、自社企画イベントを積極的に掲載するとともに、他社主催イベントの掲載にも注力する一方、大手企業とのコラボレーションによって認知度及び信頼性の向上も進み、掲載イベント数およびイベント参加者数は飛躍的に増加し、売上・利益も順調に拡大。

2015年4月、東証マザーズに上場した。

【1-2 経営理念】

「コト消費のECプラットフォーマー」を目指し、以下のようなミッション、ミッションステートメントを掲げている。

吉弘社長は「コト消費のECプラットフォーマーを目指す」ことを様々な機会を捉えて社内で繰り返し伝え、全社への浸透を図っている。

【1-3 市場環境】

「コト消費のプラットフォーマー」を目指す同社を取り巻く市場環境を理解するためには、「コト消費の拡大」と「EC市場拡大に伴い高まるプラットフォームの役割」の2点を押さえておく必要がある。

(1)コト消費の拡大

内閣府が毎年実施している「国民生活に関する世論調査」によれば、「心の豊かさ」を重視する国民の割合は1980年代前半に「物質的豊かさ」を重視する割合を逆転した後、その差は拡大を続け直近では約6割の国民が「心の豊かさ」を重視している。

また、同じく内閣府調査「形態別国内最終消費支出及び財貨サービス別の輸出入」によれば、財およびサービスに対する支出の推移を見ると、サービス支出の構成比はこの20年で上昇傾向にある。

加えて、同社資料によれば、消費者のニーズも「モノ消費」よりも「コト消費」を重視していることが明らかであり、なかでも「学び」や「体のメンテナンス」に高い関心を示している。

このように、「モノ」が飽和する一方で、消費者は「心の豊かさ」や「自分磨き」に時間やお金をかける傾向が強まっており、消費支出における「コト消費」のウェイトは今後も拡大することが予想される。

(2)EC市場拡大に伴い高まるプラットフォームの役割

経済産業省の電子商取引に関する調査によれば、日本の「BtoC」関連EC市場は2010年以降、年率11.3%の成長を見せ、2017年の市場規模は2010年の倍以上となった。

EC化率(商取引中のECの割合)はまだ5.79%と低いものの、市場規模の拡大とともに上昇していくことは間違いないであろう。

分野別の推移を見ると、市場規模は物販系分野が最も大きいもののここ数年の成長率はサービス系分野が2桁の伸びを見せトップとなっている。

EC市場の成長には「豊富な情報量」、「優れた利便性」、「安心・安全を担保する高度な信頼性」などを消費者に提供するプラットフォームが不可欠であり、こうした条件を備えたプラットフォーマーの評価の高まりおよび成長は国内外の事例から明らかである。

我が国における「コト消費の拡大」という持続性の高いトレンドの上で、高成長が見込まれるサービス系EC分野において重要な役割を果たすプラットフォームを目指すリンクバルを取り巻く市場環境、事業環境は同社にとって極めてポジティブなものである。

【1-4 事業内容】
(1)サービス内容

報告セグメントは「インターネット運営事業」の単一セグメント。

サービス別ではイベントECサイト運営サービスとWEBサイト運営サービスの二つ。売上の90%以上をイベントECサイト運営サービスが占める。

①イベントECサイト運営サービス

コト消費コンテンツを掲載するECプラットフォーム「machicon JAPAN」を運営している。

「machicon JAPAN」は、2011年6月に「街コン」の公式サイトとして、街コンを全国に普及することを目的に創られた街コンイベント専門の情報ポータルサイト。

これまでは、主に独身男女の出会いの場を提供してきたが、より広い市場での展開を視野に、ワンストップ型の「コト消費のプラットフォーマー」を目指していく。

「machicon」は、「match:ぴたりと調和する」と「connect:つなぐ」を合わせた言葉で、今後は人と人、人と世界をつなぐ、「machicon JAPAN」として、更なる発展・成長を目指す。

(特長)
18年9月期のイベント掲載数は年間18万件、イベント参加者数は116万人、年間UU数約4,000万人と国内最大級のコト消費のワンストップ型プラットフォームである。
会員は20-30歳代が中心。男女比率はおおよそ45%対55%。
参加者は豊富なコト消費コンテンツを比較検討し、WEB上で申し込み、会員登録、決済をワンストップで行うことができる。
安心で質の高いイベントのみを選択して掲載し、参加者の満足度を最大化するとともに、健全なイベント運営を行うことが重要と考えているため、「machicon JAPAN」の運営開始からほどない2012年4月には「machicon JAPAN認定返金保証制度」を開始している。
万が一イベントが開催されない場合でも、「machicon JAPAN」の認定したイベントに関しては、「machicon JAPAN」が責任を持って参加費の返金を保証している。
創業以来、「恋活・婚活」、主に独身の男女の出会いの場を提供してきたが、現在では、人と人、人と世界をつなぐ「machicon JAPAN」として「友達作り」、「自分磨き」など、異性との出会いを目的としたイベントのみならず共通の趣味を持つ友達との出会いの場の提供、出会い以外で自身を高める活動のサポートのためのコンテンツなど、より広いコト消費コンテンツを提供するワンストップ型の「コト消費のプラットフォーマー」を目指している。
そうした目的から2017年9月にオープンした日本全国の体験、アクティビティ、遊び、地域の観光体験を掲載する予約サイト「体験ジャパン」では、海の体験(ダイビング、パラセーリングなど)、モノづくり体験(アクセサリー作り、陶芸など)、日本文化体験(座禅、江戸切子など)といった様々な体験やアクティビティ機会を掲載している。
コト消費イベント情報を掲載するほか、街コン開催希望者に対し、街コンに関する統計情報、運営方法、集客方法、顧客満足度向上施策など同社のノウハウを提供するコンサルティングも行っている。
また、企業の依頼に基づいて、「machicon JAPAN」の会員やサイト来訪者、イベント参加者を対象とした商品やサービスのプロモーションを行っている。
(事業構造の戦略的転換に着手)

従来は自社企画イベントが中心であったがプラットフォーマーとして掲載情報量の最大化を目指す中、NO.1サイトである「machicon JAPAN」の集客力を活かして他社企画イベントの掲載を拡大させている。

下のグラフのように、2018年9月期には売上高ベースで他社イベントが自社イベントを上回った。

掲載数ベースでは2018年9月期で他社イベントが95.0%と圧倒的に他社イベントが中心となっている。

この事業構造の戦略的転換=他社企画イベントの掲載拡大は収益性向上の面からも同社にとって大きな意味を持っている。

自社イベントを企画、調整、実施する工数を減少させることで収益性は大幅に向上。また、人的リソースを各サイトのUI(ユーザーインターフェース:操作のしやすさ)、UX(ユーザーエクスぺリエンス:製品やサービスを使用することで得られるユーザー体験)の向上に注力し、WEBサイトの価値向上に繋げている。

こうした事業構造の戦略的転換に本格的に取り組んだ18年9月期の売上高経常利益率は、前期比約8ポイントアップの26.7%と大きく上昇した。今期は30%超を見込んでいる。

以前は「machicon JAPAN」、「CoupLink」、「KOIGAKU」それぞれのサイトにおいて会員IDを発行していたが、2018年1月に共通会員IDである「リンクバルID」への統合を行った。

この統合を契機にシナジー効果によりID数の増加が加速したほか、「CoupLink」においては「machicon JAPAN」、「KOIGAKU」からの送客によりユーザーを無料で獲得することが可能となるなど、各媒体の収益性向上に結び付いている。

【1-4 特長と強み】
(1)国内最大規模のコト消費ECプラットフォーム「machicon JAPAN」

同社が創業以来運営している「machicon JAPAN」は、年間18万件以上のコンテンツを掲載し国内最大級である。

掲載イベント数の更なる拡大により唯一無二のワンストップ型の「コト消費プラットフォーム」を目指している。

(2)強固なユーザー基盤による集客力

2011年のローンチ以来積み上げてきた20~30歳代を中心とした150万人を超えるリンクバルID会員、約4,000万人に上る年間UU数というユーザー基盤を源泉とする集客力は同社の強力な競争優位性である。

今後「出会い」以外のコト消費カテゴリーの掲載数を拡大させていく中でもこの強力なユーザー基盤が集客を可能とし、更にその集客力が他社イベント掲載数増加につながるという好循環を構築している。

収益性の向上によりROEも上昇を続けている。19年9月期の売上高当期純利益率は18.56%の予想。利益の積み上げによる総資産、自己資本の増加も予想されるが、ROEも更なる上昇が見込まれる。

業績動向
増収、大幅な増益

売上高は前期比4.4%増の27億69百万円。イベントECサイト運営サービスの売上高は同2.1%増収。WEBサイト運営サービスはリンクバルIDの規模拡大により、同54.2%の大幅増収となった。

売上総利益は同13.5%増の22億9千万円。他社イベント掲載数増加など事業構造の戦略的転換により売上総利益率は6.6ポイント上昇し、82.7%となった。

一方システム化投資の結果、管理コストが削減されたことにより販管費は同0.1%の微増に抑えられ、この結果、営業利益は同58.2%増の7億35百万円と大幅な増益となった。

イベント参加者数は前期比30.7%増の116.1万人、イベント掲載数は同91.5%増の18.5万件、2018年1月のリンクバルID開始(IDの統合)により会員数は150万人を超えた。

期初計画に対しては、売上高はややショートしたが、利益は大幅に上回った。

他社イベント掲載を中心とする事業構造の戦略的転換が進行した。

また、リンクバルIDの規模拡大によりWEBサイト運営サービスも順調に拡大している。

③トピックス
◎ベトナムに開発拠点を開設

2018年12月、同社初となるソフトウェアの海外開発拠点をベトナム・ハノイ市に設立した。

(開設の背景)

同社ではユーザーにとってより利用しやすいサイトにすべく、日々テクノロジーを駆使してECプラットフォームの強化を進めているが、国内における優秀なエンジニア人材の採用競争が厳しさを増す中、2017年以降積極的に外国人の採用に取り組み、18年12月現在、エンジニアの約3割が外国人である。

今後も優秀なエンジニア確保によるテクノロジー強化とコスト競争力向上を図るため若く優秀なソフトウェアエンジニアが豊富なベトナムに海外開発拠点を設立することとした。

(今後の展開)

日本のオフショア開発拠点としてスタートしベトナム現地での採用を積極的に進め、将来的には採用した人材を育成し、日本と同等のソフトウェア開発拠点とする。

主にアジア地域での拡大を視野に入れている。

参加者数の増加、事業構造の戦略的転換による増収増益を予想。

売上高は前期比20.9%増の33億47百万円の予想。ECプラットフォームの更なる拡大により、参加者数は同30~40%増の150~160万人を見込む。

営業利益は同40.1%増の10億30百万円の予想。事業規模拡大を目的とした、イベントへのフリーパス等販売促進費等が増加するが、引き続き他社イベントの強化による事業構造の戦略的転換や、イベント参加者数の拡大によって大幅な増益を見込む。

イベントECサイト運営サービス売上高は、イベント参加者数増加により前期比18.0%増の30億51百万円を、WEBサイト運営サービス売上高は、アプリ事業(CoupLink)の本格立ち上げで同61.4%増の2億96百万円を見込む。

成長戦略

2011年の設立以来順調に業容を拡大させてきた同社は、更なる成長を目指し「コト消費市場」の本格的な開拓に取り組んでいる。

(成長を支える2つのポイント)

同社の今後の成長を支えるポイントは以下の2点である。

ポイント1.巨大な「コト消費市場」

【市場環境】で述べたように、家計消費支出は財からサービスへの消費シフトが進み、消費者は「コト消費」への関心を強めている。

また、「BtoC」関連のEC市場が順調に拡大する中で、サービス系の「BtoC」関連EC市場は他分野を上回る成長を見せており、「コト消費のプラットフォーム」の役割は今後ますます高まると予想される。

ポイント2.強固な会員基盤と集客力

同社主要サイトの年間UU数は約4,000万人と圧倒的規模である。

またリンクバルIDを有する約150万人の会員の年齢別内訳は20-30歳未満が約60%で、次いで30-40歳未満が35%とコト消費志向の高い会員基盤を有しており、「出会い」に限らずより広範囲なカテゴリーでの展開を目指す上で強力なアドバンテージとなる。

(成長戦略)
①恋活・婚活市場からより巨大な「コト消費市場」への展開

「出会い」をキーワードに恋活・婚活市場を中心に展開してきた同社だが、現在はより巨大な「コト消費市場」への展開を進めている。

一つは現在の20-30歳を中心としたユーザー層の出会いマッチングに加え、年齢層を広げ40-50歳代の未婚者層の出会いの場も創出する。

これに加え、「恋活・婚活」以外のコト消費領域に対象を広げ、更に巨大なコト消費市場の創造・開拓に取り組む。

150万人を超えるリンクバルID会員、約4,000万人のUUという既存ユーザー層で拡張可能な領域を開拓しつつ、ユーザー層についても既婚者、シニア、外国人などに拡張していく。

前期末時点ではまだ恋活・婚活の掲載数が多数ではあるが、前述の「体験 ジャパン」では趣味・体験・自分磨きなど「出会い」以外の掲載を増加させており、今後は「出会い」以外のコト消費カテゴリーの掲載数の増加ペースは飛躍的に高まることとなろう。

②WEBサイト運営サービスの強化

今期計画でも売上高構成比が1割に満たないWEBサイト運営サービスであるが、会員規模の拡大・リンクバルIDへの統合を梃に、より価値のあるサイト、アプリへブラッシュアップしもう一つの収益の柱として確立する。

③海外コト消費市場の創造・開拓

アジアを中心とした海外コト消費市場の創造・開拓に取り組む。

現時点では海外に同様なプラットフォームは見当たらず、国内での成功が大きなアドバンテージとなる可能性が高い。

(成長イメージ)

街コンビジネスのパイオニア、リーディングカンパニーとして恋活・婚活市場で成長してきた同社は創業期・第一成長期を経て、2018年9月期より事業構造の戦略的転換に本格的に取り組み、国内コト消費市場での成長を図る第2成長期に入った。

国内コト消費ECプラットフォームの確立を図るとともに、より巨大な海外コト消費市場へ本格展開する第3成長期において更なる成長を目指す考えである。

吉弘 和正社長に聞く

吉弘和正社長に、同社成長の背景、今後の戦略、株主・投資家へのメッセージなどを伺った。

Q:「創業以来急成長を続けている御社ですが、その背景・要因は何でしょうか?」

A:「まず量の面から大量のイベントを掲載することができた点、次いで質の面から大企業とのコラボ企画により話題性・認知度・信頼性・安心感を向上させることができたという、当社の戦略が奏功したことが大きな背景だ。」

若者にとって新たな出会いの場である「街コン」が支持されていったという外的な背景以外に、ポータルサイト成功に向けた当社の戦略が奏功したということだろう。

成功するポータルサイトの最大のポイントは「大量のコンテンツ」だ。

当社では、「machicon JAPAN」立ち上げ直後から、自社企画で全国各地を対象に様々な街コンを実施していった。

マスコミが取り上げたことで一気に世間の注目を集めるようになったが、大量の掲載企画数という「量」の面で他サイトを圧倒的に先行していたことが成長の第一の要因だ。

加えて、大企業とのコラボ企画を次々と生み出したことも重要なポイントだった。

コラボ企画は「machicon JAPAN」の話題性や認知度の高まりに加え、信頼性や安心感の向上にもつながり、広告費用をかけることなく、ケースによっては協賛金という収入を得ながら当社および「machicon JAPAN」のブランド力やサイトの訴求力を高めることができたという点で、大企業とのコラボ企画は「質」の面から当社の成長を加速させたといえるだろう。

Q:「では、今後の目指す姿、そのための戦略についてお話ください。」

A:「目指す姿は、ワンストップ型のコト消費プラットフォーム。横軸であるコト消費領域と縦軸であるユーザー層の2軸を同時に拡張させることで、強大なコト消費市場の創出と開拓に取り組んでいく。また海外コト消費市場での本格展開も視野に入れ、その先はデータを活用したビジネスへの参入も念頭に置いている。」

目指す姿は、「ワンストップ型のコト消費プラットフォーム」だ。

「モノ消費」に関しては既に世の中には様々なプラットフォームが存在するが、これから消費者がますます関心を高めることが見込まれる「コト消費」については圧倒的NO.1のプラットフォームはまだ見当たらない。

国内最大級のコト消費ECプラットフォーム「machicon JAPAN」を運営してきた当社は、高い認知度、圧倒的なユーザー基盤、開設以来トップランナーとして培ってきた様々なノウハウや知見など他社には真似のできない強力な競争優位性を備えており、「ワンストップ型のコト消費 No.1プラットフォーム」となる条件が揃っている。

具体的な戦略としては、当社の中心ユーザー層は20~30歳代未婚者だが、まず40~50歳代の未婚者を対象とした「出会い」の場を提供する。またこれと並行し、既存のユーザー基盤に対して、趣味・体験・習い事・旅行など「出会い」以外の様々なコト消費領域を開拓・提供していく。

また、ユーザー層についても既婚者、外国人など多様化を進めていき、「横軸:コト消費領域」、「縦軸:ユーザー層」の2軸を同時に拡張させることで、強大なコト消費市場の創出と開拓に取り組んでいく。

これまでの当社のミッションは「人と人をつなぐ」ことが中心だったが、今後はこれに加え「人と世界をつなぐ」こと、つまり出会いにとどまらない様々な体験の場を提供していくこととなる。

現在を「第2成長期:コト消費市場での成長」のスタートと位置付けており、5年程度での国内コト消費ECプラットフォームの確立を目指している。

また同時並行で海外展開の準備を進め、第3成長期にはアジアを中心とした海外コト消費市場での本格展開も視野に入れている。

海外展開はチャレンジングな部分も当然あるだろうが、現在のところ類似のプラットフォームは見当たらず、当社の強みやアドバンテージを活かして海外においてもNo.1プラットフォーマーを目指していく。

また、2軸による成長の先にはデータを活用したビジネスへの参入も念頭に置いている。

Q:「そうした成長戦略を成功させるために必要な条件はなんでしょうか?」

A:「必要なリソースは人に尽きる。コト消費の様々なカテゴリーでのWEB運営に携わる優秀な人材の積極的な採用を進めている。また、テクノロジーの強化とコスト競争力向上のためにベトナム拠点を新設した。」

多種多様なコンテンツを掲載するNo.1プラットフォーマーへの成長を遂げるために必要なリソースは「人」に尽きるだろう。

特に例えば趣味、体験、習い事などのコト消費の様々なカテゴリーでのWEB運営上の豊富な経験、知識、知見や優れたディレクション能力やプロデュース力を持つ優秀な人材が必要であり、積極的な採用を進めている。

またテクノロジーの強化とコスト競争力向上も不可欠であり、昨年12月にはベトナム拠点を新設した。

Q:「では最後に株主・投資家へのメッセージをお願いいたします。」

A:「国内だけでなく世界でも類を見ない「コト消費のワンストップ・プラットフォーマー」を目指し、今後も倍々に近い急速な成長を目指していく考えだ。是非株主や投資家の皆様には中長期の視点で大いに期待していただきたい。」

先程述べたように、国内最大級のコト消費ECプラットフォーム「machicon JAPAN」を運営してきた当社は、高い認知度、圧倒的なユーザー基盤、創業以来トップランナーとして培ってきた様々なノウハウや知見など他社には真似のできない強力な競争優位性を備えており、国内だけでなく世界でも類を見ない「コト消費のワンストップ・プラットフォーマー」を目指し、今後も倍々に近い急速な成長を目指していく考えだ。

是非株主や投資家の皆様には中長期の視点で大いに期待していただきたい。

今後の注目点
前期は事業構造の戦略的転換の実質初年度ということで利益および利益率は大幅に伸張した一方、増収率は1桁にとどまったが、他社イベントへの注力が更に進み「国内コト消費ECプラットフォームの確立」に向けた本格的展開初年度となる今期はイベント掲載数および参加者数の更なる拡大で増収率も大きく高まる見込みである。

強力な集客力を始めとした競争優位性を活かして高成長を目指す同社の今後を見ていくにあたり、リンクバルID会員数、イベント参加者数に加え、カテゴリー別掲載数の今後の推移にも注目したい。

<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書

最終更新日:2018年12月21日

基本的な考え方

当社は、経営の効率化、健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に株主価値を向上させる企業経営の推進がコーポレート・ガバナンスの基本であると考え、経営上の重要課題であると認識しております。このため、企業倫理と法令遵守の徹底、経営環境の変化に迅速・適正・合理的に対応できる意思決定体制および業務執行の効率化を可能とする社内体制を構築して、コーポレート・ガバナンスの充実に取組んでおります。

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>

本欄に記載すべき事由はございません。

株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。