株式会社メドレックス(4586 Mothers)
順調な開発進展を反映、パイプライン価値を上方修正

2018/03/13

フォローアップレポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯

ニッチな市場で独自の技術
メドレックス社は、既存の経口薬・注射薬の有効成分を経皮吸収型製剤として開発し、製薬会社へ導出(ライセンス供与)、マイルストーン収入や上市後のロイヤリティ収入等を獲得するビジネスモデルの会社である。
通常の新薬創薬ビジネスと比較して、既存の薬剤の有効成分をベースにしているため成功確率は高く、ニッチな分野であるため競合も限定され、しかも独自のILTS®技術等で差別化されている。

パイプライン 開発は順調に進展
オキシコドン・テープ剤は、同社にとって最大の価値をもたらすパイプラインであり、2018年2月1日に、米国での第Ⅰ相臨床試験が良好な結果を示したことが開示された。また、同時に、チザニジン・テープ剤も、導出先の米国Cipla社が行っている追加第Ⅰ相臨床試験が良好な結果であったことも開示された。さらに、2月末には、NCTS®を用いた開発候補品について、メガファーマの第一三共株式会社と共同開発契約を結んだとの発表があった。将来的に、この部分でも開発段階に応じたマイルストーン収入が見込めるほか、上市後のロイヤリティ収入も視野に入ってくる。2017年末の現預金残高が17億円まで低下した一方で、開発の活発化に伴い、2018年の赤字幅が11億円まで拡大する見込みであるが、新株予約権の実行で12億円程度のキャッシュが入ると想定され、開発資金の枯渇を意識する心配は当面ない。

主要パイプラインの価値は合計400億円台へ上方修正
開発の進展を反映し、オキシコドン・テープ剤の成功確率を40%から50%へ引き上げた結果、この薬剤の成功確率考慮後の現在価値は、273億円から373億円へと100億円ほど上方修正された。他の薬剤に関する前提は、ほとんど変更していないため、パイプライン全体の価値は、オキシコドン・テープ剤に押し上げられ、前回試算値の300億円台半ばから400億円台半ばへ上方修正される。(なおNCTS®を用いた開発候補品は詳細不詳のため試算には不算入。今後の開発進展と開示に期待したい。)新株予約権行使に伴う希薄化を考慮してもなお、時価総額との間に大きなギャップがあると思料される。

 

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