イーレックス株式会社（9517 東証一部）
中期経営計画は十分に達成可能
EVA®分析によれば大きなアップサイドが期待可能
ベーシックレポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下 修、CFA
自社保有のバイオマス発電を活用した高成長が注目
新電力のイーレックス社の最大の強みは、独自調達ルートで開拓したパーム椰子の殻（ＰＫＳ）を燃料にした自社のバイオマス発電を有することである。バイオマス発電の固定価格買取制度により得た利益等を基盤に、マーケティング活動を行い年率30-50%の高成長を実現している。強固な全国の代理店網を利用した開拓力が高成長を支えている。
2020年3月期の営業利益109億円は十分達成可能
足元で四半期ごとに売上高は平均的に10%程度で成長している。中期経営計画の成長前提はその水準から見れば十分に達成可能である。営業利益率のトレンド、収益向上が期待される低圧小売が拡大することから見て2020年３月期の中期経営計画の目標、売上高935億円、営業利益109億円は十分に達成可能と考えられる。
最大で2.7倍の時価総額の上昇余地も
イーレックス社の分析を行う上で、成長性の評価が極めて重要である。そこで、足元の利益水準の企業価値の貢献度合いと、将来の成長の貢献度合いを明確に分析が可能なEVAによって企業価値分析をおこなった。中期経営計画の売上高、営業利益の前提を利用した。また、投下資本の売上高比の前提については、足元で80％程度、2020年３月期に総額485億円をかけた二つのバイオマス発電が新たに稼働するため90％程度に上昇するとした。加重平均資本コスト（WACC）4％で時価総額1,458億円と推計された。現状の時価総額の2.7倍である。あくまで前提が達成できればというベースの試算だが、潜在的に極めて大きなアップサイドがあるとも言える。（EVA®はSternStewart&Co.の登録商標）
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