GCC経営™分析レポート:株式会社アクセスグループ・ホールディングス(東証スタンダード 証券コード:7042)
信頼と対面での学生との人間関係が紡ぐ人生支援企業への進化による売上高・時価総額のダブル100億円達成への道筋

2025/12/22

ベーシックレポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修

独自ポジションで高収益化。LTV(ライフタイムバリュー)拡大で売上高100億円企業へ

株式会社アクセスグループ・ホールディングス(以下「アクセスグループ」は、1982年創業、都市圏中堅私立大学のキャリアセンターとの40年超の信頼関係を武器に就職・教育機関支援を展開する。2025年3月期は売上36億円、営業利益率6.4%、ROE16.6%の高収益体質である。大手が早期に学生を囲い込む中、同社は公務員試験落ち層、交換留学で出遅れた学生、体育会学生、外国人留学生など就活後半戦に特化しブルーオーシャン市場を開拓した。特に優秀な外国人留学生には対面での立ち居振る舞い確認が不可欠なため、渋谷・梅田の自社イベントスペースで対面形式にこだわり高支持を得ている。ただしコロナ禍では対面の強みが裏目に出て、2020~21年は2期連続赤字に転落した。しかし対面回帰とともにV字回復し、2025年3月期は営業益2.3億円と過去最高を更新、対面モデルの競争優位が再証明された。JPRは、IR改革、プロネクサス提携、外国人留学生事業急拡大(前年比130%成⾧)により、2033年3月期に売上100億円程度へ成⾧すると予想する。収益面では、渋谷・梅田の施設稼働率に余裕があり売上増でも販管費は比例増加せず規模のメリットが発現する。JPRは、規模のメリットにより販管費成⾧率は売上成⾧率よりも抑制され、営業利益率12.5%、ROIC24.7%へと上昇すると予想している。リスクは、提携未達、少子化、政策変更、景気悪化など。

信頼資産とリアル対面が生み出す価値で描く成⾧シナリオ

アクセスグループの今後1-2年の注目点は、第一に外国人留学生事業の急拡大である。年率2-3割成⾧の勢いが継続すれば同事業が全社売上の牽引役となり、会社全体での年率二桁以上の成⾧達成の持続性が高まる。日本語学校約850校との連携基盤を活かし、優秀な留学生を正社員として紹介する独自ポジションが強みとなる。第二にプロネクサス提携効果の顕在化で、上場企業約2,500社への採用支援クロスセルが来期から本格寄与する見込みである。IR支援で接点を持つ企業に採用ニーズをヒアリングし、同社の学生ネットワークへ橋渡しする流れが確立されつつある。第三に渋谷・梅田の自社スペース稼働率上昇で、高い限界利益率の構造から売上増が直接利益に貢献する。今期の過去最高益達成は後述するように確度が高く、さらに3期連続での最高益更新が視野に入る。外部会場費が不要なため固定費増なく収益が拡大する構造である。第四に体育会学生支援の立ち上げで、新規ネットワーク構築による顧客基盤拡大が始動する。体育会学生は企業からの評価が高く、新たな収益柱として期待される。学生が知らない優良中小企業を発掘し紹介する独自価値は企業からも高評価で、派遣会社への紹介は大学との信頼を守るため絶対に行わず正社員雇用にこだわる姿勢が差別化要因である。

成⾧認知進めば株価は1-2年で3-5倍、時価総額100億円への余地あり

2030年3月期までの成⾧を反映した株価は1,603円、2033年3月期までの成⾧を反映した株価は2,739円と予想された。それぞれ2025年12月12日終値と比較すると2.75倍、4.70倍となる。2027年3月期の見通しが発表される2026年5月あたりには、現状株価より3-5倍になる可能性が十分あるとみている。同社の成⾧ストーリーが市場に正しく認識されれば、株価は大きく水準訂正される余地がある。具体的には、3期連続最高益の更新、2桁成⾧の持続可能性、売上高100億円の達成可能性(JPR予測)が投資家に伝われば、十分実現可能性のあるアップサイドである。現在の株価は時価総額が小さく出来高も少なく注目されいないため過去最高益にも関わらず株価の上昇力は限定的で、本来の企業価値が十分に反映されていない可能性が高い。なお同社は極めて高いROICを実現しており、東証が要請する「資本コストと株価を意識した経営」の観点からも優等生である。この強みをIRで積極的に発信し、成⾧戦略と資本効率の高さを投資家に訴求すれば、アップサイドの実現可能性の確度はさらに高まるだろう。

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