株式会社リボミック(4591 Growth)
RBM-007(対象ACH)の優位性をPh3で証明へ

2025/12/09

フォローアップ ・ レポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯


核酸医薬(アプタマー)の創薬ベンチャー
リボミックは、核酸医薬の一種であるアプタマー医薬の研究開発を専門とする東京大学発のバイオベンチャーである。核酸医薬は、低分子薬や抗体医薬による創薬の種が、これまでの開発競争で枯渇化している懸念のなか、治療が難しかった疾患に対する新しい創薬モダリティ(治療手段)として注目を集めている。アプタマーは、核酸の一種であり、疾患の原因になっているタンパク質などの分子に結合し、その動きを阻害するものである。また、アプタマーは様々な疾患に応用できるものが多く、小規模な会社であっても、数多くの新薬の種を保有できる。


RBM-007はライバル薬に対する優位性を示す予定
リボミックは、数多くの開発候補品を保有するが、ACH(軟骨無形成症)を対象としたRBM-007、RBM-006の非臨床開発、DDSアプタマーの研究開発の三分野に選択と集中を行っているところである。2025年10月までに公表されたACHを対象とするRBM-007のPh2のトップラインデータ(年間平均成長幅)は、既存薬(VOXZOGO®)に匹敵する結果であった。また、RBM-007はVOXZOGO®と同じ皮下注射剤であるが、VOXZOGO®に比べ投与間隔を大幅に改善できる。ただし、RBM-007のライバルとみなされるInfigratinib(経口薬)は、現在Ph3の段階にあるが、既存薬を上回る効果を示唆している。リボミックでは、従来Ph2の後ライセンスアウトする予定であったが、提携候補先である複数の大手製薬会社は、RBM-007がInfigratinibを上回る効果を挙げる可能性があるか注目している。リボミックでは、RBM-007は動物モデルで用量依存性が確認されており、投与量を上げたPh3を行うことによって、Infigratinibを上回る効果を示し、ライセンスアウトにつなげる方針である。


ACH治療薬は大型導出契約となる公算
現在、PMDAとPh3のデザインについて相談中で、2026年上期にはPh3を開始、2028年までには完了し、新薬申請を行うことを考えている。 ACH を対象とした治療薬は、日本では、対象患者数が約900人と推定され、先行するVOXZOGO®の薬価を参考に置くと、潜在市場規模は約350億円と推定される。なお、VOXZOGO®は2022年8月に承認されたばかりであるが、既に年間100億円程度の売り上げ規模となっている。また、 ACH を巡る日本での開発販売権の導入例を見ると、契約一時金が7000万ドル~1億ドルとなっており、仮にリボミックがライセンスアウトできれば、大型契約になることが期待できる。欧米まで開発販売権を広げるとさらに大きな金額が期待できよう。 2026年は、Ph2の最終解析結果の公表、Ph3のデザイン確定、そして最初の患者登録というイベントが次々と浮上してくるものと期待できる。

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