株式会社メドレックス(4586 Growth)
遂に米国FDAの承認品目が誕生
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フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯
ILTS®技術を使った初のFDA承認品目が誕生
メドレックスは、リドカイン・テープ剤(商標名:Bondlido)を巡って、これまで3度も FDAから審査完了報告通知(Complete Response Letter)を受領してきたが、その度に、指摘事項に関する分析結果を積み上げ、2025年9月24日、ついにFDAより承認を得るに至った。 Bondlido はメドレックスにとって、同社独自の経皮吸収技術であるILTS®技術を使った初のFDA承認品目である。既に複数社と販売提携交渉が進行中で、2025年末から2026年初には販売先の選定を終え、2026年上半期には上市されるものと推察される。また、これまでの分析の積み上げのなかで蓄積されたノウハウとFDAの承認を得たという事実は、ILTS®技術を用いて開発中の他のパイプラインの導出に好影響をもたらすものと考えられる。
まもなく次期大型開発品のPh2開始予定
次の大型開発品は ILTS®技術を用いたチザニジン・テープ剤(MRX-4TZT)である。メドレックスでは300万ドル~10億ドルの売上を想定しているが、仮に下限の300万ドルでも日本円で435億円(145円/ドルで換算)の市場が期待できる。この次期大型開発品のPh2が10-12月期中には開始される見込みである。既に製剤化の製造技術のCMOへの移転が完了していたが、プロトコル等に関するFDAとの協議も進展し、まもなくPh2が開始される。Ph2の終了予定は2026年後半である。また、Ph3を行う前に必要な非臨床試験(動物での安全性試験)も並行して進行し、こちらも2026年末までに完了する予定である。すると2027年からPh3開始可能となるが、その前に導出契約を締結する計画である。
Alto-101のPh2 トップラインデータ公表時期も近づいている
中枢神経治療薬として期待されるAlto-101経皮剤は、2024年6月から統合失調症による認知障害を対象としたPh2が始まっている。試験の概要は、21~55歳の統合失調症患者約70名を対象とした、Alto-101経皮製剤を用いた実薬群とプラセボ群のクロスオーバー二重盲検の用量増加試験である。最重要評価項目は、各投与期間終了時に測定されるシータ波帯域活性である。2025年9月9日、Alto社から、「シータ波帯域活性に関するITC(Inter-Trial Coherence;脳波の活動がどれだけ一貫しているかを評価する指標)は、認知機能と有意な相関があり、統合失調症の伝統的な計測指標よりも頑健な指標で、ITCを主要評価項目とする論拠が強化された」とのニュースリリースが出された。また、10月3日には、FDAよりファスト・トラック指定を獲得した。Ph2結果速報の予定は2026年下半期とされており、年内、遅くとも2026年初頭には朗報に接する可能性があると期待される。

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