GCC経営™分析レポート:クオンタムソリューションズ株式会社(東証スタンダード 証券コード:2338)
GCC経営™分析よるターゲット時価総額510億円~1,271億円

2024/02/02

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修

グローバル経営陣が2019年以来バリューアップを推進
 クオンタムソリューションズ株式会社(以下「QS」)は1999年にインターネットコンサルティング会社として設立された。業績悪化に伴い2021年、QSは上海出身の経営者を迎え、以来、多様な国籍を持つグローバルな経営陣がバリューアップを試行錯誤、事業転換(ピボット)しながら経営。2021年8月に日本の小型EVに特化したベンチャー企業と合弁契約を締結し、EVを新規事業として推進したが、進捗が遅いと判断しピボット、2023年5月以降はAI関連事業展開に乗り出し、グローバルな人的ネットワークを活用し、ハードウエア、コンテンツ、AI利用のゲーム等、AI関連の事業の準備を展開。業績は2023年2月期まで7期連続赤字で今期も3Q累積まで赤字だが、4Q単独で売上高20億円、営業利益2億円ほどを見込み、通期黒字転換を計画している。黒字転換し、2019年以来のグローバル経営陣の努力が実るかどうか、多様性を持つ経営陣の力量に注目。

AI開発向けGPUサーバ販売で売上高17.4億円を上方修正
 実際に業績のインパクトが急速に出始めたのは9月4日の「新規事業としてAI 開発向け
GPU サーバの販売を開始」の開示後である。開示後の2か月強の短期間で、NVIDIA 社
製の高性能GPU を搭載したサーバーの販売契約等を4つ、合計18.5億円の今期売上
高に計上される見通しの販売を行い、2024年2月期売上高予想を17.4億円上方修正
した。また、1月15日には、取扱高45億円の販売について開示を行った。9月からわずか5
か月でAI 開発向けGPU サーバで、合計で60億円規模の販売契約を開示するスピード
は非常に注目される。2025年2月期、2026年2月期において売上高で見て100億円、
200億円という数字を達成しても違和感のないスピードである。

2025年4月のターゲット時価総額は510億円~1,271億円
 AI開発向けGPUサーバに加え、ARM ベースのエッジ・サービス・ハードウェアを利用し、AI、エッジコンピューティング、クラウドストレージ、クラウドゲーミング、デジタルツイン事業を展開予定。5か月で60億円規模の販売契約を締結する能力で順調に事業が拡大したと仮定。仮に2026年2月期に売上高200億円となった時の株主価値、時期的に2025年4月ごろの時価総額のターゲット額を試算した。AI関連上場26社の75分位から50分位の当期利益売上高比率、PSR、PERから1,271億円~510億円、完全希薄化ベースの株価換算で6,282円~2,521円と推計された。2/1終値ベースで比較すると4.6倍~1.8倍と
推計された。GCC経営システム™の根幹である売上高、ROIC、WACCの3要素の10年
予想から1,271億円を達成する条件を推計すると、2034年2月期において、売上高
4,268億円、営業利益371億円、2026年2月期からのCAGRは46.6%となった。これら
の達成にはなおリスクがある。失敗するかもしれない。ただ一つだけ確かなことがある。すでに大規模な投資QSに対して行ったグローバルな投資家(付録4参照)はおそらくQSが成功し続けるまでQSの事業転換(ピボット)を支援し続けるということである。そして、今回の取り組みは開示実績を見る限り支援が実る確率が高いと言える。

>>続きはこちら(2MB)

TIW/ANALYST NET
証券アナリストに限定せずに、コンサルタントや研究者など幅広い執筆者による企業分析・評価によってアナリストレポートへのアプローチと収入基盤の多様化を目指すプロジェクトです。
本レポートは、株式会社ティー・アイ・ダヴリュが「ANALYST NET」の名称で発行するレポートであり、外部の提携会社及びアナリストを主な執筆者として作成されたものです。
  • 「ANALYST NET」のブランド名で発行されるレポートにおいては、対象となる企業について従来とは違ったアプローチによる紹介や解説を目的としております。株式会社ティー・アイ・ダヴリュは原則、レポートに記載された内容に関してレビューならびに承認を行っておりません。
  • 株式会社ティー・アイ・ダヴリュは、本レポートを発行するための企画提案およびインフラストラクチャーの提供に関して、対象企業より直接的または間接的に対価を得ている場合があります。
  • 執筆者となる外部の提携会社及びアナリストは、本レポートを作成する以外にも、対象会社より直接的または間接的に対価を得ている場合があります。また、執筆者となる外部の提携会社及びアナリストは、対象会社の有価証券に対して何らかの取引を行っている可能性あるいは将来行う可能性があります。
  • 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券取引及びその他の取引の勧誘を目的とするものではありません。有価証券およびその他の取引に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任で行ってください。
  • 本レポートの作成に当たり、執筆者は対象企業への取材等を通じて情報提供を受けておりますが、当レポートに記載された仮説や見解は当該企業によるものではなく、執筆者による分析・評価によるものです。
  • 本レポートは、執筆者が信頼できると判断した情報に基づき記載されたものですが、その正確性、完全性または適時性を保証するものではありません。本レポートに記載された見解や予測は、本レポート発行時における執筆者の判断であり、予告無しに変更されることがあります。
  • 本レポートに記載された情報もしくは分析に、投資家が依拠した結果として被る可能性のある直接的、間接的、付随的もしくは特別な損害に対して、株式会社ティー・アイ・ダヴリュならびに執筆者が何ら責任を負うものではありません。
  • 本レポートの著作権は、原則として株式会社ティー・アイ・ダヴリュに帰属します。本レポートにおいて提供される情報に関して、株式会社ティー・アイ・ダヴリュの承諾を得ずに、当該情報の複製、販売、表示、配布、公表、修正、頒布または営利目的での利用を行うことは法律で禁じられております。
  • 「ANALYST NET」は株式会社ティー・アイ・ダヴリュの登録商標です。