GCC経営™分析レポート:リニューアブル・ジャパン株式会社(東証グロース 証券コード:9522)
GCC経営™分析よる4.8倍のアップサイドの可能性

2023/06/01

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
柏尾祐介

すべての人をエネルギーの主人公
 リニューアブル・ジャパン(以下、「RJ」とする。)は東日本大震災の被災地を訪れた眞邉社⾧により震災の翌年の2012年に設立された。悲惨な光景を目にする中で、眞邉社⾧は自らが得意とする金融スキームを活用したプロジェクトファイナンスにより再生可能エネルギーを提供し、大打撃を受けた電力インフラに貢献が可能と考えた。RJが特徴的なのは優れた金融スキームだけではなく、自社の社員による再エネ発電所の地道なO&M内製化に力を入れた点だ。これにより再エネ事業にとって重要なコスト削減を可能とし、競合からも保守管理を依頼されるほど業界の評価も高い。

O&Mによるコスト削減と金融調達力でNon-FIT時代の主力へ
 RJのビジネスモデルを簡略すると、極力低い金利で資金調達をして、より優れた再エネ事業への投資をする。よって、投資とリターンの差額がRJを評価する上で重要な指標となる。しかし、現状は将来性を重視しているため、目先の利益が低く見える可能性がある。安定的な利益が確保されていたFITから市場価格により変動するNon-FITへと移行するため、RJや競合の将来の事業価値の推計は複雑となる。しかし、明確なのはRJの強みであるO&Mにより、売電価格が下がったとしても一定の耐久性が想定されるし、売電価格が上がった場合は競合より利益が多く得られるアップサイドも大きい。また、時代による事業環境に合わせた資金調達と投資先の判断力とスピードで優れた投資先の獲得も期待される。

10年成⾧シナリオ次第で最大アップサイド4.8倍、さらなる上積みも期待される
 株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末資料2」参照)」で試算した。結果として、価値創造プロセスの概念が実装・実現する前提で、10年分の成⾧価値を織り込めば、株主価値は972億円、現状の時価総額の約4.8倍と推計された(本文「インベストメントサマリー」参照)。なお、当推計は簡易的なバリュエーションによる試算であり、Non-FIT発電所など将来投資分のより正確な試算によりさらなる上積みが期待される。その試算については次回レポートでの検討としたい。

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TIW/ANALYST NET
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