GCC経営™分析レポート︓サコス株式会社(JASDAQ 証券コード:9641)
建築・土木の施工・機材管理DXプラットフォーム構想が本格化
勝ち続ける仕組みの視点で見た成長ポテンシャル

2021/06/22

ベーシックレポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ株式会社

ICT活用による生産性の向上でEBITDA過去最高を記録
サコス株式会社(以下、「サコス」)は、建機レンタル大手、西尾レントオール株式会社(東証一部、証券コード、9699、以下「西尾レントオール」)の傘下の三大都市圏にフォーカスした中堅建機レンタル企業である。2010年9月期に就任した現・瀬尾社長のリーダーシップのもと、10年前からICタグを活用したレンタル建機管理システムの導入など、ICTを活用した業務効率化により一人当たりの生産性の拡大に取り組んだ。4年前からは、自ら開発したICTシステムを軸とした「人財育成」(マンパワー経営)、トヨタ生産方式による効率性を追求する「風土革新」等に取り組んできた。その結果、2011年9月期を100とすると、2020年9月期において売上高は159、営業利益は652、EBITDAは491と拡大、特に、EBITDAは、2021年9月期で過去最高の25億円となった。

建築・土木の施工・機材管理DXプラットフォーム構想
サコスは、ICタグの活用に加え、建築・土木現場の労務管理、工事の進捗管理、建機の不具合診断アプリ等のシステムを開発してきた。さらに自社システム外販や、建設関連企業のシステム開発の支援などを進めている。建設現場では、国土交通省が推進する生産性革命プロジェクト「i-Construction」により、個別の要素技術やプロセスにおいてICT活用が進んでいる。しかし、複雑な施工体制が障害となって、施工全体を最適化するICTシステムの開発や活用、下請け事業者、建材・建機メーカー、建機レンタルとの連携の動きは十分とは言い難く、各事業者が一体となった生産性向上の体制の実現の動きは本格化していないと見られる。このような中2021年9月期第二四半期のサコスの決算短信に記載された『「建築・土木の施工・機材管理DX(デジタルトランスフォーメーション)プラットフォーム」において、「最適な外部ITベンダーとの提携や大手ゼネコンとの共同開発などについて検討し、建築・土木業界及び、当社にとって最適な座組のあり方について構想」』が注目される。

勝ち続ける仕組み・GCC経営TMの評価:2.8倍のアップサイドの可能性
JPRでは、サコスのDXプラットフォーム構想の成功ファクターを2つの視点で分析し株主価値評価を試みた。第一が、「勝ち続ける仕組み」の視点である。サコスの取り組みは勝ち続ける仕組みがデザイン可能と評価できる。第二の視点がGCC経営TMの視点である。Growth:不動産・建築関連のDX市場で期待される2030年までの年率17%*cの成長の取り込みは十分可能。Connection:粗利の高いDX関連売上が増大し利益率の改善が期待。Confidence: DX支援はストック収入の積み上げにより利益の安定性の増加が期待。以上を踏まえて、DX事業が本格化し連結売上高において年率10%以上の成長が2027年9月期まで続くとの前提で、株主価値は現在の時価総額の2.8倍以上の437億円、株価換算で1,019 円と試算された。DXの取り組みが本格化すれば大きな成長ポテンシャルが期待できると言える。

>>続きはこちら(3MB)

TIW/ANALYST NET
証券アナリストに限定せずに、コンサルタントや研究者など幅広い執筆者による企業分析・評価によってアナリストレポートへのアプローチと収入基盤の多様化を目指すプロジェクトです。
本レポートは、株式会社ティー・アイ・ダヴリュが「ANALYST NET」の名称で発行するレポートであり、外部の提携会社及びアナリストを主な執筆者として作成されたものです。
  • 「ANALYST NET」のブランド名で発行されるレポートにおいては、対象となる企業について従来とは違ったアプローチによる紹介や解説を目的としております。株式会社ティー・アイ・ダヴリュは原則、レポートに記載された内容に関してレビューならびに承認を行っておりません。
  • 株式会社ティー・アイ・ダヴリュは、本レポートを発行するための企画提案およびインフラストラクチャーの提供に関して、対象企業より直接的または間接的に対価を得ている場合があります。
  • 執筆者となる外部の提携会社及びアナリストは、本レポートを作成する以外にも、対象会社より直接的または間接的に対価を得ている場合があります。また、執筆者となる外部の提携会社及びアナリストは、対象会社の有価証券に対して何らかの取引を行っている可能性あるいは将来行う可能性があります。
  • 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券取引及びその他の取引の勧誘を目的とするものではありません。有価証券およびその他の取引に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任で行ってください。
  • 本レポートの作成に当たり、執筆者は対象企業への取材等を通じて情報提供を受けておりますが、当レポートに記載された仮説や見解は当該企業によるものではなく、執筆者による分析・評価によるものです。
  • 本レポートは、執筆者が信頼できると判断した情報に基づき記載されたものですが、その正確性、完全性または適時性を保証するものではありません。本レポートに記載された見解や予測は、本レポート発行時における執筆者の判断であり、予告無しに変更されることがあります。
  • 本レポートに記載された情報もしくは分析に、投資家が依拠した結果として被る可能性のある直接的、間接的、付随的もしくは特別な損害に対して、株式会社ティー・アイ・ダヴリュならびに執筆者が何ら責任を負うものではありません。
  • 本レポートの著作権は、原則として株式会社ティー・アイ・ダヴリュに帰属します。本レポートにおいて提供される情報に関して、株式会社ティー・アイ・ダヴリュの承諾を得ずに、当該情報の複製、販売、表示、配布、公表、修正、頒布または営利目的での利用を行うことは法律で禁じられております。
  • 「ANALYST NET」は株式会社ティー・アイ・ダヴリュの登録商標です。