「協調減産」で価格維持を図るOPEC
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OPEC(石油輸出国機構)は、石油産出国の利益を守ることを目的として、1960年9月に設立されました。加盟国は2017年5月現在で13カ国です。最近では、けつ岩と呼ばれる岩石の層から採れるシェールオイルの生産が増え、原油の需給、価格にも影響を及ぼすようになってきました。これに対してOPEC諸国は、歳入の多くを原油に依存していることもあり、「協調減産」で価格の安定を図っています。 |
【ポイント1】OPECの生産量は世界の約3割
最近ではシェールオイルの生産増が目立つ
■2017年1~3月期のOPEC原油生産量は日量3,194万バレル、世界全体の約3割を占めています。一方、米国のシェールオイルは同498万バレルでした。シェールオイルの生産が本格化したのは2010年辺りからですが、比較的短期間のうちに生産量を増やしています。
【ポイント2】OPECは減産合意を遵守
非加盟産油国もOPECに協調
■6月13日に公表されたOPEC月報6月号によれば、5月のOPEC原油生産量は日量3,214万バレルでした。2016年11月のOPEC総会で合意に達した上限の同3,250万バレルを下回っています。
■ロシアなどOPECの非加盟国も、「協調減産」に参加しています。過去においては減産合意が十分に守られないことも多くありましたが、今回は少なくとも、これまでのところ合意は遵守されているようです。各国とも、財政再建のため、安定した歳入の確保が必要となっていること、シェールオイルの影響が大きくなってきたこと等が、影響していると考えられます。
【今後の展開】原油価格は底堅い展開へ
■OPECによれば、2017年の原油需要量は世界全体で前年比1.3%増の日量9,638万バレル程度となる見通しです。これに対して生産は、非OPEC諸国が同6,436万バレルと予想されることから、OPECに求められる生産量は同3,200万バレル程度となります。OPECが現状程度の生産量を維持できれば、2017年の原油需給は均衡する見通しです。
■足元の原油価格は、WTIで見て1バレル当たり40ドル台半ばの水準にとどまっています。OPECの「協調減産」が維持される限り、原油の需給は均衡すると予想されますが、価格が上昇しても、シェールオイルの生産が増える可能性があるため、同55ドル~60ドルを超えての上昇は難しいと考えられます。
(2017年 6月 15日)
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