値上げと「消費者物価」への影響(日本)

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「消費者物価」は、総務省統計局が毎月発表しています。総合指数のほか、日銀が金融政策を行う際に参考にしている生鮮食品を除いた総合指数や、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数があります。昨年の天候不順や台風などの影響で生鮮食品価格が上昇したことに続き、足元ではエネルギー価格が上昇しています。今後は、昨秋以降の円安や様々な値上げの影響が「消費者物価」の上昇となって表れそうです。

【ポイント1】「消費者物価」は2016年10月以降プラスが続く

「消費者物価(除く生鮮食品)」も2カ月連続のプラス

■3月31日に総務省統計局から発表された2月の「消費者物価」指数(総合)は、前年同月比+0.3%となりました。昨年夏以降の天候不順や台風などの影響により生鮮食品の価格が上昇し、同指数は2016年10月以降にプラスに転じました。

■日銀が金融政策を行う際に参考にしている「消費者物価」指数(生鮮食品を除く総合)は、同+0.2%となり、13カ月ぶりにプラスに転じた1月に続く上昇となりました。

【ポイント2】エネルギー価格上昇が寄与

電力やガスは今後も値上げ

■2月の「消費者物価」指数(総合、前年同月比)の動きに影響した項目を見ると、ガソリンや電気代、灯油などのエネルギーによる上昇が最も大きくなりました。電力・ガス料金は、大手(電力10社とガス4社)が2月以降も値上げを発表しており、現在のところ2月から5月まで4カ月連続の値上げとなります。

 

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【今後の展開】日銀の物価目標は遠くとも、様々な値上げが徐々に表れる見込み

■今年に入り、食用油や家庭用の紙製品など様々な値上げが発表されています。ヤマト運輸は、9月末までに宅配便の運送料金を値上げする方針を表明しました。これが実施されれば、消費税増税の時を除けば、27年ぶりの値上げ(1990年時には平均8%の値上げ)となります。当社の試算によれば、宅配便を含む道路輸送に関連する部門(道路輸送、貨物利用輸送、運転付帯サービス)で5%の価格上昇となった場合、多くの産業で0.1~0.2%ポイント程度価格が上昇し、「消費者物価」は0.11%ポイント程度押し上げられることとなりそうです。今後は、昨秋の米大統領選挙以降の円安が物価上昇に影響してくることも想定されます。日銀が掲げる「2%の物価安定の目標」の達成は当面難しいと見られますが、こうした様々な値上げが徐々に「消費者物価」の上昇となって表れると考えられます。

(2017年 4月 5日)

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