「サウジアラビア」、訪日と経済協力(新興国)

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「サウジアラビア」は、中東にある、サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王(2015年1月即位)による君主制の国家です。同国は石油や天然ガスなどを主要産業とし、石油輸出国機構(OPEC)の原加盟国でもある、いわゆる産油国です。原油相場は、ここ数年シェールオイル/ガスの台頭などにより低迷しており、「サウジアラビア」はこれまでの石油に依存した経済からの転換を図ろうとしています。

【ポイント1】脱石油依存へと経済の転換を図る「サウジアラビア」

原油価格の下落により、2014年以降財政赤字が続く

■「サウジアラビア」は歳入の7割を石油収入が占め、日本にとっては最大の原油輸入相手国(2015年、約34%)である産油国です。しかし、原油価格はシェールオイルなどによる供給増加や新興国経済の減速などにより、ここ数年低迷しています。

■「サウジアラビア」は2014年、2015年と2年連続の財政赤字となり、2016年も大幅な赤字となったと見られます。こうしたことから「サウジアラビア」は昨年、脱石油依存を掲げた“サウジアラビア・ビジョン2030”や“国家変革プログラム2020”などを発表し、石油に依存した経済からの転換を図ろうとしています。

【ポイント2】サルマン国王の訪問団が来日

サウジアラムコ上場など多くの経済協力が話し合われた

■3月12~15日、「サウジアラビア」のサルマン国王が大規模な訪問団を連れて来日しました。13日には、安倍首相とサルマン国王の首脳会談が開かれ、「サウジアラビア」国内への経済特区の開設などを盛り込んだ“日・サウジ・ビジョン2030”の策定と、経済や安全保障など幅広い分野での協力強化が示されました。

■このほか首脳会談では、世界最大級の原油埋蔵量・生産量を持つ「サウジアラビア」の国営石油企業のサウジアラムコの東京証券取引所(東証)への上場についても話し合われました。また、両国の民間企業間では20件の覚書が交わされました。

 

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【今後の展開】経済協力の強化で双方の経済活性化に期待

■「サウジアラビア」は“サウジアラビア・ビジョン2030”で、2030年までにGDPに占める民間部門の比率を現在の40%から65%にまで高める目標を掲げています。脱石油依存を図る「サウジアラビア」に対しては、日本企業にも投資の機会が多くあると考えられ、両国の経済協力が強化されることにより、双方の経済が活性化されることが期待されます。またサウジアラムコは、上場すれば世界最大の時価総額となると見られており、東証への誘致が実現するか注目です。

(2017年 3月 24日)

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