最近の指標から見る米国経済(2017年1月)良好な雇用・所得環境を背景に個人消費は堅調に推移
最近の指標から見る米国経済(2017年1月)
【ポイント1】雇用は増加基調を維持
家計支出は堅調に推移
■2016年12月の非農業部門雇用者数は前月比15.6万人増となりました。市場予想(ブルームバーグ集計)の同17.5万人増を下回りましたが、過去2カ月合計で1.9万人ほど上方修正されたことや天候悪化の影響があったと見られることなどを踏まえると、雇用は見掛けよりも良好と判断されます。
■良好な雇用・所得環境を背景に、個人消費は堅調に推移しています。全米小売業協会(NRF)によれば、16年の年末商戦は前年に比べ+4.0%となり、NRFの事前予想である同+3.6%、15年実績の同+3.2%を、ともに上回る良好な結果に終わりました(年末商戦の売上高は、自動車、ガソリン、外食を除く小売売上高の11月と12月の合計)。
【ポイント2】ISM製造業指数は上昇
非製造業指数は高水準を維持
■景気の先行きを占う際に重視されるISM指数は、製造業指数が11月の53.2から12月は54.7に上昇しました。一方、12月の非製造業指数は57.2でした。前月比横ばいですが、高い水準にあります。両指数は、国内需要の持ち直しを受けて、企業が在庫の積み増しに動いていることを示唆しています。
【今後の展開】利上げ速度は緩慢な見通し
■12月13日、14日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げが決定されたうえ、FOMC参加者の17年の政策金利見通しが、従来の年2回の利上げから同3回の利上げに修正されました。しかし、物価上昇率の低い水準での安定を踏まえると、2回になると考えられます。
(2017年 1月18日)
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