最近の指標から見るインド経済(2016年10月)自動車販売が加速、消費好調による経済拡大に期待
最近の指標から見るインド経済(2016年10月)
【ポイント1】物価は連続で低下
引き続き食品価格の低下が寄与
■2016年9月の消費者物価指数(CPI)は前年比+4.3%と、8月の同+5.0%から大幅に鈍化し、市場予想(同+4.6%)をも下回りました。
■主に、食品のインフレ率が前年比+3.9%と、8月の同+5.9%から大幅に鈍化したことにより、8月から9月にかけてインフレ率(CPI)全体が▲0.82ポイント押し下げられたためです。
【ポイント2】好調な国内自動車販売
公務員給与引上げが寄与
■インドの9月の国内乗用車販売台数(含むSUV等)は27万8428台で、前年比+19.9%と、8月の同+16.7%から伸びが加速しました。
■第7次給与委員会の勧告に基づく公務員賃金引上げ(1~7月分も含め8月に支給)、農産物生産増加(順調なモンスーン降雨が背景)による農村部の所得見通し向上と自動車ローン金利の低下などが、販売押し上げに寄与したものと考えます。
【今後の展開】景気は消費拡大が牽引
■好調な自動車販売の伸びに象徴されるように、農産物生産増加による地方の所得向上見通しや、公務員賃金の引き上げを反映し、消費が拡大しています。インフレ低下による実質所得の上昇と相俟って年後半にかけて経済は勢いを増すと見られます。
■また、RBI(インド中央銀行)は、今後のインフレ低下を受けて利下げを行う可能性があります。消費の拡大による景気の好調に加え、インフレ低下による利下げも予想されることから、年後半にかけてインドの株式、債券、為替の堅調さが期待されます。
(2016年10月18日)
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