上向いた米国のISM景況感指数(2016年9月) 景気・雇用の順調な拡大を示唆

上向いた米国のISM景況感指数(2016年9月)景気・雇用の順調な拡大を示唆

【ポイント1】製造業指数は50台を回復

グローバルに上向く生産活動
■米国経済の先行指標として知られるISM製造業景況感指数は2016年9月に、総合指数が51.5となりました。8月は49.4と50を割り込みましたが、一時的な下振れだったと考えられます。

■内容も良好で、総合指数を構成する5指標のうち4指標が上昇しました。なかでも新規受注指数や生産指数など、需要の動向を示す指標の上昇が目立ちました。東南アジア諸国連合(ASEAN)や日本の生産活動も堅調で、製造業の活動はグローバルに上向きつつあると判断されます。

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【ポイント2】非製造業指数は大幅上昇

拡大のペースが再加速
■一方、非製造業景況感指数は7月の55.5から8月の51.4への低下を経て、9月は57.1となりました。8月の非製造業指数の大幅な鈍化も、製造業と同様に一時的なものと考えられます。

■内容も製造業指数と同じく事業活動指数や新規受注指数といった需要動向を示す指数が改善したほか、雇用指数が大幅に上昇したのが注目されます。

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【今後の展開】株価は景気拡大を織り込む展開が見込まれる
■9月のISM指数は、米景気の拡大基調に変化のないことを示唆するものです。雇用指数から判断する限り、8月の非農業雇用者数の下振れも一時的なものに止まる公算が大きいと考えられます。これらから見て、米連邦準備制度理事会(FRB)は近い将来、利上げに踏み切ると予想されます。

■ただし、物価上昇率がFRBの目標である+2%を下回っていることから、今後の利上げのペースは極めて緩慢なものになると予想されます。従って、長期金利は低い水準で安定した動きとなり、株価は景気・企業収益の拡大を織り込む展開になる見通しです。

(2016年10月06日)

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