メドピア<6095> 全国の医師によって形成される「集合知」により医療の質向上を目指す

2015/12/11

医師による情報共有サイト「MedPeer」を運営
全国の医師によって形成される「集合知」により医療の質向上を目指す

業種:サービス業
アナリスト:佐々木加奈

1.会社概要
・メドピア(以下、同社)は、医療現場で働く医師が情報を共有するインターネットメディア「MedPeer(メドピア)」を運営している。「MedPeer」を通じて、製薬企業等を顧客とする「医師集合知サービス」及び人材紹介会社等を顧客とする「医師求人情報サービス」を展開する。

2.財務面の分析
・会員数の拡大とともに売上高は伸びている。同社は設立以来増収基調を維持しており、15/9期の売上高は前期比8.5%増の1,039百万円となった。一方、経常利益は同44.6%減の135百万円と、人件費を中心とした経費の増加により大幅減益となった。
・他社との財務指標との比較では、直近期が業績の停滞局面であるために収益性の各数値が他社より低くなっている。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、医療現場に対する深い理解と、それを生かした付加価値の高いサイト運営にある。それが、医師会員数の順調な増加につながり、同社の事業を支えている。

4.経営戦略の分析
・既存事業の成長の源泉となるのが会員数と顧客数の拡大である。同社では、サイトのサービスを拡充することで、全国規模での医師会員獲得を進め、顧客数拡大につなげている。
・これまでの事業展開のなかで集積してきた「集合知」を生かし、周辺ビジネスへの拡大も積極化する考えである。

5.アナリストの評価
・現在の約10万人の医師会員数は拡大の余地があると考えられる。医師会員の拡大は、同社の既存ビジネスを伸ばすうえで重要な要素となる。
・既に医師や製薬企業等、一定数の会員や顧客を抱えている同社にとっては、会員資産を活用した新規ビジネス展開の考え方は合理的である。ただ、収益貢献時期についての判断は難しい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。