足元の市場動向~ 主要国の政策余地からリスク回避は徐々に収束へ ~

足元の市場動向~ 主要国の政策余地からリスク回避は徐々に収束へ ~

【ポイント1】リスク回避で株安、円高

ギリシャから中国に注目が移る

■グローバルにリスク回避の動きが強まっています。5日のギリシャの国民投票で、欧州連合(EU)の財政緊縮案が否決されたことで、ギリシャ問題の不透明感が深まりました。中国株式市場では、株価急落に対して政府・当局などが矢継ぎ早に株価対策を打ち出しましたが、下落に歯止めがかかっていません。8日には上海・深セン市場の上場銘柄の多くが取引停止になり9日時点で全体の約半数に拡大、投資家心理の悪化につながっています。

■リスク回避の動きはアジアや米国などの株式市場にも波及しています。為替市場では、リスク回避の円高が進み、日本時間の9日午前の米ドル円レートは120円後半から121円台前半で推移しています。

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【ポイント2】焦点は中国の景気と金融システム

いまのところ金融システムは安定的

■株安の中国経済への影響には注意が必要です。売買の中心が個人投資家であり、損失が膨らんだ場合の消費への影響が懸念されます。また、企業が自社株を担保に融資を受けている場合には、銀行融資の焦げ付きが広がることで、金融システムへの影響も懸念されます。

■ただし、中国人民銀行が流動性供給を積極化していること、銀行間金利が足元で落ち着いていることから、いまのところ影響は抑制されています。景気対策についても追加の余地はあると考えられます。

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【今後の展開】主要国での政策余地が影響を限定

■中国経済の世界経済への影響やギリシャ問題の進展については予断を許しませんが、中国当局の政策余地や主要国における金融緩和余地などを考慮すると、世界的な景気後退などは避けられそうです。日本株式市場を取り巻く好環境も変わりは無いと考えられます。日本株へのリスクとしては、米国の利上げが遅れる場合の円高進行などが考えられます。

 (2015年7月9日) 

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