投信版「直通列車」が出発(中国)

<今日のキーワード>投信版「直通列車」が出発(中国)

本日7月1日、中国本土と香港間で、上場投信の相互取引がスタートします。昨年11月に制度がスタートした香港と中国本土間の株式の相互売買である「直通列車」の投信版です。中国本土外の投資家は、香港証券取引所経由で上海証券取引所に上場する投信の取引が可能となり、中国本土の投資家は上海証券取引所経由で香港証券取引所に上場する投信の取引が可能となりました。

【ポイント1】 投資上限は、片道それぞれ3,000億元(約6兆円)規模

個人も法人も取引可能

■投資上限は、中国本土から香港、香港から中国本土の双方向ともに3,000億人民元でスタートします。対象となる投信は、設立1年以上、純資産2億元以上などの条件を満たす投信です。香港では約100、中国本土では約850の投信が条件を満たすようです。
■上場投信の相互取引は、個人、法人ともに可能で、投資家の選択肢が広がりました。

【ポイント2】 資本市場自由化の一環

投信を通じて、A株へアクセス

■中国本土と香港の証券取引所の相互取引の推進は、中国資本市場の自由化を進める取組みの一環です。原則として中国本土の投資家にしか認められていないA株への投資機会が、中国本土外の投資家に提供されました。今回、A株などを組み入れた投信への投資が可能となり、投資家の選択肢がさらに広がりました。
■先行する株式の「直通列車」の場合、香港市場から上海市場への1日当たりの買いと売りの合計取引額は、上海市場の全体から見ればわずかです。相互取引が上場投信にも拡大することで、中国本土市場が国際的な金融市場となるための準備が徐々に進むと見られます。

 1500701MK

【今後の展開】 深センとの株式の相互取引も計画、株式市場の活性化へ

■深セン証券取引所と香港との相互取引も計画
香港と深セン証券取引所の株式取引の相互乗り入れも計画されています。中小企業の多い深セン市場に香港を通じて投資可能となれば、新興国の中でも安定成長している中国への投資ニーズが拡大することが期待されます。

■アクセス向上による、市場の活性化を期待
中国本土市場はこれまでの上昇の反動もあり、足元で大きく下落しています。しかし、構造調整を進めながら安定成長を目指す中国の投資魅力は損なわれていないと見られます。香港との上場投信相互取引を通じたアクセスの向上が、香港と中国本土の双方の株式市場の活性化に貢献すると期待されます。

(2015年7月1日)

印刷用PDFはこちら

→http://www.smam-jp.com/market/report/keyword/__icsFiles/afieldfile/2015/06/30/150701mk.pdf
 

関連マーケットレポート

2015年06月30日 中国は追加金融緩和、景気減速と株価下落に対応

2014年11月11日 上海と香港株式市場の相互接続と市場の動き

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会