モルフォ<3653> ライセンス数の急増で 15 年 10 月期は大幅増収増益へ
携帯・スマホ向け画像処理ソフトウェアの開発主導型ベンチャー企業
ライセンス数の急増で 15 年 10 月期は大幅増収増益へ
業種:情報・通信業
アナリスト:大竹 喜英
◆ デジタル画像処理技術の研究開発主導型ベンチャー企業
・モルフォ(以下、同社)は東京大学出身の技術者を中心に、04 年 5 月に設立されたデジタル画像処理技術に特化したベンチャー企業である。
・国内外の携帯電話及びスマートフォン端末機器メーカーを主な顧客として、ソフトウェア・ライセンス事業を展開している。15/10 期第 2 四半期累計(以下、上期)の事業別売上構成比はロイヤリティ収入が 93.1%を占めている。
◆ 同社画像処理ソフトウェアの搭載ライセンス数が急増
・画像処理ソフトウェアの搭載ライセンス数の累計が 15 年 1 月末に 11 億ライセンスへ到達した。8 億ライセンス突破が 14 年 7 月末であり、14 年以降は特にライセンス数の増加ペースを速めている。
◆ 15 年 10 月期は同社予想をさらに上回る可能性が高い
・同社は 5 月 19 日に、15/10 期連結業績予想を売上高 1,950 百万円(前期比 38.7%増)、営業利益 680 百万円(同 130.2%増)、経常利益 730百万円(同 121.5%増)、当期純利益 470 百万円(同 52.0%増)へ上方修正している。
・証券リサーチセンターでは、円安の恩恵を極力排除し為替差益も下期はほぼ考慮せず、上期の経常利益 477 百万円に対し下期 311 百万円と慎重に見積もっても、上方修正後の 15/10 期の同社業績予想を上回ると見ている。
◆ 投資に際しての留意点
・同社の株価は 6 月 3 日には高値 7,570 円を付け(5 月 1 日を効力発生日とした株式分割前の上場来高値は 4 月 21 日につけた 17,500 円=分割修正後 5,833 円)、現在は調整局面にある。
・一般的なバリュエーション指標では現在株価の評価は難しい。同社の目標である売上高営業利益率 30%は 15/10 期には達成される見込みであり、今後は中期的な経営目標の提示や、新規事業の戦略や成果が具体化してくる可能性がある。中長期の視点で投資判断をすべきと考える。