日経平均最高値の歪みとリスク
今週の株式市場ですが、22日(水)の取引で日経平均がこれまでの最高値を更新するなど、先週に引き続いて強い動きとなっています。さらに、翌23日(木)の取引開始後には、ついに6万円台に乗せる場面もありました。
このように、日経平均だけを辿ると非常に強い動きとなっていますが、22日(水)のTOPIXは下落しているなど、少し違和感がある株価上昇であり、相場環境を冷静に整理する必要があります。
ポイントとなるのは、「どんな銘柄が日経平均を押し上げているのか?」です。
22日(水)の日経平均は前日比で236円上昇しましたが、では、その上昇寄与度(日経平均をいくら上昇させたか)を計算すると、寄与度の1位はソフトバンク・グループの約353円となっています。さらに、この日の日経平均を構成する225銘柄のうち、上昇したのが41銘柄で合計の上昇寄与度は817円、下落したのが182銘柄で合計の下落寄与度は約581円で、差し引き236円の上昇となりました(残りの2銘柄は前日比で横ばい)。
また、東証プライム市場の銘柄でも約8割にあたる1,302銘柄が下落するなど、数的には下落銘柄が多い中で、株価指数への寄与度が大きい一部の銘柄の上昇によって、日経平均の株高が演出されている面があると言えます。実際に、日経平均をTOPIXで割った「NT倍率」は、22日(水)時点で15.91倍に達し、約50年ぶりの高水準となっています。
もっとも、「買える銘柄の存在が株式市場を支えている」といった具合に、ポジティブな見方もできますが、中東情勢の影響で、多くの日本企業がコスト増や需要減、供給のリスクにさらされている一方、足元の市場を牽引しているAI・半導体関連については、「中東情勢は無関係ではいられないものの、活発なAI投資を背景にした需要がリスクをカバーする」として、消去法的に資金が集中している構図が読み取れます。
実際に、米国株市場でも、半導体関連銘柄で構成される株価指数(SOX指数)が15日連続で上昇しており、その流れが日本株市場にも波及し、関連銘柄の株価を押し上げています。
ただ、こうしたAI・半導体関連株の上昇も、「米国とイランが早期の終結に向けて動いている」という期待を前提にしている点には注意が必要です。
実際のところ、ホルムズ海峡の封鎖が完全には解けていない現状を踏まえると、事態の長期化に伴って、資源価格や供給網(サプライチェーン)への悪影響が深刻化する懸念がくすぶっていることや、来週からは足元の株高を牽引してきた、日米関連企業の決算発表が相次ぎます。
これまで急ピッチで株価が上昇してきただけに、決算内容によっては「材料出尽くしの売り」や、国内大型連休を控えた、「いったんの手仕舞い売り」が出てくることも考えられます。
そのため、「株価が上昇しても、必ずしも相場が強いとは限らない」という意識は持っておく必要がありそうです。
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