ナショナリズムの覚醒が日経平均を65000に押上げる

2026/01/02

【ストラテジーブレティン(394号)】

謹賀新年
良き新春をお迎えのこと、お慶び申し上げます。
期待に胸が膨らむ新年、皆様のご発展をお祈り申し上げます。
令和8年 元旦
株式会社 武者リサーチ

(1)中国の国力充実が西側を圧する

緊張感が高まる新年を迎えた。米中対立、AI革命の進展、日本株式5万円までの大上昇は昨年新春に予想した通りであった。しかし重大な誤謬も犯した。それは中国強大化の軽視である。この対中過小評価で最も衝撃を受けているのは世界秩序の盟主米国とトランプ大統領であろう。今戦端が開かれたとして、米国に勝ち目はない。軍事力、工業力、人民を戦争に動員する統率力において中国は米国を圧倒している。米国の勝ち筋は目先の暴発を回避し持久戦に持ち込むことにより、中国の弱体化を誘導する以外にはない。

2025年の驚くべき情勢展開は、中国の劇的台頭、強大化に起因すると言っても過言ではない。ウクライナ戦争における侵略者ロシアの勝利(ウクライナからの領土略取)、専制国家中国・ロシア・北朝鮮の枢軸形成、米国の対ロ融和、米欧の軋轢、世界工業力(サプライチェーン)の中国支配(図表1参照)、中国の対日威圧等、悪夢のような危険事態が今の現実である。鄧小平氏の韜光養晦(爪を隠して力を蓄え時期を待つ)の時代を経て、習近平氏の中国は世界の覇権国としての野望をあからさまにしている。

中国強大化は全く必然ではなく、米国、欧州など先進国の侮りと油断の産物であった。具体的には、①中国の経済成長が民主化をもたらすと期待した対中支援、②人権・環境・後発国に過度に配慮する理想主義、③西欧的価値観を人類の最高の到達目標とする優越意識など、現実離れしたイデオロギーが政策を誤らせた。過去50年間の政策は、冷戦が終わり米国の世界唯一のスーパーパワー体制が永続する(「歴史の終わり」)との予見に基づくものであったが、結果は期待とは全く逆であった。

この新しい現実の下ですべての戦略・政策が再構築されなければならない。トランプ政権の、強権的で唐突に見える政策の多くはこの現実に対応したものである。

世界は弱肉強食の時代、米国は世界戦略を根本転換
共産党一党独裁、全く言論の自由なく高度のテクノロジーによって国民の一挙手一投足が監視されている中国が、米国とともに世界を統治する時代、G2が現実となった。ジョージ・オーウェルが小説「1984年」で描いたデストピアがそこに存在している。いまのところ中国市民が大きな抑圧感を意識しておらず、物質的な豊かさがある「幸福な被監視」状態にあり、小説中の悲惨感はない、と言われている。しかし香港の民主主義制圧に見られるように、経済悪化が進行すれば、より強権抑圧を強める可能性は高い。

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