GCC経営™分析レポート:株式会社ASNOVA(東証グロース 証券コード:9223)
投資回収フェーズ移行による大幅利益増と非連続的な事業拡大への期待
ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修
「カセツ」の力で未来を変える:社員の主体性育成の効果による革新
株式会社ASNOVA(以下「ASNOVA」)は、「カセツ」という独自の概念を軸に、建設業界に新たな価値を創造し続ける企業である。この「カセツ」には「仮説」と「仮設」という二つの意味が込められており、社員一人ひとりが主体的に仮説を立て、それを実践する場を提供している。特筆すべきは、その人材育成の仕組みの充実度である。リベラルアーツ教育、合宿形式の戦略議論、外部教育機関での学び直し支援など、次世代経営幹
部を育てる多彩なプログラムが用意されている。その成果は、すでに「ASNOVA市場」や「ASNOVA STATION」といった新規事業の成功として表れている。足場レンタルという伝統的な事業を基盤としながら、周辺事業やアジア展開など、大きな社会変革に挑戦
し続ける、次世代経営幹部集団として、業界の未来を切り開いている。
足場事業の利益急拡大と、新規事業による非連続的成⾧への期待
ASNOVAの収益構造は、今後大きく変化することがほぼ確実である。まず、足場レンタル事業では、投資フェーズから回収フェーズへの移行により、営業利益の大幅な拡大が
見込まれる。167億円の足場資産は管理会計上5年償却だが実際の耐用年数は20
年以上あり、減価償却費の激減により2035年3月期には営業利益が36億円(2025
年3月期計画の約8倍)までかなり確実に成⾧すると予測された。この価値が全く株価
に織り込まれていない。さらに、人材育成への積極投資と「ASNOVA Challenge
System」による新規事業創出の仕組みにより、アジア市場での事業拡大など、大きな
成⾧機会の獲得も期待できる。すでに複数の新規事業で成功実績があり、この非連続
的成⾧への期待は現実的である。
10年分の成⾧を織り込んだターゲット株価:3,525円
以上のシナリオで株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末
資料2」参照)」で試算した。10年分の成⾧価値を織り込めば、株主価値は438億
円、2024年10月25日終値ベースの時価総額の約6.4倍、株価換算3,525円と推計
された。
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