GCC経営™分析レポート:株式会社Def consulting(東証グロース 証券コード:4833)
GCC経営™分析によると最大8.8倍の時価総額アップサイドの可能性
ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修
中堅企業(ミッドキャップ)市場を切り拓く総合コンサルティングファーム
株式会社Def consulting (旧社名:Success Holders、以下「Def consulting」)は、大手総合系、FASやIT系コンサルティングファーム等から大量採用し、戦略・構想策定から実行支援まで一連の支援を自社で完結するエコシステムを急ピッチで構築している。2024年3月末時点の従業員数は103名であるが、そのうち46名は2024年3月期に採用した。AI/IT/DX戦略においてコンサルティングニーズが非常に高まっている中で人材さえ確保できれば、CAGR50%という高成⾧を持続することも可能な市場環境である。当社の強みは、営業に特化した担当者による新規開拓と、テクノロジーソリューション事業で培ったパートナー企業との協業体制にある。当社は、中期成⾧シナリオとして今後5年でのCAGR50%を掲げ、3-5年後には300-500名のコンサルタント体制への拡大を計画。中小企業におけるコンサルティング利用率は現状で57.8%が「利用したことも検討したこともない」状況にあり、この未開拓市場の開拓を通じて、ミッドキャップマーケットのリーダーを目指している。大手コンサルティング会社のメイン顧客ではない売上高100~2,000億円の企業がターゲットである。当社は、ミッドキャップをターゲットにする類似会社として、シグマクシスHD(6088)、ライズ・コンサルティング(9168)、INTLOOP(9556)、マネジメントソリューションズ(7033)など4社を上げている。4社は、それぞれIT領域から戦略領域への発展の歴史を持つ。一方、当社は、大手ファームと類似の戦略コンサルを全面に出してそこからIT領域へ発展していく方向をとっているのが特徴である。
1年で倍近く増員できる人材獲得力でコンサルタントを今後も供給へ
当社の成⾧戦略は「案件獲得」と「人材獲得」の2軸で構成される。案件獲得では、営業チーム増員と提携先との業務提携を推進し、営業専任者による新規開拓とパートナー企業との協業で、幅広い案件の受託体制を整え需要を創造する。供給面で特に重要な人材においては、熟練採用者や代表が積極的に採用に関わり、2024年3月期に46名の採用を実現、103名体制を確立。人材エージェント、ダイレクトリクルーティング、メディア戦略など多様なチャネルを活用し人材確保を進めるとともに、研修や資格支援制度も整備し、コンサルタントの成⾧を後押ししている。財務面では2023年5月に約5億円を調達し、人材確保や教育に充当。安定した資金調達で財務基盤も強化し、持続的成⾧を目指している。IT業界や大手コンサルティングファームの出身者は、大手企業を顧客とする際、しばしば組織の一歯車に留まる。しかし、Def consultingではミッドキャップ企業を相手にすることで、コンサルタントが経営者目線で業務にあたる機会を得られる点が大きな魅力となっている。この特徴が、当社の会社規模に対して多くのコンサルタント人材の採用を促していると考えられる。
コンサルタント1人の売上高2,000万円×100名=20億円の売上
すでに示した4社の一人当たりの売上高を見ると最低2,000万円は獲得、100名であればフル稼働すれば20億円、500名体制になれば100億円の売上となる。このような認識のもと、コンサルタントの採用が⾧期的に持続するとの前提で、2035年3月期までに売上高はCAGRで42.6%成⾧、ROICは営業利益率が、4社の平均的な20%が達成される前提で2024年12月期の会社計画ベースで-157.5%から、2034年12月期には60.4%へと上昇すると予想した。WACCは10.2%で一定で推移するという前提にした。この前提によって株価推計した結果、10年分の成⾧価値を織り込めば株主価値は155.3億円、株価は11/01終値の8.8倍の521円となる。詳細は「財務モデルの詳細」等を参照されたい。
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