米FOMC開催前の株価の動き出しはあるか?

2023/03/03

「月またぎ」で3月相場入りとなった今週の国内株市場ですが、ここ数週間の値動きが示してきたように、日経平均が27,500円、TOPIXが2,000pといった株価水準の節目を意識した展開となっています。とりわけ、日経平均については1月下旬より1カ月以上もこの状態が続いています。

その一方で、米国株市場については、先週あたりから売りに押される場面が増え、NYダウやNASDAQなどの指数が株価水準を一段階切り下げる値動きとなっています。相場の下振れ警戒は燻っていますが、テクニカル分析的にはNYダウ・NASDAQともに200日移動平均線がサポートとして注目されるなど、まだ相場は崩れてはいないと思われます。

米国のインフレ動向と景気のスピード感、それに対する金融政策への思惑という基本的な相場の視点は変わっていないのですが、2月以降に米国で公表された経済指標の結果が強いものが多かったため、年初からの株高の原動力となっていた「そこそこの景気後退とインフレ鈍化による、早期の米金融政策の利下げ」期待に揺らぎが生じ、次の展開を探っている局面にあると思われます。

次回の米FOMC(連邦公開市場委員会)は3月21日~22日にかけて開催されますが、その前に、来週末の10日に米2月雇用統計、再来週の14日に2月消費者物価指数(CPI)、15日に2月小売売上高といった注目度の高い経済指標の公表が控えています。

こうしたスケジュール感に沿うならば、来週以降の米経済指標の動向を見極めつつ、FOMCの結果を見極めて株式市場が大きく動くというシナリオが想定されるわけですが、FOMCが開催される2週間前の土曜日(11日)あたりから「ブラックアウト期間」に入ります。

ブラックアウト期間とは、金融政策決定会議に参加するメンバーが発言を控える期間なのですが、昨年あたりから、このブラックアウト期間中にWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)などのメディアを通じて、金融政策をめぐる観測リーク記事が報じられて、FOMCが開催される前に株式市場が大きく動くケースが増えています。

そのため、株価が「次の展開」を迎えるのは来週末あたりからになるかもしれません。

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